ログブック考2015年11月13日 11:17

ログブック考
ログブック考


何百本もログを付けてないくせに、お前に言われたくない!、という批判を物ともせず、今日のお題は、あるログブックについて。

リフィル形式にしてあるのは、左の穴で分かると思うが、大きさ等はそれで判断できるだろう。

書いてある項目や、その内容についてはさておいて、浮沈子的に気になったのは、文字の大きさ・・・。

老眼の浮沈子には、完全に判読不能である。

読めないのではなく、見えない!。

なんとかコシオリエビを見せられて、エビかどうかを判定する以前に、どれがそうなのかをガイドに聞く浮沈子・・・。

そもそも、「点」にしか見えない。

そんなことを思い出させる字の小ささにビビる。

これを、読めっていうのかあ?。

まあ、ログ付けとかは、水中で行うことはないから、問題ないともいうが、年寄りには、拷問以外の何物でもない。

大きさについては、読む(見る?)以外にも、書き込むスペースという点で問題がある。

項目とか単位とかは、まあ、慣れさえすれば、どこに何が書いてあるか分かるが、自分で書く文字くらい、裸眼で読みたい。

デッカく、書きたい!。

が、そういうスペースはないのだ・・・。

印刷されている文字位の大きさ(「点」?)で書くしかない。

うーん、拷問・・・。

まあいい。

読み返すときに、メガネのお世話になればいいのだ。

さて、目を凝らして内容を見てみよう。

「項目:コメント
・Dive No.:英語
・日付//:日本語
・Location::英語
・Point::英語
・Entry:英語
・Exit:英語
・Time::英語
・(DIVE Time min):英語。なぜか、DIVEが大文字。1時間を超える場合も分単位での記載。単位が略称なのでピリオドが必要?。
・Ave:m:英語。略称なのでピリオドが必要?。averageの省略表記はavg.という説も(SUUNTOは、AVG)。 
・Max:m:英語。略称なのでピリオドが必要?。
・bar:英語
・透明度m:日本語。透視度ではないのか?。
・タンク:日本語。たぶん、アルミとかスチールとか、10リットルとか書くんだろうな。
・AIR:Air or ENx:英語。項目名のAIRは大文字。Gasの方が正しい?。酸素の濃さは不明?。
・ウエイトkg:日本語。まあ、日本だからkgだけでもいいか。
・気温℃:日本語
・水温℃:日本語。水面と、水底の区別なし。
・ウエット or ドライ:日本語、英語混在
・その他:日本語。何を書くのかはともかく、スペースがない。
・☆・☆MEMO☆・☆:記号、英語大文字、記号。初めのDive No.は、枠囲みの中に番号を記載させるが、この項目は枠はデザイン→枠なしでもいいのでは?」

表記上の問題はともかく、必要な項目は概ね網羅されていて、我が国で一般的なダイビングを行うには十分と思われる。

浮沈子的には、その日の何本目のダイビングかを書ける欄が欲しいな。

日付の後に、丸付き数字で補っている。

この項目には、インストラクターやガイドがサインする欄がない。

意識的に外したということなのかもしれないが、一般のログブックの構成とは異なる。

英語表記と日本語表記の混在については、ダイブコンピューターからのデータの転記を意識したのかもしれないし、そうでないかもしれない(ロケーションとかポイントは、日本語の方がありがたいな)。

海外で、現地ガイドに見てもらってサインを求めるなら、全部英語でないと親切とは言えない(まあ、日本語読めなくたって、サインしてもらえますけど)。

国内だけで、あるいは、日本人ガイドだけにサインさせるのなら、先のダイコンからの転記を別にすれば、日本語表記中心というのは一つの考え方だ。

エントリーやエキジットなども、日本語(カタカナ)にした方がいいかもしれない。

レジャーダイビングというのが、そもそも輸入文化であるのと、我が国で現在メジャーな指導団体がもともと英語圏であることなどを考えると、文化的に英語表記を使うというのも、一つの考え方ではある。

