素人には分かり辛い太陽探査機のあれこれ2020年02月11日 02:35

素人には分かり辛い太陽探査機のあれこれ
素人には分かり辛い太陽探査機のあれこれ


先に結論を言うと、ソーラーオービターの打ち上げは無事に完了した。

(太陽観測衛星「ソーラー・オービター」、打ち上げ成功)
https://sorae.info/space/20200211-solar-orbitar-launched.html

「太陽電池パネルが正常に展開されたことを示す信号がドイツの運用センターで受信されました。」

この探査機が何者なのかは、以前の記事に詳しい。

(NASAの太陽観測衛星、打ち上げを2月10日に延期)
https://sorae.info/space/20200209-solar-orbitar-launch-delayed.html

「ソーラー・オービターは打ち上げから7年の間に、地球・太陽間の距離の約3分の2のところまで太陽に近づき、問題を解く鍵となる太陽の北極と南極を観測します。」

「ソーラー・オービターが最初に太陽に近づくのは2021年11月となる予定です。」

7年に渡り観測を行い、その観測結果を検討して成果が上がるのは当分先ということになる。

でもって、そのころになると、新たに分かったことよりも、新たに生じた疑問の方が多くなっちまって、新しい太陽探査機を打ち上げなければ解決できない状況になっているわけだな。

んでもって、また、新しい探査機を打ち上げるんだろうが、そうすると再び新たに分かったことよりも、新たに生じた疑問の方が多くなっちまって、また、新しい太陽探査機を打ち上げなければ解決できない状況になっちまう・・・。

地球周回軌道上の衛星が混雑して問題になっているけど、そのうち、太陽周回軌道の探査機が増えて、新たな問題になるんじゃなかろうか。

1万年くらい先には、放っておいてもダイソン球が出来てたりするかもな。

まあ、どうでもいいんですが。

ソーラーオービターについては、ウィキにも記述がある。

(ソーラー・オービター)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%BC

「搭載する観測機器:()内は英語版を参考に浮沈子が追加
(探査機の周りの様子を調べる機器)
・太陽風分析器(SWA:英国)
・エネルギー粒子検出器(EPD:スペイン)
・磁気計(MAG:英国)
・電波・プラズマ波分析器(RPW:フランス)」

「(太陽自身を直接観測する機器:パーカーソーラープローブにはないと、担当の科学者がエラソーに自慢している機器:そうなのかあ?)
・偏光・日震撮像装置(PHI:ドイツ)
・高解像度撮像装置(EUI:ベルギー)
・スペクトル撮像装置(SPICE:フランス)
・X線分光計/望遠鏡(STIX:スイス)
・コロナグラフ(METIS:イタリア)
・太陽圏撮像装置(SoloHI:米国)」

太陽観測では、SOHOが老体に鞭打って頑張ってるし、接近観測ということなら一昨年飛ばしたパーカーソーラープローブがチリチリ焼けながら飛んでいる。

(SOHO (探査機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/SOHO_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)

「打上げ日時:1995年12月2日」

粘るよなあ・・・。

「軌道:太陽-地球のラグランジュ点(L1)を中心としたハロー軌道」

(パーカー・ソーラー・プローブ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%96

「打上げ日時:2018年8月12日」

「質量:685 kg」

「科学的目標:
・太陽風の元となる磁場の構造と変遷の測定
・コロナを熱するエネルギーの流れと太陽風の加速の追跡
・エネルギー性粒子の加速と運搬の仕組みの測定
・太陽周辺の多粒子プラズマ、その太陽風への影響、活発な粒子形成の探査」

後に引用する記事にも出て来るけど、パーカーソーラープローブには、太陽を直接観測する光学センサーみたいなものはない。

よそ見ばっかしているわけだな(そんなあ!)。

ソーラーオービターは、ちゃんと太陽自身を観測する。

まあ、あまり近寄らない(0.28天文単位)けど、特徴的な軌道を取る。

「ノミナル運用時の軌道傾斜角は25度であるが、ノミナル運用を終えて延長ミッションに入ると軌道傾斜角を34度にあげる予定。」(ソーラーオービターより:実際には、金星の重力使って、徐々に傾斜角を増やしていくようです)

黄道面から離れて、太陽の両極を観測する。

黄道面からの観測では、てっぺんとか底の方はよく分からないし、太陽近傍の空間の構造(磁気とかプラズマとか太陽風とか)を調べるには、極軌道に近づくのがいいらしい。

似たようなことを考えて、20世紀に飛ばした探査機がある。

(ユリシーズ (探査機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)

「打上げ日時:1990年10月6日」

「運用終了日:2009年6月30日」

木星まで行って軌道を変え(軌道傾斜角:80.2度)、太陽の真上と、真下を通るようにしたのはいいけど、あまりに軌道がデカすぎて、3周して息切れになった。

近日点も、地球と同じくらい程度(1.35 天文単位)で、遠すぎたからな。

21世紀の探査機としては、もちっと何とかしたいわけで、ソーラーオービターには、それなりの意義はあるんだろう。

(数十年、ソーラーオービターはケープカナベラルでランチャーに会う)
https://spaceflightnow.com/2020/02/01/decades-in-the-making-solar-orbiter-finally-meets-launcher-at-cape-canaveral/

