子供騙し2018年03月16日 15:37

子供騙し
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(2018年夏は、赤く輝く火星に注目!)
https://www.nao.ac.jp/astro/feature/mars2018/

「2018年夏から秋にかけて、赤く明るく輝く火星を楽しみましょう。」

7月31日が大接近だそうだ。

「距離は5,759万キロメートル」

これで近いのかあ?。

月までは、約38万kmだったからな。

2桁違うことになる。

近い時でそうだからな。

つまり、とてつもなく遠い。

ソラエの記事では、特設サイトが出来たと報じられている。

(特集サイト「2018年火星大接近」オープン 今年夏に約5800万kmまで接近)
http://sorae.info/030201/2018_03_16_mars.html

「特集サイト「2018年火星大接近」がオープン」

(2018年夏、火星が地球に大接近します)
https://mars2018.space/

Q&Aに、気になる記述があった。

「Q:人類が火星に行けるのはいつくらいになるのでしょうか?」

おまいらが生きてる間は、いけっこねーよ!、とは書いていない(とーぜんですが・・・)。

「アメリカ・NASAが進めているロードマップ(全体的な工程表)では、有人火星探査を2035年頃に行うことを想定しています。」

もう、そんなタイムスケジュールは消えてなくなっちまったがな。

いつかは火星という、最終目標だけだ。

問題は、その後の記述。

「同社(スペースX)の大型ロケット「ファルコン・ヘビー」を使い、人間を送り込むことを考えているようです。」

残念ながら、ファルコンヘビーを有人飛行に使う案は消えた。

今年中に行われる予定だった、月周回軌道飛行もキャンセル。

ファルコンヘビーは、今のところ、貨物機としてだけの運用となる見込みだ(未確認)。

有人飛行は、ファルコン9ブロック5だけ。

少なくとも、火星を目指す有人ロケットとしては、スペースX社が開発中のBFRを待つしかない。

ちなみに、SLSやオリオン宇宙船は、月軌道までしか行かない。

そこで乗り換えて、別の宇宙船で火星に向かうことになるようだ。

早くても、2030年代末以降になるだろう。

一方、BFRの方は今年中に建造に着手し、来年前半には小規模な打ち上げを予定しているといわれる。

(スペースXの巨大宇宙船「BFR」、来年にも試験飛行 - マスク氏語る)
https://news.mynavi.jp/article/20180316-sxsw_bfr/

「開発中の巨大ロケット「BFR」について、来年(2019年)の上半期にも、宇宙船の部分のみの短時間の試験飛行や、垂直離着陸の試験を行うことができるだろう」

むろん、予定は未定だからな。

特に、イーロンマスクの話は、眉毛をベトベトにして聞かなければならない(眉唾?)。

楽観的といえば聞こえはいいが、ハッキリ言って詐欺に等しい。

「スペースXはこのBFRによって、設立以来の目標である火星への人類移住をはじめ、月への有人飛行に活用するほか、その強大な打ち上げ能力を活かして、巨大な人工衛星を打ち上げたり、大量の衛星を一度に打ち上げたりと、現在運用中のロケットを代替することを見込んでいる。さらに、飛行機よりも早く世界各地を結ぶ旅客機として活用することも考えられている。」

これが詐欺でなくて、なんだというんだあ?(人工衛星の打ち上げだけは、詐欺じゃないかも)。

まあな、ジェフベゾズというペテン師(!)に比べれば、現に飛んでるロケットを持っているだけ罪一等軽いかもしれない。

ようやく、半分ちょっとの出力での試験に成功したばっかのエンジンしかなく、ロケットの影も形もないのに、我が国のスカパーは、ブルーオリジンと打ち上げ契約したようだがな。

(Jeff Bezos tweets latest BE-4 engine test footage)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/blue-origin/jeff-bezos-tweets-latest-be-4-engine-test-footage/

「・・・was tested at 65 percent of full-power for about 114 seconds.」(約114秒間フルパワーの65%で試験した:自動翻訳のまま)


(ベゾス氏宇宙VB、スカパーJSATから打ち上げ受注)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28037120T10C18A3000000/

