スロアク宿題 ― 2014年04月09日 13:53
スロアク宿題
浮沈子がオーナーになってから、500Eのメンテナンスでずーっと宿題になっていたスロットルアクチュエーターの交換を行うことにした。
現状で、作動に不満はないのだが、故障履歴に載っているのと、そろそろ変え時ということで、やってしまおうと思った。
電動ファンと、エアコンのコンプレッサーは、前回からの宿題である。
夏に向かって、悪いところは直しておかないと・・・。
(見積書)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/07/04/
リンクは悉く切れている。
(スロットルアクチュエターのオーバーホール)
http://mercedesbenznetcom.blog81.fc2.com/blog-entry-423.html
途中まではワイアーで動くが、後はステッピングモーターで動かす。
電気信号も出しているので、実際オーバーホールなんか出来ない。
ステッピングモーターは耐熱専用部品である。
交換しかないのだ。
何かあったときのために、ワイヤーは新品にした。
保険のようなもので、とりあえず修理工場まで自走できればいいというものだった。
EZLもやりたいのだが、値段が高いので踏み切れない。
これは、突然死するらしく、予兆がない。
3000時間でイカレるといわれており、浮沈子の500Eも、いつ往ってもおかしくない。
そのほかにも、行灯のようになってきたヘッドライトや、300Eに比べて狭くなったトランクルームを占有しているCD式のカーナビも整理しておきたい。
このクルマは、完全な実用車であり、乗ってなんぼ、走ってなんぼの車である。
走行距離よりも、今までに何を交換してきたかという履歴こそが重要なのだ。
そりゃあ、100万キロ超えてる個体とかは別だろうが、20万キロ超えはザラだ。
30万キロを超えた個体も珍しくはない。
全く問題なく走る。
メンテナンスさえしてやれば、どこまでも走る。
未だに12万キロしか走っていない浮沈子のクルマは、ひよっこのようなもんだな。
今日、J-AUTOさんで修理点検の打ち合わせをする。
この個体は、素性のハッキリした何の問題もない、いいクルマである。
長く乗れる個体だ。
浮沈子が乗れるうちに手放すことはないと思うが、乗れなくなったら譲るしかない。
次の幸せなオーナーに喜んで乗ってもらえるように、よく整備しておきたいものだ。
現代の車は、もっともっと性能が良く、スピードも出て乗り心地もいい。
そのように設計され、そのように作られ、そのように走る。
そうして、10年、20年が経って、中古車としてもうま味がなくなり、あちこちの部品が壊れ、修理が効かなくなって廃車になる。
その頃、浮沈子の500Eは、きっとまだ走っているに違いない。
足回りのブッシュを交換し、コンパニオンプレートを交換し、スロットルアクチュエーターを交換し、ATをオーバーホールし、エンジンをオーバーホールして、まだまだ余裕で走っているに違いない。
もちろん、その頃の新車は、ガソリンなどというエコでない燃料は使わず、モーターで走り、全自動運転さえ当たり前になっているに違いない。
ガソリンスタンドは、今の充電スタンドほどの数になって、都内でも数か所しかないかもしれない。
税金高く、一部のマニアにだけ愛好される、クラシックカーの部類だ。
しかし、なぜか、乗り心地良く、なぜか、人間の波長に合い、長距離を乗って疲れない不思議なクルマとして乗り続けられているだろう。
何の変哲もない、鉄とガラスと樹脂とゴムとで作られた、20世紀の機械である。
そのころのメーカーの担当者が、きっと不思議に思うだろう。
電子制御された足回りでもなく、なんでこんなに人に優しいのか。
4速オートマチックは、通常2速発進で実質3速なのに、なんでこんなに気持ち良く加速していくのか。
V8で5リッターもあるエンジンという奇妙な代物は、モーターでもないのにどうしてこんなにもスムーズに低速トルクを出すことが出来るのか。
ポルシェが絡んだという伝説は、本当なのか。
いや、逆にベンツのATが、ポルシェ928に積まれていたというのは本当なのか(ホントです)。
