地球外生命探査の矛盾2018年03月02日 14:31

地球外生命探査の矛盾


NASAは、惑星探査(衛星探査含む)において、探査対象の天体を地球生命で汚染しないようにするためのガイドラインを持っているようだ。

火星を例に取ると、現在、生物がいそうな地域は避けて、過去に生命がいたかもしれない地域を選んで探査機を降ろしているんだそうだ。

しかし、そういうガイドラインを守っているだけでは、十分な探査は行えないし、生(なま)の生命(化石とかではない)の発見の確率は下がる。

探査機を、完全無欠に滅菌できればいいが、事実上、非常に困難だ。

この状態は、行き止まり感が強く、どこかでブレークスルーしない限り、地球外生命の発見を目的とする惑星探査は近いうちに限界に達する。

見つけるためには、探査機にくっついている地球生命の汚染リスクを、ある程度認めなければならない。

昨年、NASAが募集した惑星保護官というのがあって、その新たな保護官に就任したリサ・プラット氏が、そのような趣旨の講演をしたことが報じられている。

(WHAT ARE SOME OF THE OBSTACLES TO NASA’S EFFORTS TO FIND LIFE ON MARS?)
http://www.spaceflightinsider.com/sponsored-content/obstacles-nasas-efforts-find-life-mars/

「Signaling a change of policy, however, Pratt now says that some level of contamination will have to be accepted if we are to explore the regions of Mars most likely to support life and that this should not prevent robotic exploration of the planet in the near future.」(しかし、政策の変化を伝えているPrattは、生命を支える可能性が最も高い火星の地域を探索し、近い将来にロボット探査を妨げないようにするためには、あるレベルの汚染が容認されなければならないと述べている。:自動翻訳のまま:以下同じ)

(NASA planetary protection officer suggests loosening limits on exploring Mars for life:追加)
http://www.sciencemag.org/news/2018/02/nasa-planetary-protection-officer-suggests-loosening-limits-exploring-mars-life

「It is really nice hearing that the new [planetary protection officer] starts her tenure with NASA announcing what can only be interpreted as the inception of a very interesting and most needed change in the Mars planetary protection philosophy thus far,no more and no less.」(新しい[惑星保護官]がNASAとの任期を開始したことは本当にうれしいことです。これまでのところ、火星の惑星保護哲学における非常に興味深く最も必要な変化の始まりと解釈されるものを発表しました。)

そう、惑星保護官は、許容する汚染のレベルに関するコンセンサスを得るための調整役なわけだ。

今後、サンプルリターンとかが行われるようになれば、その調整は難しいものになる可能性があるしな。

月や小惑星辺りなら、あんま、問題ないのかもしれない。

惑星保護については、ウィキにも記事がある。

(Planetary protection)
https://en.wikipedia.org/wiki/Planetary_protection

まあ、人間の浅知恵だからな。

きっと、裏切られることになると思うが、何もないよりはいい。

本当に汚染したくなければ、探査しないという選択肢しかないわけだからな。

NASAは、今まで惑星保護の基準を厳格に守ってきたわけで、現場からは、もっと基準を緩めて欲しいという要望が出てるんだろう。

惑星保護官の交代を機に、その辺の微妙な頃合いが、一気に変わる予兆を感じさせる。

イーロンマスクとかは、火星の極地域に核爆弾落とすとか言ってるしな。

(火星への核攻撃は人類を救う?)
http://elon.jp/20150923233615/

「イーロン・マスクによると、火星のテラフォーミングには「ゆっくりやる方法」と「急いでやる方法」の2つがあるそうです。そのうち、彼の提案した「急いでやる方法」はじつに驚くべきものでした。」

「原子爆弾を(火星の)極地に投下することですね。」

まあ、こういう状況の中では、納豆(枯草菌の一種による発酵食品)が付いた探査機を着陸させるくらいは、どうということはないかもしれない。

余談だが、細菌の中には放射線や乾燥に強いのもいる。

(デイノコッカス・ラディオデュランス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9

「10Gy(グレイ)の放射線でヒトを、60Gyの放射線で大腸菌を殺すことができるが、D. radioduransは5,000Gyを浴びても死滅せず、15,000Gyでも37%は生き残る。」

「また放射線だけではなく高温、低温、乾燥、低圧力、酸の環境下にも耐えることができる。」

こんなのくっ付けてったら、火星でも、十分生き延びられるかもしれない。

火星でも、仕込みが行われつつある。

どんな結果になるのかな。

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