🐼メキシコへの道:ザ・ラストダイブ:洞窟愛が試された日 ― 2021年12月04日 04:41
メキシコへの道:ザ・ラストダイブ:洞窟愛が試された日
最終ダイビング(4日目)の朝、浮沈子がメールをチェックすると、既に午前6時過ぎに後から検体採取したPCR検査の結果がメールで届いていた(検体採取から約10時間半後)。
ネガティブ!。
ちょっとホッとする。
書式はもちろん日本政府のものではないが、検体採取時刻の欄を除いては要件を満たしている。
必要項目のうち、そこだけスペイン語オンリーで書かれていて、英語併記はない。
「FECHA/DATE: 29/11/2021
HORA DE EMISION: 19:32:24」
エミッションというのは、英語のそれと同じく排出とかそういう意味だと思うけれど、ここでは検体採取時刻として記載されているようだ(たぶん)。
時間的にも、大体合ってる感じだしな。
これで、少なくともメキシコシティで足止めされる可能性は小さくなった。
さて、試しに、まずこれ(PDFファイル)をフロントのねーちゃんがプリントアウトしてくれるかやってみよう。
本番の前に、予行演習というわけだ。
早速、持参のUSBメモリーに落としてフロントに行くと、あっけなく印刷してもらえた。
まあ、USBメモリーを足元に置かれているデスクトップパソコンのUSBソケットに差し込むのに、スマホを照明代わりにしたり、ふくよかな身体を折り曲げて屈みこんだりして、ねーちゃんの方は苦労していたみたいだけどな。
陰性証明書をゲットして、少しストレスが減った状態で気分もいい。
時差ボケも取れていて、これまでの中では、体調万全な感じだ。
今日は、チャックモールで2本、カラベラで1本の計3本潜る。
しかも、その間の移動が一番長い(1時間くらい)。
初日に、ドスオホスとセットで潜る予定だったカラベラを、最終日に組み替えたからな。
竹内軍曹からは、カラベラはエントリーが大変だから覚悟しておけと忠告されている。
武者震いだ(ぶるる・・・)。
が、まあ、最初は光のカーテンが美しいと評判のチャックモールだからな。
まずは、2つ並んでいるポイントの一つ(奥にあります)のククルカンという方から潜る。
(セノーテ ククルカン)
https://aquappli.com/product/chcf/
「日本でも馴染みのあるセノーテダイブの写真で光のカーテンの中を優雅に泳いでいるのがセノーテチャックモールにある『ククルカン』というポイントです。」
「切り裂くように広がるセノーテの水面に太陽の光が入り込み、広い範囲で光の差し込みを水中で見ることが出来ます。透明度が高いので優雅で雄大な景色の中を浮遊し、まるで空を飛んでいるような錯覚さえ覚える程に素敵な場所です。」
今回、浮沈子はカメラを持って行かずに自前の2眼レンズ(相当老眼が来ている自分の目玉)と揮発メモリー(最近、容量も減っているような気がする記憶細胞)に頼っている。
画像は、セノーテ専属カメラマンが撮ってくれて、エキジット後に有料で買ったものの一つだ(ドロップボックス経由でゲットすることが出来ました)。
本格ケーブ仕様のサイドマウントな癖に、白のクアトロプラスのフィンとヘルメットなしのフードベスト、アホ丸出しのOKサイン(ピースサインのもあります!)を出しているのは、浮沈子に間違いはない(他にいるか、そんなヤツ!:よく見ると、ライトコードはよじれているし、ネックレギはひん曲がっている)。
写真は、ドスオホスでも撮ってもらった。
まあ、ちゃんと潜ってきたぞという証拠写真以外の意味はない。
実際に、その光景を見なければ、そして、自らの足でフィンキックし、移ろい変わる光のカーテンの中を泳いでみなければその感動は味わえない。
カバーンの中のカバーン、セノーテの中のセノーテだな。
奥まで行って1周することもできるけど、ここは途中でUターンして戻ってきた。
2本目は隣のポイントであるチャックモール(セノーテ名にもなっていて、エントリー口は手前)。
(セノーテダイビング【元セノーテガイドがオススメするセノーテ紹介!】 その5 セノーテダイビングポイント チャックモール ククルカン)
https://note.com/pgw33xica993/n/n03b3b9ea2ca6?magazine_key=m1d35887eee32
ヒデさんのページは、地図が両方ともククルカンになっていたので、こっちを引用する。
「チャックモールセノーテ:エアドーム:
