レーシングポルシェの系譜(その12)9172013年11月12日 09:46

レーシングポルシェの系譜(その12)917
レーシングポルシェの系譜(その12)917


このクルマは、これだけで1冊の本が書けてしまうという、ものすごいクルマだ。

(Porsche 917 Le Mans 1969-71 (Joe Honda Sportscar Spectacles by HIRO No.3) [ムック])
http://www.amazon.co.jp/Porsche-1969-71-Honda-Sportscar-Spectacles/dp/4905248280/ref=pd_cp_b_0

買っちゃおうかな?。

(Porsche 917 Daytona, Watkins Glen and Can-am 1970 (Joe Honda Sportscar Spectacles by HIRO No.4) [ムック])
http://www.amazon.co.jp/Porsche-Daytona-Watkins-Sportscar-Spectacles/dp/4905248310/ref=pd_sim_b_1

これも、買っちゃおうかな?。

ネットを検索していたら、こんなページがあった。

(917K)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/04/11/6774757

すいません、このブログでした!。

エンジンについての記述に詳しいページがあった。

(1970/1971 PORSCHE 917K)
http://ameblo.jp/akiyabuki/entry-10485510988.html

「917は最大5リッターというグループ4のルールに合わせて4.5リッターというそれまでポルシェでは考えられなかった大排気量エンジンが採用されていた。912型と命名されたこのユニットはDOHC空冷フラット12というデザインを選択した。グループ4で容認されていた5リッターフルスケールとしなかったのは開発を早めるためピストンとコンロッドを908の3リッターユニット(908型)からの流用としたためであり、要するに912型は908型の12気筒版という単純な図式だったというわけである。この他、燃料噴射システムやバルブトレインなども基本的に908型に準じていたものの、シリンダーヘッドを新設計とすることで新たにバルブアングルを71°から65°に変更するなど燃焼室のコンパクト化を実現していたのが特徴である。」

そうだったのか!。

けっして、フラットシックスを繋いだわけではないのだ。

「また排気量が50%もアップした912型にとって熱対策と大幅に長くなったクランクシャフトの捻り剛性アップは大きな課題となった。熱対策については冷却ファンのパワーを上げダクト類の設計を改めた他、オイルポンプを強化するといった正攻法でクリアすることができたが、クランクシャフトについては少々時間を必要とした。コンベンショナルな設計ではどうしてもクランクシャフトの捻れに伴うパワーロスと耐久性の低下から逃れることができなかったのである。ちろんクランクシャフトそのものを強化すれば問題をクリアすることはできたが、軽量&ハイパフォーマンスを是としていたポルシェにとって頑丈さと引き替えに重くなることは許し難い悪設計だったのである。」

「結局912型のクランクシャフトは少々設計が複雑になるのを承知でセンターパワーテイクオフを採ることとなった。これなら事実上2基のフラット6ユニットを連結した構造に等しく、クランクシャフトの剛性的には何の問題も無かった。こうして完成した912型ユニットはクランクセンターアウトプットとあって、クランクシャフトの下部をメインアウトプットシャフトが通っていたことからやや全高があったものの大排気量フラット12としてはシンプルにまとまっていた。ユニットのてっぺんにプラスチック製の大きな冷却ファンが設けられていたのは他のポルシェフラットと同じ。シリンダーヘッドを新設計したことで気持ち小振りになってはいたものの全体の印象はほとんど変わっていなかった。冷却ファンの両側にはインテークファンネルが6本づつズラリと並んでいたが、インジェクターがファンネルの入り口近くに設けられていたのが908から採用されていたポルシェの特徴でもあった。」

結果的に、センターテイクオフにしたために、見かけ上フラット6×2になっただけなのである。

あんまりコピペすると怒られそうなので、このくらいで。

(ポルシェ・917)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB917

(水平対向12気筒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%B9%B3%E5%AF%BE%E5%90%9112%E6%B0%97%E7%AD%92

「1969年にポルシェが耐久レースに投入したポルシェ・917は空冷水平対向12気筒を搭載していた。このエンジンはポルシェ・908で用いられた水平対向8気筒エンジンの発展型であるが、クランクシャフトは908エンジンの水平対向型ではなくV型12気筒と同じ形式のものが用いられた。」

