🐱ロケット事業の黄昏2023年03月07日 06:17

ロケット事業の黄昏
ロケット事業の黄昏


ロケットの打ち上げ(の中継動画)を見るのは楽しい。

多くは、ファルコン9の打ち上げで、特に1段目の回収が成功するかどうかが見ものだ。

たまに、本当に稀に、失敗してくれたりするとワクワクする(そんなあ!:ちなみに、浮沈子は有人ロケットの打ち上げは、生中継では見ません:怖くて見ていられない!)。

一時期は、フェアリングの回収にもトリッキーな方法(船の上に広げたネットでキャッチ)を試みていたしな(最近は水に落としてから拾うようです:たんじゅん・・・)。

ロケットラボのエレクトロンの1段目も、ヘリコで空中キャッチとか言っていたが、結局、落としてから拾うことにしたようだ。

やれやれ・・・。

が、まあ、いろいろな打ち上げを見て楽しめた時代も、そろそろ様変わりしてきているようだ。

スペースXの登場で、業界の地図は塗り替わり、ウクライナ紛争の影響で、益々S社一色の様相を呈している。

スターシップの開発に成功した暁には、コモディティ化した打ち上げだけのつまらん世界にるかもしれない。

まあいい。

最近の記事で、ULAが売りに出ているという話がある。

(情報筋によると、著名な米国のロケットメーカー、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが売りに出されている)
https://arstechnica.com/science/2023/03/sources-say-prominent-us-rocket-maker-united-launch-alliance-is-up-for-sale/

「親会社の 1 つ、ロッキードかボーイングがもう一方を買収する可能性があります。」

「アマゾンが興味を持つ可能性が高い。」

「Blue Originも興味があるかもしれません。」

浮沈子はどれでもない気がする。

「他の潜在的な入札者には、国家安全保障に関心があり、バルカンに固体ロケットモーターを提供するノースロップグラマンが含まれます。」

これじゃないのかあ?。

打ち上げロケット会社の運営は、多くのノウハウを必要とする。

全くの素人が手を出すことは難しい。

S社のように、ゼロから立ち上げて育てるのも大変だが、米国の主要打ち上げ会社を買収して運営するのはイーロンマスクでもムリポだろう(つーか、買わねーよ・・・)。

「商用立ち上げの新しい時代に競争力を持つためには、新しい所有者はおそらくULAを解放してイノベーションを起こし、そのための資金を提供する必要があります.」

イノベーションがそう簡単に起こせるなら苦労はしない。

規模のメリットを発揮してコストダウンを図るか、異なる技術を融合して統合のメリット(シナジー効果)を出すしかない。

ノースロップグラマンは、固体燃料ロケットに強みがあったけど、最近の流行りではなくなってきたからな。

再使用し辛い(スペースシャトルでは、モーターケースを拾い上げて再使用していたけど、おそらく使い捨てにした方が安いだろう:未確認)。

ブースターとしての使い捨て需要と、再使用ロケットのノウハウを組み合わせれば(バルカンは、一応、エンジンユニットを再使用できる触れ込みです)、時流に乗ることが出来るかもしれない。

ロッキードマーチンが全部を所有する案もあるけど、規模のメリットは持てないからな。

アマゾンや、新興ロケット会社による買収は論外だ。

ブルーオリジンは、脈がないわけではないけど、ニューグレンの開発までの繋ぎにしかならない(それはそれで、メリットはありますが)。

いずれにしても、部屋の中のゾウであるスターシップが出来れば、隙間産業になってしまうのがオチだ。

価格は10分の1以下で、高頻度に打ち上げられるロケットを横目に見ながら、特殊需要の隙間産業的打ち上げに甘んじていくしかない。

将来性のない業種から、まだ企業価値が残っているうちに撤退するという経営判断は、たぶん正しい。

最も成功しているS社自身が、ロケット会社から衛星事業会社に転身してしまったからな。

次は、大陸間弾道旅客会社になるんだろう(そうなのかあ?)。

地球上のどこにでも、100トンの貨物や人員を1時間以内にお届け可能な夢のロジスティクス事業だ。

打ち上げロケットが商売になるとしたら、地球低軌道で薄利多売するか、深宇宙探査で阿漕に稼ぐか、低軌道コンステレーション並みのキラーアプリを見つけてこなければならない。

月面開発とか、宇宙太陽光発電所とかな。

火星移民でもいいけど・・・。

究極のアイテムは、宇宙コロニーかも知れない。

打ち上げる重量は半端ないからな。

ISSなどというチンケな宇宙船とは3桁以上違う(テキトーです)。

まあ、小惑星とか月とかから、マスドライバーで送り出すにしても、そのエネルギーをどうするかとか(原子力発電所とかそれこそ太陽光発電所とか作らないとな)、いずれにしても相当期間の運搬需要はある。

そういう話に乗っかって荒稼ぎできなければ、もう、衛星打ち上げとかでは商売にならないのだ。

B社が打ち上げ事業から撤退するというのは、S社に対して白旗を掲げたことになる(そうなのかあ?)。

そもそも、デルタ4からは、早々に撤退したからな(ヘビー除く)。

ULAが出来たいきさつだって、B社がL社に対して産業スパイを働いたことがきっかけだ。

米軍の打ち上げは、6対4でULAに取らせることになっているけど、次回は4対6に、いや、1対9になるかも知れない。

潰すことはないだろうが、業界の再編は進むだろう。

ロッキードマーチンが全部所有するということもないわけじゃない。

ひょっとして、ノースロップグラマンとの共同所有とか。

いずれにしても、同じ様な完全再使用ロケットで、S社に価格競争を仕掛けることが出来なければ、或いは、全く新しいロケットビジネスの需要を開拓できなければ、スターシップの登場と共に、この業界は終わる。

9割を占めるS社と、その他大勢・・・。

もちろん、我が国のH3などは歯牙にも掛からない。

(H3ロケット初号機の打ち上げ中止は、電気的離脱で生じたノイズが原因と特定)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230305-2607897/

「問題の原因として特定されたのは、地上と機体を電気的に切り離した瞬間に発生したノイズ。地上側に対策を施し、めどが立ったことから、3月10日までの再打ち上げを目指すことが決まった。」

「半導体スイッチをオン/オフするFPGAは、機体と地上を繋ぐアンビリカルを経由して、地上側から制御している。」

「電気的離脱時に発生したノイズにより、FPGAが誤動作」

対策は、時差を与えて離脱させることによるノイズの低減だという。

うーん、本当に大丈夫なのかあ?。

「電源・通信ラインは、リフトオフ時に物理的に遮断(アンビリカル離脱)されるのだが、よりマイルドに遮断するため、その前に地上側の機械式リレーによって、電気的に遮断することが行われていた。今回問題となったノイズは、この機械式リレーの作動によって発生」

「機械式リレーの作動によってノイズが発生するのは割と一般的」

「同様に電気的離脱を行っていたH-IIAロケットでは、これまで同じ問題は起きたことは無かったという。なぜH3ロケットだけで発生したのか、どういった違いによって発生するのか、その理由は現時点では分かっていない。」