途中にエアドーム(まだ天井が崩落していない洞窟空間)があり、そこでセノーテの中で一度浮上し、エアドームで休憩します。」
陸上から木の根が到達していて、昆虫とかもいるという。
ちょっとブキミーな感じだ。
光と影。
隣り合うポイントを潜り、最終ダイビングのカラベラへと向かう。
1時間近く走り、もう、トゥルムに近い交差点を右に曲がるとすぐのところに入口があったが、どうやら以前と変わっていたらしく、一度行き過ぎてから戻って入った。
駐車場も変わっていて、以前は200m歩いてタンクを運ぶのが大変という話だったが、現在は20mほどで辿り着く。
やっぱ、本当のことは、現地に行ってみないと分からんのよ!。
(セノーテダイビング!これぞ洞窟ダイビング!【元セノーテガイドがオススメするセノーテ紹介!】 その12 カラベラ)
https://note.com/pgw33xica993/n/n9c8cbaad6b91?magazine_key=m1d35887eee32
「カラベラはスペイン語で、頭蓋骨という意味があります。」
「器材を全部装着した状態で、ここからジャイアントストライドで飛び込みます。」
まあ、この辺りも、実際にはそうではない。
シングルタンクダイバーやダブルタンクなら、それでもいいかも知れないが、サイドマウント2本差しでは、ちょっと躊躇われる(慣れれば行けるかもしれませんが)。
引用記事の写真に写っているエキジット用のハシゴの横と、ちょっと離れた小さな穴のところからロープが垂れていて、それにタンクを吊るして事前に降ろしたり、エキジット後に上げたりする。
降ろしたタンクは、下で別のダイバーが受け取り、自前で用意したロープでハシゴに括り付けておく。
サイドマウントダイバーは、その後にタンク以外の器材を装備してジャンプエントリーし、足の付かない水面でタンクを装着して潜降するわけだ。
浮沈子がタンクをおろす役、ガイドのヒデさんが下の水面でタンクを受け取る役だ(エキジットは逆で、ヒデさんがタンクを引き上げてくれた:もちろん、そっちの方が大変だし!)。
ガイドさんは、先に水面にいるから、浮沈子はタンクをおろした後で、一人で装備してジャンプしてエントリーすることになる。
悪魔は、この状況を待っていたのだった。
この日のカラベラは、ダイバーこそ我々だけだったが、大勢のお客さんが来ており、穴の淵からのダイブを楽しんでいた。
それも気になったし、水面にいるガイドさんを待たせてはならないという焦りもあった。
さらに、気温が上がってきていて(3本目なので、既に昼過ぎ)、頭がボーっとしていたということもあるかも知れない(気温のせいかあ?)。
ハーネスを締め、BCを着け、マスクをかぶってジャンプした時に、何かを忘れているなどということは考えもしなかった・・・。
いや、マスクに曇り止めをするのを忘れていたことには気づいていた。
水面で、天然曇り止め(唾液ともいう)を塗って誤魔化した時にも、その曇り止めと一緒に置いておいたあるものを忘れたことには考えが及ばなかった。
タンクを装着するのに手間取り、水面でジタバタし、そのことが余計気を逸らせていた。
言い訳は無数にあるが、トラブルというのはそういう小さなことが積み重なり、基本的な確認を疎かにする時を狙っていたかのように襲ってくる。
が、まあ、とりあえず潜降準備は整い、やや濁った水中に入る。
小さな穴を降りていくときに、耳抜きが出来ないことに気づき、ライトで合図して一度少し浮上してもらい、耳が抜けたところでUターンして戻った。
ホッとした。
ラストダイブで潜れなかったら悲しいからな。
カラベラは、これまでのセノーテと違って、穴の中に光が差し込まない。
洞窟感満載のセノーテだ。
竹内軍曹が、なぜここを講習のポイントとして選んだのかが分かったような気がする。
実際の講習は、カバーンの先のケーブ(洞窟の奥:まだ行ったことはありません:いわゆる死神の住処)で行うけど、ここはその雰囲気を漂わせている。
浮沈子には、パラオのシャンデリアケーブでパニックになったトラウマがある。
真っ暗な中で小さいライトしか持たず、視界を失い、半分、空間識失調(バーティゴ)になって、もがいた。
このセノーテは、そういう環境(シャンデリアケーブは、振り返れば入口の光が見えますけど)に近い、ミニケーブなわけだ。
洞窟愛が試される。
ここが好きになれれば、フルケーブダイバーとしての素質があるのかも知れない。
暗闇の底に、どこまでも続いている洞窟。