(1977年)
http://homepage2.nifty.com/prism11/porsche928database.htm
「1971年末、928の開発スタート、ウォルフガンク・メビウスがデザイナーを担当。この当時のチーフデザイナーはアナトール・ラピーヌ。
・928 開発計画は1971年末頃から (*B10P116)。
・928 924の発展型。4.5Lメルセデスエンジン付き928の噂あり(*B1-1977P30)。
・928 77年には100パーセント自社設計の928を発表(*B1-1978P138)
・928 1977年発表(*B1-1980P135)。
・928 「'77年にはV8の928が登場」「全部ポルシェオリジナル」「総アルミV8」(*B1-1983P132)
・928 1977年3月登場(*B1-1993P130)。3ATはメルセデス・ベンツ製(*B1-1993P134)。
・928 1977年発表(*B1-1994P138)
・928 1977年春発表 (*B10P116)、1978年生産開始(*B10P246)
・928 1977年3月ジュネーヴ・サロンにて発表、1978年モデルとして1977年秋から販売開始(*B14P184~P187)。当時4.5リッターV8と聞いてダイムラー・ベンツ製と考えた人もいたが、それは事実と異なる(*B14P187)。重量配分は51/49(*B14P187)。3ATはダイムラー・ベンツ製(*B14P187)。」
「*B10は「われらがポルシェ ポルシェ何でも事典」講談社による。△11:4MTとのデータは明らかな誤植のため無視した (*B10P246)。1977年が240HP、1978年が230HPとするが、1977年は日本未輸入のため欧州仕様、1978年は日本仕様のデータとして扱った (*B10P246)。」
3ATはメルセデス・ベンツ製と明記されている。
ポルシェが作ったベンツといわれる500E。
逆だったら売れないといわれたが、ベンツだって、ポルシェに供給してたわけだ(だから、928は売れなかったのかあ?)。
まあいい。
未来の自動車メーカーの技術者は、ATなどというデバイスは関係ないもの。
自動車の動力源はモーターであり、特殊な重機以外は、エンジンなんてものは積んでいないだろう。
それも、発電するために最も効率の良い回転域で運転するために、変速機などという変則なものは必要ないのだ(なんちゃって!)。
まあ、どうでもいいんですが。
500Eは、不思議なクルマである。
誰もが笑みを漏らす。
笑っちゃうくらい気持ちいいのだ。
その走りを、油圧やリンケージや、ガス液式リアダンパーとか、ゴムの捩れ、金属の捩れなど、まあ、スロアクのように一部電気信号とコンピューターが噛んではいるが、概ね機械の仕組みで作り上げている。
固い部品と柔らかい部品の特性を組み合わせて、材料を吟味してクルマという総合機械を纏め上げる。
未来の車は、20世紀の機械たちが作り上げた職人技のようなインテグレーションを、プログラムとアクチュエーターで実現する。
ベースとなるボディは、たぶんカーボン強化樹脂に取って代わられるだろう。
そうして、新しい500Eのようなクルマが、インスタントに生まれてくる。
それは、確かに乗り心地良く、運転して楽しく、気持ちのいいクルマになるだろう。
人間の感覚に寄り添い、環境にも優しく、時代に即したクルマになるに違いない。
しかし、そのクルマの価値とは何だろう?。
限られた材料を使い、当時のデバイスを組み合わせて作り上げた総合技術の妙は、そこにはない。
アクチュエーターを動かして模倣した特性は、仮想化された世界に過ぎない。
それが悪いとはいわないが、本物の動き、物理の法則に従った動きではない。
まあ、エンジンについては、500Eだって、スロアクで仮想化してるわけだし・・・。
機械の王国を築き上げた20世紀の偉大なるクルマである。
浮沈子の92年型日本仕様車は、22年目の春を迎えた。
整備の宿題を少しずつ片付けながら、良い状態で走りたい。
それが、この稀有なクルマを世に出した技術者たちへの恩返しである。
