レーシングポルシェの系譜(補遺)GT12013年11月13日 14:16

レーシングポルシェの系譜(補遺)GT1
レーシングポルシェの系譜(補遺)GT1


993のボディにツインターボエンジンを載せて、空を飛ぶマシンに仕立て上げたGT1。

浮沈子が、このクルマを取り上げたくなかったのは、このシーンがあるから。

(Porsche GT1 Flip:ロードアトランタ:驚愕の動画、出ます!)
http://www.youtube.com/watch?v=b31O4FmljGY

「空気の抜けの悪さとオーバーハングの長さなどが複合しあい、後のメルセデスベンツ・CLR同様のフロントが浮き上がり宙を舞う事故を起こしてしまった。」と日本語のウィキにある。

記事にあるように、1999年のルマンでは、メルセデスも飛んだ!。

(Le Mans 99' Mercedes CLR-GT1 Crash Live:衝撃の動画、出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=Ow3rxq7U1mA

この時は、中継で観ていたが、解説者がポルシェが飛んだ時のことを話していた。

高速サーキットでは、ダウンフォースと空気抵抗のバランスが難しい。

テクニカルコースならば、ダウンフォースを利かせて、コーナーリングスピードを稼げばいいが、ルマンのように350kmもの速度が出るコース(シケイン設置前は400km!)では、空気抵抗の低減で速度を稼ぐことも重要だ。

メルセデスは、空力未完成のまま持ち込んだ疑いがある。

ポーポイズ(フロントが周期的に上下する運動)を起こしていた記憶もある。

(ポルシェ・911 GT1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB911_GT1

「1994年に新GTカー規定の隙間を突いたマシン(ダウア-・ポルシェ962LM)がル・マン24時間レースで優勝を獲得したため、GTカー規定の枠組みの見直しが実施され、1995年から本来のGTカーによってレースが行なわれることになった。」

「そのため1995年になるとマクラーレン・F1がGTレースに参戦を開始し、圧倒的な強さを発揮した。一方ポルシェには、マクラーレン・F1と戦えるマシンは993GT2しか該当せず、戦闘力としてはマクラーレン・F1に勝てるものではなかった。」

「そこで急遽1996年のシーズンに間に合わせるため、ポルシェが911ベースのLM-GT1規定のレーシングカーとして開発したマシンが911GT1である。」

ここで、重要なのは、GT1がRRの911(993型)をベースとして作られている点であり、GTクラスなのだから当たり前なのだが、純粋にMRプロトタイプとして設計されたわけではないのである。

「1996年型
すでに衝突安全試験をクリアしている、ポルシェ911のキャビンとフロントのプレス鋼板セクションをそのまま活用したミッドシップのGTカー。結果として衝突安全試験をクリアする「裏技」を活用することで、開発期間の大幅な短縮を実現している。」

「構造的にはフロアパンとフロントセクションを活用してスペースフレームを張り巡らしミッドシップのエンジンマウントを採用した。」

「市販車のキャビンセクションとフロントセクションを流用したため、フロントサスペンションに充分なアーム長の確保ができず、またガソリンタンクも重心位置から離れたフロントにしか配置できなかったため、燃料消費による重心移動が激しかった。カウル形状は、市販車の911をイメージさせるボディフォルムを採用した。」

996型の911が登場するのは1998年だから、GT1の涙目ライトの96年型は、ボクスターのイメージというのが正しいんじゃないだろうか。

まあいい。

「1997年型
基本構成は1996年型と同一。1996年型のトラブル対策がメインで、変更認可がされない大がかりな箇所以外について見直しを実施。スペースフレーム部の剛性改善も実施。1996年型の丸型ヘッドライトから、ポルシェ・ボクスターに使用されている涙形ヘッドライトに変更されているのが外観上の特徴である。テールライトも同時に変更されている。なお実際に市販されたのはこの1997年型である。」

「1998年型
トヨタ・GT-One TS020に刺激を受け、ポルシェもいよいよプロトタイプ的なルックスを持つGTカーを製作するに至った。ルーフまでを一体となった、シャシーのカーボンモノコック化を実施、ウイークポイントであったフロントセクションも新設計されカーボンモノコックに変更された。この設計変更に伴いガソリンタンクの位置も重心近くに変更になり、カウル形状もロングノーズ、ロングテール、フロントカウル高の削減など空力性能を優先した形状へ変更となった。」

98年型は、ほとんど別物だな。

「エンジン
水冷の水平対向6気筒DOHCのツインターボの3,166ccのエンジンを搭載。3気筒一体の水冷シリンダーを採用。GT規定によりφ36.6mm×2のリストリクターを装着し公称出力640PS。」

