飛ばぬロケットの皮算用:1000機のスターシップへの初めの一歩 ― 2020年11月26日 02:03
飛ばぬロケットの皮算用:1000機のスターシップへの初めの一歩
SN8のノーズに配置された酸素タンクなどからの推進剤を使った燃焼テストが失敗に終わった件は既に書いた。
(スターシップ爆発寸止めのニュース価値はあるか)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/11/14/9316377
「着陸に失敗して地面に叩きつけられてぶっ壊れるか、発射台で爆発して吹っ飛ぶか。
SN8の末路は2つに1つだな(そんなあ!)。」
そのSN8の燃焼試験が成功したという大ニュースが上がった。
(SpaceX、Starship SN8の15km上昇試験を11月30日に実施へ。4度目の地上燃焼試験を完了
イカロケット、飛びます)
https://japanese.engadget.com/spacex-starship-sn8-15km-high-altitude-test-nov-30-075005315.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly9uZXdzLmdvb2dsZS5jb20v&guce_referrer_sig=AQAAAIR-Cf1Rn_P2AHVYZTyV_9EB0oD36IkOErW0nmuK9qy2G0kAJypgV00cOHhsmJHo9lAx7XVgDtseAZYPU7PxCTthh68fUWfstSrYH9Rt2MOEbJWmrCSgArvTUdkCBTlforRHHzcUCa65OeoaIFD-RuSzvAD1RXXkd1oUZ5_fLvfL
「SpaceXが、大型ロケット兼宇宙船StarshipのSN8プロトタイプは11月24日に4度目の地上燃焼試験を順調にこなしました。そして来週にはこの銀色のロケットを地上15kmにまで上昇~帰還させる高高度試験を行う予定です。」
レスポンスの速さと、気の利いた副題に注目だな。
まあ、どうでもいいんですが。
「近隣地域の住民にはSpaceXから11月30日に試験が行われるとの通知が出され、バックアップ日は12月1~2日の予定になっていると伝えています。」
年内には、高高度試験はないと思ってたんだが、どうやら決行するらしい。
「グッドスターシップSN8静的火災! 来週の最初の15km / 〜50kフィートの高度飛行を目指しています。 目標は、3つのエンジン上昇、ボディフラップ、メインタンクからヘッダータンクへの移行、および着陸フリップをテストすることです。」(イーロンマスクのツイート)
元ネタとなっているNSFの記事には、以前のテストの失敗の原因が、砕け散った地上の破片が原因だとある。
(スターシップSN8は、飛行前に最終テストを正常に完了します)
https://www.nasaspaceflight.com/2020/11/starship-sn8-final-testing-ahead-flight/
「点火直後に「火花」が目立ったものの、1つのラプターエンジンを含む最初のヘッダータンク静的火災は成功裏に実施されました。破片は当初、エンジンの問題ではなく表面材料であると理解されていました。後者は、エンジンを交換せずに2番目のヘッダータンクテストに向けてプッシュすることで確認されました。」
「2番目のテストでは、2つのラプターが使用され、パッドの表面から花火のディスプレイが再び蹴られました。ただし、今回は、パッド表面の破片の一部がエンジンの1つ(SN32)に損傷を与えました。これは、シャットダウンの数秒後にエンジンノズルから噴出する溶融液体の流れとしてNSFライブストリームに表示されます。」
「エンジンを始動してから約2秒後、下のマーティットで覆われたコンクリートが粉々になり、硬化した岩の刃がエンジンベイに送られました」とElonMusk氏は述べています。「1つのロックブレードがアビオニクスケーブルを切断し、(a)ラプターのシャットダウンが悪くなりました。」
「このテスト以降、Raptor SN32が取り外され、新しく到着したSN42に交換され、ヘッダータンクバーストディスクが交換され、静的火災テストと打ち上げの試行に先立って、パッド表面に新しいコーティングが施されました。」