「それはテラ・インコグニータになります」

アホな自動翻訳は、英語にイタリア語(?)が混じると翻訳放棄する。

terra incognita:未知の土地

まあいい。

「科学者は最初に1999年にソーラーオービターミッションのコンセプトを開発し、ESAは2000年に追加の研究のためにプロジェクトを承認しました。」

引用した記事のワケワカな標題は、この辺りのことを指している。

長年の夢が結実したわけだな。

打ち上げ質量は1750kg。

それ程大きいわけじゃない。

アトラスの仕様は411だ。

4mフェアリングに、セントール上段のエンジン1基に、固体燃料ブースター1本付け。

「ソーラーオービターはカメラと望遠鏡を搭載していますが、パーカーは太陽の近くを飛行するため、焼け付くような温度は敏感なイメージングセンサーを損傷または破壊する可能性があります。」

「ソーラーオービターは、パーカーよりも高い傾斜角で太陽を旋回し、太陽の極を見ることができます。」

「太陽の極の最初の見栄えは、太陽軌道が太陽系の惑星が位置する平面である黄道面に対して17度の角度の軌道に到達した2025年に始まります。」

「金星との繰り返しのフライバイは、惑星の重力のおかげで、プローブの傾き、または軌道の傾きを徐々にラチェットアップします。」

「2029年までに、ソーラーオービターの主要なミッションフェーズが終了した後、宇宙船は黄道面に対して33度以上傾いた軌道に置かれ、太陽の極をより良く見ることができます。」

記事には、ユリシーズのことも出てくる。

「1990年に打ち上げられたユリシーズプローブは、太陽の極域を初めて研究します。」

衛星を太陽の放射熱から保護する話とか、観測上のメリットなどがぐちゃぐちゃ書かれている。

正直、あまり関心がない。

軌道要素の異なる探査機を同時に飛ばすというのは、天文学者にとっては美味しい話なんだろうが、素人目にはもったいないような気もする(そうなのかあ?)。

オービター(探査機)と、プローブ(探査体)とか言って使い分けてもダメだ。

が、まあ、太陽周回探査機は少ない。

われわれが、直接観測することができる貴重な恒星であるにもかかわらず、細かいことはよく分っていない。

L1で頑張っているSOHOの代替機も考えなければならないしな。

「宇宙天気の要素全体が非常に重要になると思います。地球の環境や技術インフラだけでなく、宇宙飛行士を月や火星に送りたいときも、宇宙天気は非常に重要な要素です。」

太陽観測衛星のダイソン球が出来るのは、まだまだ先の話のようだ・・・。

検査なしで船から降ろすのはアリか2020年02月11日 10:40

検査なしで船から降ろすのはアリか
検査なしで船から降ろすのはアリか


(クルーズ船の一部乗客下船へ 新型肺炎で厚労省方針)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55496920R10C20A2CC1000/

「感染した場合のリスクが高い高齢者らについて、11日から一部を下船させ、国内の病院などに収容する方針を固めた。ウイルス検査を実施していないが、長期の船内待機を続けるのは困難と判断したとみられる。」

