🐱スターライナー:繰り返し延期される有人飛行試験(CFT)の日程発表自体が繰り返し延期される事態2023年06月22日 01:10

スターライナー:繰り返し延期される有人飛行試験(CFT)の日程発表自体が繰り返し延期される事態


(ボーイングのCEO、同社は引き続きスターライナーにコミットしていると語る)
https://spacenews.com/boeing-ceo-says-company-still-committed-to-starliner/

「カルフーン氏はスターライナーについて、「いかなる形であれ、その扉を閉ざすつもりはない」と語った。」(カルフーン氏:B社のCEOだそうです。)

わざわざ、そう断らなければならない状況なのかあ?。

「NASAもボーイングも、6月1日の発表以来、パラシュートやテープの問題に関する最新情報を提供していない。その際、ナッピ氏は、「今後数日間かけて何をしなければならないかを理解するまで」CFTミッションがどれくらい遅れるかについてはコメントしないと述べた。」

「6月8日に当地で開催された宇宙輸送協会のイベントで、NASAの宇宙運用担当副管理者ケン・バウアーソックス氏は、こうした検討はまだ進行中であると述べた。」

「当時はさらに1─2週間かかることを示唆した。」

その1-2週間も既に過ぎている。

「6月16日に公開されたAviation Weekのポッドキャスト「Check 6」のインタビューで、デイブ・カルフーン氏は、ボーイング社が7月下旬に予定されていたスターライナーの初の有人飛行を延期した後も、スターライナーについて「扉を閉めた」わけではないと述べた。」

やれやれ・・・。

パラシュートコードの強度問題と、絶縁テープの可燃性の問題については既に触れた。

(スターライナー:安全は全てに優先する)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/06/03/9591416

「ボーイング、スターライナーの打ち上げわずか数週間前に2つの重大な問題を発見」

まあいい。

打ち上げ延期の期日の発表自体が延期され続けている。

浮沈子は、年内はムリポとみているが、ひょっとすると事態は想像以上に深刻なのかもしれない。

CEOが、わざわざ「撤退しない」と表明しているくらいだからな。

世間は、撤退不可避と見ているわけだ(そうなのかあ?)。

「私たちはそれを信じていますし、複数のプレーヤーが存在する必要があると信じています。」(スペースニュースの記事より)

B社のCEOはそう信じているかもしれないが、ひょっとするとNASAはそうじゃないかもしれないからな。

ロシアが、ISSからの早期撤退で再び揺さぶりをかけることがあれば、B社が契約上の義務である6回のミッションを行うことは不可能になる。

「ボーイングは、ブルー・オリジンとシエラ・スペースが主導する商業宇宙ステーション・プロジェクト、オービタル・リーフのパートナーの1社です。」

記事では、地球低軌道での同社のコミットについての指摘として取り上げているが、実現すれば、NASAの宇宙飛行士も運ばなければならないからな。

その契約への繰り延べという話があるのかもしれない(未確認)。

B社の関心は薄くても、NASAは引き続き地球低軌道のミッションに関与するだろう。

その際に、2社がタクシー業務を担い続けるという体制は維持したいだろうからな。

S社に比べて割高になったとしても、事業を継続する可能性は否定できない。

「私たちはそれを実行するつもりであり、それでお金を稼ぐつもりです」

市場と顧客は、既にポストISSを見ているのかもしれない。

スターライナーは、そこで価格競争力を維持できるんだろうか?。

もちろん、競争相手はクルードラゴンと、ひょっとするとソユーズ宇宙船かも知れない(ドッキングポートの問題とかありますけど)。

打ち上げはもしかするとバルカンではなく、ブルーオリジンのニューグレンかも知れないしな(自分で書いてて、ありえねーと感じてますけど)。

そこで戦略的価格を提示できれば、一矢報いることが可能かもしれない。

もちろん、部屋の中のゾウ(=スターシップ)が出てくれば別だ(2030年代半ば以降なら有り得る)。

が、オービタルリーフにドッキングするかどうかという問題はある。

S社は、独自の民間宇宙ステーションの展開を考えているようだしな。

そうすると、S社とNASA的には、そのためだけにファルコン9を延命させたり、クルードラゴンを維持したりする話も出てくる(2030年代半ば以降だからな)。

そうでなければ、ほら、B社の1社独占ということにもなりかねない。

価格競争は起こらないということになる。

コストプラス契約だって可能だ・・・。

「私たちはそれを実行するつもりであり、それでお金を稼ぐつもりです」(再掲)

