有人宇宙飛行という幻 ― 2018年12月30日 08:52
有人宇宙飛行という幻
人間は空を飛ぶことも、水中に長時間潜ることも出来ない。
地球の表面の、陸地や水面の辺りで、それも限られた標高や地域で生きていくのが精いっぱいだ。
都市に高層ビルを建て、交通手段としての飛行機や潜水艦(交通手段なのかあ?)を運用していても、それは、自らの周りを囲って、地上の環境を一時的に持ち込んでいるだけの話だ。
そこで生活しているわけではない(原子力潜水艦とかなら、数か月生活できるけどな)。
まあ、ダイバーは、環境圧(高圧環境)で潜っているけど、呼吸ガスは持ち込んでいて、地上の環境をマネしていることに変わりはない。
最近は、宇宙空間に出かけて行くのが流行っているようだが(そうなのかあ?)、宇宙だって、生身で生活できるところではない。
ISSの中は、快適な環境に保たれていて、1日2時間の運動とかいうノルマ以外は、ボーっとしていられる(えーと、やるべき作業は沢山ありますが)。
宇宙船だって、概ね快適な環境で、狭かったりすることを除けば、温度湿度はもちろん、うまい空気を吸うことも出来るだろう。
高山病に罹ることもなければ、ガス昏睡に陥ることもない(船外活動の前とかには、減圧するようですが)。
コントロールされた環境の中で、ふつーに生きていくことが出来る。
しかし、それは、宇宙コロニーとかいう大規模なものではないし、無重力という環境は、今のところどうしようもない感じだ。
トレーニングを続けていても、半年とか滞在すると、地上で立っていることさえできなくなる。
2週間程度でも、ちゃんとリハビリしないと倒れ込んでしまう。
まあ、個人差とかはあるだろうけどな。
そんな、極めて限定された環境の中でしか生きられない人間を、宇宙に送り出すというのは大変な話だ。
そもそも、重力に逆らって、宇宙船という地上の環境を模したカプセルを打ち上げなければならない。
地球周回軌道に乗せるためには、時速2万8千km以上の速度に加速し、その速度を維持しなければならない。
幸い、地球の大気層は、ちょこっと上昇すれば有意に薄くなっていくからな。
速度を維持する労力は減る。
400km位上がれば、たまにリブーストする程度で、巨大なISSでさえ高度を維持することが出来る。
長々と前振りを書いたが、インドが、何度目かの有人宇宙飛行の計画を明らかにした。
(インド、有人宇宙飛行計画を閣議決定=22年までに3人)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122900124&g=int
「有人宇宙飛行を2022年までに達成させるための計画を閣議決定した。」
なぜ、2022年なのか?。
宇宙船の開発計画とか、それを打ち上げる大型のロケットの開発のめどが立ったからだろうと、ふつーは考えるところだ・・・。
「独立75周年を迎える22年までにインド国民を宇宙へ送る」
インドの建国と宇宙開発には、何の関係もない。
その時の経済力や政治情勢の許す範囲で、細々と開発を続けてきたわけで、まあ、ちょうどタイミングがあっただけかもしれないけどな。
あまり、真面目に立てられた計画とは思えないんだがな。
インドは、別にどこかの国と競争しているわけでもなく、いついつまでに有人宇宙飛行しなければならないという制約はない。
自国の科学技術の発展を、内外にアピールできればそれでいい(そうなのかあ?)。
欧州と共同開発したロケットエンジンを大切に育てて、GSLV-3を作り上げたからな。
こいつで、カプセルを打ち上げるんだろう。
我が国は、自前で有人ロケットを打ち上げることを断念してしまったからな。
ソユーズやスペースシャトル、これからはドラゴンやスターライナーに乗って、ISSに行くことしかできない。
ああ、スターシップに乗って月周回旅行してくることもできるけどな。
随分先の話にはなるけど、月面基地を作る関係で、月周回軌道行ったり、うまく潜り込めれば、月面着陸も可能性はある。
しかし、それは、あくまでも、パーシャルな宇宙活動で、そこに住んだり、生活の基盤を確立したりすることはできない。
何重にも安全を確保するための仕掛けをしたうえで、一時的に可能な状況を作り出しているだけの話だ。
ISSは、随分長いこと飛んでいるけど、入れ代わり立ち代わり、要員が交代しているだけの話だ。
それだって、すごいことに変わりはないが、人間が宇宙で生活しているとはとても言えない。
そこへ飛んでいく宇宙船にしても、数日間の飛行しかできない。
打ち上げのリスクは当然ある。
帰還にしても、係留しているソユーズに穴が開いていたりすれば、ヤバい話になる(実際、穴、開いてたし・・・)。
浮沈子が言いたいのは、有人ロケットを上げるというのは、それはそれで結構な話だけど、先々、それで何かをするということがなければ、大したイベントではなくなっているということだ。
インドには悪いけど。
有人宇宙飛行自体は、60年も前に行われた歴史的な出来事になってしまっていて、今更の感もある。
ISS自体だって、基本モジュールは20世紀末から20年も飛び続けているわけで、既に生まれた時から宇宙ステーションが飛んでいる世代が成人している。
やれやれ・・・。
有人宇宙飛行というのは、宇宙開発を止めてしまえば、それっきりになる技術だ。
海洋開発が有人から無人に大きく舵を切っていることを考えると、その可能性は大いにある。
ロボットで十分対応できるのに、なぜ人間が行かなければならないのか。
その理由が明確にならない限り、リスクを冒すことはできない。
北極や南極、エベレストの登頂というのは、軍事活動の一環として、国家的支援の下で行われたということもある(科学的探検だって、軍事目的の一部みたいなもんだからな)。
そこに山があるから行ったわけではない。
未踏の地であり、そこへ行くことが出来ることを示すことにより、他者に対して優位に事を運ぶメリットがあったからだ。
有人宇宙飛行は、現在、ビミョーな位置かも知れない。
ソ連、米国、中国と続いて、宇宙飛行士自体は数十か国で何百人も誕生しているし、他の天体(月ですが)にだって12人もが降り立っている。
