金さえあれば衛星インターネットコンステレーションが出来るわけではない:プロジェクトカイパーは実現するのか ― 2020年08月26日 23:01
金さえあれば衛星インターネットコンステレーションが出来るわけではない:プロジェクトカイパーは実現するのか
(Amazonの宇宙インターネット計画「プロジェクト・カイパー」をFCCが承認)
https://news.mynavi.jp/article/20200825-1245937/
「3236機の衛星」
「2026年までに衛星の半数、すなわち1618機を、また2029年までに残りの半数を配備」
「100億ドル以上を投資」
札びらで顔をひっぱたくような計画だな。
(カイパーシステム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kuiper_Systems
「3,236衛星すべてを完全に配備するには、最大10年かかると予想」
衛星寿命にもよるが、配備するだけなら年間300機程度なので、不可能な話ではない。
パネル型の衛星を毎回60基程度上げているスターリンクや、小型衛星を30基程度上げていたワンウェブなら、それぞれ年間5回とか10回の打ち上げという現実的な話になる。
スターリンクが先行しているが、サービスと値付けの問題だから、何処が成功するかは分からない。
そのうち、専用アンテナではなく、何処のコンステレーションが一番有利かを自動的に判断して繋いでくれるようになるかもしれない。
その意味でも、複数のシステムが宇宙を回る時代がいいような気もする。
しかし、考えてみれば、それだけの衛星群を打ち上げて実際のシステムを作り上げるのは至難の業だ。
収益なしでの10年間に渡る事業の維持(どこかで収益事業に切り替えないとな)というのは、実際問題としては難しい話だ。
アマゾンがバックだから、金に困って行き詰ることはないだろう(ワンウェブは、破産喰らっちまったけどな)。
打上げについても、衛星の製造についても、長期に渡れば技術的な環境は激変する。
当然ライバルも同じ環境で勝負してくるだろうから、競争に打ち勝つには差別化を図らなければならない。
スターリンクは、スペースX社のアットーテキな高頻度・低価格打上げを武器に出来る。
影も形も見えないブルーオリジンのニューグレンが出来れば、カイパーもその恩恵を得ることができるが、今度はブルーオリジンが持たないかもしれない(ULAにエンジン売っても、それ程利益は出ないだろうしな)。
ワンウェブは、先行していたメリットを失い、その他大勢の一つに埋もれようとしている(そうなのかあ?)。
この業界が成立するのかどうかは、今のところスターリンクにかかっているといっても過言ではない。
大したことないスループットと、それなりの遅延で接続できるサービスを、一体いくらくらいでリリースするのか。
イニシャルコストとしてのアンテナや信号変換器のコストはどのくらいなのか。
全てはこれから明らかになる。
バックボーンを目指しているスターリンクに対して、バックホール(浮沈子は初耳だな)を目指すカイパー。
「LTEと5Gサービスを新たな地域に拡張しようとしている通信事業者に、バックホール(末端のアクセス回線と中心部の基幹通信網(バックボーン回線)を繋ぐ中継回線)としても提供」
つまり、カイパー衛星経由でスターリンクに接続することもあり得るわけだ。
うーん、ややっこしいな・・・。
地上局との連携のみで、衛星間通信を行うかどうかについては言及がないが、先に述べたように、10年間の事業期間中に激変する技術環境の中でどのように仕様が変わっていくかは分からない。
ピザボックス大のアンテナで衛星を追いかけるスターリンクに対して、端末側での優位性を発揮できるのか。
サービスの提供価格は、スターリンクと勝負できるのか。
衛星コンステレーションの維持だけがコストではないしな。
システム側の地上局、そこからの地上回線接続のコストも乗ってくる。
未接続地域の需要がどれほどあるかは分からないが、そこで商売しようとすれば、既接続地域(高速地上回線アリ)でも勝負する必要が出てくるかもしれない(そっちの儲けをコストに振り向けないとな)。
都市部では勝負にならないかもしれないから、郊外の需要を取り込まなければならない。
疎に展開しているロングテールを、宙に展開する衛星の網で掬い取ろうというわけだ。
いずれにしても、事業承認が出てタイマーのスイッチは押された。
ワンウェブは、5月に48000機のコンステレーション構想を申請している。
(OneWeb衛星コンステレーション)
https://en.wikipedia.org/wiki/OneWeb_satellite_constellation
「2020年5月末に、OneWebは、破産プロセスにもかかわらず、衛星数を48,000に増やすことをFCCに申請しました。」
べらぼーめ・・・。
宇宙は星に満ち溢れているが、地球低軌道も衛星に満ち溢れつつある。
天文学者どもは、益々頭を抱えることになりそうだ。
打ち上げ会社にとっては、それも営業活動なのかもしれない(宇宙天文台の需要が喚起されるからな)。
まあ、どうでもいいんですが。
100万機の衛星群がブンブン飛び回る時代の予感。
21世紀は、打ち上げロケットの低価格化とインターネット衛星によって特徴づけられるのかも知れない。
ともあれ、アマゾンが参戦したことで、この業界の地図が塗り替えられる可能性(浮沈子的には、あまり変わらないと思っていますが)が出てきた。
低コストで事業を展開できるのかどうかは、アマゾンにとって重要ではないのかも知れない。