人間の侵入を拒み、許さず、立ち入る者に生贄を要求する絶対的な存在だ。
超が付くヘンタイだけが、その禁を侵し、どくろマークの奥へと進んでいく・・・。
洞窟の奥には何もない。
暗闇と鍾乳石という時の化石があるだけだ。
浮沈子には計り知れない世界だ。
広いところもあるんだろうが、狭くて通り辛いところもあるだろう。
そんな洞窟の奥へと進んで行って、何を見ようというのだろうか?。
死神の微笑みを見た者はいない。
なぜなら、彼らは二度と生きて戻っては来ないからな。
それでなくても、水中は人間の存在を許さない世界だ。
我々は、しばしの間、潜水器の助けを借りて、そこにお邪魔しているに過ぎない。
我々が帰るべき場所は、光が溢れ、風がそよぎ、小鳥たちが囀る陸上の世界だ。
この洞窟の奥に続く、死神たちの住処ではない。
カラベラの洞窟の暗さは、逆にそのことを強く意識させてくれた。
明と暗。
開口部を一周するルートを回り、エントリー口の下の出発点に戻ってくる。
短時間のダイビングだったが、洞窟潜水であることを最も強く意識したダイビングだった。
さて、浮上に掛かるとしようか。
で、浮力コントロールに欠かせないダイコンの深度計を見ようとして気付いた。
あれっ?、ダイコンしてないじゃん!?。
ガガーン・・・。
サイテー!!!。
しかも、この瞬間まで気づかなかったことの方がショックがデカい。
俺って、ダイコン見てねーじゃん!?。
安全停止で止まりながら、ガイドさんが呆れている。
やれやれ・・・。
エキジットしてから、「やっちまいましたねえ!」と、やんわりとキビシーコメントを頂く。
まあいい。
済んでしまったチョンボを嘆いても仕方ない。
二度と繰り返さないように、確認を省略せずに行うだけだ。
ザ・ラストダイブは終わった。
今回のダイビングは、全て終了。
数々の課題と、大チョンボ。
そして、何より現地に行って、見て、潜って、体験したというかけがえのない収穫を得て、セノーテダイビングは終わった。
中日には、カリブ海でも潜ったしな。
浅く明るく暖かい、南の島のファンダイブ。
それはそれで印象的だが、暗くて狭い洞窟との対比がより強くそのことを感じさせてくれた。
今回は、縦穴系(ピット、アンヘリータ、ヘルズベル)には行かなかったけど、次回行く機会があるかも知れない。
講習が予定通りに終わり、予備日を使ったオマケ(ご褒美)ダイビングで行くことが出来ればね。
ホテルに戻ったのは、夕方5時過ぎ。
全ての器材をおろし、4日間お世話になったガイドのヒデさんと、来年の再会を期して固い握手。
オミクロン株の報道が過熱し、外国人の訪日はおろか、日本人の帰国も危ぶまれる状況の中、実際に来られるかどうかは見えない状況だが、浮沈子のダイビングに関する日本での課題解決は、この瞬間から始まっている。
メキシコへの道の序章は終わろうとしているが、真の道に続いているかどうかは見えていない。
もの忘れ激しく、パニックに陥りやすい浮沈子に、フルケーブダイバーの資質があるのかどうか。
長生きしたければ、止めた方がいいのかも知れない。
それを判断するのも、インストラクターの大切な仕事だ。
その関所の役目を果たせなければ、インストラクターとしての資質の問題になる。
浮沈子は、全力を尽くす。
その上での判断なら、それを受け入れるしかない。
ダイコンを着け忘れて、かえって良かった。
そのことに象徴される、あらゆるネガを意識し続けることができる。
その意味では、カラベラこそ、最良のダイビングだったと言えよう。
ホテルの部屋の床一面に器材を広げ、ウエットスーツを吊るし、ようやく届いていた本命のPCR検査の結果メールで陰性を確認し(届いたのは、検体採取から約26時間後)、フロントでプリントアウト(政府様式含む)を完了し、後顧の憂いなく、明日からの帰路への段取りを済ませて、プラヤデルカルメンでの最後の夜を過ごすために街に出た。
好事魔多し。
無事にダイビングを終えた安堵感、ここまで体調を崩さずに持ち堪えた自信、明日からは帰国の旅路が始まるという最後の夜の名残り惜しさから、気が緩んでいたのかも知れないし、自覚はなかったが疲れがたまっていたのかも知れない。
ふらふらと5番街を歩き、ADOのバスターミナルの近くのタコス屋さんで35ペソのタコスを1枚だけ食べ(店員は、5枚で100ペソだからとしきりにそっちを勧めたけど)、次回来訪のための両替に必要なパスポートを持って出なかったので、100ドル札を落とさないように気をつけながらホテルに戻ってきた時も、それ程異変は感じなかった。