初物の歴史的価値は、いささかくたびれてしまっている。
数年後に、インドが地球周回軌道に人間を送り込んだとしても、そのニュースは3日くらいしか持たない(たぶん)。
もちろん、歴史的事実としては残る。
その頃には、弾道飛行を飛んだ人類が、山のように生まれているかもしれないからな。
エベレストと高尾山(東京近郊の手軽に行ける山です)くらいの違いがある話だけどな。
(高尾山)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B0%BE%E5%B1%B1
「東京都八王子市にある標高599mの山である。」
まあ、どうでもいいんですが。
有人宇宙飛行という意味では、弾道飛行だってそうかもしれない。
気分だけ、味わうことが出来るからな。
月周回旅行とは、文字通り桁違いの話だが、その違いを理解するのは困難かも知れない。
宇宙飛行に変わりはない(そうなのかあ?)。
そういう状況の中で飛ぶ、インドの有人宇宙飛行が、内輪ウケ以上の意味を持つとは思えない。
いや、その技術を売りに出して、世界初の軌道周回旅行を始めるかもしれないしな。
格安で・・・。
人間は空を飛ぶことも、水中に長時間潜ることも出来ない。
地球の表面の、陸地や水面の辺りで、それも限られた標高や地域で生きていくのが精いっぱいだ。
都市に高層ビルを建て、交通手段としての飛行機や潜水艦(交通手段なのかあ?)を運用していても、それは、自らの周りを囲って、地上の環境を一時的に持ち込んでいるだけの話だ。
そこで生活しているわけではない(原子力潜水艦とかなら、数か月生活できるけどな)。
まあ、ダイバーは、環境圧(高圧環境)で潜っているけど、呼吸ガスは持ち込んでいて、地上の環境をマネしていることに変わりはない。
最近は、宇宙空間に出かけて行くのが流行っているようだが(そうなのかあ?)、宇宙だって、生身で生活できるところではない。
ISSの中は、快適な環境に保たれていて、1日2時間の運動とかいうノルマ以外は、ボーっとしていられる(えーと、やるべき作業は沢山ありますが)。
宇宙船だって、概ね快適な環境で、狭かったりすることを除けば、温度湿度はもちろん、うまい空気を吸うことも出来るだろう。
高山病に罹ることもなければ、ガス昏睡に陥ることもない(船外活動の前とかには、減圧するようですが)。
コントロールされた環境の中で、ふつーに生きていくことが出来る。
しかし、それは、宇宙コロニーとかいう大規模なものではないし、無重力という環境は、今のところどうしようもない感じだ。
トレーニングを続けていても、半年とか滞在すると、地上で立っていることさえできなくなる。
2週間程度でも、ちゃんとリハビリしないと倒れ込んでしまう。
まあ、個人差とかはあるだろうけどな。
そんな、極めて限定された環境の中でしか生きられない人間を、宇宙に送り出すというのは大変な話だ。
そもそも、重力に逆らって、宇宙船という地上の環境を模したカプセルを打ち上げなければならない。
地球周回軌道に乗せるためには、時速2万8千km以上の速度に加速し、その速度を維持しなければならない。
幸い、地球の大気層は、ちょこっと上昇すれば有意に薄くなっていくからな。
速度を維持する労力は減る。
400km位上がれば、たまにリブーストする程度で、巨大なISSでさえ高度を維持することが出来る。
長々と前振りを書いたが、インドが、何度目かの有人宇宙飛行の計画を明らかにした。
(インド、有人宇宙飛行計画を閣議決定=22年までに3人)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122900124&g=int
「有人宇宙飛行を2022年までに達成させるための計画を閣議決定した。」
なぜ、2022年なのか?。
宇宙船の開発計画とか、それを打ち上げる大型のロケットの開発のめどが立ったからだろうと、ふつーは考えるところだ・・・。
「独立75周年を迎える22年までにインド国民を宇宙へ送る」
インドの建国と宇宙開発には、何の関係もない。
その時の経済力や政治情勢の許す範囲で、細々と開発を続けてきたわけで、まあ、ちょうどタイミングがあっただけかもしれないけどな。
あまり、真面目に立てられた計画とは思えないんだがな。
インドは、別にどこかの国と競争しているわけでもなく、いついつまでに有人宇宙飛行しなければならないという制約はない。
自国の科学技術の発展を、内外にアピールできればそれでいい(そうなのかあ?)。
欧州と共同開発したロケットエンジンを大切に育てて、GSLV-3を作り上げたからな。
こいつで、カプセルを打ち上げるんだろう。
我が国は、自前で有人ロケットを打ち上げることを断念してしまったからな。
ソユーズやスペースシャトル、これからはドラゴンやスターライナーに乗って、ISSに行くことしかできない。
ああ、スターシップに乗って月周回旅行してくることもできるけどな。
随分先の話にはなるけど、月面基地を作る関係で、月周回軌道行ったり、うまく潜り込めれば、月面着陸も可能性はある。
しかし、それは、あくまでも、パーシャルな宇宙活動で、そこに住んだり、生活の基盤を確立したりすることはできない。
何重にも安全を確保するための仕掛けをしたうえで、一時的に可能な状況を作り出しているだけの話だ。
ISSは、随分長いこと飛んでいるけど、入れ代わり立ち代わり、要員が交代しているだけの話だ。
それだって、すごいことに変わりはないが、人間が宇宙で生活しているとはとても言えない。
そこへ飛んでいく宇宙船にしても、数日間の飛行しかできない。
打ち上げのリスクは当然ある。
帰還にしても、係留しているソユーズに穴が開いていたりすれば、ヤバい話になる(実際、穴、開いてたし・・・)。
浮沈子が言いたいのは、有人ロケットを上げるというのは、それはそれで結構な話だけど、先々、それで何かをするということがなければ、大したイベントではなくなっているということだ。
インドには悪いけど。
有人宇宙飛行自体は、60年も前に行われた歴史的な出来事になってしまっていて、今更の感もある。
