🐱ファルコン9:黒白灰色:21世紀のロケット風景 ― 2023年10月09日 17:57
ファルコン9:黒白灰色:21世紀のロケット風景
(ライブ中継:SpaceXは、連続してクロスカントリーのFalcon 9打ち上げを計画しています)
https://spaceflightnow.com/2023/10/08/live-coverage-spacex-falcon-9-rockets-to-launch-from-florida-and-california-with-starlink-satellites/
「最初はスターリンク 6-22 ミッションで、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の宇宙発射施設 40 (SLC-40) から」
「フロリダでの打ち上げは4.5時間以内にスターリンク7-4ミッション」
「どちらのミッションでもファルコン 9 ロケットが使用されます。2 つの第 1 段ブースター、SLC-40 の B1067 と SLC-4E の B1063 は、それぞれ 14 回目の打ち上げになります。」
B1067で打ち上げられる6-22ミッションのロケットの写真が載っているんだが、2段目が真っ白いのを除けば、殆どが黒いロケットだ。
マーリンDエンジンは、灯油(ケロシン:RP-1)を燃料としているために、帰還時の燃焼の際にロケットに煤が付く。
洗っても落ちないのか、面倒くさいから洗わないのかは知らないが(未確認!)、再使用回数を重ねるごとに黒さが増してきて、14回目となる今回の使用では真黒な状態になっている。
やれやれ・・・。
(スターリンクミッション 6-22)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-6-22/
イーロンXの「現在の状況」には、Xの投稿写真が出ていたので、画像はそちらから拝借した。
フェアリングも、やや煤けている感じなので、こちらも再使用なんだろう。
スペースフライトナウの記事に掲載されている写真では、銀色に見えるけど、単なる灰色だ。
真っ白な2段目の下の真っ黒な帯状の部分は、黒く塗装しているところなので、真黒のままでも構わない。
そこから下は、少し斑な模様も見て取れる、煤による汚れだ。
自社事業で使うロケットだから、見栄えはどうでもいいということなんだろうが、塗り直すとか、もうちっと何とかならんもんか。
手間もかかるし、塗装の費用も、塗料の重量も増えるからな。
ざっと洗って、支障がなければそのまま使うという、実に合理的な判断なのかもしれない。
ロケットラボのエレクトロンがどうなるか分からないが、現在のところ、世界で唯一再使用されている軌道打ち上げロケットだ(2段目は使い捨てですが)。
21世紀の打ち上げ風景。
汚れが目立たないように、最初から黒にしておけばいいのに・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
(最初の段階の概要)
https://www.elonx.cz/prehled-raketovych-stupnu/
アクティブな1段目のイラストでは、使用頻度に応じて煤けた感じを出している。
まあ、テキトーなんだろうが、13回使用した1段目が、それなりに黒っぽくなっていることが確認できた(それって、確認かあ?)。
まあいい。
フェアリングについては、そういう詳細なデータはない(未確認)。
いずれにしても、これらはスターシップが実用に供されるまで(いつのことやら・・・)のつなぎだ。
現在のラプター2エンジンの仕上がり具合からみて、早くても数年、下手をすれば2030年代になっても、ファルコンズ(9&ヘビー)が飛び続ける可能性がある。
その間も、細かい改良は続いていくんだろう。
スターリンクの驚異的な打ち上げ頻度は、現状では週に1~2回だが、今後は更に多くなる可能性がある。
衛星の大型化で、一度に打ち上げられる機数が、当初の3分の1程度に減ってしまっている。
1機当たりの性能は4倍になったというから、打ち上げごとのトータルスループットは増えていることになるが、軌道に配置する衛星の密度は下がっている。
現在当局から承認されている1万2千機のコンステレーションを、衛星寿命5年で維持するためには、年間2400機を未来永劫上げ続けなければならない。
損耗もあるだろうから、1回あたり20機とすれば、年間120回の打ち上げをこなさない限り不可能だ。
スターリンクのためだけにな。
やれやれ・・・。
現状を考えれば、おそらくは不可能ということになる。
つまりだな、スターリンクは既に破綻しているというわけだ。
まあ、衛星寿命は、7年とも言われているし、アルゴンスラスターの効率が上がれば、もっと延びるかも知れない。
軌道上のコンステレーショントータルでのスループットも、クロスリンクと地上との通信のベストミックスが図れるようになれば、向上することが期待できる。
