直進安定性2013年06月01日 00:04

直進安定性
直進安定性


直進「命」の500Eとかに乗っていると、ほかのクルマの直進性って、たまたま真っ直ぐ走っているだけで、外乱を与えたりすると修正舵が必要になって、妙に疲れたりもする。

200kmで、片手でハンドルの上に手を添えている程度で、アクセルも床まで踏んで、ブレーキもガツンと踏んづけて、それでも微動だにしない鬼のような直進安定性・・・。

92年式500Eのハンドリングは、91年式300Eと違って、ハンドルを切ってもロールが押さえられて踏ん張る(これがポルシェ味だという人もいるが、同時期のポルシェ968とかに乗ったことがないので不明。ちなみに、968は500Eと同じく、シュツットガルトのツッフェンハウゼン工場で組み立てられていた)。

300Eは、グラッと大きくロールして、そのまま粘る(これは、ベンツ味!)。

両車とも疲れの出ないハンドリングで、長距離をのんべんだらりと運転するには、これ以上はないクルマだ。Sクラスとか、長距離乗ったことないので分からないが、きっと、もっと楽チンなんだろうと思う(たぶん)。

ポルシェのクルマは、違った意味での直進安定性がある。

ボクスターもそうだが、「真っ直ぐ走らせようとする意思に忠実な」直進安定性なのである。

これを、言葉で表現することは難しい。

ベンツは、クルマの意思(?)で真っ直ぐ走る。曲がってやろうと思わない限り、どこまでも真っ直ぐ走っていこうとする(あくまで、喩えです)。

ポルシェは、まるで脳と直結しているように、直進であれ、コーナーであれ、自由自在に走る(あくまで、喩えです)。

ちょっと、気を抜いて走っていると、ふらふらし出す(ホントかあ?)。

ちなみに、NB1600のロードスターは、ドライバーの意図を超えて、曲がり過ぎてしまうクルマだった(あくまで、喩えです)。

まあいい。

(ちょっと得するかも?)
http://homepage2.nifty.com/vatabo/tyotto8.html

(直線を走る性能・直進安定性とは)
http://www.augmymt.com/caryogo/ss002c.html

さて、様々な要素が複雑に関係する直進安定性だが、我らがRR車、83年式930タルガの直進安定性はどの程度のものなのか。

はっきり言って、500Eともボクスターとも異なる。

しっかりと、真っ直ぐ走らせようとしなければ、どこへすっ飛んで行ってしまうか分かったもんじゃない!。

ハンドルを両の手でしっかりと保持し(強く握り締めてはいけない)、身体を正しい姿勢に保ち、肩の力を抜いて、いつでもカウンターを当てられるように身構えて、緊張しつつリラックスして運転する必要がある!(これは、喩えではない!)。

床まで踏んでいる時、ガツンとブレーキをかけた時、ここには書けないスピードで、高速を狂うジング(?)している時、直進安定性という単語は、辞書から消えている・・・。

だからといって、真っ直ぐ走らないということはないのだ。

安定していなくても、矢のように真っ直ぐ走る不思議な直進性なのである。

傍から見て、ふらふらしている911なんて、聞いたこともない。不安定に感じるのは、落ち着きなく強烈なキックバックを返すハンドルと格闘しているドライバーだけで、クルマ自体は真っ直ぐ走っているのだ。

うーん、なんてクルマなんだ!。

(「なぜポルシェ911のエンジンは後ろにしてあるの?」)
http://prism11.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-69a3.html

「ポール・フレールは次のように書いている。「オーバーハングしたリアエンジンの車はどれもフロント・ホイールよりリアに目方がかかるものなので、オーバーステアという固有の傾向をもっている。直線高速走行で不安定となり、横風に非常に敏感だというのは、空力的圧力中心が重心よりずっと前にあるからである。ある程度はこのような好ましくない特性も、適切なサスペンション構成や空気力学の助けによって修正され得るものである。今日の最もパワフルなレーシングカーはリア・ホイールに実に65〜70パーセントの重量をかけている。」(『ポルシェ911ストーリー』P33)」と引用していたので、手元にある「最新版『ポルシェ911ストーリー』」で該当する箇所を探してみると、10ページも離れたP23に、翻訳も微妙に異なる表現で、しかし、内容は同じ箇所があった。

ちなみに、この後にも以下の引用がある。

「ポール・フレールは「Bシリーズ出現以降、ポルシェの中古車を買おうとしている人々に、それ以前の車は考えない方がいいとわたしは助言してきた。」(『ポルシェ911ストーリー』P120)と書いている。」

手元の「最新版」の該当箇所は、168ページである。

ここで、PFがBシリーズ以降に拘るのは、もちろん、ホイールベースの延長による前後重量配分の改善だけではないのだが。

しかし、ナローフリークが「真のナロー」と崇め奉っているのは、PFが見向きもしなかったO、Aシリーズだというのだから世の中は面白い!。

まあ、どうでもいいんですが。

RRの直進安定性の確保が難しかろうということは、シロウトでも推測できるが、本書(最新版)を読むと、技術者の苦労が読み取れる。

限られた要素技術を駆使して、少しでも改善を図ろうとする苦闘の数々・・・。

半世紀の時を超え、現代の991ポルシェに、直進安定性に関する問題などは全く無い。

その間の技術者たちの努力の甲斐あって、今日のドライバーは、何の苦労もなく安心してRRの911を、超高速でぶっ飛ばすことが出来る。

83タルガは、Aシリーズより改善されたとはいえ、まだまだ様々な問題を抱えた「開発途上」のクルマである。

進化し続けた(今も、し続けている)911というクルマの、過去の歴史のひとコマを切り取って味わうことができる。これこそ、中古車乗りの醍醐味であろう。

まあ、礼ちゃん(福野礼一郎)によれば、全てのクルマは中古車であるということになるんだろうが・・・。

中古車は、歴史が見捨てたクルマではない。耐久消費財として、世代を超えて乗り継がれる生き証人であり、歴史を語る語り部である。

PFによれば、フロントエアダムスカートとリアウイングで、高速時のリフティングは相当程度改善されるとある。フロントはともかく、リアのオドシの利いたドデカいウイングを、あの流麗な垂れ尻(画像参照)に付けるのは、いささかの躊躇いがある。

ノーマルのフォルムを維持しつつ、可能な範囲で対策するしかない(フロントに、予備のバッテリーでも積むかあ?)。

形態は機能に従うんじゃなかったけ?・・・。

コメント

_ maru ― 2013年06月01日 08:20

お久しぶりです。僕の930はフロントスポイラーとリアウイングが付いてますが、それの効果か200キロくらいまでは結構安定してますね。ブレーキもガツンと踏むと踏んだだけ止まる感じです。

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