共同通信も、似たような内容を報じている。

検査なしかあ・・・。

船内の状況は、それ程までに切迫しているようだ。

新たな収容先の病院などで、ちゃんとした隔離が行われればいいだろうが、万一感染してたりしたら、病院内での感染の温床になりかねないからな。

少なくとも、武漢帰国者と同様の管理は必要だ。

毎日、ステーキ食ってられる身分から、不味い病院食に切り替わるわけだが、高齢者にとってはいいかも知れない。

シーツも変えてもらえず、清掃もしてもらえない状況下では、日常生活にも差し支えるだろう。

検疫法との絡みはどう解決するのかな。

まあいい。

優秀な官僚がいるだろうから、そこは辻褄合わせをするだろう。

正式の発表を行う前にリークしたということは、既に船内放送とかで流しているのかも知れない。

他にやることがない船客が、ネットにダダ洩れさせてるからな。

先日の6人感染騒ぎ(船内放送から、厚労省の正式発表まで8時間の遅延)とかあったからな。

3600人と言えば、町に近い規模の集団だからな(神奈川県では、5千人以上が「町」の人口要件)。

町内放送みたいなもんだ。

放送があれば、瞬く間に町の外にも発信されるし、正式に公表すれば船客にも伝わる。

発表のタイミングは難しい。

昨日の65人感染のニュースは、当初66人とされていたが、後に訂正された。

当局も、混乱しているんだろう。

船内の感染者以外の下船客(体調不良による)の人数も、9人から8人になったしな。

報道各社は、振り回されることになる。

当局は、船内の情報不足を解消するために、相対的に公式発表を遅らせているのではないかとさえ勘繰られる(そうなのかあ?)。

それとも、また何か企んでいるんだろうか?。

検査なしでの下船、新たな収容先での検疫の継続、公式発表前のリークによるサウンディング・・・。

まあいい。

中国からは、24日間の潜伏期間なんて話も出てるしな。

この先、どういう状況になるかは分からないが、北京入りしたWHOのチーム(今のところ、先遣隊だけみたいですが)からの報告次第では、潜伏期間の変更もあり得る。

あと1週間で降りられると思ったら、月末まで出られないという話が出る可能性もあるわけだ。

やれやれ・・・。

高齢者とか持病持ちといっても、半数はジジババ(70歳以上)だというからな。

2000人近いハイリスクグループを分散管理する方も大変だろう。

当局のお手並み拝見だが、検疫による防壁を崩さない大原則は守ってもらいたいもんだな。

それだけは、どんなことがあっても崩さない。

たとえ、2000人の犠牲者が出たとしても崩さない。

それが検疫というものだ。

国内での散発的な感染は、今のところ当局の有難い方針(湖北省との接点がなければ、検査もさせない!)によって、名目上隠蔽されているからな。

今朝のニュースでは、英国人のスーパースプレッダー(おそらく未発症)の話を報じている。

(英 仏 スペインの感染者10人 同一人物から感染か)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200211/k10012280761000.html

「イギリスやフランス、スペインで確認された合わせて10人の感染者が、いずれもフランスのリゾート地で同じイギリス人男性の感染者と接触していたと伝え、1人の感染者を通じて感染が拡大した可能性が指摘されています。」

「イギリス人男性の感染者はシンガポールでの国際会議に出席したあと、フランスのスキーリゾートに滞在」

我が国で同様の感染者がいたとしても、検査の対象にはならず、新型コロナとかではない、ウイルス性肺炎とかの診断が下り、見逃されてしまうわけだ。

「専門家は、当時まだ症状が出ていなかった1人の感染者を通して感染が拡大した可能性があると見ている」

第三国経由での無症候感染か(最悪・・・)。

シンガポールでの接触者は、おそらく辿りようもない(我が国の接触者もいたかもな:当然、発症しても新型コロナの検査はできない)。

手をこまねいているうちに、こうしたルートはますます増えていく。

クルーズ船などの閉鎖環境では、たった1人の感染者から、100人を超える感染が起こった。

まあ、感染源が香港からの船客だけと特定されているわけじゃないけどな。

迅速診断キットの開発には数か月かかるらしいから、例によって火が消えた後の消防車になりかねない(大火災になってからの消防車よりはいいけど)。

次回の流行には役に立てばいいか・・・。

今は持てる資源を最大限有効に活用しながら、トータルでの防疫を継続し、国内での蔓延突入まで(国家的隠ぺいがバレるまで?)の時間を稼ぐしかない。

中国国内の感染者の増加には、明らかにブレーキが掛かっている(中国本土で感染者42,268人)。

武漢市の感染者(18454人)が、ある程度重症化した患者に限られている状況は変わらないから、その外側の数字で見るしかないけど(湖北省感染者31728人)。

習近平が、北京の医療機関を視察した話も報じられた。

(中国 習主席 医療施設など視察 企業支援と雇用対策を強調)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200211/k10012280711000.html

「国営の中国中央テレビは習近平国家主席が10日、北京で感染した患者を治療する医療施設などを視察したと伝えました。」

雲隠れしていたような感じだったが、表に出てきたということは、そろそろ終息への手ごたえを感じているのではないか。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、我が国が門前で追い払ったクルーズ船ウエステルダムの行方が気になり続けている。

AISでは、まだ次の入港先が決まっていないようだが、位置情報によればタイのバンコクを目指しているようにも見える(タイは、感染者32人)。

初めのうちは、インドネシア(感染者ゼロ!)とかに行くかと思ってたんだが、タイはクルーズ船を受け入れた実績があるからな。

緩い検疫、安い物価、楽しい現地ツアーが期待できる(そうなのかあ?)。

うんざりした客は、空路で家路に着くことも可能だ。

当局が、どんな対応をするかに注目だな。

香港(感染者42人)では、あっという間に1800人の乗員だけ検疫して(ホントかあ?)、全員の下船を認めた。

あそこは、トレース不能の患者が出ちまってるからな。

れっきとした汚染国だ。

失うものは何もない(そんなあ!)。

我が国は、もうちっと粘らなくっちゃならない。

緊急対策とやらは、まだ発表されていない(あんま期待できないけどな)。

我々の安全安心のために、検疫下に置かれて辛い思いをしている人々に関心を寄せるのは当然だ。

早く解放されるに越したことはないが、まかり間違えば、ウイルス持ったまんま全世界に散らばることになる。

クルーズ船からの帰国者(我が国含めて)への万全の対応が必要だ。

我が国の検疫を解かれて、さらに帰国する際に母国で再検疫とかになったら悲劇だな・・・。

(ウエステルダム、タイ・レムチャバン港が受け入れ 2月13日に到着へ:追加)
https://funeco.jp/news/laem-chabang-port-in-thailand-accepts-westerdam/

「クルーズ客船「ウエステルダム」について、タイ・レムチャバン港へ寄港させると公表」

(レムチャバン港)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%90%E3%83%B3%E6%B8%AF

バンコクの近くの港だ。

「到着後、乗客はバンコクへ移動し、帰国」(隔離状態で直ちに移動か:検疫が必要なら帰国する先でやってくれという、現実的な対応?)