どこがネックになっているのかは知らない。
衛星の傾斜角が、43度とか53度への打ち上げが続いていることを考えれば、この中緯度帯での通信需要が高く、高性能な衛星の投入が急がれていることが窺われる。
場合によっては、V1.0とか1.5の衛星を早期に引退させてV2ミニで置き換えていく必要が出てくる。
そういった置き換えを進めつつ、衛星の機数(配置)を維持し続けるためには、年間120機よりも、さらに多くの打ち上げを行う必要が出てくるだろう。
ムリポだ・・・。
もちろん、スターシップが完成し、使い捨てなしの完全再使用で飛ぶことになれば、V2.0が上がることになる。
V1.5の10倍の性能、1機1.2トンの重量。
堂々たる通信衛星だな。
2段目使い捨てなら、250トンのペイロードを低軌道に上げることが出来るようになるらしいから、スペースの問題を考えなければ200機以上を1回で上げることが出来る。
べらぼーめ・・・。
低軌道大規模コンステレーションによる衛星インターネット接続という括りでは、ワンウェブやカイパーも同じだろうが、量も質も別次元だな。
スペースレーザーなるクロスリンクによる、地上インフラに頼らない高速ネットワークは無敵だ。
砂漠でも大洋でも、極地でもジャングルでも、アンテナさえ立てれば世界とつながる。
古来、人類は温暖な河川に沿って文明を築いた。
エジプトはナイル、メソポタミアはチグリスユーフラテス、黄河は黄河、インダスはインダス川。
21世紀になって、都市の呪縛から逃れ、人類はアンテナに沿って文明を発展させていくのかもしれない。
黒く煤けてぱっと見が冴えない、使い古されたファルコンの姿は、それが支えているアプリケーションの凄まじさを想像させてくれる。
まあ、電気が来てないと繋がらないということはあるけどな。
22世紀くらいになれば、そっちの方も、発電衛星から給電されるようになるのかもしれないけどな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スターリンク ブロック v2.0)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/starlink-v2-0-ss.htm
「伝えられるところによると、これらの衛星は長さ7メートル、幅3.5メートル、質量は約1200キログラムとなる。」(大きさは、たぶん、畳まれた状態)
衛星重量を誤って記憶していたので、訂正した。
やれやれ・・・。
浮沈子は、2トンくらいだと思ってたんだがな。
いずれにしても、これが上がるようになるまでには時間が掛かる。
「スターシップは第 2 世代衛星用の唯一の打ち上げロケットとなります。」
そう、V2.0とスターシップはセットだからな。
S社は、早くからV2ミニを設計していたに違いない。
いや、ホントはV2.0なんて、まだ、影も形もないのかもしれない(未確認)。
ボカチカのスターベースで目撃されたと言われているのは、V2ミニだったのかもな。
アマゾンのカイパー衛星なんぞに勝ち目はない。
唯一勝機があるとすれば、衛星接続料を実質無料(プレミアム会員の会費?)にして、アンテナ購入費だけで最低限の接続サービスを提供するビジネスモデルくらいだ(そうなのかあ?)。
タダより安い物はない。
それなら、多少接続が遅くても、海洋や砂漠や極地で使えなくても(南北緯56度まで)文句は出ないだろう。
結局、軌道上のネットワークは、特にバックボーンについてはS社の独占になる。
クロスリンクを持たない衛星インターネットは、地上局を介してスターリンクに再接続してつないでもらうことによって、サービスとしての全地球域接続を実現できるかも知れない(卸してくれるかどうかは未確認)。
カイパーには、もう一つ別の選択肢もある。
海洋上の定期船を基地局にするグローバル接続プランだ。
ほぼ一定の間隔で就航している貨物船などは、地上(海上?)基地局として、衛星と交互にバケツリレーして、ルートとして使うことが出来る。
開発されている専用チップは、中継用にも使えると言われているからな。
まあ、どうでもいいんですが。
その他大勢と異なり、スターリンクは独立して基本機能を完備している。
「Starlinkは、SpaceX の 30,000 機の低地球軌道衛星群で、グローバルなブロードバンド インターネット アクセスを提供します。」
ガンター(ギュンター)のページには、申請している3万機の数字が載っている。
べらぼーめ・・・。
もちろん、スターシップが飛ばない限り、この規模のコンステレーションを維持(構築)することはできない。
仮に、V2ミニ(衛星寿命5年)を上げるとすると、ファルコン9で1回に20機とすると、年間300回飛ばなければならないからな(ムリポ!)。
スターシップなら、V2.0を上げるとしても、10分の1の回数で済む。
