🐱生命とは何か:アバターを作る2023年05月26日 08:39

生命とは何か:アバターを作る
生命とは何か:アバターを作る


(脳と脊髄をワイヤレスで再接続する「デジタルブリッジ」のおかげで麻痺した男性が再び歩く)
https://gigazine.net/news/20230525-brain-spine-paralysed-man-walk/

「サイクリング中の事故で首の脊髄を損傷したゲルト・ヤン・オスカム氏は、事故により足と腕の一部がまひ」

おっと、毎日のように自転車で大井町までの往復10kmを走っている浮沈子には、とても他人事とは思えないな。

「電気パルスで脊椎下部を刺激する技術が脊髄損傷者を再び歩かせる助けになることを実証」

「新たにオスカム氏の頭蓋骨へインプラントを挿入し、すでにオスカム氏の体内にあった脊椎インプラントと組み合わせ、脳の信号を送受信させる実験を開始」

全く同じかどうかは知らないが、イーロンマスクのニューラリンクでは、豚を実験材料にして同じようなことを行っている。

(新しい Neuralink プレゼンテーションの概要、パート 6: インターフェイスを使用して視力を回復したり、麻痺を治療したりする)
https://www.elonx.cz/shrnuti-nove-prezentace-neuralinku-6-cast-vyuziti-rozhrani-pro-navraceni-zraku-nebo-lecbu-ochrnuti/

「損傷した脊髄を架橋する」

「脊髄損傷のある人は、脳と体の他の部分との間の接続が切断されています。」

「脳は正常に機能しますが、体の他の部分と通信することができません。Neuralink インプラントのおかげで、この接続を再確立できます。」

素人的には、んなもん、切断された神経をくっつければいいと思うんだが、実際はそう簡単にはいかないんだろう(未確認)。

で、何をやっているかといえば、脳の信号をハッキングして、その信号を無線で脊髄に飛ばし、運動させる刺激に変換して繋がっている筋肉を動かそうというものだ。

筋肉の動きなんて、伸びる(弛緩する)か縮むしかないからな。

簡単だ!(そうなのかあ?)。

速度とか程度とかタイミングとかをテキトーにアレンジしてやれば、シンプルな制御が可能だ。

問題は、脳の「動こう」という信号をどう取り出すか、それを、運動の相手方に刺激コマンドとして正しく伝えるために、どう変換するかということなわけだ。

ニューラリンクでは、筋肉の制御に加えて、触覚をフィードバックとするために、皮膚から脳へという逆方向の伝達も行うようだ。

「手足の感覚がなければ、手足を動かすことは非常に困難」

五体満足な浮沈子には、感覚が失われたときにどういうことになるかは分からない。

持病である糖尿病が重症化して、神経が侵されれば体験することになる可能性はあるけどな。

やれやれ・・・。

「手を動かして物体に触れた後に、そのインターフェースのおかげで触覚を感じることができます。」

「これで、次の図に示す、意味のある手足の動きに必要な回路が完成します。」

参考までに、画像に掲げた。

初出のギガジンの記事では、インプラントが引き起こした感染症のために、被験者は一時摘出したという。

「オスカム氏の頭蓋骨インプラントの1つは、装着から約5ヵ月後に感染症を理由に一度取り外されてしまいました。」

ニューラリンクについても、感染症のリスクは懸念されているようだし、何より、感染やほかの理由で取り外さなければならなくなった際に、神経にくっ付いている電極を撤去することができるのかどうかも問題だ。

「利点に比べればリスクは小さいです。感染症や出血のリスクは常に少しはありますが、非常に小さいので、リスクに見合うだけの価値があります」

イーロンXの記事では、豚のガートルード(豚の名前?:ハムレットの母親の名前)が、トレッドミル(ベルトコンベア)の上を歩いている動画が見られる。

うーん、浮沈子には不気味な感じに映る。

映画の「アバター」では、CTスキャナーみたいなインターフェースで脳の信号を取り出し、製造したアバター(分身)を、トータルに制御するという設定だった。

主人公のジェイクは足が不自由だったわけで、その彼がアバターを使って初めて走るシーンは感動的だったな。

さて、例によって、この手の話が繰り出されると、浮沈子的妄想がモクモクと湧き上がってくる。

特に、無線で飛ばすというところがエグイ!。

豚の実験で言えば、脊椎側のインプラントを別の豚にくっ付ければ、本人(脊髄インプラントを移植された豚)の意図に関わらず、別の豚(脳側のインプラントを移植された豚)の意志で、勝手に歩いたりすることになるわけだ・・・。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