「このエンジンとポルシェ・917は当時の耐久レースで大きく活躍し、後のフェラーリのF1エンジン開発にも影響を及ぼす事になった。当時、フェラーリが耐久レースに投入していたV型12気筒のフェラーリ・512は最後までポルシェ・917に苦戦を強いられ続けたからである。1970年、フェラーリはF1に水冷3L水平対向12気筒エンジンを搭載したフェラーリ・312Bを投入。1980年のフェラーリ・312T5まで約10年間、水平対向12気筒でF1世界選手権を戦い抜く事になった。」

名付けて、「こんちきしょう!」保存の法則であるな。

フォード→ポルシェ→フェラーリというわけである。

フェラーリの熱狂的なファンを、ティフォシというそうだ。

(ティフォシ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B7

ポルシェの熱狂的なファンは、なんていうのだろうか。

ポルシェビキ(≒ポルシェ贔屓)≒ボルシェビキ(≒ボリシェヴィキ=ソビエト共産党の前身)とかいうのかも・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

911の熱狂的なファン(特に空冷)はいるが、ポルシェ全体のファンというのは余り聞かない。

最近、急速に顧客層を広げてきているので、コアなファンの影が霞んできているのかもしれない。

輪をかけて、「レーシングポルシェの系譜」とかブログで書いて、ポルシェのDNAはMRだと主張している、不逞の輩もいるようだし・・・。

(Porsche 917:ドイツ語のウィキ)
http://de.wikipedia.org/wiki/Porsche_917

ピエヒをして、後に「人生で最もリスクの高いクルマ」であったと言わしめたとある。

記事の最後に、公道仕様にした917の話がかいてあるが、今でも走っているのだろうか。

ポルシェのページは、以下の通り。

(1970 Porsche 917-4.5 Kurzheck-Coupé:日本語)
http://www.porsche.com/japan/jp/motorsportandevents/motorsport/philosophy/history/racingcars/1970-917kurzheckcoupe/

「これまでポルシェがル・マンに送り込んできた4~8気筒エンジン搭載車は、いずれも比較的排気量の少ないクラスから出場していたため、総合優勝の可能性はごくわずかに限られていました。しかし917の活躍で、ポルシェはついに念願の総合優勝を果たしました。」

ポルシェらしい、控えめな表現だが、1951年の初参戦以来、20年目にして、ようやく手にした総合優勝であった。

狂喜乱舞、浮かれ騒いでいい。

まあ、ドイツじゃ流行らんだろうが・・・。

(1971 Porsche 917-4.5 Kurzheck-Coupé:日本語)
http://www.porsche.com/japan/jp/motorsportandevents/motorsport/philosophy/history/racingcars/1971-917kurzheckcoupe/

「マグネシウムを使うことで大幅に軽量化された917は、優れた走行性能で他を圧倒し、モーターファンの心に強く刻まれる一台となりました。スタートからしばらくは、ロングテール仕様の917が優勝を予感させる快調なペースで走ります。しかしカーナンバー22をつけた、マグネシウムシャシーの917-053に乗るDr.マルコ/バン・レネップ組は、スタート直後こそ後方の順位に控えていましたが、後半に向けてペースをあげ、スタートから13時間後にトップに立ちます。そして日曜午後4時に優勝のチェッカーを受けます。2位の917に2周、3位のフェラーリには31周もの差をつけての優勝でした。平均速度は222.30km/h、走行距離は当時のル・マン新記録となる5,335.16kmに達しました。」

「この記録は2010年に塗りかえられるまで39年の間最長であった。」と、日本語のウィキにはある。

とてつもない、クルマであったわけだ。

車両重量885kgとあるが、600馬力のエンジンである。

しかし、これで驚いてはいけない。

(1973 Porsche 908/3 Spyder:日本語)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1970-908-03spyder/

「ポルシェはそれまでの917クーペをさらに開発し、Can-Am仕様のオープンレーシングカーとして完成させました。12気筒エンジンにはポルシェ初のツインターボチャージャーが装備され、最高出力は850PSまでパワーアップされました。開発の成果はすぐに好成績となって表れました。1972年、5リッター・ターボエンジン搭載の917/10でカナディアン・アメリカン選手権に参戦したジョージ・フォルマーが、見事にタイトルを獲得しました。」