年間30回の打ち上げなら、2段目を使い捨てにするとしても、まあ、現実的な数字だ。
そうしない限りは、3万機のコンステレーションを維持することはできない。
アマゾンが逆立ちしても追いつけない世界だ。
もっとも、アマゾンは将来のカイパー衛星の打ち上げ手段として、スターシップを検討するとしているから、先のことは分からない(ファルコンズでは、打ち上げ能力が低いんだそうです)。
まあ、どうでもいいんですが。
一寸先は闇の、低軌道衛星群によるインターネット接続。
21世紀の文明は、アンテナの流域に花開く(そうなのかあ?)。
エジプト文明、メソポタミア文明、黄河文明、インダス文明、そして、アンテナ文明・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(スターリンク星座のすべて:第二世代衛星)
https://www.elonx.cz/vse-o-konstelaci-starlink/#satelity_v2
「イーロン・マスク氏は 2022年、スターシップの「V2」衛星の長さは7メートル、重さは約1250キロであると明らかにした。」
と書いてはあるものの、貼り付けられている申請書添付の表によれば、V2.0と思しき衛星の重量は、2000kgとなっている。
やっぱ、浮沈子の記憶は正しかったな・・・。
ガンターの1200kgといい、怪しげなCEOの発言による1250kgといい、どうも信用ならない(アルゴンの燃料なしでの、いわゆる乾燥重量かも知れない:未確認)。
もっとも、申請どおりの重量の衛星を上げるかどうかも分からない。
V2ミニだって、800kgかどうかは分かったもんじゃない。
「Starship向けのフルサイズのStarlink V2衛星については、すでに2022年にStarbaseで何度か目撃されており、SpaceXはすでに製造を進めている。」
そう書いてはあるが、ひょっとすると射出装置の設計のためのモックアップだったのかもしれない。
添付されている動画(公式)を再生してみると、射出されている衛星は、せいぜい54機に留まっている(2機×27回)。
これも怪しいけどな。
が、9mの外径のスターシップに、長辺7mのV2.0を水平に2機ずつ搭載して射出するというのは理に適っている。
この仕掛けが、お菓子のディスペンサーに似ているという話もあるようだが、浮沈子は知らない。
(宇宙のキャンディ!イーロン・マスク氏、スペースX社の2億1600万ドルの超超重量ロケット「スターシップ」はPEZディスペンサーのようにスターリンク衛星を吐き出すだろうと主張)
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10903885/Elon-Musk-claims-SpaceXs-Starship-spit-Starlink-satellites-like-PEZ-dispenser.html
「このアニメーションでは、地球上空の軌道にあるスターシップが示されており、その中にはスターリンク衛星が積み重ねられており、ちょうどペッツディスペンサーに入っているお菓子のように見えます。」
まあ、どうでもいいんですが。
人によっては、拳銃の弾倉(マガジン)のように見えるかも知れない。
浮沈子は、銃器に詳しくないので詳細は知らない。
衛星のディスペンサーについては、既に制作が行われているようで、それと思しき動画も上がっている。
(Starlink Pez Dispenser Installed into Ship 25:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=CBq8-pGpYmU
7分26秒から9分3秒まで。
周辺の着々と準備は進んでいるんだろうが、肝心のラプター2エンジンの出来が今一つだからな。
今月中に、本当に認可が下りて、年内に2度目の打ち上げが行われたとしても、同じ結果に終わる(つまり、2段目の切り離しはできない)可能性は高い。
つーか、不可避だろう。
発射台でのたった数秒の点火テストでさえ、33基のエンジン全基がクリアすることはなかった(数基は、点火しなかったようです)。
再び次々とトラブルに見舞われ、前回(4分弱)より短い時間で制御を失うかもしれない。
前回は運よく、発射台と接触することなく上がったが、エンジンの故障のタイミングと場所によっては、発射台とぶつかってしまってロケット本体も壊れる危険がある。
クリアできれば、運が良かったということか。
そんな、危なげな打ち上げテストを何百回繰り返しても結果は同じだ。
S社は、ラプター2に見切りをつけ、既に、ラプター3の開発に取り掛かっている。
初代ラプターの開発に10年以上掛けていることを考えると、改良版とはいえ、数年で物になるという保証はない。
ラプター2では、構造的に最適化を行っているからな。