(Porsche 911 GT1:ドイツ語のページ)
http://de.wikipedia.org/wiki/Porsche_911_GT1

ポルシェ本国のページ。

(Porsche 911 GT1 Coupé:1996-1998)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/90ies/1996-911gt1coupe/

(Porsche 911 GT1 Coupé:1997)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/90ies/1997-911gt1evolutioncoupe/

(Porsche 911 GT1 ’98)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/90ies/1998-911gt1coupe/

例によって、例の本(Typenkompass Porsche Renn-und Rennsportwagen seit 1948)。

「耐久レーサー
・911GT1クーペ(1996-98)6気筒ターボ3164cc:600馬力」

GTクラスだから、当然、ストリートバージョンもある。

「ストリートバージョン
GT1規定では計25台の公道仕様を生産することが規定されていたため、ポルシェは911GT1 Strassenversion(ストリートバージョン)を開発し、1996年の前半にドイツ政府のコンプライアンス・テストをパスしている。エンジンはヨーロッパの排気ガス規定に合わせてレーシングバージョンよりも若干ディチューンされていたものの544PS(400kW)を発生しており、乾燥車重は1,100kgで、0-100km/h加速が3.7秒、最高速度は308km/hに達する性能を有していた。なお車体番号上は“993”になっている。」

「実際に市販されたのはこの1997年型である。」

98年型のストリートバージョンもあるようだ(ドイツ語のウィキ:画像参照:Straßenversion des 911 GT1 '98とある)。

(ポルシェ911 GT1ストリートバージョン(1998))
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/200045/blog/27356673/

(ポルシェGT1とは?)
http://www.satoshi-celica.com/cayman221.html

(ポルシェ・GT1~☆)
http://blogs.yahoo.co.jp/scuderia512m/58040906.html

(911 GT1Straßenversion)
http://www.supercars.net/cars/1548.html

結構、人気である。

(Top Gear 911 GT1:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=dMWl7ZhioIo

なんか、普通のクルマみたいだが、1億円以上だそうだ。

コレクターズアイテムなのだが、気になることがある。

ウィキの記事では、当時既にGT2というクルマがあったという。

(PORSCHE 911 GT2 Racing TYPE-993)
http://www.lmpcars.com/tag/993gt2/

(ポルシェ993GT2スタンダード)
http://www.enthuno-mori.com/porsche/20100116porsche993/

「GT2は1996年に世界GT選手権やLM(ルマン)出場の為にホモロゲモデルとして開発されたクルマです。世界限定196台(?)製作、そのうち100台が一般公道用として売り出されたそうです。」

「993GT2レーシング
完全なレーシングカー、溶接ロールゲージ、足回り、制御、全ての作りが違います。」

「993GT2クラブスポーツ(CS)
溶接ロールゲージ、内装レス、それ以外は993GT2 STDとほぼ同じです。」

「993GT2 スタンダード(STD)
エアコン、パワーウインドウ、パワーステアリング、エアバッグ(運転席/助手席)、内装付き、993GT2の中では豪華仕様です。もちろんロールゲージはありません。」

気になるというのは、ネーミングだ。

GT2があって、後からGT1が出たことになるんだが、どうなっているのか?。

GT3は、996型で、その後に出たから分かるんだが。

俄かレーシングポルシェマニア(?)としては、その辺のところが、よく分からない。

推測では、ホモロゲーションのGT2クラス、GT1クラスに当ると考えているんだが。

しかし、GT2Evoというのは、GT1クラスに出てるしなあ・・・。

(1995 24 Hours of Le Mans:GT2、GT2EVo、993 Bi-Turbo)
http://en.wikipedia.org/wiki/1995_24_Hours_of_Le_Mans

(1996 24 Hours of Le Mans:GT1、GT2、GT2EVo)
http://en.wikipedia.org/wiki/1996_24_Hours_of_Le_Mans

(Porsche 911 GT2 R Coupé:1995 - 1997)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/90ies/1995-911gt2rcoupe/

(Porsche 911 GT2 Evolution Coupé:1995 - 1997)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/90ies/1995-911gt2evolutioncoupe/

「ポルシェのレーシング部門の彼のプロのレーシングのお客様のためにGT-1クラスの機会を豊富に使用することができる新しい911 GT2の進化モデルを開発しました。販売していたポルシェ世界の45レースカーの911 GT2に比べ、911 GT2の進化は、新しい吸気系、修正されたターボチャージャー、新コンロッド、ピストンやカムシャフトで、600馬力で今、ほぼ120馬力で、より強力なターボエンジンが異なっていた。」

