Porsche642013年05月29日 23:15

Porsche64
Porsche64


日本語のウィキの中では、ベルリン・ローマ・レーサーとして紹介されているが、ドイツ本国のウィキにはベルリン・ローマ・ワーゲンとして出ている。

(Berlin-Rom-Wagen)
http://de.wikipedia.org/wiki/Berlin-Rom-Wagen

米国のウィキに、「ポルシェ64」として若干の記事があるが、ハンドメイドにより3台だけ生産された流麗なボディの詳細について触れたページは少ない。

(Porsche 64)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_64

ドイツ語のウィキのスペックを読むと、1100cc、空冷40馬力の4気筒ボクサーエンジンをぶん回して(3800回転)、525kgの車体を140kmまで加速したとある。

サスペンションは、もちろん、我らがトーションバー!。

トランスミッションは4速である。

中身はフォルクスワーゲン・タイプ1なのだが、このボディを纏っていると、とてもそうは見えない。

まんま、流星号である。空飛ぶクルマ。現代に甦ったとしても、十分すぎるほどアグレッシブなデザインといえる。

(実験車)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/05/16/6812680

現代の実験車(?)の方が、余程コンサバティブであるな。

リアの造形は、不気味なほど似ている。

(実験車のリアビュー)
http://jp.autoblog.com/photos/2014-volkswagen-xl1-first-drive-photos/#photo-5807062/

(ポルシェ64のリアビュー)
http://farm3.staticflickr.com/2690/4039920128_4314fa40a1_z.jpg

いや、あんま似てないか・・・。

まあいい。

この時期に、空気抵抗を低減するデザインが流行っていたことは、このページに記事があった。

(リアエンジン:リアエンジン車への再認識)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#.E3.83.AA.E3.82.A2.E3.82.A8.E3.83.B3.E3.82.B8.E3.83.B3.E8.BB.8A.E3.81.B8.E3.81.AE.E5.86.8D.E8.AA.8D.E8.AD.98

「同時代には流線型ボディの研究も進展し、ツェッペリン社出身の元・航空技術者パウル・ヤーライ(Paul Jaray 1889年 - 1974年)によって1920年代前半に考案された「ヤーライ流線型」が、フロントエンジン車シャーシを利用しての顕著な実験結果により、空気抵抗を減少させて性能を高めるという第二次世界大戦以前の古典的流線型乗用車のコンセプトの基本となった(もっともそれが一般化するのは1930年代中期以降である)。」とある。

そのポルシェ64は、しかし、量産されることもなく、異名の元となったベルリン・ローマ・レースも戦争の勃発でお流れになり、幻のレーシングカーとなった。

このクルマが、ポルシェの名を冠した最初のクルマなのか。

生産車両ではなく、プロトタイプではあるが、社内の開発コード「64」が与えられていたので、ポルシェ初といっても過言ではない。

もう、このデザインを見れば、誰でもポルシェのクルマだと分かる。

いささかフロントが長いが、左右のフェンダーに埋め込まれたヘッドライト、スラントしたノーズから立ち上がる最小限の居住性を有するキャビン、リアクォーターウインドウの形、エンジンを搭載しながらも、流れるように落ちていくリアのライン・・・。

これぞ、ポルシェのDNA、紛れもないP社の遺伝子である。

しかし、純血ではない。

先のドイツ語のウィキには、タイプ64の「前に」、「VW Typ 60 K 10 bzw」という型式が表示されている。

まあ、この辺りについては、気が向けば調べてみよう。

356の量産に当たっては、フォルクスワーゲンからのロイヤリティや安定した部品の供給が、決定的な役割を果たしているので、356自体がVWとの共同制作のようなものかもしれないが、P社の独自設計という意味と、911に続く系譜を考えれば、356こそが初めてのポルシェ車であることに変わりはない。

スカイラインが、プリンス自動車工業製(正確には、富士精密工業製?)なのか、それとも日産自動車製なのかを語るようなもんかあ?。

まあいい。

しかし、良く見ると、タイプ64のリアフェンダー周りの造形には、ケイマンを髣髴とさせる盛り上がりも見て取れる。

うーん、形に宿るDNAの奥は、思いのほか深いようだ・・・。

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