今回(24日)行われたのは、この構成による着陸用燃料系による3基のラプターの静的火災テストだ。
一応、成功と伝えられていることから、11月30日からの高高度テストが予定通り行われると見られている。
「SN8のテストは非常に困難であり、着陸に成功したという結論は、多くの人々の最も野蛮な夢をはるかに超えています。」
S社は、将来的にスターシップを1000機作るとされている。
火星に1万人の都市を築くためには、そのくらいの編隊を用意しなければならないということだ。
現在作成されているのは、あくまでプロトタイプであって、実機ではない。
生産量は、従来のロケットに比べれば多いかも知れないが(例えば、今のところSLSは10年で1機制作されている)、彼らが目指すスターシップの建造速度(たぶん、3日で1機くらい(SLSの1000倍のペース):それでも1000機作るのに10年近くかかる)に比べれば、緩やかなものだ。
プロトタイプは8機目(タンクテスト用のSN7.1除く)だから、年間4機程度のペースだ。
大量生産される実機の20分の1以下だからな。
最近は、2か月に1機程度のペースに上がってきているが、それはとりもなおさず、そんだけぶっ壊しているということに他ならない(そうなのかあ?)。
あー、もちろん、開発プロセスが進展して、壊れずに引退しているのもあるけど(SN5、SN6など)。
また、仮に、万が一、高高度飛行試験に成功したとしても、それがスターシップの開発完了を意味するものではない。
最大の隘路である、軌道速度(秒速数キロm)から大気圏に再突入し、複雑怪奇なマニューバで大気減速を行い、亜音速まで速度を下げていかなければならない。
その間の熱的負荷をどう凌ぐかというのも大問題だ。
現在、プロトタイプで使われている304Lステンレスだけではもちろんダメで、外側に貼り付ける耐熱タイルや、二層になった外壁から噴き出すメタン燃料などを気化させる際の冷却を使って行くことになるが、それが有効かどうかは未知数だ。
空気力学の女神さまが、怒髪天を突いて怒り狂うにちがいない動翼のデザインなど、懸念事項は山積みだしな。
まあいい。
浮沈子は、貨物用使い捨てスターシップだけの開発でも、早くて5年は掛かると見ている。
回収して再使用するとなると、10年は掛かるだろう。
タンカー用と有人用が計画されているらしいが、それらの実用化は間違いなく2030年代だろう。
タンカー版は、余った燃料を捨てて、再突入で燃え尽きていいなら早いかもしれない(貨物版と同程度か)。
とにかく、スターリンクを上げまくるためにも、使い捨てでも何でもいいから、巨大ロケットを早期に実現することが最優先だ。
今行おうとしている着陸の最終段階なんて、後回しでいいのだ。
燃料系やエンジンテストを兼ねて行っているに過ぎない。
その意味では、SN8が着陸に成功しようがどうしようが、本質的な意味はない。
そんなもんは、10年早い(文字通りか)。
それよりも、真空バージョンのラプターを早く開発して搭載し、スーパーヘビーをくっ付けて、宇宙空間に放り出すのが先決だ。
それは、たぶん、当事者達も認識しているだろう。
だから、高高度飛行試験は、成功しなくたっていいのだ。
あれは、あくまでも、製造技術とエンジン性能、機体強度の確認のためだ(そうなのかあ?)。
それが証拠に、地面に叩きつけてみるじゃん(そんなあ!)。
壊してみなけりゃ分らんだろう?。
再使用なんて、スターリンクを上げながら、じっくり詰めていけばいい。
スーパーヘビーと使い捨てスターシップで、まずは稼ぎまくる。
それを原資に、実機を使って2段目(スターシップ)の再使用を追求していけばいいのだ。
そうして実績を積み上げて、貨物版再使用が完成し、完全再使用ロケットが出来上がれば、再使用のタンカーバージョンを実用化したり、有人版の認定を受ける準備が整う。
浮沈子は、1000回再使用するスーパーヘビーの実機版は、コンサバなアルミ合金か複合材料になると見ているんだがな。
熱的負荷は少ないし、怪しげなステンレス鋼の溶接に依存しなくてもいいしな。
2030年代初頭には、スターシップを大陸間弾道旅客機として使う話が、現実になってくるかもしれない。
もう、完全再使用がニュースになることもない時代になっている。
再突入速度が小さいサブオービタルバージョンが先に認可され、有人宇宙機がその後になる可能性が高い。