まあ、どうでもいいんですが。

圧力の単位にbarを用いているのは、残圧計の表記に従っている(ふつー、そうだろ?)。

kPaにしろとかいう暴論は吐かない!。

まあ、業務潜水には使わんしな。

このログブックの作成に当たっては、CCRでも使えるようにしてくれと希望を述べたのだが、あえなく却下されたようだ(トーゼンですな)。

浮沈子のように、ほぼ毎回異なるコンフィギュレーションで潜るサイドマウントや、ダブルタンクの使用についても考慮されていない(トーゼンですな)。

ウエットスーツの厚さや、種類(フルスーツか、ショーティか)も記載できない。

そういうのは、メモ欄に書いてくれ!。

CCRなんて、想定の範囲外!。

サイドマウントって、なに?。

まあいい。

美しい日本の私、美しい日本の潜水・・・。

それでも、タンクの欄に何か書こうとしていたり、エンリッチド・エア・ナイトロックスの使用を想定しているというのは、現代的かもしれない(酸素濃度、書けないけど?)。

アベレージの欄があるということは、それが表示できるダイコンの使用を前提にしているので、21世紀的なダイビングだ。

そう、ログブックの項目を見ると、その時代やその地域でのダイビングの姿が見えてくる。

このログブックは、21世紀初頭の東伊豆地域を想定しているのだろう(富戸ではエンリッチド・エアはやってません!→IOPに行けば出来ます)。

今気づいたが、ビーチかボートかもないな(ポイント名で推察するか)。

裏表紙(カラー印刷)には、富戸と大井町の連絡先がフェイスブックへのQRコードと共に印刷されている(横浜店は、なくなっちゃうんだろうか?)。

一番下には、nameとあって、所有者の名前を書く欄がある。

リフィルで閉じ込むんだから、バインダーには名前が書いてあったりするんだろうが、親切設計ということだな。

表紙も付いている(カラー印刷)。

商品価値や、媒体としての価値を高めるための配慮なんだろうが、4回分の記載欄がなくなっているわけだな(細かくてすいません!)。

50回分で864円税込みである。

1回17円余り。

しかし、ダイビングの思い出は、プライスレスである。

ログブックの価値は、そのデザインではない。

そこに、何を書くか、それを書くためのダイビングを如何に充実したものにするかが大切なのだ。

用紙の下の方には、表裏で異なるイラストが描かれている。

ダイビングに対する夢や、希望が感じられるなあ。

浮沈子のログブックには、どんな内容が記されていくんだろうか?。

酸素麻酔?2015年11月13日 13:42

酸素麻酔?
酸素麻酔?


この件については、いろいろ錯綜していて、浮沈子の周辺に迷惑を撒き散らしている(まあ、いつものことですが)。

きっかけは、エンリッチド・エアのスペシャルティインストラクターのお勉強なのだが、高圧則改定に伴う深度制限も関連する。

ネットで見つけた「酸素に麻酔作用はない」というのも引っかかった(該当のページは、削除されました)。

脳科学的、臨床的には、そうなのかもしれない。

しかし、ダイビングのように、圧力下で酸素を呼吸した場合に、麻酔作用が生じるらしいことも確かなようだ。

エビデンスについては、確認中だが、以下のページを参照中である。

(Equivalent narcotic depth)
https://en.wikipedia.org/wiki/Equivalent_narcotic_depth

(Theories of general anaesthetic action)
https://en.wikipedia.org/wiki/Theories_of_general_anaesthetic_action#Lipid_solubility

いわゆる、手術などにおける麻酔と、昏睡を区別する必要があるという指摘もいただいた。

PADIが、エンリッチド・エアを導入するにあたって、脂質溶解性理論(マイヤー‐オヴァートンの法則)と、経験則を適用し、保守的な運用基準を採用していることも間接的に確認できた。

最近のシナプス周りの研究では、酸素が影響を与えているという知見はないらしい(酸素ではなく、高圧下では、主に促進系シナプス伝達の興奮が起こることが知られているとのこと)。