ISS自体だって、基本モジュールは20世紀末から20年も飛び続けているわけで、既に生まれた時から宇宙ステーションが飛んでいる世代が成人している。
やれやれ・・・。
有人宇宙飛行というのは、宇宙開発を止めてしまえば、それっきりになる技術だ。
海洋開発が有人から無人に大きく舵を切っていることを考えると、その可能性は大いにある。
ロボットで十分対応できるのに、なぜ人間が行かなければならないのか。
その理由が明確にならない限り、リスクを冒すことはできない。
北極や南極、エベレストの登頂というのは、軍事活動の一環として、国家的支援の下で行われたということもある(科学的探検だって、軍事目的の一部みたいなもんだからな)。
そこに山があるから行ったわけではない。
未踏の地であり、そこへ行くことが出来ることを示すことにより、他者に対して優位に事を運ぶメリットがあったからだ。
有人宇宙飛行は、現在、ビミョーな位置かも知れない。
ソ連、米国、中国と続いて、宇宙飛行士自体は数十か国で何百人も誕生しているし、他の天体(月ですが)にだって12人もが降り立っている。
初物の歴史的価値は、いささかくたびれてしまっている。
数年後に、インドが地球周回軌道に人間を送り込んだとしても、そのニュースは3日くらいしか持たない(たぶん)。
もちろん、歴史的事実としては残る。
その頃には、弾道飛行を飛んだ人類が、山のように生まれているかもしれないからな。
エベレストと高尾山(東京近郊の手軽に行ける山です)くらいの違いがある話だけどな。
(高尾山)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B0%BE%E5%B1%B1
「東京都八王子市にある標高599mの山である。」
まあ、どうでもいいんですが。
有人宇宙飛行という意味では、弾道飛行だってそうかもしれない。
気分だけ、味わうことが出来るからな。
月周回旅行とは、文字通り桁違いの話だが、その違いを理解するのは困難かも知れない。
宇宙飛行に変わりはない(そうなのかあ?)。
そういう状況の中で飛ぶ、インドの有人宇宙飛行が、内輪ウケ以上の意味を持つとは思えない。
いや、その技術を売りに出して、世界初の軌道周回旅行を始めるかもしれないしな。
格安で・・・。
終息の兆し?或いは最悪の予兆 ― 2018年12月30日 14:49
終息の兆し?或いは最悪の予兆
一昨日から昨日にかけては、コンゴ民主共和国(DRC)でのエボラの感染者数増加はゼロだ。
死者が1人増えただけに過ぎない(いずれも、疑い症例除く)。
ワクチン接種に加え、カクテル療法も始まり、患者の周囲への追跡調査による捕捉も完璧で、年明け早々の終息宣言になるのか?。
浮沈子のこのブログを読んでいれば、そんなことがあり得ないことは明白だ。
今朝チェックした当局のレポートには、絶望的な内容が書かれている(しかも赤字で・・・)。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Samedi 29 décembre 2018)
https://us13.campaign-archive.com/?u=89e5755d2cca4840b1af93176&id=64b82ce1d7
「Beni、Butembo、Komanda、Mabalakoでの暴徒の活動の麻痺のために、新たに確認された0例が検出された。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
疑い症例(サスペクテッド)は21件。
数日前の10分の1。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Lundi 24 décembre 2018)
https://us13.campaign-archive.com/?u=89e5755d2cca4840b1af93176&id=8511854d94
この時点では、213人が該当する。
それが21件に減っている(昨日は12件だから、やや増えているともいうが低調であることは間違いない)。
この数字は検査結果待ちの患者さんということになるんだろうが、既に発症しているわけで、他の病気の場合はともかく、エボラなら半数以上は助からない。
当局が把握しているだけの数字だが、その把握が出来ていないということになる。
ここの数字が少なくて、感染者や死者の数字が増えないというのが一番いい。
完全終息が近いということになる。
次にいいのは、疑い症例はそこそこあって、患者の捕捉は十分に行われているんだが、感染者や死者数が増えない状況だ。
まあ、マラリアとか他の病気の可能性があるので、あまり嬉しい状態ではないけどエボラ的には望ましい状態だ。
疑いが多く、感染者や死者の増加がそこそこあるというのは、現地対応がきちんと行われ、感染のスピードと防御とが拮抗している状態で、どちらが速いかを固唾を飲んで見守る状態。
いいとも悪いともいえないが、少なくとも感染爆発が起こった時のアラートが期待できる。
疑いが少なく、感染者死者がそこそこ増えているというのは、捕捉が十分に行われていないわけで、どこかに隠れた感染経路が生きているということになる。
上手く捕まえられるか、自然消滅しない限り、感染は収まらない。
で、現状は不気味だ。
保健活動が阻害され、患者の捕捉が行われず、加えてワクチン接種も止まっている。
感染者死者の数字はほとんど動かないが、実態は潜っている可能性が高い。
コミュニティの中に深く静かに潜在し、一気に表面化するのを待っているのかもしれない。
いや、このところ、感染の勢い自体はそれ程ではないので、ひょっとしたら本当に終息に向かっているのかも・・・。
そうだといいんだが、浮沈子的には、そうでない方に1票だな。
目に見えない感染症の脅威を断ち切るには、検査によって可視化された脅威から、物理的に地域社会を隔離していくしかない(実際には、患者の方を隔離するけど)。
同時に、感染のリスクと潜伏期間とを考慮して、適切な範囲でワクチンを打ち続けて、防壁を高くしていく。
