2024年の有人月面着陸にスターシップだあ!?:クソ真面目に検討するNASAもNASAだな2020年05月02日 03:49

2024年の有人月面着陸にスターシップだあ!?:クソ真面目に検討するNASAもNASAだな


昨日から、関連記事を読んでいる。

NASAが、月着陸船の公募で、初期作業用プランとして採用した中にスペースXの提案が残った。

ははあ、月着陸船をどこかのまともな会社と提携して開発し、貨物としてファルコンヘビーで月軌道まで持って行こうとか、そういう妥当な提案なんだろうと思ったわけだ。

それなら有り得る話だ。

ファルコンヘビーが、一応、まともに打ち上がることは証明済みだし、十分な積載能力もある。

着陸船の設計は、専門の会社に頼んでやってもらえばいい。

生命維持装置などについては、クルードラゴンのノウハウが使えるとはいえ、月面への着陸の経験はないからな。

アポロのルナーモジュールはグラマンで、ノースロップと合併して、ブルーオリジンと組んでいる。

どこか、別の相棒を探さなければならない・・・。

などと、妄想を逞しくしていたら、なんと、スターシップ(よく爆発するやつ!)を、月着陸船に仕立てて使おうとしているらしい。

(NASA、SpaceXのスターシップ月面着陸船の提案におけるリスクを特定)
https://spaceflightnow.com/2020/05/01/nasa-identifies-risks-in-spacexs-starship-lunar-lander-proposal/

「SpaceXの設計は、Starshipの概念を使用した単一ステージのソリューションです」

「Artemisミッション用に調整されたStarshipは、地球への帰還に使用される着陸フラップの遮熱板を付けて飛行することはありません。代わりに、車両は月面と月軌道の間を複数回移動するために宇宙に留まります。」

・ブルーオリジン:5億7900万ドル
・ダイネティクス:2億3300万ドル
・スペースX:1億3500万ドル

今後、さらに2社に絞られるんだろうが、何処が消えて無くなるかは明らかだ。

NASAは、相対評価をこう見ている(カッコ内は浮沈子)。

ブルーオリジン:
・技術評価:許容可能
・管理評価:非常に良い

ダイネティクス:
・技術評価:非常に良い
・管理評価:非常に良い

SpaceX:
・技術評価:許容可能(まず無理!)
・管理評価:許容できる(許し難い!)

個別評価はこうだ・・・。

「これは、NASAが特定したStarship提案の長所と短所のリストです。」

重要な強み:
・NASAのしきい値要件のすべてを満たす、または超える
・拡張された属性で持続可能な機能をサポート
・初期の多数の地上および飛行システムのデモンストレーションを優先します
・SpaceXからの資金提供で「実質的な企業貢献」を提供

強み:
・EVA運用をサポートするためのNASAの要件に対応
・SpaceXのDragonおよびFalcon 9の車両に搭載された遺産ハードウェアのリース
・SpaceXの宇宙ステーションの貨物輸送ミッションの「ポジティブパフォーマンストレンド」に基づいて構築

重要な弱点:
・「著しく複雑」な推進システムを提案
・非常に複雑な多数の打ち上げ、ランデブー、燃料補給作業が必要
・SpaceXのCrew DragonとFalcon Heavy開発に関する過去のパフォーマンス。どちらも「かなりのスケジュール遅延」を経験しました。

2024年に間に合わないどころか、2028年の当初スケジュールにすら間に合わないだろう。

NASAは、その頃に月面基地を構築するプランを持っているが、そこへの物資輸送は、おそらくファルコンヘビーとかで行われるに違いない。

与太話のようなスペースXの提案を、クソ真面目に審査し評価するところはNASAらしいな。

浮沈子的には、重要な弱点として、推進システムが著しく複雑であること、運用に当たって非常に複雑な多数の打ち上げ、ランデブー、燃料補給作業が必要な点を挙げているのが気になる。

そう、NASAは、シンプルな構成と、単純な手順を愛する。

複雑であることは、それだけトラブルを発生させやすく、リスクを伴うからだ。

何か一つの間違いが、連鎖的に波及して止まらなくなる。

多数のボトルネックを抱えて、失敗する要素だらけになる。

単純であり、シンプルであることが正義だ。

ロケットエンジンは、多数あるより少ない方がいいし、打ち上げ回数は1回きりが望ましい。

ランデブーも必要最小限。

宇宙空間での燃料補給などもってのほかだ。

開発スケジュールがタイトであること、余裕がなく、どこかで遅延が起こった時にリカバリーが効かないことも問題だがな。

つーか、そもそも、この提案をとり上げ、金を付けただけでも大した話だ(ふつーなら、ありえねー)。

別の記事で、ブライデンスタインが言っていることが、その答えかも知れない。

(NASAがElon MuskとJeff Bezos Rocket Companiesによる月着陸船の設計を採用)
https://www.nytimes.com/2020/04/30/science/nasa-moon-lander.html

「私たちの国そして実際には全世界がこのコロナウイルスのパンデミックに揺さぶられているので、この機関が今これをすることが重要です」

「それでも、人々に希望を与える必要があります。彼らが尊敬し、夢見ることができる何かを彼らに与える必要があります。」

これは、一つのショーなのかもしれない。

NASAは、その宇宙ショーを演出し、観客である人類を楽しませる。

イーロンマスク対ジェフベゾス・・・。

どっちがこけても、バックアップはある。

スペースXの提案が、安い開発費で実現できるわけではない。

民間資金を呼び込んで、月面ビジネスで市場を拓くことが目的だ。

NASAのプライズは、呼び水程度でいい。

まあ、どうでもいいんですが。

少なくとも、10か月は楽しめるわけだ(そうなのかあ?)。

それより、この話からボーイングが撤退した方が気になるな。

本業のSLSやチョンボしちまったスターライナーに注力せよって、NASAに言われたのかも知れない(未確認)。

それどころじゃないだろう?。

まあいい。

月着陸船は、宇宙開発では新参者の3社に渡っちまった。

まあ、ブルーオリジンのバックには、ロッキードマーチンやノースロップグラマンが付いてるからな。

大本命だ。

それだけじゃ、つまらんからな・・・。

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