ただ、買ってきたオレンジジュースを途中で飲めなくなり、身体を横にしたくなってベッドに倒れるようにして眠りに落ちたことだけは覚えている・・・。
最終ダイビング(4日目)の朝、浮沈子がメールをチェックすると、既に午前6時過ぎに後から検体採取したPCR検査の結果がメールで届いていた(検体採取から約10時間半後)。
ネガティブ!。
ちょっとホッとする。
書式はもちろん日本政府のものではないが、検体採取時刻の欄を除いては要件を満たしている。
必要項目のうち、そこだけスペイン語オンリーで書かれていて、英語併記はない。
「FECHA/DATE: 29/11/2021
HORA DE EMISION: 19:32:24」
エミッションというのは、英語のそれと同じく排出とかそういう意味だと思うけれど、ここでは検体採取時刻として記載されているようだ(たぶん)。
時間的にも、大体合ってる感じだしな。
これで、少なくともメキシコシティで足止めされる可能性は小さくなった。
さて、試しに、まずこれ(PDFファイル)をフロントのねーちゃんがプリントアウトしてくれるかやってみよう。
本番の前に、予行演習というわけだ。
早速、持参のUSBメモリーに落としてフロントに行くと、あっけなく印刷してもらえた。
まあ、USBメモリーを足元に置かれているデスクトップパソコンのUSBソケットに差し込むのに、スマホを照明代わりにしたり、ふくよかな身体を折り曲げて屈みこんだりして、ねーちゃんの方は苦労していたみたいだけどな。
陰性証明書をゲットして、少しストレスが減った状態で気分もいい。
時差ボケも取れていて、これまでの中では、体調万全な感じだ。
今日は、チャックモールで2本、カラベラで1本の計3本潜る。
しかも、その間の移動が一番長い(1時間くらい)。
初日に、ドスオホスとセットで潜る予定だったカラベラを、最終日に組み替えたからな。
竹内軍曹からは、カラベラはエントリーが大変だから覚悟しておけと忠告されている。
武者震いだ(ぶるる・・・)。
が、まあ、最初は光のカーテンが美しいと評判のチャックモールだからな。
まずは、2つ並んでいるポイントの一つ(奥にあります)のククルカンという方から潜る。
(セノーテ ククルカン)
https://aquappli.com/product/chcf/
「日本でも馴染みのあるセノーテダイブの写真で光のカーテンの中を優雅に泳いでいるのがセノーテチャックモールにある『ククルカン』というポイントです。」
「切り裂くように広がるセノーテの水面に太陽の光が入り込み、広い範囲で光の差し込みを水中で見ることが出来ます。透明度が高いので優雅で雄大な景色の中を浮遊し、まるで空を飛んでいるような錯覚さえ覚える程に素敵な場所です。」
今回、浮沈子はカメラを持って行かずに自前の2眼レンズ(相当老眼が来ている自分の目玉)と揮発メモリー(最近、容量も減っているような気がする記憶細胞)に頼っている。
画像は、セノーテ専属カメラマンが撮ってくれて、エキジット後に有料で買ったものの一つだ(ドロップボックス経由でゲットすることが出来ました)。
本格ケーブ仕様のサイドマウントな癖に、白のクアトロプラスのフィンとヘルメットなしのフードベスト、アホ丸出しのOKサイン(ピースサインのもあります!)を出しているのは、浮沈子に間違いはない(他にいるか、そんなヤツ!:よく見ると、ライトコードはよじれているし、ネックレギはひん曲がっている)。
写真は、ドスオホスでも撮ってもらった。
まあ、ちゃんと潜ってきたぞという証拠写真以外の意味はない。
実際に、その光景を見なければ、そして、自らの足でフィンキックし、移ろい変わる光のカーテンの中を泳いでみなければその感動は味わえない。
カバーンの中のカバーン、セノーテの中のセノーテだな。
奥まで行って1周することもできるけど、ここは途中でUターンして戻ってきた。
2本目は隣のポイントであるチャックモール(セノーテ名にもなっていて、エントリー口は手前)。
(セノーテダイビング【元セノーテガイドがオススメするセノーテ紹介!】 その5 セノーテダイビングポイント チャックモール ククルカン)
https://note.com/pgw33xica993/n/n03b3b9ea2ca6?magazine_key=m1d35887eee32
ヒデさんのページは、地図が両方ともククルカンになっていたので、こっちを引用する。