薬物か何かで脊髄インプラントを移植された豚を眠らせておけば、まるで夢遊病のような状態で、勝手に体が動いてしまうということなわけだ(そうなのかあ?)。

そんなことは、動物虐待にあたるとかいうことなら、いっそのこと、ロボットでもアバター豚(これも動物じゃね?)でも何でも製造して、遠隔操作で動かすことも可能だろう。

イメージとして、映画のアバターを持ち出してみたんだが、似たような話は既に偵察用や攻撃用のドローンで実現されている。

地球の裏側から、ネットワークを介して敵陣を偵察したり、爆弾を投下したりしているわけだからな。

脳にインプラントを埋め込む代わりに、パイロット(オペレーター?)に操縦桿を握らせているだけの話だ。

つらつら考えてみれば、大量のフィードバックを得ているとはいえ、脳と身体の間には、似たような関係が既にある。

自分の身体だから、意のままに動くということもあるだろうけど、たとえばキーボードを打つにしても、打ち間違えは山のようにあるだろうし、モニターを見ながらフィードバックをかけていても、気づかずに誤変換(MSIMEのせいかあ?)してしまう場合もあるからな。

水泳教室に通っていても、クロールのブレスすら上手くできない浮沈子は、アバターにでも代わりに泳いでもらいたいくらいだ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

もちろん、脳と身体のやり取りは、神経だけではなく、様々な化学物質が関与し、無数のセンサーが絡む複雑な仕掛けだ。

脳それ自身も、何段階にも階層化され、進化の経緯を反映して、重層化しているし、その各レイヤーの結びつきも精緻を極めている。

自動化されている部分もあれば、半自動化されているレイヤーもある。

水泳とかでなければ、特に意識しなくても呼吸できるわけだしな(睡眠時無呼吸症候群とかは別ですが)。

その一方で、ダイビングにおける中性浮力の維持では、半ば意識的な呼吸に依存するケースも出てくる。

心臓の鼓動や喰った食物の消化などは、ほぼ、全自動で行われている。

寝ている間に、記憶が整理されて、大方忘れ去られるなども同じかもしれない(浮沈子は、起きている間でも、相当なスピードでメモリー消去されていますが)。

脳は、意識の座であるとともに、それ自体が一つの臓器として、制御対象になっている。

クオリアを伴う意識(某アニメでは「ゴースト」ともいう)が、どういう形で形成されているかは、まだ、明らかではないようだが、それもいずれは解明されるだろう。

意識の移植、デバイスとしての身体(脳、それ自体を含む)が分離複製可能ならば、高次の意味における生命とは何かという問いに対する本質的な答えになるのではないか。

新型コロナに対する免疫が、ワクチンうっても大して付かないショボい老体を、自前の免疫だけで撃退可能な高性能の身体にとっかえて、ついでに、もの忘れ激しく、それでなくても妄想にかられやすい安物の脳みそも電脳化してリビルドすれば、安心して100年でも千年でも「生き続ける」ことができるかも知れない。

年金財政は破綻し、国庫はすっからかんになるだろうけどな。

浮沈子の知ったことではない。

もちろん、そんな時代が来るのは、浮沈子が消え去った数百年後の話だろう。

有性生殖の生物は、子孫を残して死を得るというパターンで、生命の持続性を維持している。

高次脳機能の産物である様々な文化・文明を継承することも、人間に特有の生命の維持の仕方かも知れない。

電脳(コンピューター)は、人間が作り出した疑似的な意識の座だ。

それ自身が主体となって行動することはないが、それを目指してAIの進歩は続いている。

そのうち、AIに選挙権を与え、被選挙権まで与える時代が来るだろう(そうなのかあ?)。

少なくとも、それに操られている政治家を選ぶ時代は確実に来る。

世の中の政治家には、二世とか三世が多いからな。

AI政治家も、2代目(2台目?)とか、3代目(3台目?)が主流になるかもしれない(そういうことかあ?)。

妄想は果てしなく広がり、生命とは何かという深遠な話は遠く霞んでいく・・・。

我々は、地球外生命を求めて他の惑星を探査しようとしているけど、進化した生命が「物質(身体)」依存性を、どれ程継承しているかは不明だ。

もう、DNAなどという「初歩的」な物質に依存して存在することなど、とっくの昔にやめてしまっているに違いない。

化学進化などという、かったるい話は卒業して、量子力学的世界の中で、光速な速度での進化を遂げているに違いないのだ。

その存在はあまりに高度なため、現代の人類には覚知すら出来ない。

フェルミのパラドックスに対する答えの一つかもな(未調査)・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(イーロン・マスクの脳インプラント企業「Neuralink」による臨床試験申請がついにFDAに承認される)
https://gigazine.net/news/20230526-neuralink-human-trial-approval/

