想定外かあ?2018年03月07日 01:09

想定外かあ?
想定外かあ?


地球観測(偵察でもいいんですが)や、宇宙空間で通信を行う衛星は、地球上空にある薄い空気の層を避けて、数百キロメートル以上の高度で飛び回っている。

それでも、時間が経てば、空気の抵抗を受けて高度が下がり、それによって更に空気の抵抗が増してきて、やがて地球大気に落ち込んで断熱圧縮(摩擦熱じゃないそうです)により高温になって燃え尽きる運命にある。

そうならないためには、化学推進エンジンを吹かすとか、最近流行りのイオンエンジンを吹かすなどして、衛星の速度を維持し、高度を保ち続けなければならない。

しかし、そうやっていても、ある程度の時間が経てば、燃料は尽き、お約束の時がやってくる。

チーン・・・。

特に、低軌道を飛ぶような偵察衛星とかは、軌道維持のために莫大な燃料を消費するため、衛星寿命が短くなる。

(超低高度軌道衛星の真実)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/12/23/8753391

浮沈子が妄想に駆られて書いた記事だが、まあ、そういう見方もあるかもしれない。

もちろん、半分以上は冗談で書いている(妄想だしな)。

燃料の切れ目が、縁の切れ目・・・。

超低高度軌道衛星は、短命に終わる運命にある。

と思っていたら、こんな記事が出てきて、焦った。

(空気だけで推進力を得られる新型人工衛星用エンジンの開発に欧州宇宙機構が成功)
https://gigazine.net/news/20180306-esa-air-breathing-ion-thruster/

「欧州宇宙機構(ESA)が、世界で初めて「空気を取り入れて加速させることで推進力を得る」という仕組みを持つ空気吸入型の電気推進器の開発に成功」

燃料は、その辺に転がっている空気分子(厳密には、窒素と酸素なんでしょうが)をイオン化して、磁場の中で加速することができるようにしたものを使う(合ってますう?)。

キセノンとかの代わりに、そいつをビューンと後方に放り出して、その反作用で推力を得る。

EMドライブとかいう、怪しげな話と一緒にしてはいけない。

(EMドライブ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/EM%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96

「既存のロケットエンジンやイオンエンジンが推進剤を噴射する反作用で加速するのとは異なり、推進剤を用いず推進力が得られるとしている」

怪しい。

実に怪しい・・・。

空気イオンエンジン(浮沈子命名の仮称)は、そういう物理の法則をひっくり返すようなヤバイ仕掛けじゃない。

(World-first firing of air-breathing electric thruster:元記事)
http://www.esa.int/Our_Activities/Space_Engineering_Technology/World-first_firing_of_air-breathing_electric_thruster

「This result means air-breathing electric propulsion is no longer simply a theory but a tangible, working concept, ready to be developed, to serve one day as the basis of a new class of missions.」(この結果は、空気呼吸電気推進はもはや単なる理論ではなく、新しいクラスのミッションの基礎として一日を奉仕するために、開発の準備ができている具体的かつ実用的な概念であることを意味する。:自動翻訳のまま)

定量的なデータが示されていないので、抗力(空気抵抗など)に対して、十分な推力が得られるのかどうかという肝心の点に対しての評価はできない。

が、まあ、話半分としても、超低高度軌道衛星の寿命を、大幅に延ばす可能性が出てきたわけだ。

せいぜい2年とか、その辺だったのを、20年とか200年とかに延ばせるかもしれない(そ、そんなに延ばせるのかあ?)。

もちろん、前にも書いたけど、衛星寿命は軌道維持の燃料だけで決まるわけではない。

特に、超低高度軌道衛星の場合は、衛星の表面が原子状酸素で強力に酸化されて、使い物にならなくなる可能性もあるし、何らかの原因で、搭載された電子機器がお釈迦になる可能性もある(未調査)。

それらのどれがネックになるかは、軌道要素や衛星の運用にもよるんだろう。

しかし、少なくとも、この空気イオンエンジンがものになれば、最適な高度で最適な推力を得て、太陽電池や日陰に入っているときに蓄える蓄電池が働いている限り、半永久的に回り続ける超低高度軌道衛星が実現することになる。

まあ、まだ分かんないけどな。

ESAは、能天気に地球観測衛星の寿命延長とかをイメージしているのかもしれないが、軍事用の偵察衛星だって、あるいは、インターネット衛星のような、低けりゃ低いほどいい衛星用途はしこたまあるに違いない。

ひょっとしたら、新たな衛星用途を生み出す可能性もある。

浮沈子が真っ先に想像したのは、これだな。

(キャプテン・スカーレット:登場する主要なメカ:クラウドベース(スペクトラム基地)参照)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88#%E7%99%BB%E5%A0%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E4%B8%BB%E8%A6%81%E3%81%AA%E3%83%A1%E3%82%AB

「高度4万フィート(12,192メートル)に浮遊する空中基地。広い甲板面は2分割され、一段高い方がエンゼルインターセプター用、低い方がその他の航空機用に使い分けられている。」

まあ、ちょっと低過ぎる気がするが、こういうのを100kmくらいの高度で飛ばし続けることができれば、宇宙や航空の世界は激変するかもしれない。

「高空に浮遊するのは、ジェリーによると「第二次大戦の英国本土防空戦で敵迎撃のため、高空に上昇するのに20分要した。最初から高空に待機すれば数分で迎撃できる」というアイデアに基づく。」

ジェリーというのは、製作者のジェリーアンダーソンのこと。

最近嵌っている謎の円盤UFOと同じ製作者だ。

まあ、どうでもいいんですが。

航空機と衛星の中間的なクラフトが出来る可能性を秘めているんじゃないか。

超高空を飛行する航空機のようなもんだからな。

しかも、燃料(?)は空気だからな。

安いもんだ。

エネルギーは、太陽電池で賄うわけだがな。

足りんのかな。

ちょっと心配だけどな。

この空気イオンエンジンの技術がモノになれば、薄い大気を持つ惑星(火星とか)でも、応用が利くかもしれない(二酸化炭素って、イオン化できたっけ?)。

まあいい。

その仕組みから、小型軽量化は難しいかもしれないな。

衛星自体を、この推進システムに合わせて設計していく必要があるだろう。

巨大な太陽電池と、空気分子の吸い込み口が付いた、ジンベイザメとかマンタみたいな衛星だ。

ちょっとカッコ悪いけど、この際、贅沢は言えないからな・・・。

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