今回の分散離脱対策で、十分なノイズ低減効果が得られているという判断なんだろうが、ノイズによって誤動作したFPGAとやらは交換されているわけではない。

「ノイズの過電圧でFPGAが異常な動作をしたのか、それともノイズがたまたまコマンドと解釈できるようなものだったのか、詳細はまだ不明。」

「ノイズが原因であることは分かった。そこで、対策として、電気的離脱の手順を変更。ノイズを抑制する効果が確認できた」

「時間差を付けて順次遮断するように変更した。これは地上側のプログラム変更のみで行い、機体側には一切変更は無い。」

まあいい。

S/N比がどうだとか、そういう話でケリがついているんだろうが、実際にやってみなければ分からないというのが正直なところではないのだろうか。

「最終検証では波形の観測まではできないので、誤動作しないかどうかのみ確認するとのこと。」

それは、これまでのH2Aの時と同じように、たまたま上手くいったというだけのことかも知れない。

「電気的な事象、とくにノイズのようなものは、再現性が無い場合も多く、原因の特定は非常に難しい。」

「今度こそ打ち上げを成功させるべく、最後の一瞬まで頑張りたい。これまでエンジニアが最高のパフォーマンスを出してきているので、打ち上げの成功に繋がると思っている」

頑張ったから成功するというもんじゃない(もちろん、やるべきことをやらなければ成功はおぼつかないけどな)。

打上げは、物理の神様への信心が大切だ。

当たるも八卦、当たらぬも八卦・・・。

おっと、斜陽な打ち上げビジネスの話だったか。

そのH3が太刀打ちできるのは、せいぜいバルカンロケットとか、その程度だろう。

ファルコン9の信頼性には程遠いし、再使用による経済性では勝負にならない。

結局、民間衛星の打ち上げは、ウクライナであぶれた衛星を回してもらうのがせいぜいで、年間100回の打ち上げを目指しているS社とは比較にならない(H3は年6回が「目標」だそうです)。

それでも、ULAみたいに潰れることはない。

コストプラスの重工の契約は健在だし。

H3だって、削り出しで作っているインジェクターを3Dプリンターで作るらしいからな。

上手くいけば、コスト削減に繋がるかも知れない。

今回人身御供にされているアロス3は、本来なら固体燃料ブースターなしで上がる衛星だ。

そういう需要を掘り起こして、なるべくSRBを使わずに済ませることが出来ればいいのかも知れない(イプシロンを商用化するという話はないからな:それよりもなによりも、次の打ち上げを成功させないとな)。

我が国では、S社の10分の1の開発速度で、10分の1の打ち上げ頻度を、米国の宇宙予算の10分の1でこなしている。

同じ形をしたロケットが上がっていることさえ奇跡だ。

しかも、打ち上げビジネスは斜陽と来ている。

業界は、産業として育てて欲しいと言っているのかも知れないが、経産省だって、先のない事業に予算を回す気はない。

国家安全保障の観点から、防衛省はお客さんになってくれるかもしれないけど、海外では軍事衛星を平気で他国に上げてもらっているしな。

重工も、そろそろロケット事業の引き取り先でも探しておいた方がいいかもな・・・。

🐱H3:開発打ち切り!?2023年03月07日 21:00

H3:開発打ち切り!?
H3:開発打ち切り!?


(H3ロケット打ち上げ失敗 2段目が点火せず JAXAは原因究明へ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230307/k10014000041000.html

始めに断っておくけど、このブログ記事を書く前に2本ほど、没記事を書いている。

1段目と補助ロケットの燃焼テストを無事にクリアーし、次回の2段目点火テストに期待(そんなあ!)。

失敗は失敗だが、細部に焦点を当てて、フェアリングの投棄のタイミングがファルコン9(スターリンク2-7)より遅く、空気抵抗が少ないところで外している点を指摘し、衛星に優しいいいロケットだと褒めた記事も(前の記事と今回の記事の画像はその名残り)。

不幸中の幸いは、発射時に爆発炎上木っ端微塵になって、せっかく新しくした発射台ごと吹っ飛ばさなかったことと、指令破壊で落下したエリアが想定内で、二次被害がなかった点だな。

浮沈子は、新開発のロケットだから、3回くらいは失敗してもやむを得ないと考えている。

次回は、2段目の着火には成功するも、衛星のデプロイに失敗するかも(ファルコン9でも、ズーマで似たような話が:責任分界点の問題で、S社としては打ち上げ成功と捉えているようですが)。

3回目の失敗として想定されているのは、衛星そのものが壊れちまって、単なるデブリの打ち上げに終わるというもの(「ひとみ」の残骸とか、まだ周ってるのかな?)。

まあ、どうでもいいんですが。

が、そうやって甘やかしていると、いつまで経っても上がらないからな。

今回は、前回の記事の流れで、グサッと厳しくいくことにした。

「搭載された衛星に関係されたみなさま、地元をはじめ、関係するみなさま、そして多くの国民のみなさまのご期待に応えられず深くおわび申し上げます」

「・・・フィリピン沖の深い海に落下しているということもあり機体の回収は基本的に考えていない」

「まずは1号機の原因究明を早急に行うとともに次の打ち上げへの道筋をつけるのが喫緊の課題と認識している。その過程の中で2号機以降の計画をどう立て直すかあわせて検討したい」

さて、原因の究明は、後始末として行うとしても、2号機以降の開発を行うのかどうかは白紙に戻して考えた方がいいのではないのか。

つまりだな、既に十分ケチをつけたわけだから、この際、自前の大型(中型?)ロケットの開発を断念するという選択肢を考えた方がいいのではないかということなわけだ。

2060億円という金(開発費)をどぶに捨てることになるけど、米国のSLSみたいに、全国津々浦々に仕事を落としているわけでもないし、やめちまっても政権与党の基盤を揺るがすことにはならないだろう。

幸い、前任のH2Aは、暫くは飛ばせるようだし、どーせ、先細りの業界だし。

海外では、軍事衛星だって日常的に外国のロケットに打ち上げてもらっているし、我が国自身が自衛隊の通信衛星をスカパーとの相乗り(区分所有)で、アリアンで上げてもらおうとしてたからな(輸送中のトラブルで、結局、H2Aで上げましたが:うーん、今思えば工作員が仕組んだのかも)。

重工は、嫌とは言わないだろう。

防衛費の増加で、儲からない民生事業に注力するよりも、資源の最適化が図れるからな。

極超音速巡航ミサイルでも開発した方が、お国のためになると思ってるんじゃないのかあ?(浮沈子も、そう思います:<さらに追加>参照)。

これから失敗の原因を探り、対策を施すということになれば、さらに金も時間もかかる。

そのコストは、直接払われなくても、次期基幹ロケットの開発費に上乗せされたりするわけだしな(そうなのかあ?)。

我が国のロケット技術を欲しがるところに、技術供与して上げれば、きっと喜ばれるに違いない(って、どこよ!?)。

衛星ビジネス(作成運用)とか、衛星通信サービスとか、そういう付加価値の高いところに集中して、斜陽産業の打ち上げロケットから撤退するというのは悪くないと思うんだがな。

打ち上げ能力自体、世界的にだぶついてくることは見えている。

独自に打ち上げ能力を持ちたいなんてのは、見栄と自慢以外の動機はないんじゃないのかあ?。

衛星なんて、国境関係なく周回してるんだから、世界中どこから打ち上げても同じだ。

米国にお願いして、ULAでも譲ってもらった方がいい気がする(ちょっと、持てあます気もしますけど)。

「H3の第2段エンジンはH2Aの第2段エンジンをベースに一部改良していて酸素と水素を燃焼させるという基本的なところは同様だが電気的なネットワークは同様ではない」

H3の電装系は、個数ベースで9割が民生部品(主に自動車)というから、その辺りの問題があるのかも知れない。

1段目の着火をぶった切ったFPGA(Field Programmable Gate Array)が、そうだったのかは知らない。

地上側の従来の電源遮断シーケンスを通さなかったんだから、ぶっちゃけ、不良品(!)だったわけで、分割して遮断するという対策自体が邪道な気もする。

まあ、今回、2段目の着火が出来なかった原因は不明だが、専門家は、1段目と同様に着火信号が届かなかったからとみているようだ。

「第2段エンジンは、H2AやH2Bといったこれまでのロケットを踏襲したもので、使用実績もたくさんある。信頼性も高く、いかなる状況下でも着火するシステムなので、これが着火していないということは、エンジンの問題ではなく、着火信号が行っていない、ということだろう。過去に第2段エンジンが燃焼しなかった例は聞いたことがない」

