🐱ウクライナ降伏不可避:EUの亀裂:支援疲れじゃない2023年10月29日 10:40

ウクライナ降伏不可避:EUの亀裂:支援疲れじゃない


(EU、ウクライナ支援で亀裂 ハンガリーとスロバキアが難色)
https://jp.reuters.com/markets/bonds/QIQFW4D72JNWZFGNVUBG6QS7FM-2023-10-27/

「欧州連合(EU)はウクライナに向こう4年間で500億ユーロ(530億ドル)を支援する案を大筋で支持したが、全会一致が必要となる12月の詳細合意を前にハンガリーとスロバキアが難色」

他の報道では、「合意」なれども「不支持」的な話でワケワカだったが、総論賛成各論反対ということなわけだ(そうなのかあ?)。

EUの予算手続きは複雑を極める。

多くの国が関わっている以上、ややっこしくなるのは仕方ないけど、なんだか、それを楽しんでいる風情だ。

政治的に成熟しているというか、プロセス命みたいなところがある。

報道は、単なる「支援疲れ」と一言で片づけたがるが、実際はそうじゃないことも分かる。

「ウクライナに資金と軍事支援を提供するEUの戦略は失敗」(ハンガリーのオルバン首相)

まあ、プーチンと会ったばかりで、いろいろ吹き込まれてきたんだろうが、そこには重要な情勢の変化がある。

「ウクライナは戦場で勝てない」

年内にクリミアを含めた領土奪還を掲げていたウクライナは、この半年で1パーセントの回復も果たせていない。

そもそものビジョンが、軍事的には非現実的ということもあるだろうが、持久戦かつ消耗戦に持ち込まれてしまっていて、分かりやすい戦果を提示できていない。

国内産業的にも、大きな打撃を食らっている。

投資の対象として、魅力的でないことは間違いない。

逆に、追い込まれているはずのロシアは、このところ、妙に威勢がいい。

国内景気はV字回復、外交的成果も着実に挙げてきている(まあ、相手が北朝鮮とかですけど)。

それでも、枯渇が報道されていた武器弾薬の類は十分にあるし、損耗が激しい兵員の補充についても、態勢は整っている。

追い込んだはずが、総力を挙げて対抗する戦闘国家を作り上げてしまった。

このままウクライナを支援すればするほど、敵が元気になるようにも見える(そうなのかあ?)。

オルバンの懸念(支援の失敗)は、欧州全体が認識している。

が、それを認めるくらいなら、結論を先延ばしするために、支援を続けた方がマシだ。

支援の泥沼に陥っている。

見返りを期待できる将来への投資ではなく、ドブに金を捨てることになる。

軍事支援にしても、これまではソ連製の旧式兵器の更新を促進するインセンティブが働いたが、今後はそれもなくなり、身を切る支援という嬉しくない形になる。

欧州は、構造的に、ウクライナ支援の転換期に入っているのだ。

支援に対する評価の目が厳しくなる中で、汚職の問題も度々指摘されている。

今回も、その件が持ち出されている。

「スロバキアのフィツォ首相もオルバン氏に同調。ウクライナでは汚職が蔓延していると指摘し、EUの新たな支援に資金が不正利用されない保証を盛り込むよう求めた」

重要な点は、ウクライナ支援ではEUは大筋合意に達していることだ。

条件闘争というか、細部の詰めで揉めている程度の話ではある。

スロバキアが「ウクライナに対する軍事支援を停止」と言ってみたところで、欧州からの軍事支援の多勢に影響が及ぶわけではない(未確認)。

ぶっちゃけ、ロシアの思惑に反して、欧州がこの転換点を乗り切り、長期的援助のスキームを作ることに成功すれば(プランBでも何でも)、ウクライナが、多少汚職に塗れていたとしても(援助を受ける側では当然のように発生するしな)、経済的にも社会的にも軍事的にも支え続けることが出来るようになるかもしれない。