逆に、弄りづらくなっている可能性がある。
メジャーバージョンアップに踏み切ったのは、そのせいもあるかもしれない。
一から出直しモードなわけで、状況は厳しい可能性が高い。
エンジニアから、出力を落とす提案を受けていたにもかかわらず、イーロンマスクが強引に押し切っていること、燃焼室圧力がなかなか設計値に上がらなかったことを考えると、その辺りで無理をしているのかもしれない。
熱的にかなり追い込んでいるとすれば、燃焼室の冷却を含めて見直す必要があり、出直し的改良になる可能性もある。
試作を行うにしても、構造的に最適化されているラプター2をベースにすることが難しければ、開発用試作機の設計から行わなければならなず、さらに時間が掛かることになる。
その開発期間中も、ヘタレなラプター2で打ち上げテストを続けることになるんだろう。
何回か行ううちに、運よく2段目の切り離しに成功したとしても、ロケットとしての完成が近づくわけじゃない。
先は長いな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(イーロン・マスク氏、スペースXのスターシップは今後の飛行で成功する「十分な可能性」があると語る)
https://www.space.com/spacex-elon-musk-starship-expectations-second-flight
「政府機関はアルテミス3号の非着陸ミッションを飛行し、少なくともアルテミス4号まで月面着陸を遅らせる用意がある」(NASA探査システム開発ミッション総局の副管理者であるジム・フリー氏)
おっと、アルテミス3は着陸しないで飛ばすのか・・・。
次のアルテミス4は、今のところ2028年9月となっている。
(アルテミス 4)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_4
「発売日:2028年9月(予定)」
ウィキの記事によれば、JAXAも開発に絡むI-Habと呼ばれる居住モジュールをゲートウェイに接続する予定だ。
建造のスケジュールがあるから、それとアルテミス3を交換することはできない。
PPEとHALOは、2025年11月には上がっている(予定)。
アルテミス3の中身をごっそり変更することになるんだろうな。
もう一つ、スペースコムの記事で注目すべき点がある。
「現在のバージョンのスターシップは、1960年代と1970年代にアポロ計画の宇宙飛行士を月にもたらした強力なNASAサターンVロケットの約2倍の推力」
「私たちが開発中のアップグレードにより、推力は約3倍になるでしょう」
「実質的には、スターシップは現在、打ち上げ時に1,600万ポンドの推力を生成しており、スペースXは、将来のエンジンアップグレード後に、近い将来に2,000万ポンドの推力を目標としている。」
つまり、ラプター3は、推力増強のための改良であって、安定燃焼を得るためではないということだ。
ホントかあ?。
「同社はシステムの「ホットステージ」を目指しています。これは、Starship が車両の 2 つのステージが完全に分離する前に、第 2 ステージのエンジンに点火することを意味します。」
「ステージング中にエンジンが点火し、船が自爆しなければ、軌道に到達する可能性は十分にあると思います。」
それはつまり、スーパーヘビーブースターの性能が十分でなくても、2段目を離脱させるための方策に過ぎない(そうなのかあ?)。
NASAは、賢明な選択をしている。
アルテミス3を無期延期にするのではなく、月面着陸なしのミッションに変更しちまおうというわけだ。
軌道投入されたばかりの月軌道ステーションに何日か滞在するというのは、もっともらしい話だろう。
月軌道上に、アポロの指令船以上の日数滞在することになれば、月軌道上での人類の滞在記録を破ることになるからな。
現在、アルテミス3のスケジュールは、2025年12月(NASA関係者を含め、誰も信じていないけど)だが。多少遅らせて、ゲートウェイを安定化させてから乗り込むスケジュールに調整すればいいだろう。
最小構成のモジュールのテストとしても有効だし、アルテミス4で行う作業を軽減することにもつながる。
スターシップの開発の遅れで、アルテミスは危機に瀕している。
が、それは、まあ、想定の範囲内だ。
ラプター3が、出力向上を目指しているという話は初めて聞いたが、それどころではないのではないか。
安定した燃焼(点火も?)を行うことが最優先だろう。
そうでなければ、延期された2028年9月のアルテミス4においても、月面着陸を果たすことはできない。
中国の有人月面着陸を、指を咥えて眺めることになるのは確実だ。
再使用や継続性という重荷を背負うことがない、一発勝負の中国のアプローチは有利だからな。
ロシアは、まあ、金がないこともあるけど、有人月面着陸にはあまり関心がない。
中国と協力して、どこまで存在感を示すことが出来るかが問題だな・・・。