「第1段エンジンに燃焼などの指示はできているので、第2段エンジンを制御するコンピューターの問題だと思われるが、現時点では原因について何ともいえない」

我が国のロケットで衛星が上がらなくても、庶民の生活に影響はない。

世界の衛星の99.9パーセント以上は、海外のロケットで上がっている。

ちなみに、2022年には、H2Aは1機も上がっていない(2019年もゼロ:最近4年余り(50か月)で6機だけ)。

浮沈子は、真面目に書いている。

そりゃあ、もちろん、今回1号機がペイロードを軌道投入できなかったことは残念だし、1日も早く2号機が飛んで欲しいという願いがないわけではないが、冷静に考えれば見栄と自慢以外の動機はない(それはそれで重要ですが)。

こんなもの、要らない!。

プラグマチックな理由などないのだ。

それは、SLSと同じ陥穽にハマってしまっているだけ。

おらが村の農道空港(農道離着陸場)。

幸い、近所の村(中国とかあ?)からは、頻繁に打ち上げがあるしな。

今はドンパチやってるけど、収まればロシアからの打ち上げも復活する。

韓国も、独自ロケットの開発に成功した。

もう、ロケット持ってるだけじゃ自慢にはならない。

見栄も張れない。

頭を冷やして、別の道を探る好機かもしれない。

部屋(打ち上げロケット業界)の中のゾウ(スターシップ)が歩き出せば、部屋ごとぶっ壊れる運命にある(英語の例えとは異なります:念のため)。

H2Aを延命し、スターシップにでも出資しておくことを勧める。

我が国は、2040年代に、H3の10分の1のコストを目指している(1回の打ち上げで5億円くらいか)。

もちろん、完全再使用ロケットでなければ達成は不可能だ。

たとえ、20年先に実現できたとしても、おそらくペイロード重量当たりのコストはスターシップの100倍だろう。

その頃には、原子力エンジンを搭載した軌道専用ロケットが、宇宙空間を飛び回っているに違いないのだ。

永遠に商売にならない事業に投資し続けるのは愚かだ。

反重力エンジン(アンオブタニウムとか)でも開発しない限り、我が国のロケットが政府需要以外の顧客を得て生業を続けることはない(お情けで、年に1機とか2機じゃな)。

悪いことは言わない。

明日からは、打ち上げロケットの開発をやめて、スペースジェット(開発を断念した国産旅客機)を復活させよう!。

その方が、お国のためになる気がするがな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

いくつか記事を読んだので、関心を引いたものを引用しておく。

(H3発射失敗「原因究明は時間かかる」 米本浩一・東京理科大教授)
https://www.sankei.com/article/20230307-VQ4V2QWXCFOBTIH6ZH7LNBZNX4/

「限られたテレメトリーデータから原因を推定するのはかなり難しく、時間がかかる。原因が究明されても、対策について実証試験をしなければならず、年単位の遅れになってしまうだろう。」

「H3後の基幹ロケットでは、米スペースXのファルコン9のような再使用型が検討されている。」

我が国のロケット開発では、同時並行で行う余力はないだろうからな。

次期基幹ロケットでは、まだ、完全再使用というわけにはいかないだろうから、いずれにしても2段目の不具合については究明しておかなければならない。

せっかく上手くいった1段目を見捨てるというのも、正直言って勿体ない。

で、ずるずると引きずっていくうちに、世界の再使用の流れから取り残されてしまうわけだ。

開発資源が限られているなら、H3の開発をうち切って、再使用ロケットの開発に舵を切るべきだろう。

こういう話を始めると、いや、1段目が上手くいったんだから、それを生かすべきだとか、どーせ、次期開発でも2段目は使い捨てなんだから、現状の開発を生かすべきだとかいう話が出てくるだろうが、そういう議論(正論?)に耳を傾けていたら競争に打ち勝つことなどできはしない。

どーせ商売にならないなら、確実に上がっているH2Aを使い続けて、その間にイノベーションを成し遂げるのが最短となるに違いない。

それとも、H2Aを使い続けることが出来ない決定的な理由でもあるんだろうか?。

確かに、固体燃料ロケットの推進剤(製造中止)とか、特許の問題はあるだろうが、適合する改良を施せば解決可能だろう。

LE-7Aエンジンの溶接が出来る職人がいなくなるとか、そういうことなら仕方ないけどな(溶接できなければ、エンジンは作れなくなる)。

職人を一から養成するには10年は掛かるからな。

我が国は、その間、打ち上げロケットなしで凌がなければならない。

いずれにしても、年単位の遅れが確実となった現在、将来に向けて正しい選択をしないと、それこそ世界に取り残される。

(日本の「H3」ロケット、打ち上げ失敗 指令破壊)
https://www.bbc.com/japanese/64871869

「今回、地球観測衛星「ALOS-3(だいち3号)」を搭載し、軌道に投入する予定だった。この衛星は、北朝鮮のミサイル発射を検知することが可能だという。」

高度669kmの極軌道だからな。

たまたま上空を通過している時にしか役には立たない。

スターリンクみたいに、数千機飛ばして常時監視するわけじゃないからな。

誰が入れ知恵したかは知らないけど、余計なことは言わない方が無難だ。

「「H3」は当初、3日に打ち上げを予定していたが、補助ブースターに不具合があったため中止した。」

このネタは、他ではどこも書いていない(浮沈子が見落としているだけかも)。

そもそも、公式予定で3日の打ち上げ予定というのはなかった(点火信号が送られなかった原因の特定がその頃だしな)。

6日の予定が7日に伸びたのは天候のせいだし。

まあいい。

「日本はこのロケットを、スペースXの「ファルコン9」に代わる、安価なロケットとして発表していた。」

だいぶ過剰宣伝をしているようだな。

(日本の旗艦H3ロケットが最初の試験飛行に失敗)
https://spaceflightnow.com/2023/03/07/japans-flagship-h3-rocket-fails-on-first-test-flight/

「JAXA によると、最も強力な構成の H3 ロケットは、最大 6.5 トンのペイロードを、多くの大型電気通信衛星が好む目的地である静止転送軌道に打ち上げることができます。これは、SpaceX の Falcon 9 ロケットの揚力に匹敵します。」

「当局は、スペースXのファルコン9ロケット、ULAのバルカンロケット、ヨーロッパのアリアン6ロケットと競合するH3ロケットの商業打ち上げ事業を誘致することを望んでいる.」

50億円で打ち上げられるのは、4トン程度で、それも高度500kmの極軌道までだ。

記事にある6.5トンの静止衛星を遷移軌道に上げるには、固体燃料ロケットを4本付けなければならないから、コストは90億円になり、ファルコン9とは勝負にならない(円安だから、トントンかな:6500万ドルで1ドル140円とすると91億円)。

ファルコン9には、更に使い捨てにしてスーパーシンクロナストランスファ軌道に投入したり、ヘビーを使って2機纏めて上げたりする裏技もあるしな。

高頻度高信頼性と言う観点からは、太刀打ちできないのだ。

2段目のロケットエンジンであるLE-5B-3の改良点について、詳しい解説も載っている。

「燃料効率の改善を達成するために、エンジニアはエンジンのミキサーの設計を変更しました。このミキサーは、燃料ターボ ポンプからの液体水素と、エンジン クーラント チャネルからのガス状水素を組み合わせます。」

「設計者は、エンジンの燃料ターボポンプのタービンを変更して、複数の上段燃焼を伴う長時間の任務中の疲労のリスクを軽減しました。」

点火しなかったエンジンの性能を、云々しても始まらない。

こうしてみると、H3は惜しいチャンスを逃したかもしれない。

導入されれば、円安、ウクライナ景気を取り込んで、ひょっとしたら売れたかもしれないからな(一時的でしょうけど)。

(「絶好のチャンス逃した」 的川泰宣JAXA名誉教授)
https://www.sankei.com/article/20230307-JBETO4ZJ7BMBDC3A6YEVHPTBTE/

「これからの日本の宇宙開発の計画を全面的に展開する希望が持てなくなったため、当面はこれまでのH2Aロケットや(固体燃料の)イプシロンロケットを従来通り使いながら、持ちこたえるしかない。世界の商業市場の情勢を見ても今は大変よい時期で、絶好のチャンスを逃したのは痛手である」