が、政策担当者レベルでは持続可能だとしても、一般市民の感情としては面白くないだろう。

汚職塗れのどぶの中に、なぜ、我々の金を捨てるのか。

長期の戦争で産業が疲弊し、回収の見込みが立たない国に、なぜ投資を続けるのか。

政治家は、一般市民が納得できるような、上手い説明を考えないとな。

西側は、自由な民主国家という触れ込みだからな。

米国では、安全保障上のコストを長期的に節約できるという話で説得を試みているようだ(バイデン)。

それが成功するかどうかは、来年の選挙で決まる。

共和党保守派は、即刻支援停止だからな。

欧州は、真剣にプランBを検討する必要に迫られるかもしれない。

・プランA:ウクライナの勝利とロシアの敗北による欧州の利益

・プランB:ウクライナの敗北(領土分割による和平を含む)とロシアの勝利(併合地域の獲得とウクライナの軍事的中立を含む)による欧州の利益

浮沈子的には、どう考えてもプランBな気がするんだがな。

が、ウクライナの将来はウクライナが決める。

援助が続こうが続くまいが、徹底抗戦を主張する現政権は、プランBを呑むわけにはいかない。

それは、武力による現状変更を認めることになるしな。

米国が国民を納得させようとしている、安全保障上の長期的利益にも反する(本気で主張しているとは思えないけどな)。

欧州は、そういう、単純化された分かりやすい話を好まない。

ねちねちと、こねくりまわして、ややっこしさの限りを尽くして複雑怪奇に練り上げられた結論がお好きだ。

そして、いつも、重要なタイミングを外して、全員でドロップアウトすることになるのだ(そうなのかあ?)。

ヨーロッパ、みんなでこければ痛くない(そんなあ!)。

浮沈子が継続的に見ているのは、宇宙ロケット関係だけだが、アリアン6の蹉跌を見ていると、そういう印象をぬぐえないからな。

鳴かぬなら、壊してしまえファルコンズ的米国とは違う。

バルカンロケットではケチをつけているが、米国はSLSやファルコンズ(9&ヘビー)を手に入れている。

SLSは、確かに割高で非効率だが、今のところ、他に代替手段がない打ち上げ領域(深宇宙への有人飛行)をカバーしている。

まあ、どうでもいいんですが。

欧州は、地政学的観点からウクライナへの支援を継続するだろうが、その戦略は大いに見直されることだろう。

一般市民の理解を得ようといったポピュリズムとかけ離れたところで、どう転んでも欧州に不利益が降りかからない方策を見出すに違いない。

それが、結果的にはロシアを利することになったとしても。

これまで多額の投資を受けたウクライナは、損切りされる運命にある。

それは、単なる支援疲れなどではなく、投資に見合った利益を出せない事業に対する当然の対応だ。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

国家は正義では動かない。

損得で動く。

EUが、冷徹な判断で損切りに走る時、米国がどう対応するかが見ものだな。

もちろん、ウクライナが戦場で決定的に勝利して、プランAの継続を勝ち取ることが出来れば、話は変わってくる。

クリミアに核爆弾が投下されるまで、あと3日となった(あくまでも、浮沈子の妄想です)。

形成を一挙に逆転し、領土奪還へ向けて大きく前進することにつながる。

えっ?、どこから攻め込むのかってえ?。

確かに、クリミアに打撃を与えたところで、陸からの侵攻は望めない。

制海権はロシアに握られているから、海から揚陸することも簡単ではないだろう。

西側が全面支援したところで、ウクライナ軍がクリミアを奪還し、そこを拠点に南部を挟み撃ちにする構図は想像しにくいからな。

やっぱ、だめか・・・。

現状は、逆にヘルソン(州都)をロシアから攻撃されている始末だ。

(ロシア、ウクライナ南部ヘルソン市中心部を砲撃 8人負傷)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WKVQBXGL3FJYXA5VACZV3I4TOU-2023-10-27/

「ロシア軍は27日、ウクライナ南部ヘルソン州のヘルソン市中心部を激しく砲撃」

「ヘルソン州のドニエプル川沿いのベリスラフも砲撃」

やれやれ・・・。

東部だけではなく、南部でも逆反転攻勢が始まっている。

一部では、ウクライナ側の渡河作戦が行われているらしいが、その成否は不明だ。

(ウクライナ情勢 南部の渡河作戦の行方が焦点の一つに)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231023/k10014234001000.html

