🐱アルテミス:スターシップの蹉跌:宇宙詐欺にはご用心2023年06月17日 05:18

アルテミス:スターシップの蹉跌:宇宙詐欺にはご用心


(NASAは、SpaceXのStarshipスケジュールにより月面着陸が遅れる可能性があると懸念)
https://spaceflightnow.com/2023/06/07/nasa-concerned-spacexs-starship-schedule-could-delay-first-artemis-moon-landing/

「スペースXとNASAは、月への1回のスターシップ飛行をサポートするために必要なタンカーの正確な打ち上げ数を明らかにしていない。」

それは10回かも知れないし、100回かも知れない。

100回だとしても、グウィンショットウェルの言葉を信じるなら、2025年くらいには年間でそのくらい飛ばしているだろうけど。

「もし彼らが私たちの有人飛行のデポを行うために多数の打ち上げが必要だと考えるなら、彼らはデモを行うために多数の打ち上げが必要であり、彼らはまだかなりの数の打ち上げを持っている」(重複修正)

「そしてもちろん、2025 年 12 月という日付については懸念が生じます。」

もちろん、その日付については、誰も信じてはいないだろう。

SLS側の問題だけ見ても、それは明らかだ。

オリオンは、試験飛行で多数の問題を露呈し、アルテミス2が実現する日程すら危うい。

アルテミス3が、2020年代に実現すると考えている関係者は皆無なのではないか。

米国の男女は、あと7年以内に月面に立つことはない。

それは、おそらく月軌道ステーションについてもいえる。

何をもって完成といえるかは不明だが、アルテミス4とかで運ぶ予定のモジュールは、2030年代にならなければ届かない。

「より強力なスペース・ローンチ・システム・ロケットは、月周回軌道上に計画されているNASAのゲートウェイ宇宙ステーションに組み立てられる国際居住モジュールとともに、オリオン宇宙船で4人の乗組員を宇宙に運びます。」

居住モジュールがないのに、宇宙ステーションとは言わんだろう。

ちなみに、月面着陸だけなら、月軌道ステーションがなくても可能だ。

が、HLSが月軌道に届かなければ話は始まらない。

それには、そもそも、スターシップが軌道飛行(こっちは地球軌道ですが)を成功させなければならないし、軌道上で100回の給油を実現しなければならない(回数は不明だからな:テキトーです)。

2020年代どころか、今世紀中には無理なのではないのかあ?。

この分だと、中国の宇宙飛行士が月面着陸をするところも見ることができないかもしれない。

オリオンは、月の低軌道を周回することができないからな(そうすると、地球に戻れなくなる)。

変則的な軌道を描く月起動ステーションが必要なのは、オリオンの性能の限界によるんだそうだ。

やれやれ・・・。

22世紀になれば、さすがにHLSも完成しているだろうし、人類の持続的な月面へのアプローチも軌道に乗っているかもしれない。

そうでなければ、再び月は見捨てられ、シスルナ空間での軍事競争や地球低軌道の奪い合いが繰り広げられることになるだろう。

月面には、人類の福祉を向上させるようなものは何もない(3重水素とかはあるらしいですけど)。

火星に行くのに、月を経由しなければならない理由は何もない。

月の資源を利用して、燃料や宇宙船の材料を調達できればいいが、そんな話が実用になるのは23世紀の話だ。

アルテミスとは何の関わり合いもない。

人類が最初に他の天体に足跡を刻んでから半世紀以上経ったが、その後の進展は何もない。

この星(地球)の生命体は、他の天体にはあまり興味がないように見える。

それ程居心地がいいんだろうし、知れば知るほど宇宙は苛烈な世界だからな。

考えてみれば、人類が数年以内に月面に到達しなければならない理由は何もない。

アルテミスがどうなろうと知ったことではない。

米国のメンツが丸つぶれになろうが、そんなことは世界にとってはどーでもいい話だからな。

ラプター2の信頼性が上がらず、数年以内にスターシップの軌道飛行が実現しなければ、S社は財政的に破綻するかもしれない(財政状況も不明だからな)。

そうなれば、アルテミスはおろか、米軍の打ち上げやスターリンクの先行きも怪しくなる。

今や、ブリキ細工の未来の巨大ロケットは、米国の宇宙開発の未来を背負っているわけだ。

NASAのお偉いさんは、FAAに脅しを掛けに行ったようだが、米国の宇宙開発の未来とボカチカ周辺の住民の安全を天秤にかけるわけにはいかない。

安全は、全てに優先する。

今世紀中に米国が月に戻ることも危うい。

ブルーオリジンのHLSについては、さらに怪しいしな(採用してもらうためだけに、完全再使用を謳ったようだし)。

いろいろ書いたが、そもそもアルテミスは火星を目指していたはずのNASAが、んなもんは当面の目標にするには遠すぎるということで、手近な目標は何かないかと探した挙句、でっちあげたテキトーな話に過ぎない。

月にはもう行っているので、到達することに意義はない。

持続的なアクセスにしても、その先に何があるのかが明示的に示されてはいないしな。

月面に持続的に滞在するためには、地球からの莫大な支援が必要だ。

まあ、もっとも、火星移民に比べれば屁のようなもんだろうけど。

米国主催の月面観光旅行(なのかあ?)が始まったとしても、ISSのように持続的にそこに滞在するわけではない。

年に1度、オリオン宇宙船が4人の観光客を乗せて月軌道ステーションを訪れ、怪しげな月面着陸船に乗り換えてミニツアーに出かけるだけだ。

そこには、ホテルもなく、これといった見どころもない。

荒涼とした月面が広がるだけの、つまらん旅行だ。

月面基地?。

そんなもんは、22世紀の話だろう。

その前に、有人火星探査が行われる。

当局は、火星から目をそらすためにアルテミスをでっち上げたわけだが、今度は逆に、いつまで経っても進展しないアルテミスから目をそらすために、有人火星探査を前面に出してくるに違いないのだ。

一発物でも、こっちは他の「惑星」への初の有人探査という意義がある。

そして、おいそれと他国がまねできない点でも、米国にとって選択する意味があるしな。

が、その実現可能性は限りなく低い・・・。

なーに、心配はいらない。

そういうことになれば、第二のアルテミス計画をでっち上げればいいだけの話だ。

とっかえひっかえしながら、業界は政府や民間から資金を調達することができる。

浮沈子は、こういう宇宙詐欺まがいの話にうんざりしている。

我々には、この地球上で成し遂げなければならない話が山のようにあるはずなのに、その困難から目をそらすための手っ取り早い目標を示されて混乱している。

毎年、41億ドルをつぎ込んで、月面観光にたった4人が行ったところで、その他大勢の人類は幸福にはならないだろう。

確認しておこう。

アルテミスは、スターシップの遅れで危機に瀕している。

スペースXは、NASAとの固定契約の縛りのせいで、財政危機に陥る懸念が生じている。

スターシップが破綻すれば、アルテミスは崩壊し、米国の宇宙開発はとん挫する可能性もある。

ブルーオリジンのHLSはさらに危うい(ニューグレンなんて、影も形もないしな)。

アルテミスが消えちまっても、有人火星探査で資金調達は可能だが、その実現性は限りなく低い。

宇宙詐欺にはご用心というところかな・・・。

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