(ライブ中継:SpaceXは、連続してクロスカントリーのFalcon 9打ち上げを計画しています)
https://spaceflightnow.com/2023/10/08/live-coverage-spacex-falcon-9-rockets-to-launch-from-florida-and-california-with-starlink-satellites/
「最初はスターリンク 6-22 ミッションで、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の宇宙発射施設 40 (SLC-40) から」
「フロリダでの打ち上げは4.5時間以内にスターリンク7-4ミッション」
「どちらのミッションでもファルコン 9 ロケットが使用されます。2 つの第 1 段ブースター、SLC-40 の B1067 と SLC-4E の B1063 は、それぞれ 14 回目の打ち上げになります。」
B1067で打ち上げられる6-22ミッションのロケットの写真が載っているんだが、2段目が真っ白いのを除けば、殆どが黒いロケットだ。
マーリンDエンジンは、灯油(ケロシン:RP-1)を燃料としているために、帰還時の燃焼の際にロケットに煤が付く。
洗っても落ちないのか、面倒くさいから洗わないのかは知らないが(未確認!)、再使用回数を重ねるごとに黒さが増してきて、14回目となる今回の使用では真黒な状態になっている。
やれやれ・・・。
(スターリンクミッション 6-22)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-6-22/
イーロンXの「現在の状況」には、Xの投稿写真が出ていたので、画像はそちらから拝借した。
フェアリングも、やや煤けている感じなので、こちらも再使用なんだろう。
スペースフライトナウの記事に掲載されている写真では、銀色に見えるけど、単なる灰色だ。
真っ白な2段目の下の真っ黒な帯状の部分は、黒く塗装しているところなので、真黒のままでも構わない。
そこから下は、少し斑な模様も見て取れる、煤による汚れだ。
自社事業で使うロケットだから、見栄えはどうでもいいということなんだろうが、塗り直すとか、もうちっと何とかならんもんか。
手間もかかるし、塗装の費用も、塗料の重量も増えるからな。
ざっと洗って、支障がなければそのまま使うという、実に合理的な判断なのかもしれない。
ロケットラボのエレクトロンがどうなるか分からないが、現在のところ、世界で唯一再使用されている軌道打ち上げロケットだ(2段目は使い捨てですが)。
21世紀の打ち上げ風景。
汚れが目立たないように、最初から黒にしておけばいいのに・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
(最初の段階の概要)
https://www.elonx.cz/prehled-raketovych-stupnu/
アクティブな1段目のイラストでは、使用頻度に応じて煤けた感じを出している。
まあ、テキトーなんだろうが、13回使用した1段目が、それなりに黒っぽくなっていることが確認できた(それって、確認かあ?)。
まあいい。
フェアリングについては、そういう詳細なデータはない(未確認)。
いずれにしても、これらはスターシップが実用に供されるまで(いつのことやら・・・)のつなぎだ。
現在のラプター2エンジンの仕上がり具合からみて、早くても数年、下手をすれば2030年代になっても、ファルコンズ(9&ヘビー)が飛び続ける可能性がある。
その間も、細かい改良は続いていくんだろう。
スターリンクの驚異的な打ち上げ頻度は、現状では週に1~2回だが、今後は更に多くなる可能性がある。
衛星の大型化で、一度に打ち上げられる機数が、当初の3分の1程度に減ってしまっている。
1機当たりの性能は4倍になったというから、打ち上げごとのトータルスループットは増えていることになるが、軌道に配置する衛星の密度は下がっている。
現在当局から承認されている1万2千機のコンステレーションを、衛星寿命5年で維持するためには、年間2400機を未来永劫上げ続けなければならない。
損耗もあるだろうから、1回あたり20機とすれば、年間120回の打ち上げをこなさない限り不可能だ。
スターリンクのためだけにな。
やれやれ・・・。
現状を考えれば、おそらくは不可能ということになる。
つまりだな、スターリンクは既に破綻しているというわけだ。
まあ、衛星寿命は、7年とも言われているし、アルゴンスラスターの効率が上がれば、もっと延びるかも知れない。
軌道上のコンステレーショントータルでのスループットも、クロスリンクと地上との通信のベストミックスが図れるようになれば、向上することが期待できる。
どこがネックになっているのかは知らない。