「南部のドニプロ川を渡ってロシア側が占領を続ける東岸の地域でロシア軍との激しい戦闘」

「クリミアに近い、この地域での攻防の行方が焦点の一つ」

近いかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

「反転攻勢の中心となっている南部ザポリージャ州からロシア軍の兵力を分散させるねらいがある。」

その程度の話に過ぎないだろう。

今のところ、昨年末から戦線はほぼ膠着状態で、領土的な動きはほとんどない。

ウクライナは、西側からミサイルや戦車、戦闘機まで、様々な軍事援助と人道支援を含む莫大な経済支援を受けているが、領土奪還はおろか、一部では押し返されている。

そして、それがいつまで続くか、どのようにして領土を奪還していくのかの道筋を示すことができないでいる。

2014年からの推移を見れば、ロシアはクリミアだけだった占領地を拡大し、2022年の大規模侵攻で一時的に得た地域を失ってはいるものの、昨年末以降からは多大の犠牲を払いつつ、その支配地域を維持し続けている。

しかし、ロシアの目的はウクライナの軍事的中立だからな。

一部領土の支配ではないはずだ。

その意味では、ロシアもまた、ウクライナで成功しているとは言えない。

多大の犠牲を払った価値があったかどうかは分からない。

それこそ、安全保障上の長期的価値というところだろうが、それを実現する道筋が描けない点はロシアも同じだ。

プーチン亡き後、ウクライナに対して、どのような対応が取られるかは分からない。

1000kmの戦線維持は、確かに大変な話だが、NATO全体に対して北極海からインド洋まで続く1万kmの戦線を維持し続けるのはもっと骨だろう。

短期的には、東欧諸国を呑み込み、中期的には中国と共に欧州を丸ごと支配し、やがては大西洋の向こうに手を伸ばそうとしている(そうなのかあ?)。

今、我々が目にしているのは、大ロシア帝国の妄想に駆られた人々の、見果てぬ夢の一部に過ぎない。

巻き込まれる連中にとっては、救い難い悪夢だがな。

21世紀最強の戦闘国家を作り上げ、戦い続けることを宿命づけられたロシアは、留まるところを知らないだろう。

プーチンは、ロシアには領土的野心はないと言っているが、それは本心ではあるまい。

大ロシア帝国の版図がどこまで広がるかは分からない。

少なくとも、妄想に駆られている人々の頭の中では、地球はおろか、月や火星にまで広がっているに違いないのだ(そうなのかあ?)。

足元では、ウクライナにおける反転攻勢の時期が終わろうとしている。

どれだけ取り返せたかとか、どれほど押し戻されたかは、あまり重要ではないだろう。

俗に、支援疲れと言われる中で、継続的な支援体制を維持したことが重要だ。

が、それがいつまでも安定的に続く保証はない。

欧州にとっては、プランBで収めたいところだが、それで済むかどうかは分からない。

ウクライナへの支援が、戦闘国家大ロシア帝国という怪物を作り上げてしまったとすれば、プランCやDも考慮しなければならないかもしれない。

・プランC:ウクライナの敗北とロシアの勝利による欧州の損失

・プランD:ウクライナの敗北とロシアの勝利による欧州の消滅

Dは、何としても避けたいところだが、歴史的スパン(1000年とか2000年とか)で考えれば、ないとは言えない。

一寸先は闇のウクライナ情勢。

1000年先が真っ暗闇なのは、まっ、当然かもな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ当局、子供1000人の強制避難を開始 ロシアの攻撃激化で:2023年10月27日)
https://www.bbc.com/japanese/67225829

「ウクライナ当局は、ロシアによる攻撃の激化を受け、前線に近い地域の子供たち約1000人の強制避難を開始」

「対象となっている地域は、南部ヘルソン州と東部ドネツク州の計31集落」

ヘルソンやドネツクは、ウクライナが反転攻勢をかけているはずの地域だ。

ヘルソン市内が攻撃を受けていることは、ブログ本文にも書いたけど、郊外でも攻撃を受け居ているようだ。

ドネツクでは、もちろん、アウディーイウカの壮絶な消耗戦が続いている。

が、ここも、もともとウクライナの支配地域だったところで、つまり、反転攻勢しているのはウクライナではなくロシアの方だということになる。

(ロシア、前線から退く自軍兵士を処刑=米高官:2023年10月27日)
https://www.bbc.com/japanese/67235939

「アウディイウカは、ロシア軍が占領しているドネツク市に近い。ロシアがここを押さえれば、ウクライナはドネツク州でのさらなる前進が難しくなる。」

「アウディイウカの住民約3万人は、ほぼすべて町外に避難している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今週、ロシアの激し攻撃が続くこの町の状況を「かなり厳しい」と表現した。」