「1973年になると、917はこれまでに例のないほどの圧倒的な力を見せ、アメリカ国内でも人気のあるこのシリーズを席巻します。マーク・ダナヒューの乗った917/30は、当時オーバルコースで史上最強のレーシングカーと呼ばれました。搭載される12気筒エンジンの排気量は5.4リッターに拡大され、最高出力は1,100PSまで向上しました。シリーズ終了後のドライバーズランキングでは、上位がポルシェのドライバーによって占められました。」

最高出力1,100PSに対して、車両重量800kgとある。

最近、あまり聞かなくなったパワーウエイトレシオは、1kg以下である。

5,374ccの空冷式水平対向12気筒ツインターボエンジンて、反則じゃないのかあ?。

「このシリーズに使われる参加車両は、後にグループ7と規定されるレーシングカーで、排気量や過給器の使用も含め、レギュレーションは無制限に近いものでした。」

まあ、カンナムだからな。

(カナディアン-アメリカン・チャレンジカップ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97

「カナディアン-アメリカン・チャレンジカップ(Canadian-American Challenge Cup)、通称カンナム(Can-Am)は、かつてカナダとアメリカで行われていたプロトタイプレーシングカー選手権。」

「北米スポーツカーレースの最高峰カテゴリとしてSCCA( Sport Car Club of America )とCASC( Canadian Automobile Sport Clubs )が共同で開催した選手権シリーズ。中断期間を挟み1966年から1974年までの第一期(9年間)と、1976年から1986年までの第二期(10年間)に分けられる。」

「競技車輌は国際自動車連盟(FIA)のグループ7規定により並列2座席(第二期は単座)のオープントップボディ、エンジン排気量は2,500cc以上ならば上限なしとされた。1レースあたりの走行距離は200マイル前後(約320km)で、ドライバー交代はなし。インディカーやNASCARのようなオーバルコースは使用せず、北米各地のロードサーキットを転戦し、年間獲得ポイントによりドライバーズチャンピオンを決定した。」

「エンジン排気量無制限というルールが象徴するように技術面の自由度が高く、大排気量マシンの豪快なレース展開が人気を集めた。北米独自のシリーズながら、最盛期にはF1やスポーツカー世界選手権と比較されるほど注目された。ヨーロッパの有力コンストラクターが北米でのシェア拡大を目指して参戦し、「賞金総額世界一」を謳う報酬にひかれて一流ドライバーも数多く出場した。」

速いヤツがエライという、分かり易さ。

賞金額世界一という、最も分かりやすいステータス!。

「ポルシェの挑戦
1972年、スポーツカー世界選手権の規定変更をうけ、耐久レースの雄ポルシェがCan-Amに本格参戦する(ワークスの運営はペンスキー・レーシングが代行)。」

「シボレーV8エンジン勢(7~8.5リッター、約600馬力~900馬力)に対して、ターボチャージャーを装着した5リッター水平対向12気筒エンジンは公称1,100馬力の怪物的パワーを発揮(後に5.4リッターに拡大、ピークは1,580馬力にも達すると言われた)。」

エーッ!、1580馬力って、今でも最高じゃないのかあ?。

「ポルシェ勢がこのシーズンを席巻し、マクラーレンはワークス活動休止に追いやられた。翌1973年もポルシェの圧勝が続いたが、FIAが燃費規制を導入する方針を示したことで意欲を失い、ワークス活動から撤退することになる。」