長期的には低価格競争によるコモディティ化が必然で、斜陽化必至な打ち上げ市場も、アマゾンのプロジェクトカイパーバブルとウクライナ景気で、一時的には盛り上がっている。

スターリンクのそれなりの成功で、低軌道コンステレーションという新たな市場も見えている(まあ、たぶん、それも一時的でしょうけど)。

的川氏が指摘する絶好のチャンスは、せいぜい2020年代しか続かない。

逃がした魚はデカいけど、二度とは戻らないだろう。

黄昏の打ち上げ市場。

日没前の夕日は美しく見えるからな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(探知や迎撃が難しい極超音速ミサイルとは マッハ5超で不規則な軌道)
https://www.asahi.com/articles/ASQ2H64RPQ23ULEI002.html

あまりミリオタな記事が出ない朝日だが、妙に詳しい(1年以上前の記事です)。

「極超音速ミサイルは、音速の5倍(マッハ5=時速約6千キロ)を超える速さ(hypersonic)で飛ぶミサイルだ。エンジンがある極超音速巡航ミサイル(HCM)と、打ち上げられた後に滑空するだけの極超音速滑空体(HGV)がある。」

「先端がとがっていて下が平らな「ウェーブライダー」という形のものがあり、空気力学に詳しい日本の研究者は「衝撃波に『乗る』ことで、空気抵抗をあまり受けずに十分な揚力を得られる」と話す。水面を石が跳ねながら飛ぶ水切りと同じような原理だという。」

ICBM発射だと監視衛星から探知されてしまうが、航空機から発射すれば探知はほぼ不可能だ。

「小型で細いため、空中を高速で飛ぶときに出る熱も少なく、衛星からも見つけにくい」

「弾道ミサイルの発射を探知するために配備されている監視衛星では、極超音速ミサイルを追尾し続ける能力が十分ではない」

地上レーダーで見つけても、迎撃は出来ない。

「射程3千キロの弾道ミサイルなら、地上のレーダーで着弾の12分前に探知できるが、極超音速ミサイルは6分前にならないと見つけられない」

「速いうえに変化球。(迎撃は)余計に難しい」

「米国は、数百機の衛星を上空2千キロ以下という比較的低い高度に配備し、極超音速ミサイルを追尾しようとしている。」

実戦配備されるのは、何年も(何十年も?)先だろうしな。

これは、新たなスプートニクショックなわけだ。

先日、ドイツのラインメタルが、ウクライナに装甲車両工場を作るという話を読んだが、いくら防空システムがあるからといっても、ロシアのミサイルが飛んでくるところに生産拠点を置くというのは愚の骨頂だろう(2か月以内に判断するそうです)。

まあ、どうでもいいんですが。

「極超音速ミサイルは各国が注目するゲームチェンジャーだが、米国は遅れている。陸海空軍がそれぞれ独自に開発していて、費用を集中できなかったため」

「アフガニスタン紛争やテロとの戦いで消耗し、十分な費用をかけられなかった」

やれやれ・・・。

「防衛装備庁によると、日本も開発に乗り出している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術を生かそうと協定を結んだ」

お国のために尽くせなければ存在する価値がないとまで自任している国策企業としては、何としても極超音速巡航ミサイル(滑空体でもいいですけど)を開発してもらいたいな。

弾道ミサイルにしか対応できない旧式の迎撃システムに何兆円も払うくらいなら、こっちの方が有効な気がする。

攻撃は、最大の防御だ。

モスクワに届くくらいの射程が欲しいな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(10年近くの開発の後、日本の新しいロケットはデビューに失敗しました)
https://arstechnica.com/science/2023/03/the-launch-of-japans-large-new-rocket-fails-after-a-second-stage-problem/

「今回の失敗は、H3 ロケットの最新の課題にすぎません。ブースターの根本的な問題は、たとえ安全に飛行できたとしても、H3 ロケットには、現在 170 回以上の連続打ち上げ成功を収めている Falcon 9 に勝る明確な利点がないことです。」

手厳しいな・・・。

しかし、これでも礼儀を踏まえた抑制的な表現だな。

「Falcon 9や米国と中国で開発中の多くの新しいブースターとは異なり、新しいH3ロケットも完全に消耗品です。」

再使用ロケットの信奉者であるエリックバーガーは、他の記事でもその見解を主張している。

(軍事打ち上げ契約の次のラウンドのゴールドラッシュが始まった)
https://arstechnica.com/science/2023/03/the-gold-rush-for-the-next-round-of-military-launch-contracts-has-started/

「米軍が新しい機能をもたらす革新的な商用宇宙システムにさらに大きく依存することを計画していることを示唆」

「これは、SpaceX、Relativity Space、Blue Origin など、完全に再利用可能な打ち上げシステムや宇宙での機能の開発を計画している企業にとっては恩恵となる」

まあ、多少、我田引水なところもあるな。

民間のイノベーションを取り込むということが、再利用性に特化した話なわけじゃない。

しかし、結果的に、米軍の需要が再使用ロケットによって効果的に(特に頻度と価格の点で)満たされるだろうことは想像に難くない。

使い捨てのレガシーシステムを運用する会社が、それらの新興企業に勝る結果を出し続けられるかどうかだ。

「レーン2はどうですか?:
・・・
2025 年からの 5 年間で約 40 のミッションが授与されます。
・・・
このレーンに 2 つの中隊のみを選択し、ミッションを 60:40 の比率で分割します。」

いきなり90:10にはならないようだな。

しかし、長年この業界を見続けてきた彼には、我々とは異なる世界が見えているようだ。

「言い換えれば、革新するか死ぬかです。」(In other words: innovate or die.)

この認識を踏まえて、前の引用記事の標題には、H3に対する本音の評価が端的に記されている。

「H3 IS NOT TO BE —」(H3は死んだ:ハムレット的な浮沈子の訳)

やれやれ・・・。

生き馬の目を抜く米国の打ち上げロケット業界。

100億ドルの米軍の需要に100億ドルのアマゾンのバブル、毎週打ち上げられるスターリンク衛星、とどめはNASAのアルテミスと惑星探査。

もちろん、民間の衛星も多数上がるしな。

それと、ほぼ同数の中国の打ち上げが覇を競っている。

それでも、この業界は斜陽だそうだ。

もう、打ち上げロケットでぼろ儲けは出来ない。

インフラとして、価格競争に叩きこまれ、革新できなければ消えていくだけだ。

H3に拘って乗り遅れれば、ますます困難な状況に陥る。

年間6機の打ち上げに、2千億円(15億ドル)の開発費を投じるチンケな商売。

「世界は変わりつつある」(The world is changing)

エリックバーガーはそういうけど、それはいつの時代も言われ続けてきた決まり文句に過ぎない。

変わり続ける世界とどう関わるのか。

それが問題(That is the question)だな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(H3ロケット打ち上げ失敗の衝撃 危機を乗り越えるには 今何をすべきか解説します)
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/480538.html

「今のH2Aはすでに部品も生産されておらず、H2Aで代わりに打ち上げることは不可能」

んなもんは、作ればいいだけの話じゃないのかあ?。

2060億円くらい掛ければ、部品位は作れるだろう?。

H3を開発したって、どーせ商売にはならないんだから、H2Aの延命策を真剣に考えるべきだ。

幸い、固体燃料ブースターの改良は上手くいったわけだからな。

H2Aは、こいつを付けなければ、離床することも叶わない。

毎回2本は使うわけで、それだけでもコスト削減にはなる。

ハードポイント(ロケット側の取り付け位置)の変更なども必要だろうが、早急に対応すべきだ。

少なくとも、H2Aは上がっている(2段目の着火もな)。

次のロケットが出来上がるのを確認もせずに、部品供給をうち切るということ自体が大失策だ。

前のめりになって、なんとしてもH3の開発を完了させなければならないということ自体が、誤った方向だということは明らかだ。

しかし、この記事は、ホントに読みづらいな・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:不死身2023年03月11日 07:31