記事のメインの内容は、心優しいカービー氏がロシア軍を気遣う内容だが(そうなのかあ?)、浮沈子的にはウクライナが相当押し込まれている状況の方が気になる。

スラブ民族は、命の値段が安いからな。

「(ロシア軍は)人海戦術を取り、まともに訓練されていない兵士を多数、戦闘に投入している」

まあいい。

状況から考えて、ウクライナがアウディーイウカを守り切れるかどうかはビミョーなところだ。

プーチンが、政治的成果として逆反転攻勢の戦果を要求しているとすれば、犠牲者を山のように出しても占領しに来るだろうからな。

まあいい。

確認しておこう。

ウクライナは、複数の戦線でロシア軍の攻撃を受け、防戦を強いられている。

一部では、前線を後退させざるを得ない状況に追い込まれているようだ(住民の強制避難を余儀なくされている)。

ピンポイントで反転攻勢の兆しがないわけではないだろうが、領土を大幅に奪還するとした当初の目論見とは異なる状況にある。

プーチンは、完全な失敗と言い切っている。

つーことは、逆に、ロシア軍として引くに引けない状況に追い込まれているともいえる。

「ウクライナ東部で激戦による死傷者が増えるなか、ロシアは前線から退却しようとする自軍兵士を処刑していると、米政府高官が26日の記者会見で述べた。」

命令を拒否して任務を放棄すれば、それなりの処分を受けるのはどこの軍隊でも同じだ。

が、それが無謀な命令だったりすれば、状況は異なるのかもしれないが、何が無謀かは評価が分かれるところだろう。

戦場でケリを付けようと、外交責任者が言っちまった以上、ロシアは何があっても引き下がるわけにはいかない。

任務放棄の自軍兵士を処刑するなんてのは、想定の範囲内だろう。

アウディーイウカが、第二のバムフトになることは確実だな。

ヘルソンの状況は意外だ。

ここは、ロシアが戦略的撤退をしたところだからな。

川向うの州都を占領しても、守りづらいことは分かり切っている。

そこに攻撃を仕掛けているというのは解せない。

リベンジを掛けて、撤退した恨みを晴らそうとしているんだろうか?。

それとも、さらに西方に手を伸ばして、オデッサを窺う足掛かりにしようというのか。

戦略的に、オデッサは重要だからな。

ここを奪われれば、ウクライナは海路での輸送ルートを事実上、絶たれる。

いわば、国家の存亡をかけた戦いになるわけだ。

もう、領土奪還などとは言っていられなくなる。

ロシアは、いかなる犠牲を払ってでも、併合した4州の完全支配を達成する意思を明確にしているようだ。

と同時に、残るウクライナの地域に対して、戦争継続の意思と能力を奪うべく、戦略的な道筋を付けようとしているように見える。

電力インフラへの攻撃は、その一つの現れだろうし、仮にオデッサが占領されるような事態になれば、その意図はさらに明確になる。

ロシアは、戦争の目的を明確にしている。

ウクライナの軍事的中立。

侵攻前から、EUへの加盟自体に反対はしていない。

一方、NATOへの加盟は、実力で阻止する構えだ。

際限のない西側の支援を断ち切るには、ウクライナが支援の対象として魅力がないと思わせなければならない。

莫大な支援を受けても、EUのお荷物になるだけの存在になっちまったら、それでも投資(支援)は続くんだろうか?。

ロシアの戦略目標は、その外部支援を打ち切るために、効果的に選定されている。

オデッサの港湾施設、ドニプロ川の河川施設は、既に繰り返し攻撃の対象になっている。

ウクライナは、たとえ外部からの支援が打ち切られても、徹底抗戦しようとするだろう。

ウクライナの将来は、ウクライナが決める。

米国でも、欧州でも、中国でも、ましてやロシアでもない。

ソ連崩壊後、欧州をじりじりと占領してきた西側は、ウクライナで初めて躓くことになる。

ユーラシア大陸の覇権をめぐる、いや、世界の覇権をめぐる大きな流れの一部として、ウクライナ紛争は歴史に刻まれることになる。

ウクライナの将来がどうなるかは、欧州の、ユーラシア大陸の、世界の将来を決めかねない。

米国も、欧州も、それが分かっているからこそ、ウクライナに莫大な援助を続けている。

ロシアだって、そう思っているからこそ、アウディーイウカでべらぼーな損失を出しても引き下がろうとはしない。

ここで敗れれば、大西洋とインド洋へと続く大ロシア帝国の夢は潰える(そうなのかあ?)。

ヘルソンもまた、オデッサ侵攻への重要な布石になる。

地続きで黒海沿岸を抑えられれば、ウクライナは息を止められたも同然だ。