しかし、視床下部周辺のニューロンが、高圧の酸素下で活性が低下するという古い論文はあった(評価や、追試の状況については未確認)。

いずれにしても、少なくとも我が国の医学界で、酸素の麻酔効果が認識されているということはない。

ダイビング業界では、最近、ようやく話題になってきているくらいだな。

そもそも、今年の春まで、水中で酸素吸ってはならんという国家規制があったくらいだから、研究が進まなかったのも分かるような気がする。

その規制を解除するに当たって、当局に水中における酸素の麻酔作用について、全く認識がないというのも困ったもんなんだがな。

この件については、改めて確認することにしよう。

どーせ、引き続き知見の収集に努めてまいりますとかいって、お茶を濁されるに決まってるがな。

28パーセントナイトロックスで、45mswなら、特段の溺れ対策を取らなくても業務潜水では違法ではない(酸素分圧は、レクリエーショナルレベル以上)。

まあ、通達では、30m以深は不活性ガスにヘリウム混ぜろと言っているので、そっちの方に誘導されるかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

麻酔については、脂質説、シナプス説、タンパク説などがあって、未だに決定的な話にはなっていないようだ。

(脂質説 ー麻酔薬の非特異的作用ー)
http://doctor-koki.sakura.ne.jp/Koki/Anesthetic_Mechanism/entori/2009/9/12_zhi_zhi_shuo_ma_zui_yaono_fei_te_yi_de_zuo_yong.html

あっちゃーっ、別のページにもあったんですねえ(これは、敢えて指摘しないで残しとこうかな)。

(カルシウムチャネル ー心臓からのアプローチー)
http://doctor-koki.sakura.ne.jp/Koki/Anesthetic_Mechanism/entori/2009/9/20_karushiumuchaneru_xin_zangkaranoapurochi.html

(タンパク説 ー遅れて来た主役ー)
http://doctor-koki.sakura.ne.jp/Koki/Anesthetic_Mechanism/entori/2009/10/22_tanpaku_shuo_chirete_laita_zhu_yi.html

(海馬における検討 ー心臓から脳へー)
http://doctor-koki.sakura.ne.jp/Koki/Anesthetic_Mechanism/entori/2009/10/23_hai_maniokeru_jian_tao_xin_zangkara_he.html

以下、略。

廣田先生は、麻酔の研究者としても頑張ってるんですね(つーか、そっちが本業?:応援!)。

そうだ、先生の本、買いに行こっ!(アマゾンで、古本を発注:軟弱・・・)。

まあ、それはそれとして、もしも、酸素に麻酔作用があって、臨床的に応用できるとしたら、それこそノーベル賞ものかもしれない。

画像は、世界初のエーテル麻酔下における公開手術の模様を描いた作品。

(First Operation Under Ether)
http://medhum.med.nyu.edu/view/10331

1846年10月16日、今から169年前の話だ。

廣田先生の見解では、圧力下における神経作用ではないかということのようだが、それはそれとして注目すべき点だ。

脳科学的に、酸素の麻酔作用はないというのは、浮沈子的には新鮮な話だったし、じゃあ、何でNOAAとかPADIがあるといっているのかは、依然、不明だ(脂質溶解説?←1899年提唱)。

21世紀になって、麻酔作用は分子生物学的に解明されようとしている。

昏睡の機序が分かるということは、意識の本質に迫るということで、それが明らかになるということは、歴史的な発見になるかもしれない。

つーか、水棲哺乳類は、水中でどうしてんだろう?。

マッコウクジラとか、水深3000mまで行くらしいが、みんな失神してるんだろうか?。

(マッコウクジラ:潜水)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A9#.E6.BD.9C.E6.B0.B4

「3,000mを潜ったとする記録もあり、深海層での原子力潜水艦との衝突事故や、海底ケーブルに引っかかって溺死したと見られる死骸の発見などの実例が、この記録を裏づける。」

奴らは、空気息堪え潜水してるんだから、当然ガス昏睡のリスクはあるはずだ。

しかも、30mや40mの話ではない(その100倍です!)。

そっちの方の研究はどうなってるんだろうな。

ダイビングは、まだまだ、未知の世界なのだ。

珍妙な意見2015年11月13日 19:31

珍妙な意見


(BMWアルピナの頂点「B6グランクーペ」に試乗)
http://www.asahi.com/and_M/interest/SDI2015111311171.html?iref=comtop_fbox_u04