ウクライナ降伏不可避:不死身


(ロシアがウクライナで発射した極超音速ミサイルについて知っておくべきこと)
https://edition.cnn.com/2022/03/22/europe/biden-russia-hypersonic-missiles-explainer-intl-hnk/index.html

「これはキンジャールがミサイル防衛システムに対して不死身であるという主張も、いくらか誇張されている可能性があることを示唆している」

そもそもミサイルは標的に命中して(さもなければ命中せずに)爆発して(或いは不発に終わり)、いずれにしても木っ端微塵になっちまって再使用などは出来ないわけで、「不死身」なわけではない。

既存のミサイル防衛システムをかいくぐって、敵陣奥地の目標に到達できるという意味に過ぎない。

記事によれば、米国でさえ、この手の極超音速ミサイルを迎撃する手段は持っていない。

開戦から間もない頃にはキンジャールも飛ばしていたようだが、それ以降は在庫の温存のためなのか、お目見えしていなかったようだ。

それが、先日の空爆では再び登場していると言われる。

つまりだな、在庫を補って余りある生産能力を手にして、心置きなく使えるようになったということなわけだ(そうなのかあ?)。

それとも、これからNATO本体との決戦を控えて、なけなしの在庫が空になるまで撃ち尽くそうと腹を決めたということなのか(ありえねー・・・)。

浮沈子的には、先日報じられたドイツのラインメタルがウクライナに戦車(KF51パンター?:NATOも導入していない最新式)工場を建設する意向があるという記事との関連が興味深い。

もう、ロシアのミサイルの格好の標的だからな。

撃ち込んでくださいと言わんばかりだ。

もちろん、防空システム(PAC3とかあ?)で守られるんだろうが、イスカンデルやキンジャールに狙われて大丈夫なんだろうか?。

逆に言えば、ラインメタルの生産拠点がウクライナに建設されることが決まれば、キンジャールなどの最新式ミサイルに対する迎撃が十分(ここ重要です)行えることの証拠になる。

不死身の工場だな。

矢でも鉄砲でも、キンジャールでも持ってこい!。

まあいい。

CNNの記事は、自動翻訳で読んでいるけど、内容が分かり辛くて困る。

理由は簡単。

米国をはじめとする西側が、極超音速ミサイルの開発、実戦配備に後れを取っていることを誤魔化そうとして、提灯記事を書いているからだ。

やれやれ・・・。

ウクライナには、もちろん、キンジャールを迎撃できる防衛システムはない。

ロシア側の生産態勢が十分に確立すれば、少なくとも重要な目標に対する攻撃は、避けようがない。

ラインメタルの工場だろうが何だろうが、槍衾のように武装しても無意味になる。

が、しかし、そういう常識的な判断を超えて生産拠点を築くとすれば、極超音速ミサイル防衛に対して、何らかの見通しがあるということになるわけだ。

そこがポイントだな。

実際に使うかどうかは別としても、このミサイルには核弾頭が搭載可能だ。

キンジャール復活は、その点でも要注意だな。

一つの兵器(戦車とか戦闘機とか)の投入で、戦局が大きく変わることは少ないだろうけど、核兵器だけは別物だ。

そのキャリアの多用化は、導入の選択肢を増やすことになる。

実際に使わなくても、牽制の効果は高まる。

ロシアは、本気で欧州大戦争を見据えて態勢を整えつつあるのかもしれない。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

キンジャール単体では、単なる戦術兵器かもしれないけど、核弾頭と運搬手段を組み合わせれば欧州全体を射程に収める戦略兵器だ。

NATOにも防ぐことは出来ない(対抗する核兵器もない)。

ラインメタルの話は、パンター生産というトピックに留まらず、ひょっとしたら、極超音速ミサイル防衛に有効な手段があるかも知れないという点で注目なわけだ(浮沈子は、NATO域外への工場の建設はないと見ています:ポーランド辺りには作るかも)。

まあ、どうでもいいんですが。

西側の報道では、ロシアの兵器は枯渇し、兵力も大きく棄損していて、プーチン政権のみならず国家としての存続さえ危機に瀕しているそうだ。

経済制裁は有効で、物資は不足し、反政府運動も高まっていて、もう一押しすればウクライナの大勝利は確実だという。

ホントかよ!?。

ウクライナは冬の攻撃を凌ぎ、春の反転攻勢に向けて着々と準備を整えているんだとさ。

そんなことはない(断定的!)。

敵を侮り、味方の能力を過大評価するというのは、陥りがちな過ちだ。

ウクライナ紛争における非対称性は変わっていない。

ウクライナが、ロシア本土内の目標を自由に攻撃できるようになり、NATOから兵力の直接支援を受けることが出来れば、もちろん状況は変わる。

が、それでウクライナが勝利するわけじゃない。

欧州大戦争が始まるだけだ。

NATOだって、それを想定している。

紛争の長期化は、ロシアの軍事的生産能力を高めるだろうが、NATO側の生産態勢を整える時間も与えることになる。

旧ソ連製兵器の更新も進む。

弾薬の生産態勢も強化される見通しになっている。

時間が常にロシアに味方するわけじゃない。

欧州大戦争(NATO本体とロシア軍との直接対決)が始まる前に、ウクライナで消耗戦を仕掛け続け、ロシアの体力を削いでおくことは戦略的な意味があるのだ。

欧州大戦争は、その意味では既に始まっている。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

いや、降伏したくても、それすらできない(中国の停戦案(?)が出てきて、ゼレンスキーが期待を表明した時の米国の慌てぶりが思い出されるな)。

それどころか、ウクライナは捨て石になる。

西側のシナリオでは、NATOの生産態勢が整うまで持ちこたえてくれれば良し、そうでなければ単に大欧州戦争の最前線になる。

ロシアは、国家の存続が脅かされる事態になれば、躊躇なく核兵器を使うだろう(そう言ってるしな)。

そんな事態は、誰も望んでいない。

ウクライナの戦域で、茶番な戦闘が繰り広げられている間は、一種のモラトリアム状態なわけだ。

双方が消耗し、双方が戦線拡大に向けた準備を進め、にらみ合い、対立しあう構図が続く。

軍事だけではなく、経済的にも外交的にも政治的にも。

その先に、明確な展望があるわけではない。

停戦し、休戦に持ち込んだとしても、それはロシアを利するだけだというからな。

ホントなのかあ?。

西側が、本気で欧州大戦争に備えない限りはそうなる。

つーことは、停戦の実現は、欧州大戦争の引き金が引かれたということになる。

時間が、ロシアだけに味方しなくなったということなわけだからな。

うちにも味方するなら、停戦してもいいか・・・。

似たような話は、あちこちにある。

朝鮮戦争は、38度線で半世紀以上対立したまま休戦が続いている(昨日も、北はミサイル飛ばしてるしな)。

代理戦争の火種を抱えたまま、今なお、塩漬けが続いている。

一部には、そのパターンでの終息を模索する動きもあるという。

ロシアにとっては、悪い話ではない。

条件によっては受け入れ可能だろうが、ウクライナは少なくとも現状では同意し難いだろうな(徹底抗戦だし・・・)。

一刻も早い停戦と一刻も長い休戦こそ、今、最も必要な対策のはずだ。

パンターの現地生産やキンジャールの復活でない事だけは確かだ。

不死身の兵器などはないし、不死身の兵士もいない。

大ロシア帝国の復活とか、年内の領土全面奪還とか、あらぬ妄想から覚めて、早期停戦を目指すべきだろう。

当事者の全てが不満で、スッキリせず、うやむやな状況こそが平和を醸成する。

仮に、それが次の戦争への温床になるとしても、核兵器が飛び交う欧州大戦争よりはいい。

時間は、ロシアに味方するかもしれないし、NATOにも味方するかもしれないが、使い方によっては平和に最も味方する。

対立の中での平和であっても、戦闘に明け暮れる日々よりはマシだ。

不死身の平和が一番だな・・・。

🐱変異種:最速の6回目接種:最良の接種日を探る2023年03月11日 09:40

変異種:最速の6回目接種:最良の接種日を探る


(新型コロナワクチン 高齢者など対象の無料接種 5月8日開始へ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230307/k10014000491000.html