「2月1日(土)に香港を出発、フィリピン、台湾、日本でそれぞれ入港を拒否」

「グアムへの寄港の可能性も検討されたが、グアム政府が拒否」

グアムが汚染されたらミクロネシア連邦のアクセスは、ハワイからだけになっちまうからな。

「今回のクルーズの代金は全額払い戻しに応じるとしている。」

倍返しに相当するクーポン券(ダイヤモンドプリンセスでは出したらしい)の有無は書かれていない。

いずれにしても、入港地が見つかってよかったな・・・。

追加:
と思ったら、今見たニュースでは、タイも下船を認めないということになったようだ。

(タイ、ウェスターダムのクルーズ船を禁止)
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1855034/thailand-denies-westerdam-cruise-ship-entry-china-virus-toll-passes-1-000

「タイは、日本からのクルーズ船がレムチャバン港に乗客を降ろすことを許可しないと、アヌティン・チャーンビラクル公衆衛生大臣は火曜日に言いました。」

どーすんだろうな・・・。

船会社に、出すもの出せということなんだろうか?。

この記事の末尾には、例によって米国大統領の不規則発言も載っている。

「ドナルド・トランプ米国大統領は、米国の保健当局者が流行の軌跡についてコメントすることを警告しているにもかかわらず、暑い気候のために4月にアウトブレイクがなくなると予想すると述べた。」

んじゃあ、なんで赤道直下のシンガポールで流行ってんだよお・・・。

シンガポールの憂鬱2020年02月11日 16:18

シンガポールの憂鬱
シンガポールの憂鬱


NHKが報じている未発症で感染を広げた可能性を指摘されているスーパースプレッダーの存在が気になる。

(英 仏 スペインの感染者10人 同一人物から感染か)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200211/k10012280761000.html

中国以外で、世界最大の感染国と言えば、もちろんダイヤモンドプリンセスだ(それって「国」かあ?)。

WHOは、今のところ、我が国とは区別してカウントしているからな。

検疫下とはいえ、上陸させた後に、その中から感染者が出たらどうなるかは知らない。

で、現在、135人と言われる桁外れのクルーズ船を除くと、我が国は第6位に後退する(中国本土除く:感染者26人ぽっち・・・)。

代わって、栄えある第2位に躍り出るのはシンガポール(感染者45人)だ。

独走していたタイをブチ抜き、ライバルである香港(既に汚染国!(「国」かあ?):感染者42人)を僅差で凌いでいる。

毎日のように感染者を出しているが、その内容が良くない。

既に感染経路が不明の感染者を出してしまっている。

(2019年-2020年中国武漢における肺炎の流行:シンガポール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/2019%E5%B9%B4-2020%E5%B9%B4%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%82%BA%E7%82%8E%E3%81%AE%E6%B5%81%E8%A1%8C#%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB

「(これ以前は、感染者全員が武漢に紐づけされているため省略)
・2月4日:新たに6人の感染が確認され、うち4人は中国に行かなかったという。
・2月5日:新たに4人の感染が確認され、うち1人は6ヶ月齢の赤ちゃんである。
・2月6日:新たに2人の感染が確認され、うち1人は不明な経路で感染されたとみられる。
・2月7日:新たに3人の感染が確認され、3人とも中国に行ったことがないとみられる。
・2月8日:新たに7人の感染が確認され、うちにタクシーなどの運転手2人が含まれた。
・2月9日:新たにシンガポール人2人とバングラデシュ人1人の感染が確認され、3人とも中国に行ったことがないとみられる。」

新たな汚染国に転落だな・・・。

欧州を恐怖のどん底に突き落としている(?)英国人が感染したのではないかと疑われている、先月行われたというホテルでの国際会議とやらについては、すでに報道されていた。

(仏スキー場滞在の5英国人、新型コロナ陽性 冬休み初日の発表に観光客のキャンセルも:2020年2月9日 16:44 発信地:パリ/フランス)
https://www.afpbb.com/articles/-/3267431

「最初に感染した英国人男性は出張でシンガポールを訪問。他の外国人ら94人が参加するイベントに出席するため、先月22〜24日にホテルに滞在していた。」

(シンガポール国際会議で新型肺炎感染、韓国・マレーシアの3人:2020年2月6日)
https://jp.reuters.com/article/china-health-singapore-idJPKBN1ZZ2DV

「シンガポール保健当局によると、同会議は1月20─22日にシンガポールのグランド・ハイアット・ホテルで開催され、中国を含む約94カ国のビジネスマン109人が参加した。」