浮沈子がオーナーになってから、500Eのメンテナンスでずーっと宿題になっていたスロットルアクチュエーターの交換を行うことにした。
現状で、作動に不満はないのだが、故障履歴に載っているのと、そろそろ変え時ということで、やってしまおうと思った。
電動ファンと、エアコンのコンプレッサーは、前回からの宿題である。
夏に向かって、悪いところは直しておかないと・・・。
(見積書)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/07/04/
リンクは悉く切れている。
(スロットルアクチュエターのオーバーホール)
http://mercedesbenznetcom.blog81.fc2.com/blog-entry-423.html
途中まではワイアーで動くが、後はステッピングモーターで動かす。
電気信号も出しているので、実際オーバーホールなんか出来ない。
ステッピングモーターは耐熱専用部品である。
交換しかないのだ。
何かあったときのために、ワイヤーは新品にした。
保険のようなもので、とりあえず修理工場まで自走できればいいというものだった。
EZLもやりたいのだが、値段が高いので踏み切れない。
これは、突然死するらしく、予兆がない。
3000時間でイカレるといわれており、浮沈子の500Eも、いつ往ってもおかしくない。
そのほかにも、行灯のようになってきたヘッドライトや、300Eに比べて狭くなったトランクルームを占有しているCD式のカーナビも整理しておきたい。
このクルマは、完全な実用車であり、乗ってなんぼ、走ってなんぼの車である。
走行距離よりも、今までに何を交換してきたかという履歴こそが重要なのだ。
そりゃあ、100万キロ超えてる個体とかは別だろうが、20万キロ超えはザラだ。
30万キロを超えた個体も珍しくはない。
全く問題なく走る。
メンテナンスさえしてやれば、どこまでも走る。
未だに12万キロしか走っていない浮沈子のクルマは、ひよっこのようなもんだな。
今日、J-AUTOさんで修理点検の打ち合わせをする。
この個体は、素性のハッキリした何の問題もない、いいクルマである。
長く乗れる個体だ。
浮沈子が乗れるうちに手放すことはないと思うが、乗れなくなったら譲るしかない。
次の幸せなオーナーに喜んで乗ってもらえるように、よく整備しておきたいものだ。
現代の車は、もっともっと性能が良く、スピードも出て乗り心地もいい。
そのように設計され、そのように作られ、そのように走る。
そうして、10年、20年が経って、中古車としてもうま味がなくなり、あちこちの部品が壊れ、修理が効かなくなって廃車になる。
その頃、浮沈子の500Eは、きっとまだ走っているに違いない。
足回りのブッシュを交換し、コンパニオンプレートを交換し、スロットルアクチュエーターを交換し、ATをオーバーホールし、エンジンをオーバーホールして、まだまだ余裕で走っているに違いない。
もちろん、その頃の新車は、ガソリンなどというエコでない燃料は使わず、モーターで走り、全自動運転さえ当たり前になっているに違いない。
ガソリンスタンドは、今の充電スタンドほどの数になって、都内でも数か所しかないかもしれない。
税金高く、一部のマニアにだけ愛好される、クラシックカーの部類だ。
しかし、なぜか、乗り心地良く、なぜか、人間の波長に合い、長距離を乗って疲れない不思議なクルマとして乗り続けられているだろう。
何の変哲もない、鉄とガラスと樹脂とゴムとで作られた、20世紀の機械である。
そのころのメーカーの担当者が、きっと不思議に思うだろう。
電子制御された足回りでもなく、なんでこんなに人に優しいのか。
4速オートマチックは、通常2速発進で実質3速なのに、なんでこんなに気持ち良く加速していくのか。
V8で5リッターもあるエンジンという奇妙な代物は、モーターでもないのにどうしてこんなにもスムーズに低速トルクを出すことが出来るのか。
ポルシェが絡んだという伝説は、本当なのか。
いや、逆にベンツのATが、ポルシェ928に積まれていたというのは本当なのか(ホントです)。
(1977年)