エボラの感染力は、通常それ程じゃないので(接触感染と飛沫感染)、それでも十分効果は期待できる。
ワクチンも限られているしな。
数百万人分のワクチンが直ちに供給可能なら、トレースなどという煩わしいことをしないで、片っ端から接種していけばいい。
今回は、30万人分くらいしかないらしい。
原料規模でそのくらいだという。
製品として直ちに出荷できる量は知らないが、おそらくはるかに少ないだろう。
それを有効に使うためのトレースでもある。
それが止まっている。
「BeniとButemboのチームによる監視活動は、2018年12月29日土曜日の今週の厳しい制限でした。したがって、調査されたアラートはほとんどありませんでした。」
「3日連続でワクチン接種は行われませんでした。」
「人口による抗議の後のGoma、Beni、Butembo、Katwa、KomandaおよびMabalakoの予防接種の中断。」
まあいい。
今日は、現地を除く地域で、大統領選挙が行われているはずだ。
年明けには、新たな大統領が適切な対応をとるだろう(そうなのかあ?)。
4年前の西アフリカの大流行の時にも、同じような話は聞いた。
確かギニアだったと記憶しているけど、政治的な対立がある地域では、エボラの対応には協力的ではないという話があった。
欧州人が持ち込んだ疫病だとか、政敵が蔓延させているとか、この地域だけ、わざと対応を遅らせているとか・・・。
何度も書くが、ブテンボは大都市圏だ。
周辺人口を合わせると100万人規模だと言われる。
ここで、トレース不可能な規模で感染爆発が起これば、ワクチンなどはあっという間に底を尽き、人的資源も物的資源もぶっ飛んでしまう。
じりじりと増えてきているけど、今のところ、そういう事態には至っていない。
ちゃんと監視されているからな。
感染者の周囲には、トレースとワクチンによって築かれた高い壁がある・・・。
はずなんだが、それも怪しくなっている。
検査機関は機能しているようだが、検査すべき検体が届かない状況だからな。
しかし、まあ、それ程悲観すべき状況ではないのかもしれない。
曲がりなりにも政府は機能し、かつてのリベリアのように、政府高官が海外に逃げ出すような事態にはなっていない。
一連の騒動が治まれば、エボラ撲滅に向けての通常の活動が戻ってくるだろう。
「2018年12月29日(土)、BeniとButemboで、対応の活動が臆病に再開されました。ベニトランジットセンターの修復作業が進行中です。デモ隊による道路上に置かれたバリケードの除去は救急車が循環し、何人かの病気の患者を回復させることを可能にした。両都市の研究所は稼動していた。」
「いくつかの堂々とした安全な埋葬が両方の保健ゾーンで行われました。」
終息の兆しはまだ遠く、さりとて最悪の事態にはなっていない。
現実は、概ねその両極端の間にあって、どっちに転がろうかと揺れているのだ。
春が来る頃には、終息の方に向かっていて欲しいもんだな・・・。
一昨日から昨日にかけては、コンゴ民主共和国(DRC)でのエボラの感染者数増加はゼロだ。
死者が1人増えただけに過ぎない(いずれも、疑い症例除く)。
ワクチン接種に加え、カクテル療法も始まり、患者の周囲への追跡調査による捕捉も完璧で、年明け早々の終息宣言になるのか?。
浮沈子のこのブログを読んでいれば、そんなことがあり得ないことは明白だ。
今朝チェックした当局のレポートには、絶望的な内容が書かれている(しかも赤字で・・・)。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Samedi 29 décembre 2018)
https://us13.campaign-archive.com/?u=89e5755d2cca4840b1af93176&id=64b82ce1d7
「Beni、Butembo、Komanda、Mabalakoでの暴徒の活動の麻痺のために、新たに確認された0例が検出された。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
疑い症例(サスペクテッド)は21件。
数日前の10分の1。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Lundi 24 décembre 2018)
https://us13.campaign-archive.com/?u=89e5755d2cca4840b1af93176&id=8511854d94
この時点では、213人が該当する。
それが21件に減っている(昨日は12件だから、やや増えているともいうが低調であることは間違いない)。
この数字は検査結果待ちの患者さんということになるんだろうが、既に発症しているわけで、他の病気の場合はともかく、エボラなら半数以上は助からない。
当局が把握しているだけの数字だが、その把握が出来ていないということになる。
ここの数字が少なくて、感染者や死者の数字が増えないというのが一番いい。
完全終息が近いということになる。
次にいいのは、疑い症例はそこそこあって、患者の捕捉は十分に行われているんだが、感染者や死者数が増えない状況だ。
まあ、マラリアとか他の病気の可能性があるので、あまり嬉しい状態ではないけどエボラ的には望ましい状態だ。
疑いが多く、感染者や死者の増加がそこそこあるというのは、現地対応がきちんと行われ、感染のスピードと防御とが拮抗している状態で、どちらが速いかを固唾を飲んで見守る状態。
いいとも悪いともいえないが、少なくとも感染爆発が起こった時のアラートが期待できる。
疑いが少なく、感染者死者がそこそこ増えているというのは、捕捉が十分に行われていないわけで、どこかに隠れた感染経路が生きているということになる。
上手く捕まえられるか、自然消滅しない限り、感染は収まらない。
で、現状は不気味だ。
保健活動が阻害され、患者の捕捉が行われず、加えてワクチン接種も止まっている。
感染者死者の数字はほとんど動かないが、実態は潜っている可能性が高い。
コミュニティの中に深く静かに潜在し、一気に表面化するのを待っているのかもしれない。