「マレーシア当局は4日、シンガポールで行われていた国際ビジネス会議に参加していた41歳の男性が新型コロナウイルスに感染したことを確認した。」

「韓国も同じ会議に出席していた2人の感染を確認した。」

会議の開催スケジュールについては、異なる日程の報道もある。

(繁華街ホテルで消毒作業、外国人2人感染で:2020/02/06)
https://www.nna.jp/news/show/2004548

「感染が確認された外国人はマレーシア人と韓国人の男性。」

「グランド・ハイアットで1月16~23日に開かれた国際会議に出席していた。」

「会議に出席した外国人2人が新型肺炎に感染していたことを受け、公共スペースや客室の消毒を進めている」

日本語の記事しか検索していないけど、該当するのはこれくらいだな(他の記事は、上記2本の転載)。

初めに、マレーシアと韓国の感染が確認されているので、同じ会議と思われる。

参加国や人数は、AFPとロイターとで錯綜しているけど、詳細は不明だ。

この会議に参加して帰国した人々は、おそらく何のお咎めもなく、もちろん、症状もなく、空港などの検疫を突破している。

その後に発症したとしても、我が国の現在の体制では、検査の対象にならんからな。

野放しだ(そんなあ!)。

こんな事例は、いくらでもあるだろう。

欧州では、その無症候性キャリアがフランスのリゾート(モンブラン(Mont Blanc)に近い人口1200人ほどの村コンタミンヌモンジョワ(Contamines-Montjoie))で10人にばらまいたことで、ようやく発覚した。

リゾートで拡散させていなければ、英国内部でスプレディングし続けたはずで、およそ無警戒な英国は大変なことになっていたかもしれない。

リゾートさまさまだな(そうなのかあ?)。

94人だか94か国だか知らないが、シンガポールでの会議に参加した国々の当局者や企業などは、情報収集に躍起となっているだろう(たぶん)。

遡ってトレースしたり、入国した後の濃厚接触者を特定しなければならないからな(発症までの監視とか、発症してからのトレースとかも)。

専門家が無症候性キャリアの出現を恐れているのは、どういう経路で入ってくるかが把握できないからということもある。

米国のように、中国からの帰国者をいくらブロックしても、感染経路を完全に断つことはできない(河北省絡みを除けば、自宅で隔離するという中途半端な対応)。

今回のように、第三国経由で持ち込まれれば防ぎようがないのだ。

ミクロネシア連邦のように、感染国全てに対して国外での検疫を行ったとしても防ぎきれない。

全世界に対して、鎖国宣言でもしない限り、感染者の侵入を阻むことはできない。

まあ、そんなことは、初めから分かりきっている。

検疫に万全を尽くすようにと、どこかの国の首相は言っているらしいが、穴だらけといっても差し支えない。

想定内なわけだ。

じゃあ、何のために過酷な検疫を行うかと言えば、時間稼ぎに他ならない。

国内の対応が整うまでの時間を、少しでも稼ぎたいから。

どーせ、完全な態勢になる前に蔓延するに決まってるけど、その時期が後になればなるほど迎撃態勢は厚くなる。

予防、検査、診療、隔離などなど。

重症化しやすいハイリスク集団に対する対策も充実する。

もう一つ、呼吸器系のウイルス疾患だと、季節性の問題もあるしな。

暖かくなるのを待っているのかも知れない。

まあ、赤道直下のシンガポールでも感染が広がったほどだから、国際会議に出席するバリバリのサラリーマンが感染するくらいだから、あまり期待はできないかもな。

が、せめてインフルエンザとか、ただの風邪とかいう、症状からは区別できない疾病の流行時期を外せれば、予防にしても検査にしても、対応負荷は激減するからな。

春を待つ。

梅が咲き、桜が咲き始めるまでの時間が稼げれば、事態の好転が期待できるかも。

稼いだ時間は、常に見方する。

そうあって欲しいが、この間、何もしないで手を拱いていては、辛い思いをしているクルーズ船の乗客や乗員に申し訳ない。

この事態の最大の被害者は、彼らなのだ。

武漢を含めた中国での新たな感染者は、報告ベースでは減少しているように見える。

その一方、大部分がクルーズ船絡みとはいえ、中国以外での新たな感染者は増加しているように見える。

少なくとも、感染の広がりが止まった気配はない。

中国国内での新たな死者数は、日々増加し続けている。

武漢では、既に蔓延状態となり、誰が誰に感染させているかは分からなくなっているだろうし、症状が出なければ、あるいは軽症ならば検査も行われないだろう。

感染者数の増加は、重症者中心ということになり、致命率は報告ベースで高くなっていく。

武漢での反転攻勢への転換がいつ起こるのか。

それとも、この2週間の春節休暇が明け、社会が動き始めたことで、抑制されていた感染の勢いがぶり返してしまうのか。

WHOの専門家たちが中国に入り、国を治す上医となり得るかどうかに注目だな。

今回は、中国も言うこと聞いた方がいいような気がするんだがな・・・。

拡散せずにはいられない!?:キッチンペーパーで簡易マスク2020年02月11日 18:06

拡散せずにはいられない!?:キッチンペーパーで簡易マスク


自分自身が最大の読者とか言いながら、非生産的な与太ブログを垂れ流している日頃の浮沈子。

たまには、世のため人のために尽くしたい・・・。

で、さっき見つけた記事を取り上げることにした。

(キッチンペーパーで作る「簡易マスク」が大反響 警視庁が3年前に公表、「マスク不足の今、凄く役立つ」)
https://www.j-cast.com/2020/02/09379197.html?in=news.yahoo.co.jp