航空機メーカーは、大陸間の長距離旅客機の市場を奪われ、貨物機と短距離中距離の旅客機を作るしかなくなる。
S社は、キャリア事業も始めるかもな。
国際線に依存している航空機会社は、次々と整理されていくに違いない・・・。
もちろん、得意のベータ版事業かも知れない。
遅延、欠航は想定の範囲内(そうなのかあ?)。
ないよりマシのベータ事業だからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スペースXは、静的な火事の後に50,000フィートのスターシップ打ち上げデビューのために「行く」と、イーロン・マスクは言います)
https://www.teslarati.com/spacex-go-for-50000-foot-starship-launch-debut/
「結果に関係なく、スターシップの高高度打ち上げデビューは壮観であることが保証されているということです。」
なんか、やけっぱちみたいな記事だな。
次のプロトタイプが用意されているから、バンバンぶっ壊していいという話じゃないような気もするんだがな。
「スターシップSN15がいくつかの神秘的な「主要なアップグレード」のホストになる」
「おそらくいくつかの大幅な製造の改善と設計の改良」
今、用意されているレベルのプロトタイプは、それだけ未成熟ということになる。
しかし、そこで確認すべき技術要素はあるわけだから、キッチリ作ってテストしなければならない。
その結果、プロトタイプとして再使用できないとか、継続してテストに供する意味がなくなれば引退する。
吹っ飛んだり、溶けたり(!)してぶっ壊れるのは、結果であって目的じゃない。
高高度飛行テストの前に、再度SN8で点火試験を行う可能性もあるしな。
その結果、ぶっ壊れたりしたら、やっぱ来年にしようかということになるかも知れない。
壊さなくても分かることはあるに違いない。
「簡単に言うと、テスト中にSN8が破壊された場合、Starship SN9は、パッドがクリアになるとすぐに打ち上げサイトに移動できるようになります。」
虎視眈々と後釜を狙う次のプロトタイプ・・・。
早く壊した方が、開発速度が上がるというのも異常な気がするがな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceXバックアップスターシップはノーズコーンのインストール後にフルハイトに達します)
https://www.teslarati.com/spacex-backup-starship-full-height-nosecone-installed/
「良いデータが収集されている限り、SN8の打ち上げデビューは、ロケットが1つまたは複数のピースで着陸するかどうかにかかわらず、スターシップにとって成功するでしょう。」
記事はスターシップのアジャイル開発や現状について書いているだけで、何か目新しい情報があるわけではない。
手っ取り早く言えば、失敗は成功の基ということに尽きる。
「間違いなくテストとエンベロープのプッシュが遅すぎるという点に成功しています。」
プロトタイプの生産速度が上がり(昨年の2倍以上)、テストが追い付かない状況が生まれている。
それはそれで喜ばしい状況なんだろうが、アグレッシブなテストを行って、ぶっ壊す(複数のピースでの着陸でもいいんですが)だけが能ではないだろう。
成功するための取り組みや、失敗した時のデータ収集、解析、開発へのフィードバック、開発そのものの柔軟性やフィードバックの取り込みをしっかり行う点が重要だな。
後ろがつかえて置き場がないから、さっさと上げてぶっ壊すということでは本末転倒と言えよう(逆さになって墜落するという意味ではない!:ああ、いや、実際そうかも・・・)。
浮沈子的には、着陸用燃料系統を使ったスタティックファイアテストで問題点を洗い出し、改善を施してホップテストを挟み、ラプターエンジンの制御を確認したのちに高高度飛行試験に臨むのがいいと思っているんだがな。
まどろっこしいから、全部まとめてやっちまえ!。
3日後には、全てが明らかになる(予備日が2日ほどあるようですが)。
既に書いたように、このテストは成功することだけが目的ではない。
つーか、失敗することも成功のうちということになっている。
だから、成功が約束されたテストなわけだ。
早くケリをつけるに越したことはないということか・・・。