20世紀なら、浮沈子も、こう思ったに違いない。

「自動運転が実用化されたら人間が運転から解放されるので、将来はクルマの中で何をするか、自動車メーカーはその開発競争に取り組まざるを得ないでしょう、という。」

「私にはまったく珍妙としか思えない意見だが、その男性キャスターがどのような思考回路を経てその説にたどり着いたのかは実に興味深い。」

「クルマの中ですることがなくなるから、代わりの何かをひねり出すために開発競争をする、と考える人は他にもいるのだろうか。」

浮沈子は、まさしくそう考えるので、最低でも一人はいるな。

「将来の自動車の中ですることまでを考えるのは果たして自動車メーカーの仕事なのだろうか。」

それを考え付かないメーカーは、生き残れないに違いない。

「することがなくて困るのなら、運転すればいいじゃないか。」

この記事を書いている方は、運転というのは原則禁止ということを、分かっていないのではないのかあ?。

自動運転ができるようになれば、人間が運転することなど、全面的に禁じられるに決まってんじゃん!?。

「もし、遠い将来に完全な自動運転が文字通りに実現しても、少なくともアルピナはそれには与(くみ)しないのではないだろうか。」

そうであれば、アルピナとやらは、ガレージに飾っておく置物になるだろうよ・・・。

「南ドイツのブッフローエで工芸品のような車」

ほらね、ちょうどいいんじゃね?。

この記事を書いている方も、将来完全自動運転が実現することについては、否定はしていない。

そこに至るまでには、紆余曲折があるだろうこと、ひょっとしたら、思いのほか時間がかかってしまうかもしれないことについては、浮沈子もその可能性を否定しえない。

しかし、メーカー(ニッサン)は既に来年、部分的な自動運転車を発売すると明言しているし、グーグルは約200万キロの自動運転の実績がある。

(Googleの自動運転車、走行速度が遅すぎて警官に止められる:追加)
http://iphone-mania.jp/news-92654/


「すでに自動運転車で、120万マイル(約193万1,200キロ)もの走行実験を行っている」

5年後には、一般道を含めた、すべての道路環境で、市販車を発売するという計画を発表しているメーカー(ニッサン)もある。

まあ、たぶん、テスラが一番乗りかもしれないな。

浮沈子には、珍妙な意見を述べているのは、この記事の記者の方であるように思える。

人間が運転を許されるのは、郊外の交通量の少ない一般道か、短時間の渋滞のない高速道路だけだろう。

もし、そこで事故が起これば、高額なドライバー保険に加入していない限り、生活は破たんするに違いない。

自動運転ならば、極端に事故率が下がるので、保険料も格安である。

浮沈子は、そういった経済的、社会的な要因から、自動運転は一気に進むと考えている。

もう、誰も、自動運転の車を所有したいとは思わないだろう(タクシー、欲しいですかあ?)。

しかも、どこかお店で買い物したいとかいうことなら、グーグルタクシー(無人車)が、無料でお迎えに来てくれるようになるわけだしな。

アルピナは、2000万円を超える高額車だ。

一部の特権階級だけが、今後も自由に車を乗り回すことができるかもしれない。

高い保険料を支払い、無用に高出力なエンジンをぶん回し、「東名高速では試せないような超高速域に本来のスイートスポット」があるクルマを楽しむのだ(キショーめ!)。

おそらく、BMWは、アルピナの元になる6シリーズを作り続けることはできないだろう。

当然、B6も消える。

「ラグジュアリーかつ超高性能なB6グランクーペは、自動車とそれを運転することに特別な贅沢(ぜいたく)さを求める人にふさわしい。」

今のうちに、乗っておくことを勧める。

「操縦する歓びを自ら手放してしまうことなど私には想像もつかない。」

まあ、たぶん、きっと、この記事を書いている方が、自動車評論を続けることもないだろうよ・・・。