リュウグウってどっち?2018年03月02日 00:03

リュウグウってどっち?
リュウグウってどっち?


はやぶさ2プロジェクトについて、浮沈子的にはあまり興味がない。

そもそも、小惑星だからな、目的地が。

これが、エウロパとか、エンケラドゥスで、サンプルリターンするなら、話は別だがな。

浮沈子の持論である、地球外生命なんているわけないというのが、ひっくり返されることになるかもしれないからな。

妨害工作くらい、やりかねない・・・。

リュウグウ(162173 Ryugu)は、アポロ群ということで、ほぼ地球と同じ公転軌道を回るご近所の小惑星だ。

(リュウグウ (小惑星))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%A6_(%E5%B0%8F%E6%83%91%E6%98%9F)

「アポロ群に分類される地球近傍小惑星の一つ」

(アポロ群)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E7%BE%A4

「地球より大きな軌道長半径を持つ地球横断小惑星」

今回の探査では、太陽を挟んで地球と反対側辺りで会合するから、距離的には3億kmくらいになる。

ちなみに、現在の距離とかは、このページで確認できる。

(JAXAはやぶさ2プロジェクト)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

で、最近、ターゲット天体であるリュウグウの撮影に成功したというプレス発表があった。

(小惑星探査機「はやぶさ2」小惑星リュウグウの撮影に成功)
http://www.jaxa.jp/press/2018/03/20180301_hayabusa2_j.html

「今回の撮影にははやぶさ2に搭載されている光学航法望遠カメラ(ONC-T)を使用しました。」

(「はやぶさ2」がリュウグウの撮影に
成功しました:元記事)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180301/

ちょっと気になる記述があった。

「「はやぶさ2」は現在、イオンエンジンの運用を行っています。上の図のような位置に探査機がいると、探査機の姿勢をイオンエンジン噴射姿勢からあまり変更せずにリュウグウへONC-Tを向けることができます。そのため、このタイミングでリュウグウの撮影を試みました。」

プレスの記事に添付されていた図では、ONC-Tがどっち向きについているかがわかりづらかったので、このページで確認する。

(「はやぶさ2」リモートセンシング機器:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=iaECY5KpmGc

視野角が6.35度と狭いので、機体を傾けてカメラの向きを進行方向に向けてやる必要がある。

画像で分かるように、イオンエンジンの噴出方向と直角を成す方向なので、はやぶさ2の機体を90度傾ける必要があるな。

その間は、イオンエンジンを止めるかしないといけないんだろうか?。

吹かしっぱなしでマニューバするのか。

(こちら「はやぶさ2」運用室:No.4)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151124/

「はやぶさ2は姿勢制御のためのリアクションホイールを4個搭載しています。」

記事中のTCMについては、この記事に説明がある。

(こちら「はやぶさ2」運用室:No.1)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151101/

「TCMとはTrajectory Correction Maneuverの略で,「はやぶさ2」を,正確に地球スイングバイをさせるための軌道修正のことを言います.」

まあ、地球スイングバイに限らんけどな。

別のページでは、イオンエンジンが3台稼働したともある。

(アーカイブ 運用状況報告:2018/02/20)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/operation/

「本日(2018年2月20日)の12時(日本時間)から、イオンエンジンをこれまでの2台運転から3台運転に変更しました。イオンエンジンA、C、Dの同時運転です。」

既に、A、Dの2台を使っての第3期(往路最終)イオンエンジンの連続加速には、今年の1月10日から入っている。

これらを読んでも、どういう風にマニューバしたのかは分からない。

3台フル運転(1台は予備)のまま、撮影のために向きだけ短時間変えたのかもしれない(そうなのかあ?)。

まあいい。

さっき見たら、もう、120万kmくらいになっていた。

30億km近くを旅しての、最後の段階だという。

6月に到着して、しばらくは周囲を回りながらの観測になるらしい。

どこに着陸して、サンプリングするかを決めなければならないしな。

前回ドジった着陸機(ミネルバ)の再挑戦もある。

今回は、ミネルバ2(ローバー1A、1B、ローバー2の計3台)と、小型着陸機(MASCOT)の合計4台が着陸に挑む。

(「はやぶさ2」機器の概要)
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/instruments.html

「小型ローバ(MINERVA-II)」

「小型着陸機(MASCOT)」

浮沈子的には、あまり興味が湧かない。

ショボイ小惑星に行ったところで、何か画期的な発見が期待できるわけではない(そうなのかあ?)。

宇宙人が落としたペンダントを見つけたとか、そういう度肝を抜くイベントはないだろうしな(宇宙人がペンダントするかあ?)。

本体からの分離ものとしては、着陸機のほかに、分離カメラもある。

「分離カメラ(DCAM3)」

「衝突装置(SCI)による衝突実験の際、母船「はやぶさ2」は破片やダストを避けて小惑星の影に退避します。DCAM3は、母船が退避中にSCIの爆破と小惑星表面への衝突を撮影するため、分離される小型カメラです。
撮像した画像データはリアルタイムで母船に無線で送られます。
衝突実験の退避中に、小惑星表面をちょうど横から見えるような位置で分離されます。
低分解能なかわりにリアルタイムで映像を送れるアナログカメラと、高分解画像をデジタル通信するデジタルカメラの2台が内蔵されています。
母船が10km以上離れても無線で画像を送ることができます。」