「現地時間2023年5月25日にNeuralinkは「私たちは、人間での臨床試験の承認をFDAから受けました」と発表。」

「FDAによる承認の範囲や参加者の募集要項は記事作成時点では発表されておらず、Neuralinkは「詳細については近日中に発表します」と述べています。」

うーん、何らかの制限付き承認みたいな書き方だな・・・。

が、いよいよ、ニューラリンクのデバイスが、人間の脳に埋め込まれるようになったわけだ。

テスラの自動運転がトラブル続きの中、脳内のデバイスとリンクして、「前の車をぶっちぎれ!。」と喚くオーナーの意識と連動、ツインモーターが火を噴く事態は避けてもらいたいもんだな(浮沈子は、絶対、自動車との連携に使われると確信している)。

あんまカッカすると、リチウム電池(脳内デバイスの電源)まで、加熱して火を噴きかねない(そうなのかあ?)。

ここはひとつ、冷静に対処してもらって、脊髄損傷で苦しむ患者のために頑張ってもらいたいものだな・・・。

🐱アルテミス:軌道上給油2023年05月26日 22:33

アルテミス:軌道上給油


(ついに、宇宙で約束された輝かしい未来が近づいています)
https://arstechnica.com/space/2023/05/at-long-last-the-glorious-future-we-were-promised-in-space-is-on-the-way/

「NASA は、多くの打ち上げと宇宙で推進剤を貯蔵および輸送する能力のコンセプトに基づいて 2 台の宇宙船を選択しました。」

「これは人類が宇宙を探索する方法における驚くべき変化であり、1957年にソ連がスプートニク衛星を打ち上げて以来、宇宙飛行における最大の変化となる可能性がある。」

まあ、それほどのものかとは思うが、地球低軌道を離れた給油という点では新しいかもしれない。

既に、ISSでは姿勢制御やリブースト用の燃料の給油や移送は何十年も前から行われているし、記事にもあるように、静止軌道上の衛星への給油も行われている。

いずれも、燃料としては宇宙空間で保管しやすいタイプ(ヒドラジン系)だけどな。

水素とかメタンとか、扱いづらい燃料を長期保管したり、軌道上で移送するのは初めてとなる。

浮沈子は、それを前提とした月面着陸を選択するリスクについて、数日前に記事にしている。

(アルテミスV:ブルーオリジンのHLS)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/05/22/9588089

「軌道上をただ回っているだけの宇宙ステーションとは異なり、着陸離陸を繰り返すHLSの再使用については、実現可能性すら危ぶまれる。」

「持続性こそ、悪の権化だ。」

「S社を含めて、HLSは頓挫し、米国の有人月着陸ミッションは大幅な遅延をきたし、持続性など毛ほども考慮されない中国の月面着陸を、月周回軌道上から指を咥えて眺めることになるのだ。」

まあいい。

アルスの記事を書いているエリックバーガーは、人類の持続的な宇宙へのアクセスを実現するための必須の要素として、コスモステーション(つーのかあ?)の実現に期待を寄せている。

「スターシップ、ブルームーン、そしてその燃料補給能力の開発は困難だが、それらは工学プロジェクトであり基礎科学ではない」(アルスの記事より:以下同じ)

「私たちはこれがうまくいくことを知っています。」

「人類が宇宙を旅する種族としてレベルアップしたいのであれば、これが明確な前進の道です。」

バラ色の未来は約束されているようだが、問題は、それが一直線に実現するかどうかだな。

米国は、かつて、世界で最も早くから再使用ロケットを追及してきた。

もちろん、宇宙へのアクセスを持続的なものにするために。

鳴り物入りで登場したスペースシャトルは、技術的な未成熟と、これまた運用的未成熟の犠牲となって葬り去られた。

SLSは、チャレンジャーとコロンビアという2度の人的損耗を伴う失敗への反省から生まれた。

そりゃあ、米国の宇宙開発業界の思惑や地元企業の利益誘導を目論む政治的背景を伴っていたのかもしれないけど、それらは二次的な話だ。

再使用に伴う人的犠牲を見るのは、金輪際ごめんだという米国人の意志の表れというのが本質だろう。

スペースXとブルーオリジンのHLSは、どちらも給油段階では無人機として運用される。

そこで何かが起こっても、人的損耗は発生しないからな。

NASAが、その選択を推進する合理性はある。

が、工学的チャレンジであることは確かだし、HLSそのものの再使用が未知のリスクを伴うことも確かだ。

地上に降ろして徹底的に検査され、リビルドされて再使用されるファルコンシリーズの1段目ブースターや、カーゴドラゴン、クルードラゴン、オリオン宇宙船、スターライナーとは異なる。