破竹の勢いのポルシェを止めるために、主催者は、ヨーロッパでは排気量、北米では燃費で締め出すしか手が無かったわけだ。

技術では、最早、この惑星でポルシェに勝つことは出来なかったわけだ。

しかも、この時期にポルシェが売っていた市販車は、2.4リッターのFシリーズ(T、E、S)で、73年後半から、ようやく2.7リッターになろうというところである。

もちろん、ナローである。

あのポルシェターボは、1975年の発売だから、73年はフランクフルトでの試作車の公開のみであった。

惑星最強のメーカーが、市販車で牙を剥こうとしていたわけだな。

例によって、例の本(Typenkompass Porsche Renn-und Rennsportwagen seit 1948)。

「耐久レーサー
・917-4.5ロングテールクーペ(1969)12気筒4494cc
・917-4.5ショートテールクーペ(1969)12気筒4494cc:580馬力
・917PAスパイダー(1969:カンナム用)12気筒4494cc
・917-4.9ショートテールクーペ(1970)12気筒4907cc
・917-4.5ショートテールクーペ(1970)12気筒4494cc:580馬力:ルマン優勝車
・917-4.9ロングテールクーペ(1970-71)12気筒4907cc:600馬力
・917/16スパイダー(1970-71:カンナム用)16気筒6643cc:840馬力:試作車
・917-5.0ショートテールクーペ(1971)12気筒4907cc:630馬力:ルマン優勝車
・917/20クーペ(1971)12気筒4907cc:600馬力:豚
・917-5.0カンナムスパイダー(1971:カンナム用)12気筒4999cc:630馬力
・917-4.9スパイダー(1971:カンナム用)12気筒4907cc:600馬力
・917/10カンナムスパイダー(1972:カンナム用)12気筒ターボ4294cc:840馬力
・917/30スパイダー(1972-74:カンナム用)12気筒ターボ4294cc/4999cc:840馬力/1000馬力
・917/30カンナムスパイダー(1973:カンナム用)12気筒ターボ5374cc:1100馬力」

例によって、ポルシェ本国のページ。

(Porsche 917-4.5 Kurzheck-Coupé:1969)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/60ies/1969-917-4-5kurzheckcoupe/

(Porsche 917-4.5 Langheck-Coupé:1969)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/60ies/1969-917-4-5langheckcoupe/

(Porsche 917/16-Zylinder Spyder:1970 - 1971)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1970-917-16spyder/

(Porsche 917-4.9 Langheck-Coupé:1970-71)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1970-917-4-9langheckcoupe/

(Porsche-Austria 917-4.9 Kurzheck-Coupé:1970)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1970-austria917-4-5khcoupe/

(Porsche-Gulf 917-4.9 Kurzheck-Coupé:1970)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1970-gulf917-4-9kurzheckcoupe/

(Porsche-Gulf 917/20 “Sau“ Coupé:1971)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1971-917-20coupe-sau/

(Porsche 917-4.9 „Interserie“ Spyder:1971)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1971-917-4-9-spyder-interserie/

(Porsche 917-5.0 „Magnesium“ Kurzheck-Coupé:1971)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1971-917-5-0kurzheckcoupe-magnesium/

(Porsche 917/10 CanAm-Spyder:1972)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1972-917-10canamspyder/

(Porsche 917/10 CanAm-Spyder:1973)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/70ies/1973-917-30canamsyder/

この中で、「豚」についてはこうある。

「917/20
タイヤ周りの空気抵抗削減を狙い、ワイドボディを採用した実験的モデル。大柄な外見から"pig"(豚)というあだ名が付けられた。スポンサーのマルティーニがこのスタイリングを好まず、ボディにスポンサー名を一切書かないよう命じたというエピソードがある。1971年のル・マン24時間レースに出走した時にはボディ全体がピンク色に塗装され、各所に豚肉の部位が表記された。」

ドイツ野郎にも、ウイットのセンスがあるんだな。

また、917/16スパイダーは、「1971年にカナディアン-アメリカン・チャレンジカップ参戦を睨み試作された6.6L/750馬力の水平対向16気筒エンジンを搭載したもの。エンジンの全長が長くなりシャーシ全体を延長する必要が生じたために運動性の悪化を招き、後発の912型エンジンにターボチャージャーを追加した912/10型エンジンの方が高出力であったため、実戦投入は行われなかった。」とある。

正に、勝つためにはレギュレーション違反以外は、何でもやるという見本だな。

どうせなら、こいつにターボ付けちゃえば良かったのに(ブガッティ・ベイロンもビックリ!)。

まあいい。

コピペしていても、鼻血が出そうで困った。

こんなもんが、40年以上も前に走っていたと考えると、頭がクラクラする。

レーシングカーなんて、この時から進歩してないんじゃないかと思うくらいだ。

何冊か、本を買ったので、補足があれば、また書く。

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