衛星の傾斜角が、43度とか53度への打ち上げが続いていることを考えれば、この中緯度帯での通信需要が高く、高性能な衛星の投入が急がれていることが窺われる。
場合によっては、V1.0とか1.5の衛星を早期に引退させてV2ミニで置き換えていく必要が出てくる。
そういった置き換えを進めつつ、衛星の機数(配置)を維持し続けるためには、年間120機よりも、さらに多くの打ち上げを行う必要が出てくるだろう。
ムリポだ・・・。
もちろん、スターシップが完成し、使い捨てなしの完全再使用で飛ぶことになれば、V2.0が上がることになる。
V1.5の10倍の性能、1機1.2トンの重量。
堂々たる通信衛星だな。
2段目使い捨てなら、250トンのペイロードを低軌道に上げることが出来るようになるらしいから、スペースの問題を考えなければ200機以上を1回で上げることが出来る。
べらぼーめ・・・。
低軌道大規模コンステレーションによる衛星インターネット接続という括りでは、ワンウェブやカイパーも同じだろうが、量も質も別次元だな。
スペースレーザーなるクロスリンクによる、地上インフラに頼らない高速ネットワークは無敵だ。
砂漠でも大洋でも、極地でもジャングルでも、アンテナさえ立てれば世界とつながる。
古来、人類は温暖な河川に沿って文明を築いた。
エジプトはナイル、メソポタミアはチグリスユーフラテス、黄河は黄河、インダスはインダス川。
21世紀になって、都市の呪縛から逃れ、人類はアンテナに沿って文明を発展させていくのかもしれない。
黒く煤けてぱっと見が冴えない、使い古されたファルコンの姿は、それが支えているアプリケーションの凄まじさを想像させてくれる。
まあ、電気が来てないと繋がらないということはあるけどな。
22世紀くらいになれば、そっちの方も、発電衛星から給電されるようになるのかもしれないけどな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スターリンク ブロック v2.0)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/starlink-v2-0-ss.htm
「伝えられるところによると、これらの衛星は長さ7メートル、幅3.5メートル、質量は約1200キログラムとなる。」(大きさは、たぶん、畳まれた状態)
衛星重量を誤って記憶していたので、訂正した。
やれやれ・・・。
浮沈子は、2トンくらいだと思ってたんだがな。
いずれにしても、これが上がるようになるまでには時間が掛かる。
「スターシップは第 2 世代衛星用の唯一の打ち上げロケットとなります。」
そう、V2.0とスターシップはセットだからな。
S社は、早くからV2ミニを設計していたに違いない。
いや、ホントはV2.0なんて、まだ、影も形もないのかもしれない(未確認)。
ボカチカのスターベースで目撃されたと言われているのは、V2ミニだったのかもな。
アマゾンのカイパー衛星なんぞに勝ち目はない。
唯一勝機があるとすれば、衛星接続料を実質無料(プレミアム会員の会費?)にして、アンテナ購入費だけで最低限の接続サービスを提供するビジネスモデルくらいだ(そうなのかあ?)。
タダより安い物はない。
それなら、多少接続が遅くても、海洋や砂漠や極地で使えなくても(南北緯56度まで)文句は出ないだろう。
結局、軌道上のネットワークは、特にバックボーンについてはS社の独占になる。
クロスリンクを持たない衛星インターネットは、地上局を介してスターリンクに再接続してつないでもらうことによって、サービスとしての全地球域接続を実現できるかも知れない(卸してくれるかどうかは未確認)。
カイパーには、もう一つ別の選択肢もある。
海洋上の定期船を基地局にするグローバル接続プランだ。
ほぼ一定の間隔で就航している貨物船などは、地上(海上?)基地局として、衛星と交互にバケツリレーして、ルートとして使うことが出来る。
開発されている専用チップは、中継用にも使えると言われているからな。
まあ、どうでもいいんですが。
その他大勢と異なり、スターリンクは独立して基本機能を完備している。
「Starlinkは、SpaceX の 30,000 機の低地球軌道衛星群で、グローバルなブロードバンド インターネット アクセスを提供します。」
ガンター(ギュンター)のページには、申請している3万機の数字が載っている。
べらぼーめ・・・。
もちろん、スターシップが飛ばない限り、この規模のコンステレーションを維持(構築)することはできない。
仮に、V2ミニ(衛星寿命5年)を上げるとすると、ファルコン9で1回に20機とすると、年間300回飛ばなければならないからな(ムリポ!)。
スターシップなら、V2.0を上げるとしても、10分の1の回数で済む。
年間30回の打ち上げなら、2段目を使い捨てにするとしても、まあ、現実的な数字だ。
そうしない限りは、3万機のコンステレーションを維持することはできない。