いや、このところ、感染の勢い自体はそれ程ではないので、ひょっとしたら本当に終息に向かっているのかも・・・。
そうだといいんだが、浮沈子的には、そうでない方に1票だな。
目に見えない感染症の脅威を断ち切るには、検査によって可視化された脅威から、物理的に地域社会を隔離していくしかない(実際には、患者の方を隔離するけど)。
同時に、感染のリスクと潜伏期間とを考慮して、適切な範囲でワクチンを打ち続けて、防壁を高くしていく。
エボラの感染力は、通常それ程じゃないので(接触感染と飛沫感染)、それでも十分効果は期待できる。
ワクチンも限られているしな。
数百万人分のワクチンが直ちに供給可能なら、トレースなどという煩わしいことをしないで、片っ端から接種していけばいい。
今回は、30万人分くらいしかないらしい。
原料規模でそのくらいだという。
製品として直ちに出荷できる量は知らないが、おそらくはるかに少ないだろう。
それを有効に使うためのトレースでもある。
それが止まっている。
「BeniとButemboのチームによる監視活動は、2018年12月29日土曜日の今週の厳しい制限でした。したがって、調査されたアラートはほとんどありませんでした。」
「3日連続でワクチン接種は行われませんでした。」
「人口による抗議の後のGoma、Beni、Butembo、Katwa、KomandaおよびMabalakoの予防接種の中断。」
まあいい。
今日は、現地を除く地域で、大統領選挙が行われているはずだ。
年明けには、新たな大統領が適切な対応をとるだろう(そうなのかあ?)。
4年前の西アフリカの大流行の時にも、同じような話は聞いた。
確かギニアだったと記憶しているけど、政治的な対立がある地域では、エボラの対応には協力的ではないという話があった。
欧州人が持ち込んだ疫病だとか、政敵が蔓延させているとか、この地域だけ、わざと対応を遅らせているとか・・・。
何度も書くが、ブテンボは大都市圏だ。
周辺人口を合わせると100万人規模だと言われる。
ここで、トレース不可能な規模で感染爆発が起これば、ワクチンなどはあっという間に底を尽き、人的資源も物的資源もぶっ飛んでしまう。
じりじりと増えてきているけど、今のところ、そういう事態には至っていない。
ちゃんと監視されているからな。
感染者の周囲には、トレースとワクチンによって築かれた高い壁がある・・・。
はずなんだが、それも怪しくなっている。
検査機関は機能しているようだが、検査すべき検体が届かない状況だからな。
しかし、まあ、それ程悲観すべき状況ではないのかもしれない。
曲がりなりにも政府は機能し、かつてのリベリアのように、政府高官が海外に逃げ出すような事態にはなっていない。
一連の騒動が治まれば、エボラ撲滅に向けての通常の活動が戻ってくるだろう。
「2018年12月29日(土)、BeniとButemboで、対応の活動が臆病に再開されました。ベニトランジットセンターの修復作業が進行中です。デモ隊による道路上に置かれたバリケードの除去は救急車が循環し、何人かの病気の患者を回復させることを可能にした。両都市の研究所は稼動していた。」
「いくつかの堂々とした安全な埋葬が両方の保健ゾーンで行われました。」
終息の兆しはまだ遠く、さりとて最悪の事態にはなっていない。
現実は、概ねその両極端の間にあって、どっちに転がろうかと揺れているのだ。
春が来る頃には、終息の方に向かっていて欲しいもんだな・・・。
地球温暖化とダイビングの関係 ― 2018年12月30日 22:52
地球温暖化とダイビングの関係
浮沈子がインストラクターの免状(つーのかあ?)を貰っているP社は、環境保護に熱心で、サンゴやサメを保護しましょうとか、そういう活動も行っている(ゴミ拾いとかもしてますが)。
(AWAREサンゴ礁の保護スペシャルティ・コース)
https://www.padi.co.jp/scuba-diving/padi-courses/course-catalog/aware-coral-reef-conservation-course/
「世界のサンゴ礁が直面している重大な危機を知り、サンゴ礁がどのように機能していて、なぜそれほどまでに重要かを理解することができます。また、なぜ多くのサンゴ礁が重大な危機に直面しているのか、これ以上の悪化を防ぐためにできることについても理解できるようになります。」
(Project AWAREとは)
https://www.padi.co.jp/visitors/aware/
「「Sharks in Peril(危機に瀕するサメ)」と「Marine Debris(海のゴミ)」という2つの深刻な問題に対し、ダイバーは現状や今後の変化に影響を与えることができる立場にいます。」
宣伝はこれくらいでいいか・・・。
会社の方針にたてつくわけではないんだが、世界人口の1パーセントにも満たないダイバーが活動したって、大した効果はないと思うんだが、何もやらないよりは1000倍いい(今日は、大盤振る舞いだな・・・)。
グリーンランドの氷が解けているとか、南極(特に西南極)の氷が解けているとか言われている。
(ここ20年でグリーンランドの氷は予想を超える勢いで溶けていることが明らかに)
https://gigazine.net/news/20181210-greenland-ice-sheet-melting-fast/
「グリーンランドの氷床が少なくともここ350年では前例がないほどの速度で溶けていると報告されています。」
(南極の氷は、5年前の「3倍速」で消えている──衝撃的な研究の舞台裏)
https://wired.jp/2018/07/09/antarcticas-stunning-ice-loss/
「南極大陸から海に流れて失われる氷の量の割合は、3倍に増えているのが確認されています」
地球は確かに温暖化しつつある。
海の生態系にも、甚大な影響が出ているし、それはダイビングにも影響してくるだろう。
明らかに分かっているのは、海水温が高くなると、サンゴが白化するということだ。
(サンゴの白化は温暖化のせい?)