「チャックモールセノーテ:エアドーム:
途中にエアドーム(まだ天井が崩落していない洞窟空間)があり、そこでセノーテの中で一度浮上し、エアドームで休憩します。」
陸上から木の根が到達していて、昆虫とかもいるという。
ちょっとブキミーな感じだ。
光と影。
隣り合うポイントを潜り、最終ダイビングのカラベラへと向かう。
1時間近く走り、もう、トゥルムに近い交差点を右に曲がるとすぐのところに入口があったが、どうやら以前と変わっていたらしく、一度行き過ぎてから戻って入った。
駐車場も変わっていて、以前は200m歩いてタンクを運ぶのが大変という話だったが、現在は20mほどで辿り着く。
やっぱ、本当のことは、現地に行ってみないと分からんのよ!。
(セノーテダイビング!これぞ洞窟ダイビング!【元セノーテガイドがオススメするセノーテ紹介!】 その12 カラベラ)
https://note.com/pgw33xica993/n/n9c8cbaad6b91?magazine_key=m1d35887eee32
「カラベラはスペイン語で、頭蓋骨という意味があります。」
「器材を全部装着した状態で、ここからジャイアントストライドで飛び込みます。」
まあ、この辺りも、実際にはそうではない。
シングルタンクダイバーやダブルタンクなら、それでもいいかも知れないが、サイドマウント2本差しでは、ちょっと躊躇われる(慣れれば行けるかもしれませんが)。
引用記事の写真に写っているエキジット用のハシゴの横と、ちょっと離れた小さな穴のところからロープが垂れていて、それにタンクを吊るして事前に降ろしたり、エキジット後に上げたりする。
降ろしたタンクは、下で別のダイバーが受け取り、自前で用意したロープでハシゴに括り付けておく。
サイドマウントダイバーは、その後にタンク以外の器材を装備してジャンプエントリーし、足の付かない水面でタンクを装着して潜降するわけだ。
浮沈子がタンクをおろす役、ガイドのヒデさんが下の水面でタンクを受け取る役だ(エキジットは逆で、ヒデさんがタンクを引き上げてくれた:もちろん、そっちの方が大変だし!)。
ガイドさんは、先に水面にいるから、浮沈子はタンクをおろした後で、一人で装備してジャンプしてエントリーすることになる。
悪魔は、この状況を待っていたのだった。
この日のカラベラは、ダイバーこそ我々だけだったが、大勢のお客さんが来ており、穴の淵からのダイブを楽しんでいた。
それも気になったし、水面にいるガイドさんを待たせてはならないという焦りもあった。
さらに、気温が上がってきていて(3本目なので、既に昼過ぎ)、頭がボーっとしていたということもあるかも知れない(気温のせいかあ?)。
ハーネスを締め、BCを着け、マスクをかぶってジャンプした時に、何かを忘れているなどということは考えもしなかった・・・。
いや、マスクに曇り止めをするのを忘れていたことには気づいていた。
水面で、天然曇り止め(唾液ともいう)を塗って誤魔化した時にも、その曇り止めと一緒に置いておいたあるものを忘れたことには考えが及ばなかった。
タンクを装着するのに手間取り、水面でジタバタし、そのことが余計気を逸らせていた。
言い訳は無数にあるが、トラブルというのはそういう小さなことが積み重なり、基本的な確認を疎かにする時を狙っていたかのように襲ってくる。
が、まあ、とりあえず潜降準備は整い、やや濁った水中に入る。
小さな穴を降りていくときに、耳抜きが出来ないことに気づき、ライトで合図して一度少し浮上してもらい、耳が抜けたところでUターンして戻った。
ホッとした。
ラストダイブで潜れなかったら悲しいからな。
カラベラは、これまでのセノーテと違って、穴の中に光が差し込まない。
洞窟感満載のセノーテだ。
竹内軍曹が、なぜここを講習のポイントとして選んだのかが分かったような気がする。
実際の講習は、カバーンの先のケーブ(洞窟の奥:まだ行ったことはありません:いわゆる死神の住処)で行うけど、ここはその雰囲気を漂わせている。
浮沈子には、パラオのシャンデリアケーブでパニックになったトラウマがある。
真っ暗な中で小さいライトしか持たず、視界を失い、半分、空間識失調(バーティゴ)になって、もがいた。
このセノーテは、そういう環境(シャンデリアケーブは、振り返れば入口の光が見えますけど)に近い、ミニケーブなわけだ。
洞窟愛が試される。
ここが好きになれれば、フルケーブダイバーとしての素質があるのかも知れない。