地球を遠く離れた月軌道上に留まり、無人のセルフチェック以外はほぼノーメンテナンスで運用されることになるだろう(未確認)。

もちろん、20年に渡るISSの運用で蓄積された保守のノウハウはあるだろうが、月軌道ステーションは常駐型ではないからな。

人間の手を煩わせることなく、地上からの遠隔操作だけで、月軌道にあるHLSを含めた有人宇宙船の継続的運用が可能なのかどうか。

もっとも、アルテミス3や4で行われるスターシップライクなHLSは、再使用型ではない可能性が高い(未確認)。

地球低軌道のコスモステーション(デポ)で給油したのち、1回限りの月面着陸をして放棄される(もちろん、人間を地球に送り返すために、月軌道上のオリオンまでは戻ってくるけど)。

後続のミッションの邪魔にならないように、月面に落として処分されるだろう。

ブルーオリジンも、同じような導入になる可能性は高い。

給油システム(タンカー)は、ロッキードマーチンが別途調達することになる。

その打ち上げには、ニューグレンが使われることになるようだが、地球低軌道で数回の蓄積を行い、それを月起動に運んでHLSに給油するという複雑な手順を想定しているようだ。

「ブルームーン着陸船は完全に再利用可能になりました。それは月の軌道上に留まり、表面に上がったり下がったりします。この輸送機は地球低軌道で燃料を補給し、月に推進剤を届ける輸送機によって運行される。この輸送装置は、再利用可能なニュー・グレン・ロケットの複数回の打ち上げによって再び充填されることになる。」

地球低軌道と月周回軌道を往復する「輸送装置」もまた、地上でのメンテナンスを受けることなく継続的に運用される感じだ。

もちろん、無人で運用されるわけだからな。

何かあっても、人的損耗が発生するわけではない・・・。

まあいい。

これらの不確定要素を前提としたアルテミス3、4、5が、いつになったら実現するのかというのはいささか疑問だ。

アポロ計画で言えば、サターン5型ロケットは、まだ1度も宇宙空間に達していない段階だからな(スーパーヘビーブースターは高度30km未満で爆発、ニューグレンは影も形もない)。

人類の継続的な宇宙へのアクセスに向けて、米国は歩み始めた。

「いよいよ、歩いていきます。」

それは確かだろうが、当面の一里塚である有人月面着陸もまた、確実に先送りになった気がする。

浮沈子の予想が確かならば、次に月面に立つのは中国の宇宙飛行士になる。

米国や、それにぶら下がっている欧州や我が国の宇宙飛行士は、ようやく形になった月周回ステーションから、指を咥えてそれを眺めることになる。

ひょっとしたら、その時点でも、スターシップは軌道上を飛行していないかもしれないし、ニューグレンの開発がとん挫して影も形もないままかも知れない。

ああ、再使用とか、継続性とか、欲張ったコンセプトなんかに拘るんじゃなかったと思っても後の祭りだ。

SLSでも、オリオン宇宙船とHLSを同時に月まで運ぶことはできない(未確認)。

2機のSLSをほぼ同時に飛ばして、HLSを給油した状態で運び、月軌道上でオリオンから乗り移って実行することは可能だろう。

この場合、スペースX社のスターシップを前提としたHLSの芽はない(なんたって、全長50mの巨体だからな:SLSじゃ打ち上げ不可能だ)。

パワーアップしたSLSなら、ブルーオリジンのHLSを運ぶことはできるだろう。

米国の次の月面着陸は、スペースXをパスして、2030年代にブルーオリジンのHLSをSLSで運んで行われることになるに違いない(それが、中国に先を越されない、唯一の方法かもな)。

今回のNASAの決定が、そこまで読んだ上でなされているかどうかは知らない。

「持続性こそ、悪の権化だ。」(再掲)

アルスの記事は、大筋では正しいんだろうが、現実がそうなるとは限らない。

スペースシャトルで試みられた再使用ロケットによる宇宙開発がとん挫し、再開されるまでには長い時間が必要だった。

いま、再び、同じことが繰り返されようとしているのかもしれない。

何か起これば、米国は再び再使用を断念せざるを得なくなるに違いない。

ロシアに代わって台頭してきた中国に、月面着陸の主導権を握られ、再使用型のHLSの開発に失敗すれば、確実にそうなるだろう。

「それらは工学プロジェクトであり基礎科学ではない」(再掲:以下同じ)

「私たちはこれがうまくいくことを知っています。」

それはそうかも知れないが、それがいつのことになるかは、まだ誰も知らないのだ・・・。