アマゾンが逆立ちしても追いつけない世界だ。
もっとも、アマゾンは将来のカイパー衛星の打ち上げ手段として、スターシップを検討するとしているから、先のことは分からない(ファルコンズでは、打ち上げ能力が低いんだそうです)。
まあ、どうでもいいんですが。
一寸先は闇の、低軌道衛星群によるインターネット接続。
21世紀の文明は、アンテナの流域に花開く(そうなのかあ?)。
エジプト文明、メソポタミア文明、黄河文明、インダス文明、そして、アンテナ文明・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(スターリンク星座のすべて:第二世代衛星)
https://www.elonx.cz/vse-o-konstelaci-starlink/#satelity_v2
「イーロン・マスク氏は 2022年、スターシップの「V2」衛星の長さは7メートル、重さは約1250キロであると明らかにした。」
と書いてはあるものの、貼り付けられている申請書添付の表によれば、V2.0と思しき衛星の重量は、2000kgとなっている。
やっぱ、浮沈子の記憶は正しかったな・・・。
ガンターの1200kgといい、怪しげなCEOの発言による1250kgといい、どうも信用ならない(アルゴンの燃料なしでの、いわゆる乾燥重量かも知れない:未確認)。
もっとも、申請どおりの重量の衛星を上げるかどうかも分からない。
V2ミニだって、800kgかどうかは分かったもんじゃない。
「Starship向けのフルサイズのStarlink V2衛星については、すでに2022年にStarbaseで何度か目撃されており、SpaceXはすでに製造を進めている。」
そう書いてはあるが、ひょっとすると射出装置の設計のためのモックアップだったのかもしれない。
添付されている動画(公式)を再生してみると、射出されている衛星は、せいぜい54機に留まっている(2機×27回)。
これも怪しいけどな。
が、9mの外径のスターシップに、長辺7mのV2.0を水平に2機ずつ搭載して射出するというのは理に適っている。
この仕掛けが、お菓子のディスペンサーに似ているという話もあるようだが、浮沈子は知らない。
(宇宙のキャンディ!イーロン・マスク氏、スペースX社の2億1600万ドルの超超重量ロケット「スターシップ」はPEZディスペンサーのようにスターリンク衛星を吐き出すだろうと主張)
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10903885/Elon-Musk-claims-SpaceXs-Starship-spit-Starlink-satellites-like-PEZ-dispenser.html
「このアニメーションでは、地球上空の軌道にあるスターシップが示されており、その中にはスターリンク衛星が積み重ねられており、ちょうどペッツディスペンサーに入っているお菓子のように見えます。」
まあ、どうでもいいんですが。
人によっては、拳銃の弾倉(マガジン)のように見えるかも知れない。
浮沈子は、銃器に詳しくないので詳細は知らない。
衛星のディスペンサーについては、既に制作が行われているようで、それと思しき動画も上がっている。
(Starlink Pez Dispenser Installed into Ship 25:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=CBq8-pGpYmU
7分26秒から9分3秒まで。
周辺の着々と準備は進んでいるんだろうが、肝心のラプター2エンジンの出来が今一つだからな。
今月中に、本当に認可が下りて、年内に2度目の打ち上げが行われたとしても、同じ結果に終わる(つまり、2段目の切り離しはできない)可能性は高い。
つーか、不可避だろう。
発射台でのたった数秒の点火テストでさえ、33基のエンジン全基がクリアすることはなかった(数基は、点火しなかったようです)。
再び次々とトラブルに見舞われ、前回(4分弱)より短い時間で制御を失うかもしれない。
前回は運よく、発射台と接触することなく上がったが、エンジンの故障のタイミングと場所によっては、発射台とぶつかってしまってロケット本体も壊れる危険がある。
クリアできれば、運が良かったということか。
そんな、危なげな打ち上げテストを何百回繰り返しても結果は同じだ。
S社は、ラプター2に見切りをつけ、既に、ラプター3の開発に取り掛かっている。
初代ラプターの開発に10年以上掛けていることを考えると、改良版とはいえ、数年で物になるという保証はない。
ラプター2では、構造的に最適化を行っているからな。
逆に、弄りづらくなっている可能性がある。
メジャーバージョンアップに踏み切ったのは、そのせいもあるかもしれない。
一から出直しモードなわけで、状況は厳しい可能性が高い。