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/18/18-1/qa_18-1-j.html
「サンゴの棲息に適する水温は25°Cから28°Cといわれており、30°Cを超える水温の状態が長期間続くと白化が起こります。」
実際、フィリピンで潜っていたころには、端っこが白くなっているのを何度も見ている。
しかし、まあ、一時的なものらしく、水温が下がってくると、また茶色っぽくなる。
中には、戻らないのもあるようだが、それは一部だ。
長期に渡って海水温が上昇し続ければ、回復しないままになる可能性もある。
が、しかし、失われるだけではない。
中緯度から高緯度地方では、新たにサンゴ礁が形成されたりするかもしれない。
まあ、その辺りの海岸は、人間による開発が進んでいる(どっかでは、軍事基地作るために、埋め立て始めたようだしな)。
人間活動との間で、いろいろややっこしい話が出てくるかもしれない。
ダイビングは、基本的には沿岸のごく浅い海で潜る。
大型の回遊魚とかを見られる地域もあるが、それこそ例外だな。
ふつーは、小魚が多い。
生態系的にも、プランクトン>>>小魚>>中魚(つーのかあ?)>大魚というのが常識だ。
小魚は、プランクトン(自力であまり移動できない、漂ったり浮かんだりしている生き物のこと:業界では、「浮遊系」ともいう)を食べている。
こいつらは、海洋生態系のコメだ。
環境に影響されやすく、膨大な生命量がある。
サンゴのように、海底に貼り付いている底生生物(ベントスというらしい)じゃないから、あまりよく分らないけどな(小さいので、老眼にはキビシー)。
クラゲもプランクトンだけどな。
あのくらい大きいと、見えるんだがな(あんま、見たくないですが・・・)。
で、ふつーのサカナ(ネクトンというらしい)は、結局、巨大な生物量であるプランクトンに依存している。
さらには、近海性の小魚などは、沿岸の岩陰とか、それこそサンゴ礁が頼りだ。
ド派手な、マンタとか、ハンマーヘッドシャーク(まだ見たことないですが)、ジンベイなどは、みんな、より環境に繊細に依存するベントスやプランクトンのおかげで生きていられる。
だから、環境の変化は、いつか、目に見える形でダイビングにも影響が出てくるに違いない。
海面水温の変化は、もちろん直接的にダイバーに影響する。
寒いのや冷たいのが苦手な浮沈子は、暖かい南の島が大好きだが、水温30度とかで潜ると、のぼせてしまいそうになることがある。
数m潜って、ようやく適温と感じる。
温暖化が進んで海水温が高くなり過ぎると、ダイビングに適さないポイントが出来てしまうのではないかと気になるが、まあ、体温より高くなることはないだろうから、適切な保護スーツを選べば問題はないだろう。
むしろ、流氷ダイビングとかのポイントが心配だな。
個人的には絶対行かないけど、それを楽しみにしているダイバーがいることは確かだ(えーと、アフターダイビングのご馳走が目当てかも)。
まあ、どうでもいいんですが。
暖かくなると、寒冷の地域(高緯度地域)の方が大きな影響が出てくる。
グリーンランドや南極の氷が解けるのも、そのせいだからな。
低緯度も確かに暖かくなるが、もともと暑いからな。
そうはいっても、南アジアとかでは影響がデカいらしい。
人間が住める気温ではなくなるという話もある。
(南アジア、2100年に「生存不可能レベル」の猛暑に 研究)
http://www.afpbb.com/articles/-/3137977
「南アジアでこの多大な弊害をもたらす湿球温度にさらされる人口の割合は、現在の0%から約30%にまで上昇すると、論文は指摘している。特に人口密度が高い農業が盛んな地域では最悪の影響が生じる恐れがある。」
が、まあ、地面は沢山あるから、移住していけばいいだけだ(そう簡単にいくかあ?)。
海面上昇だって、70m高いところに移り住めばいいだけの話だ(数万年先ですが)。
沿岸の都市に投じた膨大な資産は無駄になるが、新しい住処の開発や、都市機能の移転で生じるビジネスチャンスを生かした方が得策だな。
今後、100年くらいでは、最大でも1m未満しか上がらないからな。
堤防とかをかさ上げするなり、排水設備を増強すれば対応できるだろう。
それよりも、気候変化に伴う大規模な台風、ハリケーン、サイクロンが問題だ(それぞれ太平洋、大西洋、インド洋)。
進路に当たるところでは、壊滅的な大災害が生じる可能性がある。
概ね人間の活動の結果だから、甘んじて受けるしかない。
災害に強い都市を、なるべくなら高いところに計画的に作っていく。
いずれ水没する沿岸地域には、あまり社会資本が投下されなくなっていくかもしれない。
ダイビングで潤う地域は、もちろん、沿岸地域だからな。
そういう点では、いい傾向とは言えないかもしれないな。
海面が上昇すると、海抜表示とかも変わるからな。
高所潜水とかにも影響するかもしれない。