が、まあ、それは来年以降の話だろう。

西側にとって、ウクライナは重要ではあるが、普遍的価値はない(ボルシチのルーツだけどお?)。

ぶっちゃけ、消耗品扱いだ(そんなあ!)。

前線から避難した子供たちが大人になる頃、ウクライナはどうなっているんだろうな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(【東部アウディイフカ包囲網】ロシア攻勢“戦闘激化”支配強化の狙い◆日曜スクープ◆)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcf140f1a920237ebc75c7caf3459460a579d40e

「ロシアとウクライナの両軍は10月中旬から、ウクライナ東部のアウディイフカを巡り、激しい戦闘を繰り広げている。」

「ウクライナ側は、欧州最大のコークス工場を要塞化し、守りを固めている。」

「ロシア軍は26,27の両日、ウクライナ軍によって要塞化された工場に接近し、コークス工場から排出される「廃棄物の山」に築いた陣地に対する支配を強化」

時間の問題だなあ。

ドネツクの支配は、当分取り返せないだろう。

「アウディイフカはロシアがドネツク州を掌握するための重要拠点」

(ウクライナ提唱の和平案協議 東部アウディイウカで攻防続く)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023102900267&g=int

「ウクライナ軍参謀本部は28日も「敵(ロシア軍)は突撃を試みたが、失敗した」と主張」

「ロシア軍は恐らく最大8個旅団をこの地域に投入している」

「政治指導者の要求に軍が応えられていない」

まあ、そんなにホイホイ応えられるほど、戦場は甘くないだろうけどな。

ウクライナ側は、この地域でのロシア軍の損失を1個旅団以上と評価していた。

約13パーセントか。

ロシア軍にとっては、想定の範囲内に違いない。

多大な損耗を出しながらの突撃は繰り返され、ウクライナ側の抗戦も続く。

が、ここで重要なのは、攻めているのがロシアで、守っているのがウクライナという構図そのものだ。

ロシア軍は、政治的要求に誠実に応えていると言えるだろう(そうなのかあ?)。

前線の兵士は、常に消耗品だ。

ロシアでは兵士は畑で取れる。

訓練され、十分な装備を与えられ、妥当な作戦の中で、後方からの支援を受けて投入される西側の兵士とは異なる存在だ。

(ワグネル元戦闘員 多くが別の部隊で侵攻参加 志願兵38万人が兵役に 来年も募集決定 ロシア)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023102900267&g=int

「ロシアは去年9月に予備役の動員に踏み切りましたが、国外に脱出する人が相次ぐなど国民の反発を招いたことで、その後、高額の報酬を示して志願兵を募っていました。」

「今年1月以降に志願兵らおよそ38万5000人が新たに兵役に就いた」

「志願兵の募集は来年も続けるとしていて、プーチン政権としては来年3月の大統領選を念頭に国民の不満を抑え込みながら侵攻を継続していく構え」

ロシア軍兵士の損耗は想定の範囲内で、政治的要求にも不十分ながら誠実に応えているわけだ。

まあいい。

西側から大規模な支援を受けながら、反転攻勢どころか逆にロシア側に押し込まれているウクライナ。

EUの中から、プランBを検討するようにとの声が上がるのは当然だろう。

確認しておこう。

ウクライナ支援の見直しの声が上がるのは、単なる支援疲れじゃない。

投資に見合った利益を出せない事業に対する、合理的な評価の結果だ。

一方、その見直しの結果、長期的利益を見込んで支援を続ける枠組みが作れれば、新たな投資を呼び込むことができるかも知れない。

ただし、そこには様々な条件が付いてくるに違いない。

戦場で勝てないウクライナに、どういう要求が突き付けられることになるのか。

ウクライナにとって、今年の冬は暗くて長い冬になりそうだな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(焦点:ロシア軍懲罰部隊「ストームZ」、弾薬も食料もなく前線投入)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/RW3ATNWWPJKJ5B5H5F36QMHDVA-2023-10-06/