SN8のノーズに配置された酸素タンクなどからの推進剤を使った燃焼テストが失敗に終わった件は既に書いた。
(スターシップ爆発寸止めのニュース価値はあるか)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/11/14/9316377
「着陸に失敗して地面に叩きつけられてぶっ壊れるか、発射台で爆発して吹っ飛ぶか。
SN8の末路は2つに1つだな(そんなあ!)。」
そのSN8の燃焼試験が成功したという大ニュースが上がった。
(SpaceX、Starship SN8の15km上昇試験を11月30日に実施へ。4度目の地上燃焼試験を完了
イカロケット、飛びます)
https://japanese.engadget.com/spacex-starship-sn8-15km-high-altitude-test-nov-30-075005315.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly9uZXdzLmdvb2dsZS5jb20v&guce_referrer_sig=AQAAAIR-Cf1Rn_P2AHVYZTyV_9EB0oD36IkOErW0nmuK9qy2G0kAJypgV00cOHhsmJHo9lAx7XVgDtseAZYPU7PxCTthh68fUWfstSrYH9Rt2MOEbJWmrCSgArvTUdkCBTlforRHHzcUCa65OeoaIFD-RuSzvAD1RXXkd1oUZ5_fLvfL
「SpaceXが、大型ロケット兼宇宙船StarshipのSN8プロトタイプは11月24日に4度目の地上燃焼試験を順調にこなしました。そして来週にはこの銀色のロケットを地上15kmにまで上昇~帰還させる高高度試験を行う予定です。」
レスポンスの速さと、気の利いた副題に注目だな。
まあ、どうでもいいんですが。
「近隣地域の住民にはSpaceXから11月30日に試験が行われるとの通知が出され、バックアップ日は12月1~2日の予定になっていると伝えています。」
年内には、高高度試験はないと思ってたんだが、どうやら決行するらしい。
「グッドスターシップSN8静的火災! 来週の最初の15km / 〜50kフィートの高度飛行を目指しています。 目標は、3つのエンジン上昇、ボディフラップ、メインタンクからヘッダータンクへの移行、および着陸フリップをテストすることです。」(イーロンマスクのツイート)
元ネタとなっているNSFの記事には、以前のテストの失敗の原因が、砕け散った地上の破片が原因だとある。
(スターシップSN8は、飛行前に最終テストを正常に完了します)
https://www.nasaspaceflight.com/2020/11/starship-sn8-final-testing-ahead-flight/
「点火直後に「火花」が目立ったものの、1つのラプターエンジンを含む最初のヘッダータンク静的火災は成功裏に実施されました。破片は当初、エンジンの問題ではなく表面材料であると理解されていました。後者は、エンジンを交換せずに2番目のヘッダータンクテストに向けてプッシュすることで確認されました。」
「2番目のテストでは、2つのラプターが使用され、パッドの表面から花火のディスプレイが再び蹴られました。ただし、今回は、パッド表面の破片の一部がエンジンの1つ(SN32)に損傷を与えました。これは、シャットダウンの数秒後にエンジンノズルから噴出する溶融液体の流れとしてNSFライブストリームに表示されます。」
「エンジンを始動してから約2秒後、下のマーティットで覆われたコンクリートが粉々になり、硬化した岩の刃がエンジンベイに送られました」とElonMusk氏は述べています。「1つのロックブレードがアビオニクスケーブルを切断し、(a)ラプターのシャットダウンが悪くなりました。」
「このテスト以降、Raptor SN32が取り外され、新しく到着したSN42に交換され、ヘッダータンクバーストディスクが交換され、静的火災テストと打ち上げの試行に先立って、パッド表面に新しいコーティングが施されました。」
今回(24日)行われたのは、この構成による着陸用燃料系による3基のラプターの静的火災テストだ。
