ファルコン9の見どころ2017年06月30日 14:43

ファルコン9の見どころ
ファルコン9の見どころ


あいつは見どころがあるとか、そういう使い方をするときもあるが、毎回の打ち上げが、何らかのチャレンジを含んでいて、それが成功するかどうかを固唾を飲んで見守る風情(!)がいい様を言おうとしている。

が、しかし、今回は、打ち上げそのものに見どころはない。

ロケット1段目の再使用もせず、おそらくフェアリングの再使用にもチャレンジしないのではないか(未確認)。

スッキリとしたファルコン9の外観には、着陸脚もなくハエ叩き(チタン製グリッドフィン)もない。

再着陸の際の姿勢制御用窒素ガスの噴出装置もなければ、ブーストバックバーンやエントリーバーン用の燃料もない。

それらは全て打上げ用の燃料として割り当てられ、衛星を打ち上げるために使われてしまう。

6.6トンの衛星をGTOに上げるのは一仕事だ。

ファルコン9以外のロケットは、固体燃料ブースターを使って推力を上げ、重い衛星を軌道に上げる例が多い。

アリアン5、アトラス5、我が国のH2Aもそうだな。

デルタ4ヘビーや、開発中のファルコンヘビーのように、液体燃料ブースターを使って打ち上げるというのもある。

重い衛星を打ち上げるというのは、大変なわけだ。

で、今回の打ち上げは、単なる使い捨てロケットによる、何の変哲もない打ち上げに見える。

つまり、打ち上げそのものに見どころはない。

今年になって10回目の打ち上げになるが、今回を含めて使い捨ては3回に留まる。

まあ、そう考えれば、ファルコン9の使い捨てというのは、既に希少価値があって、それ自体が見どころになっているのかもしれない。

20回目の打ち上げで、地上に着陸して以来、使い捨ての打ち上げは、3回だけ(今回含む)。

回収に成功したのが13回、失敗が3回(発射台での爆発炎上ド派手ショーが1回!)。

ここ1年は、回収の失敗すらない。

もちろん、今回は回収しないので、失敗も何もない。

つまらん・・・。

打ち上げの失敗は、19号機以来なし。

ローンチビークルとしての信頼性には、問題はないだろう。

フェアリングを含めた回収技術の洗練と、再使用へのプロセス短縮、それを可能にする改良だけが課題だ。

1回きりの使い捨ての打ち上げに、イベントを期待してはならない。

ファルコン9に限らず、ロシアの一部のロケットを除いて、最近の打ち上げでトラブルを起こす話は殆どない。

燃料タンク内に何か忘れたとか、そういうショボイ話はあるが、構造的欠陥や品質管理上の問題でトラブることは、極めて稀だ。

だから、ファルコン9の19号機が空中爆発したのは、本当に稀有な事態だ。

ネットの生中継で見ていたけど、文字通り、木っ端微塵、雲散霧消した。

ドラゴンカプセル自体は、爆発時点では形を保っていたようだが、海面に激突してぶっ壊れた。

たぶん、今のドラゴンには、そういう時のために、緊急パラシュートの展開を可能にする仕掛けが施されているに違いない(未確認)。

ずいぶん昔のことのような気がするが、まだ2年前の話だ。

今度の打ち上げは38回目。

ちょうど倍の回数になる。

機体はフルスラスト(ブロック3)に変更され、経験も積んできた。

今年3月には、スタートが9年早かったH2Aの打ち上げ数を追い抜き、おそらく来年にはダブルスコアにしてしまうだろう(毎週打ち上げるそうだし)。

そう、打ち上げ間隔については、確かに見どころかも知れないが、それはロケットの話じゃなくて、射場の話だしな。

今回も、新品のロケットだ。

新品のロケットを使い捨てにする打ち上げでは、何事も起こるまい。

いや、新品だからこそ、打ち上げ実績がゼロなわけで、隠れた瑕疵が表面化する恐れがあるともいう。

フライトプローブンなら、回収、点検して、そこを潰しておけるからな。

ブロック5では、その潰しもしなくていいといわれている。

見どころは、どんどんなくなっていく。

おいおい、見どころって、打ち上げ失敗のことなのかあ?。

いえいえ、決して、そのような不埒なことは・・・。

中性浮力研究所2017年06月30日 16:47