「警視庁が3年前に公表した「簡易マスク」の作り方が注目を集めている。」

咳やクシャミの飛沫を軽減させる程度の効果は期待できそうだ。

しかし・・・。

浮沈子の部屋には、キッチンペーパーも輪ゴムもない(ホチキスはあります:商品名のため、お役所とかではステープラーとかいう、ワケワカの名称を使うようですが)。

(ステープラー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC

「JIS規格上の名称はステープラ」(伸ばさないようです。)

「日本では商標の普通名称化により「ホッチキス」または「ホチキス」と呼ばれる事が多く、大韓民国でもこの呼び名が使われる。」

「日本放送協会(NHK)では、かつては「ステープラー」と呼んでいたが、方針転換し「ホチキス」で統一している。」

「2014年現在、文房具分野での「ホッチキス」「ホチキス」という商標は取得されておらず、マックスが医療器具分野のみ「ホッチキス」を登録している」(ウィキより)

まあ、どうでもいいんですが。

(キッチンペーパーで簡易マスク:警視庁のページ)
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/saigai/yakudachi/tips/894323445411889152.html

「キッチンペーパーを蛇腹に折り両端に輪ゴムをつけホチキス止め。ホチキスの位置で大きさを調整でき、とても簡単に作ることができました。」

公共のホームページで、商品名乱発!。

でも、NHKでもそう呼んでるみたいだしな。

まあ、いいか・・・。

「娘に着けてもらったところ「苦しくない。いい感じ。」とのこと。」

まさに、いい感じのノリだなあ・・・。

息苦しくないのは、密着度が低いためだが、目的とするところは飛沫の拡散を軽減することだからな。

こんなもんでもないよりはいいし、何となくかっこいい感じだ。

最近は、輪ゴムもゲットしてないしな。

キッチンペーパーも買ってこないといけないしな。

試作品を作って、画像も上げようと思ったんだが断念した。

([防災・減災マメ知識]キッチンペーパーで作る 簡易 紙マスク(子ども用):作り方の動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=Q5jwsW7uaHc

浮沈子は、このところ体調不良だが、幸い咳き込んだりとかはしていない。

倦怠感と鼻水くらいか。

微熱もあるかも知れない(体温計ないし・・・)。

週末はGUEのドキュメンテーション講習だからな。

手作りマスク作ってる暇なない。

全然予習してないしな・・・。

記事の標題にある内容より気になる、スターライナーの蹉跌2020年02月11日 22:12

記事の標題にある内容より気になる、スターライナーの蹉跌


つまらん太陽探査機(そんなあ!)みたいな記事じゃなくて、もっと浮沈子のブログ欲をビビッと刺激する記事はないかと探していたんだが、標題を見て飛びついた!。

(SpaceX、5月にもCrew Dragon宇宙船初の有人飛行へ。ISSへのドッキング含むDemo-2ミッション)
https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-10-spacex-5-crew-dragon-iss-demo-2.html

「2019年3月には無人でISSへ物資を届けるのに成功しました。当時搭乗していたのはSpaceX製のスーツを着込んだマネキン"Starman"だけでした」

えーと、間違いは3つ。

まず、マネキンではなく、様々なセンサーを組み込んだ高度なダミーだということ。

2つ目は、ダミーの名前はリプリーだということ。

3つ目は、地球をモチーフにしたぬいぐるみが搭乗していたということ。

まあ、どうでもいいんですが。

1つ目は、まあ、人間が乗っていなかったということを比喩的に表現しているのかも知れないのでいいことにしよう。

3つ目も、まあ、ぬいぐるみだから大目に見よう。

2つ目は、明らかな事実誤認だ(ちなみに、スターマンは、ファルコンヘビーで真っ赤なロードスターに乗ってたマネキン:こっちは、あまり高価じゃなさそうだけどな)。

エンガジェットには、メールを送って訂正を申し入れておいた。

ハズカシ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

「SpaceXが、5月7日を目処として宇宙船Crew Dragonの初の飛行士搭乗での打ち上げ試験「Demo-2」を行う予定」

「日にちは技術面以外の理由からまだ流動的で、早ければ4月上旬、遅ければ5月下旬にまで前後するとのこと。」

技術面以外の理由については、推測が可能だろう。

ロングミッションとして、ISSクルーの任務をこなすことになれば、乗員の訓練期間を要することになる。

初めから予定されているショートミッションの場合は、さっさと上げることが可能だ。

それは、相方のスターライナーの仕上がりと、無人飛行を再度行うかどうかという判断とも絡んでくる。

この記事の本質的なところは、まさにその点を突いていることだ。

「予定していたISSへのドッキングは見送られたほか、打ち上げ直後と地上への帰還を始める直前にもそれぞれソフトウェア上の問題による誤動作が出たと報告されています。問題の洗い出しと修正にはソフトウェアコードの総チェックが必要になるとのこと。」