http://homepage2.nifty.com/prism11/porsche928database.htm
「1971年末、928の開発スタート、ウォルフガンク・メビウスがデザイナーを担当。この当時のチーフデザイナーはアナトール・ラピーヌ。
・928 開発計画は1971年末頃から (*B10P116)。
・928 924の発展型。4.5Lメルセデスエンジン付き928の噂あり(*B1-1977P30)。
・928 77年には100パーセント自社設計の928を発表(*B1-1978P138)
・928 1977年発表(*B1-1980P135)。
・928 「'77年にはV8の928が登場」「全部ポルシェオリジナル」「総アルミV8」(*B1-1983P132)
・928 1977年3月登場(*B1-1993P130)。3ATはメルセデス・ベンツ製(*B1-1993P134)。
・928 1977年発表(*B1-1994P138)
・928 1977年春発表 (*B10P116)、1978年生産開始(*B10P246)
・928 1977年3月ジュネーヴ・サロンにて発表、1978年モデルとして1977年秋から販売開始(*B14P184~P187)。当時4.5リッターV8と聞いてダイムラー・ベンツ製と考えた人もいたが、それは事実と異なる(*B14P187)。重量配分は51/49(*B14P187)。3ATはダイムラー・ベンツ製(*B14P187)。」
「*B10は「われらがポルシェ ポルシェ何でも事典」講談社による。△11:4MTとのデータは明らかな誤植のため無視した (*B10P246)。1977年が240HP、1978年が230HPとするが、1977年は日本未輸入のため欧州仕様、1978年は日本仕様のデータとして扱った (*B10P246)。」
3ATはメルセデス・ベンツ製と明記されている。
ポルシェが作ったベンツといわれる500E。
逆だったら売れないといわれたが、ベンツだって、ポルシェに供給してたわけだ(だから、928は売れなかったのかあ?)。
まあいい。
未来の自動車メーカーの技術者は、ATなどというデバイスは関係ないもの。
自動車の動力源はモーターであり、特殊な重機以外は、エンジンなんてものは積んでいないだろう。
それも、発電するために最も効率の良い回転域で運転するために、変速機などという変則なものは必要ないのだ(なんちゃって!)。
まあ、どうでもいいんですが。
500Eは、不思議なクルマである。
誰もが笑みを漏らす。
笑っちゃうくらい気持ちいいのだ。
その走りを、油圧やリンケージや、ガス液式リアダンパーとか、ゴムの捩れ、金属の捩れなど、まあ、スロアクのように一部電気信号とコンピューターが噛んではいるが、概ね機械の仕組みで作り上げている。
固い部品と柔らかい部品の特性を組み合わせて、材料を吟味してクルマという総合機械を纏め上げる。
未来の車は、20世紀の機械たちが作り上げた職人技のようなインテグレーションを、プログラムとアクチュエーターで実現する。
ベースとなるボディは、たぶんカーボン強化樹脂に取って代わられるだろう。
そうして、新しい500Eのようなクルマが、インスタントに生まれてくる。
それは、確かに乗り心地良く、運転して楽しく、気持ちのいいクルマになるだろう。
人間の感覚に寄り添い、環境にも優しく、時代に即したクルマになるに違いない。
しかし、そのクルマの価値とは何だろう?。
限られた材料を使い、当時のデバイスを組み合わせて作り上げた総合技術の妙は、そこにはない。
アクチュエーターを動かして模倣した特性は、仮想化された世界に過ぎない。
それが悪いとはいわないが、本物の動き、物理の法則に従った動きではない。
まあ、エンジンについては、500Eだって、スロアクで仮想化してるわけだし・・・。
機械の王国を築き上げた20世紀の偉大なるクルマである。
浮沈子の92年型日本仕様車は、22年目の春を迎えた。
整備の宿題を少しずつ片付けながら、良い状態で走りたい。
それが、この稀有なクルマを世に出した技術者たちへの恩返しである。
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