エンジニアから、出力を落とす提案を受けていたにもかかわらず、イーロンマスクが強引に押し切っていること、燃焼室圧力がなかなか設計値に上がらなかったことを考えると、その辺りで無理をしているのかもしれない。
熱的にかなり追い込んでいるとすれば、燃焼室の冷却を含めて見直す必要があり、出直し的改良になる可能性もある。
試作を行うにしても、構造的に最適化されているラプター2をベースにすることが難しければ、開発用試作機の設計から行わなければならなず、さらに時間が掛かることになる。
その開発期間中も、ヘタレなラプター2で打ち上げテストを続けることになるんだろう。
何回か行ううちに、運よく2段目の切り離しに成功したとしても、ロケットとしての完成が近づくわけじゃない。
先は長いな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(イーロン・マスク氏、スペースXのスターシップは今後の飛行で成功する「十分な可能性」があると語る)
https://www.space.com/spacex-elon-musk-starship-expectations-second-flight
「政府機関はアルテミス3号の非着陸ミッションを飛行し、少なくともアルテミス4号まで月面着陸を遅らせる用意がある」(NASA探査システム開発ミッション総局の副管理者であるジム・フリー氏)
おっと、アルテミス3は着陸しないで飛ばすのか・・・。
次のアルテミス4は、今のところ2028年9月となっている。
(アルテミス 4)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_4
「発売日:2028年9月(予定)」
ウィキの記事によれば、JAXAも開発に絡むI-Habと呼ばれる居住モジュールをゲートウェイに接続する予定だ。
建造のスケジュールがあるから、それとアルテミス3を交換することはできない。
PPEとHALOは、2025年11月には上がっている(予定)。
アルテミス3の中身をごっそり変更することになるんだろうな。
もう一つ、スペースコムの記事で注目すべき点がある。
「現在のバージョンのスターシップは、1960年代と1970年代にアポロ計画の宇宙飛行士を月にもたらした強力なNASAサターンVロケットの約2倍の推力」
「私たちが開発中のアップグレードにより、推力は約3倍になるでしょう」
「実質的には、スターシップは現在、打ち上げ時に1,600万ポンドの推力を生成しており、スペースXは、将来のエンジンアップグレード後に、近い将来に2,000万ポンドの推力を目標としている。」
つまり、ラプター3は、推力増強のための改良であって、安定燃焼を得るためではないということだ。
ホントかあ?。
「同社はシステムの「ホットステージ」を目指しています。これは、Starship が車両の 2 つのステージが完全に分離する前に、第 2 ステージのエンジンに点火することを意味します。」
「ステージング中にエンジンが点火し、船が自爆しなければ、軌道に到達する可能性は十分にあると思います。」
それはつまり、スーパーヘビーブースターの性能が十分でなくても、2段目を離脱させるための方策に過ぎない(そうなのかあ?)。
NASAは、賢明な選択をしている。
アルテミス3を無期延期にするのではなく、月面着陸なしのミッションに変更しちまおうというわけだ。
軌道投入されたばかりの月軌道ステーションに何日か滞在するというのは、もっともらしい話だろう。
月軌道上に、アポロの指令船以上の日数滞在することになれば、月軌道上での人類の滞在記録を破ることになるからな。
現在、アルテミス3のスケジュールは、2025年12月(NASA関係者を含め、誰も信じていないけど)だが。多少遅らせて、ゲートウェイを安定化させてから乗り込むスケジュールに調整すればいいだろう。
最小構成のモジュールのテストとしても有効だし、アルテミス4で行う作業を軽減することにもつながる。
スターシップの開発の遅れで、アルテミスは危機に瀕している。
が、それは、まあ、想定の範囲内だ。
ラプター3が、出力向上を目指しているという話は初めて聞いたが、それどころではないのではないか。
安定した燃焼(点火も?)を行うことが最優先だろう。
そうでなければ、延期された2028年9月のアルテミス4においても、月面着陸を果たすことはできない。
中国の有人月面着陸を、指を咥えて眺めることになるのは確実だ。
再使用や継続性という重荷を背負うことがない、一発勝負の中国のアプローチは有利だからな。
ロシアは、まあ、金がないこともあるけど、有人月面着陸にはあまり関心がない。
中国と協力して、どこまで存在感を示すことが出来るかが問題だな・・・。
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