737MAXのソフトウェアバグの問題は、この際考えないことにしよう(考え出すと、頭痛いしなあ・・・)。

引用しているアーステクニカの記事も当たっておく。

(ボーイングのスターライナーの問題は、私たちが考えていたよりも悪い可能性があります)
https://arstechnica.com/science/2020/02/boeings-starliner-problems-may-be-worse-than-we-thought/

「これら2つの宇宙船が互いにぶつかり合って、良いものは得られません。」

副題がワケワカだが、先日取り上げた大気圏突入2時間前に修正したというバグの話だ。

「具体的には、サービスモジュールがカプセルから分離された後は、車両を処分火傷にするための火傷は実行されませんでした。代わりに、スターライナーのスラスタは、サービスモジュールと乗組員のカプセルが衝突する可能性があるように発射されていました。」

公式のコメントでは「結果は不明」とかいってたが、明々白々じゃん!?。

こんなヤバイプログラムが、本番機に乗って宇宙空間飛んでたなんて言語道断。

宇宙飛行士が乗ってたら良かったどころじゃなくて、実験動物の回収にさえ使えなかったわけだ。

サイテー!。

この記事の前に公開されているNASAの暫定報告がある。

(NASAがボーイングスターライナーの軌道飛行試験調査の初期調査結果を発表)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2020/02/07/nasa-shares-initial-findings-from-boeing-starliner-orbital-flight-test-investigation/

「1.Mission Elapsed Timer(MET)のエラー。起動の約11時間前にAtlas Vブースターから誤って時間をポーリングしていました。
2.サービスモジュール(SM)廃棄シーケンス内のソフトウェアの問題。SM廃棄シーケンスを誤ってSM統合推進コントローラー(IPC)に変換しました。
3.断続的な地対地(S / G)フォワードリンクの問題。これにより、フライトコントロールチームが車両を指揮および制御する能力が妨げられました。」

自動翻訳してもピンとこないので、浮沈子的意訳で。

「1.時計合ってなかった事件
2.サービスモジュールによる、クルーモジュールど突き事件
3.暴走止めようとしても、地上から通信できなかった事件」

なんか、余計ワケワカになった気もするけどな。

どれ一つ取っても、文字通り致命的な事故につながる。

「両方のエラーが宇宙船の損失のリスクにつながる可能性がありました」

ソフトウェアのバグの背景にあるB社の社内文化的要素は、相当根深いようだ。

「最初の2つの異常について、チームは、2つの重要なソフトウェアの欠陥が複数の保護手段にもかかわらず飛行前に検出されなかったことを発見しました。」

「テストおよび検証段階での故障は、検出可能性にもかかわらず、プリフライト中の欠陥を特定できませんでした。」

修正プログラムのアップリンクを含む地上介入に成功して、ミッションを立て直し、不十分ながら無事に着陸させた手腕は評価に値する。

宇宙船の損失と失敗に至った原因の究明に不可欠なデータの回収が不能になるという最悪の事態は回避された。

B社の技術者は無能じゃない。

じゃあ、何がまずかったのか。

記者を交えた電話会議において、NASAはその根本原因を自覚し、吐露している。

「私たちNASAの監督は不十分でした」(一部、浮沈子修正)

「それは明らかです。私たちはそれを認識しています。それは私たちにとって良い学習だと思います。」

メーカーに任せきりにして、メクラ判を押すような文化がNASAの方にもあったわけだ。

んっ?、どっかで聞いたような話じゃね!?。

「ボーイングは旅客機737MAXでもソフトウェアの問題がいくつも見つかっており、今後の計画に遅れが出ないかが心配です。」(エンガジェットの記事より)

やっぱ引用する羽目になったか・・・。

B社の体質みたいなもんかもな。

20世紀的テクノロジーの尻尾を、未だに引きずっているのかも知れない。

この間、同じエンガジェットのテスラの記事を読んだ。

(中古テスラに搭載の自動運転オプション、OTAアップデートで削除。「あなたが支払った機能ではありません」)
https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-08-ota.html

引用すると長くなるのでかいつまんで書くと、ソフトウェアが実現している機能も、ハードウェアと同じ価値があり、顧客が支払っていない機能は中古販売の際に削除されるという話だ(そうなのかあ?)。