母船が避難しているときに、分離して撮影するわけだから、危険は承知の上だ。

爆発で飛び散った破片の直撃を食らえばひとたまりもあるまい。

吹っ飛ばされながら、高分解画像をデジタル通信して、10km離れるまでに可能な限りの通信を行うわけだ。

低解像度アナログ画像は、リアルタイムで送れるけどな。

この間のオペレーションは、事前の設定により自動で行われるんだろう。

通信のタイムラグは、片道約1000秒(16分以上)だからな。

地球からコントロールするわけにはいかない。

実施のコマンドを送ったら、祈るしかないわけだ。

やれやれ・・・。

それは、たぶん、来年になるだろうから、そのころまでには、また、このブログで取り上げることになるだろう。

とりあえず、このまままっすぐ行けば、目的地に着きそうなことが確認できたわけで何よりだ。

地球外生命探査の矛盾2018年03月02日 14:31

地球外生命探査の矛盾


NASAは、惑星探査(衛星探査含む)において、探査対象の天体を地球生命で汚染しないようにするためのガイドラインを持っているようだ。

火星を例に取ると、現在、生物がいそうな地域は避けて、過去に生命がいたかもしれない地域を選んで探査機を降ろしているんだそうだ。

しかし、そういうガイドラインを守っているだけでは、十分な探査は行えないし、生(なま)の生命(化石とかではない)の発見の確率は下がる。

探査機を、完全無欠に滅菌できればいいが、事実上、非常に困難だ。

この状態は、行き止まり感が強く、どこかでブレークスルーしない限り、地球外生命の発見を目的とする惑星探査は近いうちに限界に達する。

見つけるためには、探査機にくっついている地球生命の汚染リスクを、ある程度認めなければならない。

昨年、NASAが募集した惑星保護官というのがあって、その新たな保護官に就任したリサ・プラット氏が、そのような趣旨の講演をしたことが報じられている。

(WHAT ARE SOME OF THE OBSTACLES TO NASA’S EFFORTS TO FIND LIFE ON MARS?)
http://www.spaceflightinsider.com/sponsored-content/obstacles-nasas-efforts-find-life-mars/

「Signaling a change of policy, however, Pratt now says that some level of contamination will have to be accepted if we are to explore the regions of Mars most likely to support life and that this should not prevent robotic exploration of the planet in the near future.」(しかし、政策の変化を伝えているPrattは、生命を支える可能性が最も高い火星の地域を探索し、近い将来にロボット探査を妨げないようにするためには、あるレベルの汚染が容認されなければならないと述べている。:自動翻訳のまま:以下同じ)

(NASA planetary protection officer suggests loosening limits on exploring Mars for life:追加)
http://www.sciencemag.org/news/2018/02/nasa-planetary-protection-officer-suggests-loosening-limits-exploring-mars-life

「It is really nice hearing that the new [planetary protection officer] starts her tenure with NASA announcing what can only be interpreted as the inception of a very interesting and most needed change in the Mars planetary protection philosophy thus far,no more and no less.」(新しい[惑星保護官]がNASAとの任期を開始したことは本当にうれしいことです。これまでのところ、火星の惑星保護哲学における非常に興味深く最も必要な変化の始まりと解釈されるものを発表しました。)

そう、惑星保護官は、許容する汚染のレベルに関するコンセンサスを得るための調整役なわけだ。

今後、サンプルリターンとかが行われるようになれば、その調整は難しいものになる可能性があるしな。

月や小惑星辺りなら、あんま、問題ないのかもしれない。

惑星保護については、ウィキにも記事がある。

(Planetary protection)
https://en.wikipedia.org/wiki/Planetary_protection

まあ、人間の浅知恵だからな。

きっと、裏切られることになると思うが、何もないよりはいい。

本当に汚染したくなければ、探査しないという選択肢しかないわけだからな。

NASAは、今まで惑星保護の基準を厳格に守ってきたわけで、現場からは、もっと基準を緩めて欲しいという要望が出てるんだろう。

惑星保護官の交代を機に、その辺の微妙な頃合いが、一気に変わる予兆を感じさせる。

イーロンマスクとかは、火星の極地域に核爆弾落とすとか言ってるしな。

(火星への核攻撃は人類を救う?)
http://elon.jp/20150923233615/

「イーロン・マスクによると、火星のテラフォーミングには「ゆっくりやる方法」と「急いでやる方法」の2つがあるそうです。そのうち、彼の提案した「急いでやる方法」はじつに驚くべきものでした。」

「原子爆弾を(火星の)極地に投下することですね。」

まあ、こういう状況の中では、納豆(枯草菌の一種による発酵食品)が付いた探査機を着陸させるくらいは、どうということはないかもしれない。

余談だが、細菌の中には放射線や乾燥に強いのもいる。

(デイノコッカス・ラディオデュランス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9

「10Gy(グレイ)の放射線でヒトを、60Gyの放射線で大腸菌を殺すことができるが、D. radioduransは5,000Gyを浴びても死滅せず、15,000Gyでも37%は生き残る。」

「また放射線だけではなく高温、低温、乾燥、低圧力、酸の環境下にも耐えることができる。」

こんなのくっ付けてったら、火星でも、十分生き延びられるかもしれない。

火星でも、仕込みが行われつつある。

どんな結果になるのかな。