暗闇の底に、どこまでも続いている洞窟。
人間の侵入を拒み、許さず、立ち入る者に生贄を要求する絶対的な存在だ。
超が付くヘンタイだけが、その禁を侵し、どくろマークの奥へと進んでいく・・・。
洞窟の奥には何もない。
暗闇と鍾乳石という時の化石があるだけだ。
浮沈子には計り知れない世界だ。
広いところもあるんだろうが、狭くて通り辛いところもあるだろう。
そんな洞窟の奥へと進んで行って、何を見ようというのだろうか?。
死神の微笑みを見た者はいない。
なぜなら、彼らは二度と生きて戻っては来ないからな。
それでなくても、水中は人間の存在を許さない世界だ。
我々は、しばしの間、潜水器の助けを借りて、そこにお邪魔しているに過ぎない。
我々が帰るべき場所は、光が溢れ、風がそよぎ、小鳥たちが囀る陸上の世界だ。
この洞窟の奥に続く、死神たちの住処ではない。
カラベラの洞窟の暗さは、逆にそのことを強く意識させてくれた。
明と暗。
開口部を一周するルートを回り、エントリー口の下の出発点に戻ってくる。
短時間のダイビングだったが、洞窟潜水であることを最も強く意識したダイビングだった。
さて、浮上に掛かるとしようか。
で、浮力コントロールに欠かせないダイコンの深度計を見ようとして気付いた。
あれっ?、ダイコンしてないじゃん!?。
ガガーン・・・。
サイテー!!!。
しかも、この瞬間まで気づかなかったことの方がショックがデカい。
俺って、ダイコン見てねーじゃん!?。
安全停止で止まりながら、ガイドさんが呆れている。
やれやれ・・・。
エキジットしてから、「やっちまいましたねえ!」と、やんわりとキビシーコメントを頂く。
まあいい。
済んでしまったチョンボを嘆いても仕方ない。
二度と繰り返さないように、確認を省略せずに行うだけだ。
ザ・ラストダイブは終わった。
今回のダイビングは、全て終了。
数々の課題と、大チョンボ。
そして、何より現地に行って、見て、潜って、体験したというかけがえのない収穫を得て、セノーテダイビングは終わった。
中日には、カリブ海でも潜ったしな。
浅く明るく暖かい、南の島のファンダイブ。
それはそれで印象的だが、暗くて狭い洞窟との対比がより強くそのことを感じさせてくれた。
今回は、縦穴系(ピット、アンヘリータ、ヘルズベル)には行かなかったけど、次回行く機会があるかも知れない。
講習が予定通りに終わり、予備日を使ったオマケ(ご褒美)ダイビングで行くことが出来ればね。
ホテルに戻ったのは、夕方5時過ぎ。
全ての器材をおろし、4日間お世話になったガイドのヒデさんと、来年の再会を期して固い握手。
オミクロン株の報道が過熱し、外国人の訪日はおろか、日本人の帰国も危ぶまれる状況の中、実際に来られるかどうかは見えない状況だが、浮沈子のダイビングに関する日本での課題解決は、この瞬間から始まっている。
メキシコへの道の序章は終わろうとしているが、真の道に続いているかどうかは見えていない。
もの忘れ激しく、パニックに陥りやすい浮沈子に、フルケーブダイバーの資質があるのかどうか。
長生きしたければ、止めた方がいいのかも知れない。
それを判断するのも、インストラクターの大切な仕事だ。
その関所の役目を果たせなければ、インストラクターとしての資質の問題になる。
浮沈子は、全力を尽くす。
その上での判断なら、それを受け入れるしかない。
ダイコンを着け忘れて、かえって良かった。
そのことに象徴される、あらゆるネガを意識し続けることができる。
その意味では、カラベラこそ、最良のダイビングだったと言えよう。
ホテルの部屋の床一面に器材を広げ、ウエットスーツを吊るし、ようやく届いていた本命のPCR検査の結果メールで陰性を確認し(届いたのは、検体採取から約26時間後)、フロントでプリントアウト(政府様式含む)を完了し、後顧の憂いなく、明日からの帰路への段取りを済ませて、プラヤデルカルメンでの最後の夜を過ごすために街に出た。
好事魔多し。
無事にダイビングを終えた安堵感、ここまで体調を崩さずに持ち堪えた自信、明日からは帰国の旅路が始まるという最後の夜の名残り惜しさから、気が緩んでいたのかも知れないし、自覚はなかったが疲れがたまっていたのかも知れない。
ふらふらと5番街を歩き、ADOのバスターミナルの近くのタコス屋さんで35ペソのタコスを1枚だけ食べ(店員は、5枚で100ペソだからとしきりにそっちを勧めたけど)、次回来訪のための両替に必要なパスポートを持って出なかったので、100ドル札を落とさないように気をつけながらホテルに戻ってきた時も、それ程異変は感じなかった。