「まだ開発中のロケットを選定基準が世界で最も厳しいとされるJSATが選ぶのは異例」

まあいい。

夢を語るのは自由だが、人様を巻き込むときには注意を要する。

「宇宙船のみでも地球周回軌道に乗れるだけの性能があるため、ゆくゆくは軌道から帰還する技術、とりわけ耐熱シールドの試験をしたい」

勝手にしてくれ・・・。

「マスク氏の語るスケジュールは楽観的すぎる」

「考えを再調整することにした」

いやいや、それでも、まだまだ十分楽観的過ぎるな。

希望的観測と現実との間には、相当な開きがある。

BFRについては、浮沈子的には2020年代の完成さえ怪しいとみている。

理由は2つ。

エンジンの開発と、2段目の開発に難航が予想されるから。

有人飛行させるロケットのエンジンだからな。

半端ない信頼性がなければ、打ち上げは不可能だ。

また、万が一の時のために、アボートシステムが求められるが、巨大な2段目だけを有するBFRでは、その実現は不可能だと見ている。

何らかの方法で脱出させることができるとしても、現状のままでは無理がある。

どういう解決策を編み出してくるか、お手並み拝見というところか。

このほかにもBFRは、さらなる問題を抱える。

再使用のためのパワードランディングの困難さが半端ない。

ファルコンヘビーのいいところは、重たい1段目を3分割して回収できるセグメント構成にしていることだ。

1段目も2段目も、現状とは比べ物にならない大きさと重量を持つわけで、耐久性と柔軟性を兼ね備えたエンジンだけではなく、飛行制御も複雑になる。

特に、大気圏外から極超音速で再突入してくる2段目の回収は、全く新規の挑戦になるからな。

初めからうまくいくわけがない・・・。

うまくいくだろうか?。

うまくいっちゃったりして!。

まあ、どうでもいいんですが。

初飛行は、数年で可能かもしれない。

ただデカいだけのロケットだからな。

アボートシステムなしで、貨物機として、1段目だけ回収して運用することも可能だ。

ファルコン9のように、その形態で運用しながら、2段目の完全回収を目指していくことになるだろう。

初打ち上げまでに5年、2段目の完全回収までに、さらに5年。

有人モデルは、その先の話だ。

まあ、2030年代初頭とみて、大きな誤りはないだろうな。

そもそも、アボートシステムを実装できるかどうかは分からない。

2段目の先端部分だけを分離可能にして、有人モデルを作ることになるかもしれない。

始めは、そこに押し込んでおいて、うまく打ち上げられたら、広々とした後部に移ればいいのだ。

打ち上げについて、十分な信頼性が得られるという事になれば、アボートシステムなしでの運用も考えられる。

そういう話になれば、2020年代に実現というスケジュールに説得力が出てくる。

それさえ、かなり楽観的な話だ。

完全再使用ロケットの設計は、使い捨てロケットとは根本的に異なってくる。

性能はそこそこでいいが、安全性と耐久性については、従来と異なるレベルでの高い水準を要求される。

連続で100回飛ばす安全性の確保は、1000回の試験で確認する必要があるだろう。

それだけでも、数年の期間を要する。

段間分離機構にしても、これまでとは違った基準が必要になるかもしれない(外れなかったら悲惨だし、外れちゃったらもっと悲惨だ・・・)。

宇宙飛行士ではない人間を乗せるという事になれば、安全性の基準は、一桁も二けたも上がる。

そんなロケットは、人類の歴史上、かつて飛んだことはないのだ(そもそも、ロケットでそんなことが可能なのかというレベルだ)。

まあ、21世紀だからな。

今までとは異なるテクノロジーもあるし、宇宙開発の態勢も大きく変わりつつある。

さりながら、生身の人間とマネキンのスターマンとは、根本的に異なる。

火星大接近のチャンスが次に訪れるころには、うまくいっているかもしれないけどな。

それって、いつ頃なんだろうな。

(火星の大接近と小接近)
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2018_1.html

「22会合≈47年経つと元の位置へだいたい戻る.つまり,次に2003年並みに近づくのは2050年ということになる.このころには人類が火星に到達しているかもしれない.」

まあ、妥当な線かな。

2020年代に火星に人類を送る(周回飛行含めて)なんて、子供騙しもいいところだ。

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