一応、成功と伝えられていることから、11月30日からの高高度テストが予定通り行われると見られている。
「SN8のテストは非常に困難であり、着陸に成功したという結論は、多くの人々の最も野蛮な夢をはるかに超えています。」
S社は、将来的にスターシップを1000機作るとされている。
火星に1万人の都市を築くためには、そのくらいの編隊を用意しなければならないということだ。
現在作成されているのは、あくまでプロトタイプであって、実機ではない。
生産量は、従来のロケットに比べれば多いかも知れないが(例えば、今のところSLSは10年で1機制作されている)、彼らが目指すスターシップの建造速度(たぶん、3日で1機くらい(SLSの1000倍のペース):それでも1000機作るのに10年近くかかる)に比べれば、緩やかなものだ。
プロトタイプは8機目(タンクテスト用のSN7.1除く)だから、年間4機程度のペースだ。
大量生産される実機の20分の1以下だからな。
最近は、2か月に1機程度のペースに上がってきているが、それはとりもなおさず、そんだけぶっ壊しているということに他ならない(そうなのかあ?)。
あー、もちろん、開発プロセスが進展して、壊れずに引退しているのもあるけど(SN5、SN6など)。
また、仮に、万が一、高高度飛行試験に成功したとしても、それがスターシップの開発完了を意味するものではない。
最大の隘路である、軌道速度(秒速数キロm)から大気圏に再突入し、複雑怪奇なマニューバで大気減速を行い、亜音速まで速度を下げていかなければならない。
その間の熱的負荷をどう凌ぐかというのも大問題だ。
現在、プロトタイプで使われている304Lステンレスだけではもちろんダメで、外側に貼り付ける耐熱タイルや、二層になった外壁から噴き出すメタン燃料などを気化させる際の冷却を使って行くことになるが、それが有効かどうかは未知数だ。
空気力学の女神さまが、怒髪天を突いて怒り狂うにちがいない動翼のデザインなど、懸念事項は山積みだしな。
まあいい。
浮沈子は、貨物用使い捨てスターシップだけの開発でも、早くて5年は掛かると見ている。
回収して再使用するとなると、10年は掛かるだろう。
タンカー用と有人用が計画されているらしいが、それらの実用化は間違いなく2030年代だろう。
タンカー版は、余った燃料を捨てて、再突入で燃え尽きていいなら早いかもしれない(貨物版と同程度か)。
とにかく、スターリンクを上げまくるためにも、使い捨てでも何でもいいから、巨大ロケットを早期に実現することが最優先だ。
今行おうとしている着陸の最終段階なんて、後回しでいいのだ。
燃料系やエンジンテストを兼ねて行っているに過ぎない。
その意味では、SN8が着陸に成功しようがどうしようが、本質的な意味はない。
そんなもんは、10年早い(文字通りか)。
それよりも、真空バージョンのラプターを早く開発して搭載し、スーパーヘビーをくっ付けて、宇宙空間に放り出すのが先決だ。
それは、たぶん、当事者達も認識しているだろう。
だから、高高度飛行試験は、成功しなくたっていいのだ。
あれは、あくまでも、製造技術とエンジン性能、機体強度の確認のためだ(そうなのかあ?)。
それが証拠に、地面に叩きつけてみるじゃん(そんなあ!)。
壊してみなけりゃ分らんだろう?。
再使用なんて、スターリンクを上げながら、じっくり詰めていけばいい。
スーパーヘビーと使い捨てスターシップで、まずは稼ぎまくる。
それを原資に、実機を使って2段目(スターシップ)の再使用を追求していけばいいのだ。
そうして実績を積み上げて、貨物版再使用が完成し、完全再使用ロケットが出来上がれば、再使用のタンカーバージョンを実用化したり、有人版の認定を受ける準備が整う。
浮沈子は、1000回再使用するスーパーヘビーの実機版は、コンサバなアルミ合金か複合材料になると見ているんだがな。
熱的負荷は少ないし、怪しげなステンレス鋼の溶接に依存しなくてもいいしな。
2030年代初頭には、スターシップを大陸間弾道旅客機として使う話が、現実になってくるかもしれない。
もう、完全再使用がニュースになることもない時代になっている。
再突入速度が小さいサブオービタルバージョンが先に認可され、有人宇宙機がその後になる可能性が高い。
航空機メーカーは、大陸間の長距離旅客機の市場を奪われ、貨物機と短距離中距離の旅客機を作るしかなくなる。
S社は、キャリア事業も始めるかもな。