ただ、買ってきたオレンジジュースを途中で飲めなくなり、身体を横にしたくなってベッドに倒れるようにして眠りに落ちたことだけは覚えている・・・。
🐼メキシコへの道:閑話休題:変異種オミクロン ― 2021年12月04日 09:55
メキシコへの道:閑話休題:変異種オミクロン
(オミクロン株 日本含め39の国と地域で確認(4日3:00時点))
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211204/k10013374201000.html
オミクロン株の急速な感染拡大と、その対応を巡る目まぐるしい当局の水際対策の変更を縫うようにして帰国した浮沈子。
タイミングが悪ければ、自宅待機ではなく政府指定の宿泊施設に放り込まれたかもしれない。
「▽アジア:日本、香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ
▽オセアニア:オーストラリア
▽北米:アメリカ、カナダ
▽中南米:メキシコ、ブラジル
▽ヨーロッパ:イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド
▽中東:イスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦
▽アフリカ:南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア」
とうとう出ちゃいましたねえ、メキシコも。
まだ、施設待機の対象ではないが、それも時間の問題だろう。
南アでは、デルタ株を置き換える勢いで広がっているともいわれる。
既に我が国にも侵入を果たしているし、今後、国内での感染拡大は必至だ。
水際対策は、またもや失敗に終わった。
浮沈子の絡みで言えば、14日の自宅待機を10日に短縮するワクチン接種証明書と自費での検査パッケージによる措置は、水際対策の強化の名目で中止となってしまった。
やれやれ・・・。
既に入国した浮沈子は、基本的にはこれから取られる措置の対象外だが、改めて施設入所の要請があれば応じるつもりだ。
もちろん、タダ飯が食えるから(そうなのかあ?:おかわりできるかは未確認)。
まあ、どうでもいいんですが。
何とか帰国は出来たものの、体調は万全ではない(微熱は下がりました:今朝の検温は、35.3度で平熱でした)。
倦怠感、食欲不振(重症だなあ!)、コーヒー不振(致死的だな)。
それでも、なんとかコンビニ弁当を2人前平らげ(どこが食欲不振なんだか・・・)、消化を助けるためにこれから横になって眠ろうとしている。
アプリの現在地報告やビデオ通話には応じられないかもしれない。
氏名公表の可能性もあるな。
当局の意向に沿えないのは申し訳ないが、浮沈子自身に代わって健康管理をしてくれるわけではない(監視だけだしな)。
自らの身は自ら守らなければならない。
世界に広がるオミクロン変異種が、今後、どのような展開を見せるかは分からない。
今のところ、重症化率が上がるとか、アットーテキなブレイクスルー感染を引き起こす話は出ていない。
ワクチンの効果、治療薬の効果についても、正確な情報が出てくるのはこれからで、現状では単なる推測(気休め)に過ぎない。
8か月とか、寝言を言っていた3回目の追加接種の話も、ようやく6か月まで縮まってきた。
イスラエルでは、通常接種から6か月経つと、ワクチン接種者としての資格をはく奪されると言われている。
5か月で追加接種を始められるようになっているからな。
それに比べれば悠長な話だ。
浮沈子の免疫が切れるまで、あと1か月と27日(接種完了後、2週間程度経過した日を起算日として)。
つーか、高齢者(浮沈子は準高齢者ですが)は4か月程度しか有効な抗体を維持できない可能性があり、既に賞味期限は過ぎている。
残っている期間は、いわゆる「消費期限」に過ぎない。
こんな状態で、あと4か月も放置されてオミクロンの餌食にされる訳だ。
まあ、自分から好き好んで、わざわざ感染リスクが高い国の、それも観光都市の繁華街に行ってきたんだから、それで感染したなら自業自得だがな。
用心に用心を重ねて、ようやく戻ってきた祖国日本で感染したのでは意味がない。
今更、水際対策を強化しても、もう、市中に広がり始めているとしたら、あまり効果も期待できない。