「4月以降の接種について、厚生労働省は重症化リスクの高い高齢者などは、5月8日から無料での接種を開始」

浮沈子は、その頃にはれっきとした高齢者になっている。

「重症化リスクの高い人などは5月からと9月からの年2回の接種を行うほか、重症化リスクの高くない人も9月から接種を行う方針」

まあ、当面の対策としては無難な線だな。

ここ数年、7月から8月の夏の流行、12月から2月の冬の流行の傾向が見えてきているからな。

重症化リスクが高い人向けの夏の流行前の接種では、対象者が少ないから2か月前からだし、全国民を対象とする冬の流行前の接種は、3か月前からの開始と、整合性も取れている。

お役所的な韻も踏んでいるわけだ。

まあいい。

しかし、一方で気になる話もある。

(やっと公表された日本におけるコロナワクチンの重症化予防効果)
https://agora-web.jp/archives/230305225841.html

「長崎大学熱帯医学研究所が、国内の重症化予防効果のデータを2023年2月にやっと発表してくれました。」

問題なのは、リンクされている原論文の中に引用されているデータだ。

(新型コロナワクチンの有効性に関する研究
~国内多施設共同症例対照研究~
Vaccine Effectiveness Real-Time Surveillance
for SARS-CoV-2 (VERSUS) Study
第 8 報)
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/versus/results/20230202.pdf

「5. 考察:
・・・
米国の研究では、オミクロン株流行期における新型コロナワクチン3 回接種の入院予防の有効性に関して、接種後 7~119 日では 73% (95% 信頼区間: 51~64%)、接種後120 日以降では 32% (26~38%)、4 回接種から 7 日以降では 80% (71~85%)と推定されている (13)。」

入院予防の有効性については、オミクロン株などでの意義が顕著だ。

従来の基準(呼吸器系疾患の憎悪)では捉え切れない持病の悪化なども捕捉されるからな。

3回目接種後120日以降では、73パーセントから32パーセントに激減している。

その後の4回目接種で盛り返しているわけだが、ぶっちゃけ、入院予防効果ですら持って4か月ということなわけだ(そうなのかあ?)。

従来は、8か月程度は持続すると思われていたからな。

実際には、低下の程度を考えれば、3か月程度しか持続しないと思っておいた方がいいのではないか。

つまり、流行期に合わせて行われるハイリスクグループ向けの追加接種も、タイミングが重要ということになる。

ロジックとしても、年に1回ではなく2回というのは、狙いである重症化予防効果の持続期間が高齢者などは短いことが理由なわけで、それが3か月(高齢者はもっと短い可能性も)ということになれば、流行が始まるギリギリまで待ってから接種するのがいいことになる(免疫が立ち上がるまでのタイムラグがあるので難しいな)。

重症化予防効果が立ち上がるまでの期間は、おそらく疫学的にしか分からないだろう(中和抗体の産生量で計測できるのは、感染予防効果や発症予防効果程度で、1~2週間程度と言われている:重症化予防効果に影響するといわれる細胞性免疫の定量的測定については<以下追加>参照)。

細胞性免疫のリードタイムは、1か月程度は掛かるのではないか(未確認)。

つーことは、仮に7月から流行が始まるということになれば、6月くらいにうつ方がいいかも知れない。

行動自粛して罹患しないよう努めるなら、ある程度流行が始まってから効き目が出てきてもいいわけだしな(高齢者への感染拡大は、若年者の流行が一定レベル以上になってから始まっている)。

最悪、7月に流行が始まったのを確認してからギリギリでうったとしても、8月のピークは凌げるわけだ(罹患しても、死なずに済む程度でしょうが)。

接種直前は、最も効果が薄くなっているわけだから、あまりギリギリまで粘るのも考え物だがな。

だが、最速の接種が最良の選択でないことは明らかだ。

これが、流行期間が長い冬期ともなると、更に難しくなる。

夏季の流行は、若年者がうたないから、急速に広がる可能性が高い(第7波とかがそうだったし)。

それに対して、冬季の流行は若年者のワクチン接種が行われることから、だらだらとした拡大傾向になる可能性がある。

9月なんかに早々に接種すると、年末には切れちまって、1月の流行の真っただ中を、3割程度の効き目で過ごすことになる(そんなあ!)。

若年者の接種状況や、それに伴う流行状況を横目でにらみながら、最適なタイミングを測るという綱渡りなわけだ。

しかも、十分なワクチンが確保されていない場合、うち損なうというリスクを抱えることにもなりかねない。

やれやれ・・・。

「本報告では、接種からの日数を分けての解析はできていないが、解析に含まれる研究対象者の接種からの日数を考慮すると、英国、米国との研究と同等の結果と考える。」

細胞性免疫がリードすると言われる重症化予防効果(≦入院予防効果)に、民族差があるかどうかは知らない。

ワクチンそのものの毒性や、繰り返し接種に伴うネガも、細かく突っつけばあるのかも知れないが、ジジババにとっては罹患して死んじまうリスクの方が遥かに大きいに違いない(未確認)。

生きるか死ぬか、それが問題(To be, or not to be, that is the question. )だな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(【新型コロナ】ワクチン接種後6ヵ月後に抗体価は90%減少 中和抗体価も80%減少 細胞性免疫は維持されている)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2021/010541.php

「6ヵ月後の採血時に血液から末梢血単核球(PBMC)を分離し、新型コロナウイルスに対するT細胞応答を検出するキットを用いて、スパイク抗原特異的にインターフェロンγを産生する細胞数、すなわち細胞性免疫応答の強さを測定した。」

浮沈子は詳しくないんだが、細胞性免疫についてもインビトロで定量的に測定する方法があるようだ。

「細胞性免疫応答の強さは、年齢、性別、飲酒、喫煙の有無とは相関しておらず、また抗体価と細胞性免疫との間には弱い相関がみられた。」

「細胞性免疫はワクチン接種6ヵ月後の1時点のみの測定で、経時的な評価は行えていないが、新型コロナウイルスワクチンによる宿主免疫応答の1つとして細胞性免疫が誘導され、6ヵ月程度は維持されることが示唆された。」

持続期間については、年齢等との相関は不明だな。

この研究では、少なくとも6か月という期間が出ている。

実際の生体における重症化予防効果(や入院予防効果)、死亡予防効果との相関は不明だ。

ブログ本文で見たように、米国の調査では、3回目のブースター接種後120日以降の入院予防効果はそれ以前と比較して激減している。

液性免疫が経時的に低下することは、中和抗体価を追うことで予想されている(感染予防効果や発症予防効果は1か月程度で消えてなくなる)。

比較的長期間持続すると言われている細胞性免疫が、重症化予防効果を発揮するというのは本当なんだろうか?。

ジジババにワクチンをうつための、無理やりなこじつけなのではないのか。

んでもって、痛い思いと、これだけは確実に出る副反応に苦しみながら、大した効果も期待できないワクチンをうつわけだな。

やれやれ・・・。

ワクチン接種による各種効果の持続期間と効果の程度については、体系的、継続的な調査を行い、評価し続ける必要がある。

ワクチン会社存続のための犠牲にされたんじゃたまらんからな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(令和5年度 新型コロナワクチン接種のお知らせ)
https://www.mhlw.go.jp/content/001068244.pdf