浮沈子は詳しくないので割愛するが、P社の基準では、標高300m以上の場合は、補正が必要だ。
まあ、今は、ダイコンが良きに計らってくれるんだろうが、知識としては知っておく必要がある。
海面上昇して、標高が下がれば、今まで適応だった湖とかが、ふつーのダイビングになるかも知れない(まあ、ほとんど影響ないでしょうが)。
保守的に考えれば、今まで通りの潜り方でも、問題はない。
ざっと眺めてみると、地球温暖化に伴って、ダイビングで何かが大きく変わるということはない。
つーか、何か変化があったとしても、それが地球温暖化のせいなのかどうかは直ちには言えない。
数万年というスケールの話と、今後数十年という話がごっちゃになっている。
気候変動とか、海面水温の上昇とかは、比較的短い時間で影響が出る。
待ったなしだ。
海洋生物は、既に述べたように、環境変化に敏感に対応するから、水中で見られる風景には明らかに影響が及ぶだろう。
我々の次の世代のダイバーは、同じポイントでも、異なる環境で潜ることになる。
海面上昇は、数百年から数千年以上先の話だ。
今の時点でダイビングに直接影響はない(たぶん)。
都市が水没したりして、潜りに行けなくなるのは、あったとしても南の島の一部だけだろう(実際に、そういうことになるかは知りません)。
浮沈子が生きている間は、もちろん、何の影響もない。
遠い未来のために、二酸化炭素の排出を抑制しようとして、飛行機乗らなかったりするなどという選択は有り得ない。
二酸化炭素の排出を抑えるためと称して、CCRで潜ることはあるかも知れない(そうなのかあ?)。
まあいい。
地球温暖化は、それに対する人間活動の関与の程度は議論があるにしても、現実の問題だ。
海面上昇も、SFとかではなく、実際に観測されている事象だ。
その程度は、現在は微々たるもんだが、影響が目に見えるようになった時点では、後戻りできないしな。
幸い、浮沈子は、その頃にはこの世にはいない。
先々のことは、未来の人類に任せる(そんなあ!)。
3日後には、暖かい南の島で潜ってるしな・・・。
(寒冷期と温暖期の繰り返し:追加)
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/24/24-2/qa_24-2-j.html
「氷期が今後3万年以内に始まる確率は低いと予測されています。また、現在の高い大気中の温室効果ガス濃度により氷期の開始が遅れる可能性があるとも指摘されています」
浮沈子がインストラクターの免状(つーのかあ?)を貰っているP社は、環境保護に熱心で、サンゴやサメを保護しましょうとか、そういう活動も行っている(ゴミ拾いとかもしてますが)。
(AWAREサンゴ礁の保護スペシャルティ・コース)
https://www.padi.co.jp/scuba-diving/padi-courses/course-catalog/aware-coral-reef-conservation-course/
「世界のサンゴ礁が直面している重大な危機を知り、サンゴ礁がどのように機能していて、なぜそれほどまでに重要かを理解することができます。また、なぜ多くのサンゴ礁が重大な危機に直面しているのか、これ以上の悪化を防ぐためにできることについても理解できるようになります。」
(Project AWAREとは)
https://www.padi.co.jp/visitors/aware/
「「Sharks in Peril(危機に瀕するサメ)」と「Marine Debris(海のゴミ)」という2つの深刻な問題に対し、ダイバーは現状や今後の変化に影響を与えることができる立場にいます。」
宣伝はこれくらいでいいか・・・。
会社の方針にたてつくわけではないんだが、世界人口の1パーセントにも満たないダイバーが活動したって、大した効果はないと思うんだが、何もやらないよりは1000倍いい(今日は、大盤振る舞いだな・・・)。
グリーンランドの氷が解けているとか、南極(特に西南極)の氷が解けているとか言われている。
(ここ20年でグリーンランドの氷は予想を超える勢いで溶けていることが明らかに)
https://gigazine.net/news/20181210-greenland-ice-sheet-melting-fast/
「グリーンランドの氷床が少なくともここ350年では前例がないほどの速度で溶けていると報告されています。」
(南極の氷は、5年前の「3倍速」で消えている──衝撃的な研究の舞台裏)
https://wired.jp/2018/07/09/antarcticas-stunning-ice-loss/
「南極大陸から海に流れて失われる氷の量の割合は、3倍に増えているのが確認されています」
地球は確かに温暖化しつつある。
海の生態系にも、甚大な影響が出ているし、それはダイビングにも影響してくるだろう。
明らかに分かっているのは、海水温が高くなると、サンゴが白化するということだ。
(サンゴの白化は温暖化のせい?)