まあ、どうでもいいんですが。

民間有人飛行は、バージンギャラクティックやブルーオリジンでも行われている。

今は、準軌道飛行だけど、先々、軌道飛行に発展しないとは限らない(先の話は分からんからな)。

もちろん、今の仕掛けをそのまま使うわけにはいかないが、事業としての発展性はある(そうなのかあ?)。

弾道飛行で客を掘り起こしているからな。

その先につなげる動機付けはできている。

そういう話になれば、バージンやブルーオリジンだって、ライバルになりかねない。

技術的ハードルの高さは比較にならないけど、既存の企業が民間有人宇宙飛行事業に乗り出す可能性もある。

ホンダとかベンツとかな。

自動車産業は、航空宇宙産業との結びつきが深いからな。

事業拡大の一環として、将来的に攻め込んでくる可能性もある。

B社は、再び1社独占の夢を見ているのかもしれないが、世界は変わりつつある。

「宇宙発射システムやさまざまな防衛計画への取り組みを強調しているようだった。」

企業体質として、唯一無二の強みの中で、コストプラスを追及するというのが染みついているんだろう。

(スターライナーを飛ばし続けるために、ボーイングはいくつかの難しい選択をしなければならない)
https://arstechnica.com/space/2023/06/to-keep-starliner-flying-boeing-must-make-some-hard-choices/

以前も引用したアルスの記事だが、エリックバーガーはいみじくも書いている・・・。

「スターライナーの長期的な将来を確保するために、危険な道を進んで自己投資することはボーイングの本性ではありません。」

浮沈子は、2030年代に、B社の独占的状況が発生する可能性があると見ているけど、世間の多くはそうじゃないだろうしな。

飛ぶ鳥を落とす勢いのS社が、NASAとの固定価格契約(アルテミスのHLS)のおかげで、破産の憂き目を見る可能性だってある。

浮沈子は、コストプラス契約が絶対悪とは考えない。

適切なコスト評価と、民間企業としての利益追求のバランスが問題なだけだ(そこが重要なんですけど・・・)。

安く買い叩かれた技術は、どこかで帳尻を合わせようとする。

納期の遅れ、品質の低下、持続性の欠如、エトセエトセだな。

民間市場が卓越する中、多くの犠牲が払われることになるだろう。

それは、宇宙開発だけの話ではないのかもしれない・・・。

(タイタニック号の付近で行方不明になった観光用潜水艇は開発初期の段階から安全性が疑問視されていた)
https://gigazine.net/news/20230621-submarine-missing-titanic-titan-safety/

「潜水艇が深さ4000mのような極端な深海に達した際にかかる圧力によって、潜水艇の材質であるカーボンに大きな亀裂が生じ、乗客や乗員に重大な事故をもたらす危険性があります」

「設計図や圧力テストの結果、およびその他の重要な情報への閲覧は拒否されました」

今回の事故が、これらの懸念と関連しているのかどうかは知らない。

「OceanGate Expeditionsは潜水艇を4000mの深さまで降下させることを意図していたにもかかわらず、潜水艇の前方にある『ビューポート』は1300mまでの深さにしか耐えられない」

「4000mまで潜行できるビューポートへの支払いを拒否した」

「ツアーに参加するために多額のお金を支払っている乗客は、潜水艇の安全性の懸念について知らされていませんでした。また、潜水艇に危険な可燃性物質が使用されていることを乗客は知りません」

「むき出しのディスプレイやバラストに建設用パイプをそのまま使っているなど、潜水艇の多くの部分が即席で作られたように見えます」

「タイタンの操縦に5720円で販売されているロジクール製のワイヤレスゲームコントローラーである「F710」が使用されている」

やれやれ・・・。

別に、ゲームコントローラー使って悪いわけじゃない。

信頼性高く、必要な機能が果たせればそれはそれで構わない。

ポイントは、そのための評価が適切に行われていたかどうかという点にある(未確認)。

「船内には70時間から96時間分の酸素が用意されている」

別記事によれば、船内から何かを叩く音も聞こえていると言われる。

乗員乗客の無事を祈るばかりだ・・・。

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