「飲酒をとがめられた新兵。命令に背いた兵士。そして受刑者」

「今年、こうした軍紀違反者や民間の犯罪者ら数百人が、「ストームZ」と呼ばれるロシアの懲罰部隊に投入され、ウクライナの前線に派遣されている。」

「「ストームZ」というのはロシア軍で使われている俗称で、突撃部隊を意味する「ストーム」と、ロシア軍がウクライナ侵攻の象徴として使う「Z」を組み合わせたもの」

「ロイターでは、記事に関連する兵士全員について、犯罪歴やソーシャルメディアのアカウント、戦友や家族らへの取材に基づいて、その身元を確認した。」

ロイター渾身の取材だな・・・。

「ストームZ部隊の兵士はただの『肉』だ」

「生き残って自分の体験を語れる者はほとんどいない」

やれやれ・・・。

「息が酒臭いことを将校に気付かれた兵士は即時、ストームZへ直行だ」

「この懲罰部隊は各100―150人程度で構成され、正規軍部隊に組み込まれる。通常は前線の最も危険な場所に派遣され、甚大な損失を被ることも多い」

「第237連隊に従軍していたストームZ部隊120人のうち、6月のバフムト近郊での戦闘で無事だったのは15人だけ」

損耗率は90パーセントに迫る!。

べらぼーめ・・・。

「民間軍事会社ワグネルが受刑者を前線に送り込む例はあったが、ストームZは国防省直属の部隊」

浮沈子的には、興味深い記述もある。

「ウクライナ政府も、戦闘への参加に同意することを条件に一部の受刑者を釈放していると明らかにしている。」

ウクライナ軍の用兵や、前線での彼らの扱いについては知らない。

まあ、どうでもいいんですが。

「軍紀違反者の前線部隊への投入には歴史的な前例がある。」

「ソ連の指導者だったスターリンが、パニックに陥ったり持ち場を離れたりした兵士らを「懲罰部隊」へ配属し、前線の最も危険な場所に配置したことが、スターリン自身の署名した政令で確認されている。」

今に始まった話じゃない。

ワグナー(ワグネル)が、受刑者に募集を掛けて戦闘員を補充していたことは周知だが、同じことをロシア国軍が行っている。

「軍隊の規律に関するロシアの法律によれば、兵士が懲罰部隊に異動させられるのは、軍事法廷により有罪を宣告された場合に限られる。だが、ストームZに送り込まれた兵士について取材に応じた人々は、誰1人として、そのような兵士が軍事法廷で審理を受けたとは語っていない。」

法治国家の振りをしているだけのロシアでは、そんなことは当たり前なんだろう。

「戦時国際法を定めたジュネーブ条約は、自軍内部での兵士の処罰については扱っていない。」

まあいい。

ストームZの反乱についても触れられている。

「約20人のストームZ部隊は扱いに耐えかね、前線に戻れという命令を拒否」

「処遇への不満を示す動画を撮影」

以下は、その動画の一部だそうだ・・・。

「私たちがいた前線には、弾薬が補給されなかった。水も食料もなかった。負傷者は搬送されず、遺体は今も放置されている」

「実行する価値もないような恐ろしい命令を下される。われわれは戦闘続行を拒否する」

生き残って証言できる者は幸いだな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(東部でロシア軍機撃墜と表明 製油所もドローン攻撃)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6d43778f3d58aa2b9f5daa929fe43d951fbdf04

「アブデーフカ周辺で、ロシア軍機を対空ミサイルで撃墜したと表明した。スホイ25攻撃機の可能性」

ロシア版Aー10近接支援攻撃機と言われる。

航空機の損耗を気にすることなく、前線に投入していたわけだ。

ロシアの本気度は、半端ない。

これを仕留めた対空ミサイルが何かは知らないが、前線投入で地上近接支援を行う以上、撃墜は想定の範囲内だろう。

(ロシア軍がウクライナのレオパルト2をさらに2両撃破か、1週間で計5両)
https://forbesjapan.com/articles/detail/67007