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/18/18-1/qa_18-1-j.html
「サンゴの棲息に適する水温は25°Cから28°Cといわれており、30°Cを超える水温の状態が長期間続くと白化が起こります。」
実際、フィリピンで潜っていたころには、端っこが白くなっているのを何度も見ている。
しかし、まあ、一時的なものらしく、水温が下がってくると、また茶色っぽくなる。
中には、戻らないのもあるようだが、それは一部だ。
長期に渡って海水温が上昇し続ければ、回復しないままになる可能性もある。
が、しかし、失われるだけではない。
中緯度から高緯度地方では、新たにサンゴ礁が形成されたりするかもしれない。
まあ、その辺りの海岸は、人間による開発が進んでいる(どっかでは、軍事基地作るために、埋め立て始めたようだしな)。
人間活動との間で、いろいろややっこしい話が出てくるかもしれない。
ダイビングは、基本的には沿岸のごく浅い海で潜る。
大型の回遊魚とかを見られる地域もあるが、それこそ例外だな。
ふつーは、小魚が多い。
生態系的にも、プランクトン>>>小魚>>中魚(つーのかあ?)>大魚というのが常識だ。
小魚は、プランクトン(自力であまり移動できない、漂ったり浮かんだりしている生き物のこと:業界では、「浮遊系」ともいう)を食べている。
こいつらは、海洋生態系のコメだ。
環境に影響されやすく、膨大な生命量がある。
サンゴのように、海底に貼り付いている底生生物(ベントスというらしい)じゃないから、あまりよく分らないけどな(小さいので、老眼にはキビシー)。
クラゲもプランクトンだけどな。
あのくらい大きいと、見えるんだがな(あんま、見たくないですが・・・)。
で、ふつーのサカナ(ネクトンというらしい)は、結局、巨大な生物量であるプランクトンに依存している。
さらには、近海性の小魚などは、沿岸の岩陰とか、それこそサンゴ礁が頼りだ。
ド派手な、マンタとか、ハンマーヘッドシャーク(まだ見たことないですが)、ジンベイなどは、みんな、より環境に繊細に依存するベントスやプランクトンのおかげで生きていられる。
だから、環境の変化は、いつか、目に見える形でダイビングにも影響が出てくるに違いない。
海面水温の変化は、もちろん直接的にダイバーに影響する。
寒いのや冷たいのが苦手な浮沈子は、暖かい南の島が大好きだが、水温30度とかで潜ると、のぼせてしまいそうになることがある。
数m潜って、ようやく適温と感じる。
温暖化が進んで海水温が高くなり過ぎると、ダイビングに適さないポイントが出来てしまうのではないかと気になるが、まあ、体温より高くなることはないだろうから、適切な保護スーツを選べば問題はないだろう。
むしろ、流氷ダイビングとかのポイントが心配だな。
個人的には絶対行かないけど、それを楽しみにしているダイバーがいることは確かだ(えーと、アフターダイビングのご馳走が目当てかも)。
まあ、どうでもいいんですが。
暖かくなると、寒冷の地域(高緯度地域)の方が大きな影響が出てくる。
グリーンランドや南極の氷が解けるのも、そのせいだからな。
低緯度も確かに暖かくなるが、もともと暑いからな。
そうはいっても、南アジアとかでは影響がデカいらしい。
人間が住める気温ではなくなるという話もある。
(南アジア、2100年に「生存不可能レベル」の猛暑に 研究)
http://www.afpbb.com/articles/-/3137977
「南アジアでこの多大な弊害をもたらす湿球温度にさらされる人口の割合は、現在の0%から約30%にまで上昇すると、論文は指摘している。特に人口密度が高い農業が盛んな地域では最悪の影響が生じる恐れがある。」
が、まあ、地面は沢山あるから、移住していけばいいだけだ(そう簡単にいくかあ?)。
海面上昇だって、70m高いところに移り住めばいいだけの話だ(数万年先ですが)。
沿岸の都市に投じた膨大な資産は無駄になるが、新しい住処の開発や、都市機能の移転で生じるビジネスチャンスを生かした方が得策だな。
今後、100年くらいでは、最大でも1m未満しか上がらないからな。
堤防とかをかさ上げするなり、排水設備を増強すれば対応できるだろう。
それよりも、気候変化に伴う大規模な台風、ハリケーン、サイクロンが問題だ(それぞれ太平洋、大西洋、インド洋)。
進路に当たるところでは、壊滅的な大災害が生じる可能性がある。
概ね人間の活動の結果だから、甘んじて受けるしかない。
災害に強い都市を、なるべくなら高いところに計画的に作っていく。
いずれ水没する沿岸地域には、あまり社会資本が投下されなくなっていくかもしれない。
ダイビングで潤う地域は、もちろん、沿岸地域だからな。
そういう点では、いい傾向とは言えないかもしれないな。
海面が上昇すると、海抜表示とかも変わるからな。
高所潜水とかにも影響するかもしれない。
浮沈子は詳しくないので割愛するが、P社の基準では、標高300m以上の場合は、補正が必要だ。
まあ、今は、ダイコンが良きに計らってくれるんだろうが、知識としては知っておく必要がある。
海面上昇して、標高が下がれば、今まで適応だった湖とかが、ふつーのダイビングになるかも知れない(まあ、ほとんど影響ないでしょうが)。
保守的に考えれば、今まで通りの潜り方でも、問題はない。
ざっと眺めてみると、地球温暖化に伴って、ダイビングで何かが大きく変わるということはない。
つーか、何か変化があったとしても、それが地球温暖化のせいなのかどうかは直ちには言えない。
数万年というスケールの話と、今後数十年という話がごっちゃになっている。
気候変動とか、海面水温の上昇とかは、比較的短い時間で影響が出る。
待ったなしだ。
海洋生物は、既に述べたように、環境変化に敏感に対応するから、水中で見られる風景には明らかに影響が及ぶだろう。
我々の次の世代のダイバーは、同じポイントでも、異なる環境で潜ることになる。
海面上昇は、数百年から数千年以上先の話だ。
今の時点でダイビングに直接影響はない(たぶん)。
都市が水没したりして、潜りに行けなくなるのは、あったとしても南の島の一部だけだろう(実際に、そういうことになるかは知りません)。
浮沈子が生きている間は、もちろん、何の影響もない。
遠い未来のために、二酸化炭素の排出を抑制しようとして、飛行機乗らなかったりするなどという選択は有り得ない。
二酸化炭素の排出を抑えるためと称して、CCRで潜ることはあるかも知れない(そうなのかあ?)。
まあいい。
地球温暖化は、それに対する人間活動の関与の程度は議論があるにしても、現実の問題だ。
海面上昇も、SFとかではなく、実際に観測されている事象だ。
その程度は、現在は微々たるもんだが、影響が目に見えるようになった時点では、後戻りできないしな。
幸い、浮沈子は、その頃にはこの世にはいない。
先々のことは、未来の人類に任せる(そんなあ!)。
3日後には、暖かい南の島で潜ってるしな・・・。
(寒冷期と温暖期の繰り返し:追加)
http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/24/24-2/qa_24-2-j.html
「氷期が今後3万年以内に始まる確率は低いと予測されています。また、現在の高い大気中の温室効果ガス濃度により氷期の開始が遅れる可能性があるとも指摘されています」
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