まあ、その機能分を支払ったかどうかについては、やや不明瞭なところがあるようだがな。

これを思い出したのは、ボーイングには、ハードウェアには金をつぎ込むが、ソフトウェアへの投資はとことん切り詰める文化があるのではないかと思ったからだ。

スペースXとは、真逆だな。

ファルコン9なんて、ブロック5になる前は、殆ど打ち上げ毎に仕様を変更していた。

エンジンの改良は元より、機体の長さや着陸脚の仕組み、ハエ叩きのようなグリッドフィンの形状や材質、燃料注入のノウハウ(キンキンに冷やして、高密度で詰め込む)などなど・・・。

おそらく、ソフトウェアも毎回書き直していたに違いないのだ。

ソフトもハードも、目的を遂行するための手段に過ぎない。

いや、むしろ、現代のメカトロニクスにおいては、ハードウェアは主たる存在ではなく、ソフトウェアに指揮命令されコントロールされるデバイスに過ぎない(そんなあ!)。

機械の王国は、20世紀でお終いになり、技術の世界は電子の帝国が支配している。

それを司るプログラムを軽視すれば、手痛いしっぺ返しを食らうことになるのだ。

目に見えるものには金を払うが、目に見えないものは切り詰める。

人間の英知を注ぎ込まなければならない点では、どちらも優劣つけ難いし、目に見えないだけに、余計それらを可視化してキッチリ管理し、評価する態度が求められる。

737MAXのMCASのコードは、賃金の低いバイトのあんちゃんが書いたという記事があったけど、それは本質ではないだろう。

そのコードがシステムの中でどう振る舞うかを検証し、不適切な要素を洗い出し、再構成して正常に振る舞うように仕立てるプロセスを疎かにしたところが問題だ。

それでも、人間が行う作業には誤りがつきものだから、異なる角度から複数の確認を行い、実機に組み込んでの統合テストも行って万全を期すわけだ。

スターライナーでは、今回のテストフライトがまさにそれだったわけだが、出てきたチョンボは酷過ぎる。

「Starlinerのフライトソフトウェアには約100万行のコードがあり、会社とNASAはエラーをチェックして検証するためにすべてのコードをさかのぼって調べなければなりません。」

「NASAの人間の宇宙飛行のチーフであるDoug Loverroは、ボーイングのソフトウェアに2つのコーディングエラーがあったのか、何百ものエラーがあったのかわからないため、これには時間がかかる可能性があると指摘しました。」

時間が掛かろうが金が掛かろうが、それは調査されなければならない。

それはいつ行うべきだったのか。

もっと前に行うべきだったことは確かだが、MET(the Mission Elapsed Timer)のように、時間を進めたり戻したりはできない。

過去に出来なかったなら、「今」、やるしかないのだ。

歴史に「もしも」がないように・・・。

いつかではない、このたった今こそ、やるべきことをやる時だろう。

B社の企業文化に、21世紀に合わない部分があるというのなら、それを是正することも同じだ。

時間が掛かり過ぎるとか、納期に間に合わないとか、コスト的に引き合わないとか、利益を追求する民間企業では、様々な制約が掛るに違いない。

もしそうなら、今からでも事業から撤退して、ISSタクシーに関するNASAとの契約を解消すべきだろう。

スターライナーは、外連味のない優れた宇宙船を作り上げた。

怪しげなS社とことなり、堅実に宇宙船を作り上げてきたのだ。

少なくとも、一発で見事に成功させたアトラスV N22ロケットや、大気圏再突入からランディングに至る一連のシークエンスは見応えがあった。

技術畑じゃないNASAの長官が、思わず宇宙飛行士が乗っていたら上手くいったかもしれないと口走るほどの出来映えだった(そういうことかあ?)。

無人ミッションは、残念ながら失敗と言わざるを得ない。

このまま、有人で飛ばすことに対しては、政治日程では贖えないリスクを抱えることになる。

ISSタクシーは既定路線だ。

もう、最後まで突っ走るしかない。

幸い、2014年にNASAが下した英断で、2社が受託することになったからな(選考ギリギリまで、有人は1社だけということだったしな)。

B社が降りても、S社が骨を拾ってくれるだろう。

この先、費用が嵩み、事業が継続できそうもなければ、追加費用は請求せずに静かに立ち去るのがいいかも知れない。

B社は、MAX問題で屋台骨が揺らいでいる。

お遊びで付き合ってるISSタクシーの規模の話ではない。

純損失だけでも、2兆円になるといわれている。

そして、それがどこまで膨れ上がるか分からない状況に追い込まれつつある。

787も生産縮小に追い込まれているし、初飛行だけは何とかこなしたが、777Xも機体強度の問題を抱えている。

政治の季節に民主党議会に工作し、民間企業同士の競争を締め出そうと悪あがきしているのも、そういう状況が背後にあるからだろう。

宇宙開発部門でSLS事業だけで食っていくわけにもいかないからな。

XS-1から撤退したのは、明らかにMAX絡みだからな。

起死回生の一手が打てるのか。

いっそのこと、アップルにでも買い取ってもらって、スマホとか時計とか作ってた方が似合うかもしれないな。

ああ、やっぱダメだあ・・・。

あれって、ソフトウェアの塊だもんな・・・。