「ロシア国防省はウクライナ側の損失についてよく嘘をつくため、疑ってかかる必要がある。」

良く言えば情報戦、ありていに言えば嘘八百のでっち上げ!。

まあ、どうでもいいんですが。

「致命的な爆発物を搭載したFPV(1人称視点)ドローンの攻撃」

カメラを搭載して、あたかも自分がドローンに乗っているかのような視点で操縦できるらしい(FPV:First Person View)。

「FPVドローンは往々にして群れをなして攻撃する。最初の攻撃は戦車にダメージを与え、おそらく動けなくする。続く攻撃で、徐々に戦車を破壊していく。」

「ロシアはこの1年、小型ドローンの国内生産を大幅に拡大し、同時に熟練したドローン操縦士の部隊を養成」

「反攻開始からの4カ月の激戦で、ウクライナ軍はレオパルト2A4を7両、2A6を3両、チャレンジャー2を1両失った。ウクライナの同盟国が供与した150両ほどの戦車のうちの11両だ。」

ロシアが失った戦車は、それどころじゃないだろう。

対策はいくつかあるようだ。

「ドイツ製の優れたゲパルト自走対空砲など、より機動性の高い対空砲を配備すること」

「ドローンの制御信号を妨害できるジャミング装置を増やすこと」

「敵のドローン部隊が脅威となる小型ドローンを飛ばす前にその部隊を標的にすること」

ロシアに戦場で勝利することは簡単じゃない。

畑で取れる出来損ないの兵士を、人海戦術で突撃させるだけだと侮っていると、とんでもないことになるだろう。

戦争は、ただただ国家を疲弊させるだけではなく、たるみ切った軍隊を鍛え、強靭な戦闘国家へ豹変させ、侮れない存在へと導くこともあるのだ。

西側の報道の多くは、ウクライナへの軍事支援を正当化するために、敢えてそういったロシアの変化を伝えないことが多いようだ。

もう少しで、ウクライナが大きな勝利を収めるなどと、国民を騙している(そうなのかあ?)。

情報戦は、双方とも繰り広げているからな。

敵を欺くにはまず味方からだが、戦闘が長期化すれば、化けの皮は剥がれていく。

長期化する支援を確実にするためには、どこかで情報戦の戦略的転換が必要になるだろう。

ウクライナの反転攻勢は、どう見ても失敗に見える。

逆に、ロシアの攻撃が勝り、防戦一方な気もする。

ロシアの情報戦に、まんまと乗せられている浮沈子には、そう思えて仕方がない。

西側が、長期的な戦略のもとに、確実にウクライナに支援を届けようと思えば、単なる夢や希望と、現実の計画とを明確に分離し、ザルなお手盛りの支援ではなく、キッチリした見返りを要求する合理的なものに変えていく必要があるだろう。

西側の最新の戦車は、ロシアのドローンに撃破されている。

では、どうするのか。

そこから始めなければ、ボタンの掛け違いになる。

西側は、自由な民主国家だそうだからな。

ポピュリズムの弊害も、揺るぎない強靭さも併せ持っている。

国民が信じられないというのなら、専制国家に鞍替えするのがお勧めだろう・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

(ロシアとウクライナ、戦争終結に向け交渉すべき=ベラルーシ大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/DXD52AGJ7ZM5LBE3BQJXN57VNA-2023-10-30/

「両陣営が真っ向から対立して死闘を繰り広げ、動きが止まっている。人々は死に続けている」

「両国がいずれも十分な問題を抱えており、全般的に状況はかなりこう着している」

戦線は動いていないかもしれないが、戦闘は真っ盛りだ。

しかも、ロシア有利に向けて、大きく動こうとしている(まあ、相当無理してますけど)。

このタイミングで、ルカシェンコがしおらしい顔して停戦の提案をしているというのは解せない。

何かあるな・・・。

プーチンとルカシェンコは、9月に直接会っているが、それは北朝鮮との会談の直後だ。

このタイミングとは、直接の関係はないだろう。

うーん、怪しい・・・。

実に怪しい!。

もしかすると、表向きとは裏腹に、ロシアは相当追い込まれているのかもしれない。

軍事的な攻勢をかけているのも、長期的な戦略に裏打ちされた集中攻撃ではなく、無理を承知で打って出ざるを得ない事情が潜んでいる可能性もある。

それが何かは分からない。

ルカシェンコの和平提案は、唐突過ぎ、時期を外し、おそらくサウンドにすらならない単発の事象に見える。

「以前言及したように、前提条件は必要ない。重要なのは『停止』の命令が下されることだ」

ちょっと気になるな・・・。