「令和5年度も、すべての方に自己負担なしで新型コロナワクチンを接種いただけます。」

大変結構な政策なんだが、次の記述は気になる・・・。

「ワクチンの重症化予防効果は高齢者等では6か月程度で低下するとの報告もあることや、令和4年度秋に開始された高齢者の方のオミクロン株対応2価ワクチンの接種のピークは令和4年11月~12月であったことから、高齢者の方等を対象に令和5年春開始接種を5月に開始します。」

対応は遅れてねーぞという、言い訳たらたらな言い回しだ。

既に見たように、重症化予防効果(≦入院予防効果)の持続期間については、米国の研究で120日(4か月)で32パーセントに低下している話もある。

また、最速の5回目接種を2022年10月21日にうっちまった浮沈子は、6か月(2023年4月21日)を超えなければ接種できないことになったわけで、国のワクチン政策の整合性の外に放り出されている(結果的に拙速だったわけだな)。

やれやれ・・・。

それでも、ロングテイルが続いている第8波を乗り切ったし(まだ分からんぞお?)、高齢者として堂々と令和5年春開始接種の対象になるわけで、夏の流行を前にワクチンがうてなくなる事態は回避できたわけだ。

今後も、流行状況を注視して、最適なタイミングで接種するように心がけよう(今年の春開始接種は8月末まで)。

ぼーっとしていると、期限が過ぎちまったりしてな(そんなあ!)。

まあ、どうでもいいんですが。

いろいろ情報収集しているけど、たぶん、6月くらいにうつかもしれない。

それが最良の選択である保証などはない。

一人一人が自分自身で責任もって決めるしかない。

おそらく、1か月も持たない感染予防効果とか、持って2か月の発症予防効果も、ないよりはマシだ。

巷に流行が広がり、高齢者の感染が進んでピークになる頃にワクチンの効き目が最大になるのがいいと思っているけど、浮沈子の生活環境にはフィットネスというハイリスクな場面があるからな(若年者大勢!)。

流行の真っただ中では、さすがに行動を控えるけど、喉元過ぎるとせっせと通い出すからな(サボってる方が多いんじゃね?)。

ダイビングもテキトーに続けているし、オミクロン流行のど真ん中で海外旅行もしている(誰もマスクなんかしてねー・・・)。

そういう、首尾一貫しない行動の中でのテキトーな選択に過ぎない。

高齢者となる浮沈子には、ワクチンをうたないという選択肢はない。

心臓などの循環器関係も、余り丈夫な方ではないし(心肥大のくせに頻脈で、なおかつ不整脈まであって、高血圧の投薬治療中!)、心筋炎、心膜炎、特殊な血栓症の副反応のリスクは気になるところだ。

接種の度の、発熱、筋肉痛、キッツーイ倦怠感(生きているのが嫌になるほど)などのオマケは、漏れなく付いてくるしな(いらねーよ・・・)。

ノババックスのワクチン(遺伝子組み換えタンパクワクチン:モスラのやつ!)もうてるようにするということだが、希望すれば誰でもうてるのか、医師の指示等が必要なのかは不明だ(未確認)。

厚労省から自治体への説明(3月8日)が行われたようで、各自治体からの通知がネット上に掲載され始めている。

接種券の交付などの具体な話は、もちろん、まだない。

最速の6回目接種は、最良の6回目接種に変更だな。

針の穴を通すタイミングを探る(そういうことかあ?)。

ワクチンの効果の立ち上がり(感染予防効果、発症予防効果、重症化予防効果)、巷の流行状況、自分自身の行動パターン、接種会場の込み具合などの制約を勘案し、ベストな接種日を設定する。

まあ、そうは言っても、どーせ、うてるようになれば最速の接種日に飛び込む公算は高い(既に現時点で、重症化予防効果さえも切れているわけだしな:有効期間3か月とした場合)。

先のことを考えなければ、最速の接種が最良の接種であることに変わりはない。

接種前に罹患して重症化してから、もっと早くうっておけば良かったと後悔するのか、6回目接種の効き目が切れてから罹患して重症化し、もう少し粘ってからうてば良かったと後悔することになるのかの違いだ(罹患時の免疫は後者の方が高いことに注意だな)。

どっちがいい?。

絶海の孤島に暮らすのでない限り、新型コロナ感染のリスクは避けようがない。

今後は罹患を前提に考えざるを得ないし、特に夏の流行は若年者の接種がないから急速に立ち上がる可能性が高い。

最良のタイミングなんて、現実的には取りようがないわけで、経時的減弱があるとは言っても、僅かでも賦活されている接種後の罹患の方がリスクは少ない。

そう考えれば、最速の接種が最良の接種になる。

やっぱ、最速の6回目接種の看板は降ろせないな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

今回、いろいろ調べているうちに、当局は、最終的に年1回のワクチン接種に軟着陸させたいのではないかという気がしてきた。

夏の流行は、少なくとも第7波と第8波の感染者のピークを見る限り、冬のそれよりも多い。

にも拘らず、若年者の接種を行わず、高齢者などの免疫弱者だけに行う(医療従事者等にも行うようですが、接種義務はありません)。

当然、高齢者だけにうった方が、ワクチンの集団免疫的感染予防効果は低い。

高齢者だけに接種しても、流行中の感染者は増えるわけで、死者の絶対数も増えることになる。

健全な発想なら、じゃあ、夏の流行に対しても若年者がうてるようにしようということになるはずだが、貧困な我が国の発想はそうではない。

効き目が少ないなら、高齢者等もうつのを止めちまおうということになりかねない(そうなのかあ?)。

まあいい。

本来なら、経時的減弱が大きく、副反応がキツーイ新型コロナワクチンなんて、接種の必要性を事前に個別にチェックしてからうつべきだろう(趣旨は異なるけど、風疹ワクチンは、抗体価を測定してから接種することが出来る:浮沈子は、抗体価が32倍希釈以上だったのでワクチンはうちませんでした)。

かなり荒っぽいうち方をしてきたのは、対応する医療態勢が整わず、社会封鎖に伴う影響が大きかったからで、緊急対応だったわけだ。

今後は、もう少し丁寧に対応してもらいたいな。

年齢とかで、ざっくり切り分けるというのは、ハッキリ言って野蛮だ。

もっとも、ワクチンが貴重ならば、だまっていてもそうなるだろうが、有り余って捨てるほどなわけで、それならテキトーに線引きしてうっちまおうという話になるんだろう。

問題なのは、うつ手間の方だ。

接種会場を設定し、何千万人の接種を行う手間はバカにならない。

呼吸器系疾患の流行期である冬期に、纏めてうつようにすれば手間は省けるからな。

将来的には、インフルエンザワクチンとの混合も考えているだろう(浮沈子は、今期はインフルもうちました)。

海外でも、年1回(ないし2回)を模索する動きが多い。

(第45回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料
2023(令和5)年3月7日 1-1:新型コロナワクチンの接種について)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001067303.pdf

「新型コロナワクチンの今後の接種(2023年春以降の接種)に係る諸外国の状況」(P.15)

・米国:原則年1回(ハイリスク者には年複数回接種を提供する可能性)
・英国:2023年秋(50歳以上を含むハイリスクグループ等):2023年春に、より少数の高齢者や免疫不全者に追加接種を提供する可能性
・カナダ:2023年春(80歳以上の高齢者含むハイリスクグループ等):2023年春の接種以降の接種についてはパンデミックの状況等により検討
・フランス:2023年春(80歳以上の高齢者含むハイリスクグループ等):2023年秋(ほぼ同左)
・イスラエル:年1(大臣談話:詳細不明)

英仏加は年2回だが、全国民を対象とした接種はやめちまったようだ(大胆だな・・・)。

米国は、我が国と近い感じだ。

ドイツは未定のようだが、欧州は概ね全国民を対象とした接種は行わない方向のようだ。

ワクチンの効き目が限定的(感染予防効果や発症予防効果はほぼゼロ!?:重症化予防効果も短期で減弱)なことから、ワクチン接種そのものからの脱却を模索していると言える(そうなのかあ?)。