国際線に依存している航空機会社は、次々と整理されていくに違いない・・・。
もちろん、得意のベータ版事業かも知れない。
遅延、欠航は想定の範囲内(そうなのかあ?)。
ないよりマシのベータ事業だからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スペースXは、静的な火事の後に50,000フィートのスターシップ打ち上げデビューのために「行く」と、イーロン・マスクは言います)
https://www.teslarati.com/spacex-go-for-50000-foot-starship-launch-debut/
「結果に関係なく、スターシップの高高度打ち上げデビューは壮観であることが保証されているということです。」
なんか、やけっぱちみたいな記事だな。
次のプロトタイプが用意されているから、バンバンぶっ壊していいという話じゃないような気もするんだがな。
「スターシップSN15がいくつかの神秘的な「主要なアップグレード」のホストになる」
「おそらくいくつかの大幅な製造の改善と設計の改良」
今、用意されているレベルのプロトタイプは、それだけ未成熟ということになる。
しかし、そこで確認すべき技術要素はあるわけだから、キッチリ作ってテストしなければならない。
その結果、プロトタイプとして再使用できないとか、継続してテストに供する意味がなくなれば引退する。
吹っ飛んだり、溶けたり(!)してぶっ壊れるのは、結果であって目的じゃない。
高高度飛行テストの前に、再度SN8で点火試験を行う可能性もあるしな。
その結果、ぶっ壊れたりしたら、やっぱ来年にしようかということになるかも知れない。
壊さなくても分かることはあるに違いない。
「簡単に言うと、テスト中にSN8が破壊された場合、Starship SN9は、パッドがクリアになるとすぐに打ち上げサイトに移動できるようになります。」
虎視眈々と後釜を狙う次のプロトタイプ・・・。
早く壊した方が、開発速度が上がるというのも異常な気がするがな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(SpaceXバックアップスターシップはノーズコーンのインストール後にフルハイトに達します)
https://www.teslarati.com/spacex-backup-starship-full-height-nosecone-installed/
「良いデータが収集されている限り、SN8の打ち上げデビューは、ロケットが1つまたは複数のピースで着陸するかどうかにかかわらず、スターシップにとって成功するでしょう。」
記事はスターシップのアジャイル開発や現状について書いているだけで、何か目新しい情報があるわけではない。
手っ取り早く言えば、失敗は成功の基ということに尽きる。
「間違いなくテストとエンベロープのプッシュが遅すぎるという点に成功しています。」
プロトタイプの生産速度が上がり(昨年の2倍以上)、テストが追い付かない状況が生まれている。
それはそれで喜ばしい状況なんだろうが、アグレッシブなテストを行って、ぶっ壊す(複数のピースでの着陸でもいいんですが)だけが能ではないだろう。
成功するための取り組みや、失敗した時のデータ収集、解析、開発へのフィードバック、開発そのものの柔軟性やフィードバックの取り込みをしっかり行う点が重要だな。
後ろがつかえて置き場がないから、さっさと上げてぶっ壊すということでは本末転倒と言えよう(逆さになって墜落するという意味ではない!:ああ、いや、実際そうかも・・・)。
浮沈子的には、着陸用燃料系統を使ったスタティックファイアテストで問題点を洗い出し、改善を施してホップテストを挟み、ラプターエンジンの制御を確認したのちに高高度飛行試験に臨むのがいいと思っているんだがな。
まどろっこしいから、全部まとめてやっちまえ!。
3日後には、全てが明らかになる(予備日が2日ほどあるようですが)。
既に書いたように、このテストは成功することだけが目的ではない。
つーか、失敗することも成功のうちということになっている。
だから、成功が約束されたテストなわけだ。
早くケリをつけるに越したことはないということか・・・。
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