アマゾンも、独自の衛星コンステレーション持ってますという、名刺代わりの事業なのかもな・・・。
(Amazonの宇宙インターネット計画「プロジェクト・カイパー」をFCCが承認)
https://news.mynavi.jp/article/20200825-1245937/
「3236機の衛星」
「2026年までに衛星の半数、すなわち1618機を、また2029年までに残りの半数を配備」
「100億ドル以上を投資」
札びらで顔をひっぱたくような計画だな。
(カイパーシステム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kuiper_Systems
「3,236衛星すべてを完全に配備するには、最大10年かかると予想」
衛星寿命にもよるが、配備するだけなら年間300機程度なので、不可能な話ではない。
パネル型の衛星を毎回60基程度上げているスターリンクや、小型衛星を30基程度上げていたワンウェブなら、それぞれ年間5回とか10回の打ち上げという現実的な話になる。
スターリンクが先行しているが、サービスと値付けの問題だから、何処が成功するかは分からない。
そのうち、専用アンテナではなく、何処のコンステレーションが一番有利かを自動的に判断して繋いでくれるようになるかもしれない。
その意味でも、複数のシステムが宇宙を回る時代がいいような気もする。
しかし、考えてみれば、それだけの衛星群を打ち上げて実際のシステムを作り上げるのは至難の業だ。
収益なしでの10年間に渡る事業の維持(どこかで収益事業に切り替えないとな)というのは、実際問題としては難しい話だ。
アマゾンがバックだから、金に困って行き詰ることはないだろう(ワンウェブは、破産喰らっちまったけどな)。
打上げについても、衛星の製造についても、長期に渡れば技術的な環境は激変する。
当然ライバルも同じ環境で勝負してくるだろうから、競争に打ち勝つには差別化を図らなければならない。
スターリンクは、スペースX社のアットーテキな高頻度・低価格打上げを武器に出来る。
影も形も見えないブルーオリジンのニューグレンが出来れば、カイパーもその恩恵を得ることができるが、今度はブルーオリジンが持たないかもしれない(ULAにエンジン売っても、それ程利益は出ないだろうしな)。
ワンウェブは、先行していたメリットを失い、その他大勢の一つに埋もれようとしている(そうなのかあ?)。
この業界が成立するのかどうかは、今のところスターリンクにかかっているといっても過言ではない。
大したことないスループットと、それなりの遅延で接続できるサービスを、一体いくらくらいでリリースするのか。
イニシャルコストとしてのアンテナや信号変換器のコストはどのくらいなのか。
全てはこれから明らかになる。
バックボーンを目指しているスターリンクに対して、バックホール(浮沈子は初耳だな)を目指すカイパー。
「LTEと5Gサービスを新たな地域に拡張しようとしている通信事業者に、バックホール(末端のアクセス回線と中心部の基幹通信網(バックボーン回線)を繋ぐ中継回線)としても提供」
つまり、カイパー衛星経由でスターリンクに接続することもあり得るわけだ。
うーん、ややっこしいな・・・。
地上局との連携のみで、衛星間通信を行うかどうかについては言及がないが、先に述べたように、10年間の事業期間中に激変する技術環境の中でどのように仕様が変わっていくかは分からない。
ピザボックス大のアンテナで衛星を追いかけるスターリンクに対して、端末側での優位性を発揮できるのか。
サービスの提供価格は、スターリンクと勝負できるのか。
衛星コンステレーションの維持だけがコストではないしな。
システム側の地上局、そこからの地上回線接続のコストも乗ってくる。
未接続地域の需要がどれほどあるかは分からないが、そこで商売しようとすれば、既接続地域(高速地上回線アリ)でも勝負する必要が出てくるかもしれない(そっちの儲けをコストに振り向けないとな)。
都市部では勝負にならないかもしれないから、郊外の需要を取り込まなければならない。
疎に展開しているロングテールを、宙に展開する衛星の網で掬い取ろうというわけだ。
いずれにしても、事業承認が出てタイマーのスイッチは押された。
ワンウェブは、5月に48000機のコンステレーション構想を申請している。
(OneWeb衛星コンステレーション)
https://en.wikipedia.org/wiki/OneWeb_satellite_constellation
「2020年5月末に、OneWebは、破産プロセスにもかかわらず、衛星数を48,000に増やすことをFCCに申請しました。」
べらぼーめ・・・。
宇宙は星に満ち溢れているが、地球低軌道も衛星に満ち溢れつつある。
天文学者どもは、益々頭を抱えることになりそうだ。
打ち上げ会社にとっては、それも営業活動なのかもしれない(宇宙天文台の需要が喚起されるからな)。
まあ、どうでもいいんですが。
100万機の衛星群がブンブン飛び回る時代の予感。
21世紀は、打ち上げロケットの低価格化とインターネット衛星によって特徴づけられるのかも知れない。
ともあれ、アマゾンが参戦したことで、この業界の地図が塗り替えられる可能性(浮沈子的には、あまり変わらないと思っていますが)が出てきた。
低コストで事業を展開できるのかどうかは、アマゾンにとって重要ではないのかも知れない。
アマゾンも、独自の衛星コンステレーション持ってますという、名刺代わりの事業なのかもな・・・。
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