効果的な治療薬が出来れば、ワクチンから全面撤退しかねない感じだ。

米国やイスラエル、我が国も含めたワクチン依存国とは対照的だな。

全世界的にワクチンは敬遠されていて、この頃では我が国は最も接種率が高いと言われる。

自然感染による罹患率が高まり、自然免疫の取得の方が手間はないからな。

高齢者を含むハイリスクグループへの接種は、自然免疫の取得をベースとした補完的な位置づけになっているようだ。

英国では、冬季流行の前の秋にうつ対象者の方が少ないという、我が国とは逆の選択になっている(春季対象者はむしろ広い)。

もう、新型コロナは過去の話になり、後始末をどうするかというステージに入った感じだ。

もちろん、オミクロン登場前夜(2021年秋)にも、似たような状況はあった。

浮沈子は、その頃、メキシコ行きを画策して、狂犬病やらA型肝炎やらのワクチンをうちまくっていたからな(夏には新型コロナワクチンもうちましたが)。

夏の終わりまでにデルタの流行は収まり、もう、新型コロナは終わったと思われていた。

11月26日(メキシコ出発の日)に、オミクロンが命名されるまでは・・・。

まあいい。

欧州の保健当局は、2022年春には、年1回の定期接種を想定した動きを始めていたしな。

オミクロンの大流行を経て、その動きが現実になってきたわけだ(オミクロンのおかげで1年遅れた格好だ)。

最新の流行株に対応したワクチンをタイムリーに製造して、ハイリスクグループに限定して冬期の流行前に接種し、一般には自然感染してもらって治療薬で凌ぐ。

公衆衛生当局の思惑通りにいくかどうかは分からない。

新型コロナウイルスは、今も変異を続けており、流行すればオミクロン以上の規模になることは分かっている(免疫回避能力や感染力が高くないと流行できないからな)。

致死率は下がるかも知れないが、死者の絶対数は増加するだろうな。

今年の夏か、年末年始になるかは分からない。

喉元過ぎれば熱さを忘れる我々だが、天災は忘れた頃にやって来る。

感染症は、現代を映す鏡だ。

エイズの時も、エボラの時も、新型インフルエンザの時も、そして新型コロナでも。

経済格差や保健医療システムの問題が、その度に浮き彫りにされ、長期的対策の重要性が叫ばれても、禍が去ればうやむやにされるところまで同じだ。

幸い、エイズもエボラも、その後の医療の進展で、治療法の改善、ワクチンの開発(エイズにはワクチンはありません)などはあった。

新型インフルエンザも、新型コロナも、人類は同じように克服していくんだろう。

そこでも、経済や医療の格差は無くならないに違いない。

貧しい国々では、病の克服の対価を多くの人々の命で支払うことになる。

世界最大の死者数を計上した米国もまた、国内における感染症の流行には脆弱であることを露呈した形だ。

他の天体に届く宇宙ロケットも、新型コロナには無力だ。

まあ、ISSにいる間は、罹患するリスクはないだろうけどな・・・。

🐱LZ-1&LZ-2の廃止!?2023年03月13日 08:20

LZ-1&LZ-2の廃止!?


(SpaceX はプラットフォーム LZ-1 と LZ-2 を離れます。これはファルコンの陸上着陸の未来にとって何を意味するのでしょうか?)
https://www.elonx.cz/spacex-opusti-plosiny-lz-1-a-lz-2-co-to-znamena-pro-budoucnost-pristavani-falconu-na-pevnine/

「SpaceXがファルコンの着陸に使用するケープカナベラルのLZ-1およびLZ-2プラットフォームは、他の2社にリースされる予定です。」

「ランディング ゾーン 1 と 2 の着陸プラットフォームは、アトラス ロケットが過去に発射された元発射台 LC-13 のエリアにあるフロリダ州のケープ カナベラルにあります。」

リンクされているスペースニュースの記事も読んだが、リース対象の会社が切り替えられる時期は未公表のようだ。

最近、ワンウェブやハクトRの打ち上げにおける1段目の着陸に使用されているようだが、使用頻度はそれほど高くはない。

以前は、初代ドラゴン(輸送用)の着陸は必ずLZ-1で行われていたが、ドラゴン2(カーゴドラゴン)になってからは、宇宙機の重量増から海上回収に変更されている。

また、ファルコンヘビーのサイドブースターは、全てLZ-1とLZ-2に着陸している。

それをどうするかも問題だな。

ペトルメレチンは、全てを海上着陸にするのは現実的ではないと言っている。

「もちろん、理論上はすべての着陸を海上プラットフォームに移すことは可能ですが、これは財政、ロジスティクス、時間の点で SpaceX にとって非現実的であり、打ち上げ回数を​​絶えず増やすという野心的な計画に反することになります。」

そうだろうか?。

もともと、陸上まで戻ってこられる場合だけ使っていたわけだから、そもそも頻度は高くない。

しかも、それ程沖だししなくてもいい訳で、打ち上げのケイデンスに与える影響は大きくないだろう。

打ち上げパッドの中に作るという話は、それなりの説得力はある。

ドローン船への着陸などを見ていても、ピンポイントで降りているし、スターシップ(スーパーヘビーブースター及び2段目)では打ち上げた発射台に戻ってこようとしているわけだからな。

何十メートルもあるランディングゾーンに降りられないはずはないのだ。

どこか、別の場所を新たに借りられるなら、一時的にそこを使うということはあり得る。

「最も論理的な選択肢は、同社が単にフロリダの着陸を別の場所に移動することであるようです。単純なコンクリート スラブを構築するのに時間も費用もかからないため、問題は新しい着陸プラットフォームを正確にどこに作成するかということです。」

「スペース X が着陸複合施設をケネディ宇宙センターの北部に移動する可能性があることを示しています。そしておそらく偶然ではありませんが、これは SpaceX がStarship の LC-49 発射台を構築する予定の場所です。」

「さらに、遅かれ早かれファルコンとドラゴンの両方がスーパーヘビーとスターシップに完全に置き換えられるため、これらは一時的にのみ必要になります.」

まあ、置き換える時期は相当先になるだろう。

特に、有人打ち上げを行えるようになるには、最低でも10年は掛かるに違いない(浮沈子は、2020年代では絶対無理だと見ています:2段目を120パーセント安全に回収できる保証が必要なため:あんなネコ着地してるうちはムリポ!)。

日常的な光景になっているファルコン9の1段目の回収でさえ、不測の事態で失敗する可能性はゼロじゃないからな(稀な失敗は、数年に1度程度の頻度で起こっています)。

また、ファルコンヘビーの米軍の利用は、少なくとも数年間は続くからな。

サイドブースターの回収場所は必要だ(センターコアの回収は当分ないみたいだから、ドローン船だけでもいいんですが、必ず2隻必要になるわけで、メンテナンス等でクリティカルな運用になりかねない)。

が、LC-39Aは込み合っているし、万が一のことがあれば現在唯一の有人打ち上げ施設やヘビーの打ち上げ施設を失うことになりかねない(建設中のスターシップの発射台もな)。

記事にもあるように、SLC-40への有人用発射台(アクセスタワー)の完成とのタイミング合わせがあるのかも知れないが、いずれにしても、発射施設と離れた陸上に新たな着陸場所を確保するというのが無難な選択だ。

浮沈子的には、船と新たな場所との2択で、既存の複合施設内への着陸はないと見ている。

そうはいっても、カリフォルニア(バンデンバーグ)では、発射台(SLC-4E)の目と鼻の先にLZ-4があるからな。

それだって、何とも言えない。

SLC-40辺りなら、ひょっとして作りかねない。

それでも、もうすぐ有人打ち上げ施設になるわけだからな。

リスクは下げたいところだ。

うーん、何とも言えないな。

しかし、再使用ロケットの着陸場所が話題になること自体が、実に21世紀的な話だ。

特に、陸上における自立脚を用いた回収というのは、現在運用されているのみならず、計画されている他のどのロケットにもないユニークな方法だ。

H3は気楽でいいな・・・。