繰り返す歴史2017年02月03日 17:42

繰り返す歴史
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ロイターが、分かりやすい記事を掲載している。

(焦点:トランプ大統領に擦り寄る英国首相、眉ひそめるEU)
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-britain-eu-idJPKBN15H0PL?rpc=188&sp=true

「ルーズベルト大統領とチャーチル首相はともに、自由を求めて闘った。レーガン大統領とサッチャー首相はともに、共産主義の拡大を阻止した。トランプ大統領とメイ首相はそれぞれ、自国の国益のことしか考えていない」

この2国には、移民問題という共通の悩みがある。

その悩みの解決について、ドラスティックな手法を選択した点でも似ている。

英国は、EUからの完全離脱を決意したしな。

「トランプ氏はメイ首相との会談の数時間後、イスラム圏7カ国出身者の入国を一時禁止する大統領令に署名した。」

記事では、EU関係者のボヤキが多く掲載されているが、欧州が取り残されることへの不満をぶちまけるだけで、具体的な対策を取ることは出来ない。

「あるEU幹部はロイターに対し「米国との自由貿易協定を結ぶため、外交政策を犠牲にして本当に良いのか。英国にただす必要がある」と話す。」

「ある西欧の上級外交官は「英国は米国と自分たちだけで何かを交渉しようとして、ありていに言って大した結果は得られなかった。非常に下品な行いだ」と怒りをあらわにした。」

「あるフランス外交官は「英国はこのような方針転換を続けるなら、長期的に国際間でつけを払わされるだろう」と述べた。」

「EU加盟国の多くが、離脱決定後の英国は欧州大陸から否応なしに疎遠になっているとみなしている。」

米英2国の国益とそぐわない状況になれば、欧州を切ることくらいは平気でやるだろう。

もとより、その覚悟で政策転換をしているわけだからな。

欧州対米英という古くからの、そして、新たな構図が浮かび上がってくる。

そもそも、現在のEU自体が、その対立の構図の中から生まれたといっていい。

米国は、欧州の頭越しに、ロシアと手を組むかもしれないしな。

そんなことになれば、政治的には最悪の状況になる。

冷戦が終結したとはいえ、ロシアには大機甲部隊がいて、NATOと対峙しているのだ。

米国が、梯子を外したりするようなことがあれば、目も当てられない・・・。

外交官の品の良いボヤキなどでは済まない。

世界の情勢は一変する。

追い込まれているのは、EUの方だろうな。

特にフランスの危機感は、半端ないだろう。

ヘタすると、国連の中で孤立しかねない。

米英は、かつて自由のために枢軸国と戦い、冷戦下で共産主義と闘った。

いま、その矛先は、欧州の存在そのものに向けられているのかもしれない。

そんなはずじゃなかったのに・・・。

まあ、それ程徹底して対抗するかどうかは疑問だな。

腹の探り合いや、落としどころ、エトセエトセはお手の物だ。

破局に至らない程度に、緊張感を持って対立する。

確認しておこう。

太平洋戦争開戦前(!)、米英は大戦終了後の国際秩序について話し合った(1941年8月:大西洋憲章)。

事実上崩壊した国際連盟の後、国際連合のビジョンは、この時に提示されたといわれている。

それから75年後の今、2国間で何が話し合われ、何が合意されたのかは誰も知らない。

地球上で、たった2人の首脳を除いては・・・。

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