早々に、経済再生を諦めて、日本全国をロックダウンさせるのが上策だ。
まあ、今の政権じゃ有り得ない選択だろうけどな・・・。
(オミクロン株 日本含め39の国と地域で確認(4日3:00時点))
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211204/k10013374201000.html
オミクロン株の急速な感染拡大と、その対応を巡る目まぐるしい当局の水際対策の変更を縫うようにして帰国した浮沈子。
タイミングが悪ければ、自宅待機ではなく政府指定の宿泊施設に放り込まれたかもしれない。
「▽アジア:日本、香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ
▽オセアニア:オーストラリア
▽北米:アメリカ、カナダ
▽中南米:メキシコ、ブラジル
▽ヨーロッパ:イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド
▽中東:イスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦
▽アフリカ:南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア」
とうとう出ちゃいましたねえ、メキシコも。
まだ、施設待機の対象ではないが、それも時間の問題だろう。
南アでは、デルタ株を置き換える勢いで広がっているともいわれる。
既に我が国にも侵入を果たしているし、今後、国内での感染拡大は必至だ。
水際対策は、またもや失敗に終わった。
浮沈子の絡みで言えば、14日の自宅待機を10日に短縮するワクチン接種証明書と自費での検査パッケージによる措置は、水際対策の強化の名目で中止となってしまった。
やれやれ・・・。
既に入国した浮沈子は、基本的にはこれから取られる措置の対象外だが、改めて施設入所の要請があれば応じるつもりだ。
もちろん、タダ飯が食えるから(そうなのかあ?:おかわりできるかは未確認)。
まあ、どうでもいいんですが。
何とか帰国は出来たものの、体調は万全ではない(微熱は下がりました:今朝の検温は、35.3度で平熱でした)。
倦怠感、食欲不振(重症だなあ!)、コーヒー不振(致死的だな)。
それでも、なんとかコンビニ弁当を2人前平らげ(どこが食欲不振なんだか・・・)、消化を助けるためにこれから横になって眠ろうとしている。
アプリの現在地報告やビデオ通話には応じられないかもしれない。
氏名公表の可能性もあるな。
当局の意向に沿えないのは申し訳ないが、浮沈子自身に代わって健康管理をしてくれるわけではない(監視だけだしな)。
自らの身は自ら守らなければならない。
世界に広がるオミクロン変異種が、今後、どのような展開を見せるかは分からない。
今のところ、重症化率が上がるとか、アットーテキなブレイクスルー感染を引き起こす話は出ていない。
ワクチンの効果、治療薬の効果についても、正確な情報が出てくるのはこれからで、現状では単なる推測(気休め)に過ぎない。
8か月とか、寝言を言っていた3回目の追加接種の話も、ようやく6か月まで縮まってきた。
イスラエルでは、通常接種から6か月経つと、ワクチン接種者としての資格をはく奪されると言われている。
5か月で追加接種を始められるようになっているからな。
それに比べれば悠長な話だ。
浮沈子の免疫が切れるまで、あと1か月と27日(接種完了後、2週間程度経過した日を起算日として)。
つーか、高齢者(浮沈子は準高齢者ですが)は4か月程度しか有効な抗体を維持できない可能性があり、既に賞味期限は過ぎている。
残っている期間は、いわゆる「消費期限」に過ぎない。
こんな状態で、あと4か月も放置されてオミクロンの餌食にされる訳だ。
まあ、自分から好き好んで、わざわざ感染リスクが高い国の、それも観光都市の繁華街に行ってきたんだから、それで感染したなら自業自得だがな。
用心に用心を重ねて、ようやく戻ってきた祖国日本で感染したのでは意味がない。
今更、水際対策を強化しても、もう、市中に広がり始めているとしたら、あまり効果も期待できない。
早々に、経済再生を諦めて、日本全国をロックダウンさせるのが上策だ。
まあ、今の政権じゃ有り得ない選択だろうけどな・・・。
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