中性浮力研究所
中性浮力研究所


NASAには、様々な施設があるけど、浮沈子的に気になるのは、やっぱコレだな・・・。

(Neutral Buoyancy Laboratory)
https://en.wikipedia.org/wiki/Neutral_Buoyancy_Laboratory

「The Neutral Buoyancy Laboratory (NBL) is an astronaut training facility and neutral buoyancy pool operated by NASA and located at the Sonny Carter Training Facility , near the Johnson Space Center in Houston , Texas .」(中性浮力研究所(NBL)は宇宙飛行士の訓練施設や中立浮力プールが運営NASAとに位置ソニー・カーターのトレーニング施設の近くに、ジョンソン宇宙センターでは、ヒューストン、テキサス州。:自動翻訳のまま)

何のことはない、國富のプールと同じだ。

ナイトロックスのダブルタンクを使って、宇宙飛行士の水中での訓練を支援する(ウィキのパノラマ画像参照)。

宇宙飛行士は、当然リブリーザー(宇宙用?)を使用しているに違いないので、その点でも共通だな(國富でも、リブリーザーは使えます:浮沈子は、まだ未使用)。

ただし、広さは100倍くらいある(テキトーです)。

プールの中には、ISSの実物大モックアップが沈めてある。

デカいわけだ・・・。

「72メートル×41メートル、18メートルの深さで計画されていました。お金を節約するために、それは小型化され、既存の構造の中に配置されました。」

で、実際は62m×31m×12.34mということになった。

それでも、十分デカいな。

こういうところで、リブリーザーの練習をしてみたいもんだな。

ウィキの記事にあるように、水中のシミュレーションでは、完全な無重力体験と同じというわけにはいかない。

水の抵抗が大きく、宇宙空間では回転モーメントが掛かって、くるくる回ってしまうような出来事を再現できないし、簡単に止まることが出来る。

その意味では、作業を行うという点では、水中の方が簡単ともいう。

が、一方、何かを掴んでいた手を放しても、宇宙空間なら下に落ちずにその場に浮かんでいるというメリットもある。

その辺りを考えながら、訓練のプログラムを設計しているんだろう。

宇宙では、もちろん、手足で空を掻いても進んだりは出来ない・・・。

プールサイドのフィンは、もちろん補助するダイバーのためのものだ。

この手の施設は、有人宇宙飛行を行う各国の宇宙機関が持っている。

(Neutral buoyancy pool)
https://en.wikipedia.org/wiki/Neutral_buoyancy_pool

「宇宙機関:施設名称(略称):特徴
・ロスコスモス(ロシア):ハイドロラボ:円筒形(直径23m:深さ12m)
・CNSA(中国):Neutral Buoyancy Facility (NBF):円筒形(直径23m:深さ10m)
・ESA(欧州):Neutral Buoyancy Facility (NBF):八角形(22m×17m×深さ10m)」

もちろん、我が国も持っていたが、現在は閉鎖されてしまったようだ。

(無重量環境試験棟)
http://iss.jaxa.jp/ssip/ssip_wet.html

「2011年3月11日の東日本大震災により、無重量環境試験設備(WETS)の水槽配管が破損し、水槽内のほとんどの水が抜けました。また、水槽周りの機器の転倒、水槽内外の発錆、水槽底部の変形等の甚大な被害を受けました。」

「水槽の復旧は困難と判断し、また所期の目的を十分に達成したため2月中旬より水槽を解体・撤去することとしました。」

残念だな・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

仕方ない、中性浮力の練習は、國富でやるしかないか・・・。