「外部的には、1100キロもhochgesetztem翼プロファイルで、プラスチック製のブレーキとオイルクーラーの空気のための付加的な空気取り入れ口と、リアウィングに変更し、コンパクトかつ軽量なフロントスポイラーに重いGTレーサー、より豊富なタイヤ、重量に最適化されたドアでも、より広いフェンダープラスチックから強化ブレーキシステム、サイドとリアウィンドウを識別します。」

機械翻訳だが、意味は何となく分かる。

GT2EVoは、GT1クラスに合わせて、作成されたということであるな。

とすると、GT3って、なんなんだあ?。

(FIA GT3 European Championship:英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/FIA_GT3_European_Championship

(Porsche 911 GT3)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_911_GT3

なるほど、自然吸気エンジンのアマチュア向けレース車両のレギュレーションだったのか。

55歳以上なら、プロドライバーでも制限なく出場できる規定があるところが、浮沈子的には気になる。

まあ、どうでもいいんですが。

GT1、GT2、GT3の謎も解け、スッキリしたところで、今回はおしまい。

レーシングポルシェの系譜(特別編)2013年11月13日 16:56

レーシングポルシェの系譜(特別編)
レーシングポルシェの系譜(特別編)


ポルシェ博物館というのがあって、日本からも見学に行く人が多い。

その様子を、素敵な写真で掲載しているブログを見つけた。

(TUGARUYA津軽屋レース観戦日記:明日から ポルシェミュージアム編が始まります)
http://tugaruya1.exblog.jp/17524245/

上記の予告編から始まって、2013-03-08(この日は残念ながら、画像はリンク切れ)まで。

「ポルシェ博物館」のタグがついていない記事もあるようなので、日付を追っていった方が見落としがない。

これだけ丁寧に観て、記事をアップしていただいているのは初めて見た。

やはり、メインは、917ですな。

(ポルシェの金字塔 917:2013-02-20)
http://tugaruya1.exblog.jp/17859750/

このページからリンクしている動画もいい。

動いている917や、レースに参加している他の画像も見ることができる。

914とか、写っていたりして、ちょっと感激!。

このページ以外にも、917の記事は豊富である。

ああ、浮沈子もシュツットガルトに行ってみたくなった。

(ポルシェミュージアム)
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/porschemuseum/

「そう、いわば貴方のポルシェ愛が試される場所なのです。」

とあるのは、以前にも紹介したこのページである。

(PORSCHE MUSEUM Part1)
http://motorpress.jugem.jp/?eid=352

長期滞在して、じっくりと見てみたいものだ。

ツッフェンハウゼンといえば、500Eにも縁があるしな。

( メルセデスベンツE500/500E 他 (Mercedes Benz E500/500E))
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/859936/blog/27324242/

「ポルシェのツッフェンハウゼン工場には今なお、500Eの新車が15台ほどあるという。」

ホントかよ!(買い付けに行ってくるか・・・)。

アウディRS2の話は、沢村慎太郎の「午前零時の自動車評論5」で、今日読んだばかりである。

「かつて1980年代の終わりに苦境に陥ったポルシェに対して、アウディはRS2アバントというクルマの開発を依頼して仕事を作ってやった。(中略)<まるでポルシェのようなアウディ>と高く評価した。(P.237-8)」

92年式の500Eに(狙ったわけではなく、たまたま)乗っている浮沈子は、果報者であるな。

このポルシェライン説は、異なる記事もある。

(今尚、語り継がれる「PORSCHE LINE 500Eの真実」に迫る!)
http://www.jauto.co.jp/359846.html

「これから、ガソリンスタンドの少年などに
「これポルシェが作ったヤツですか?」などと聞かれた際には、
自信を持って「そうだよ!」と、是非お答え下さい!

これでスッキリしましたね!」

浮沈子は、あまりスッキリしないんだが・・・。

確かに、前の記事には矛盾がある。

「92年末ないしは93年半ばくらいから、ポルシェのツッフェンハウゼン工場からその製造すべてがジンデルフィンゲン工場に移っている。」

「その証拠に、当時のポルシェのオフィシャルブックにはE500リミテッドを囲んだ工場の人たちが手を振る写真が掲載されていたことを思い出す。そこには『私たちが作った車』と書かれていた。」

なぜ、全てがジンデルフィンゲンで作られたはずの93年以降のE500の最終モデル、リミテッドが、ポルシェの従業員と共に写真に撮られ、15台の新車がツッフェンハウゼンにあるのか(これも、ホントかなあ?)。

しかし、松本さんの記事で引用されているCGの中で、ヴィーデキングは、全てポルシェで生産したとは言っていないのではないか。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子の500Eが、ポルシェ走りをすることだけは断言できる。

300E(中古ですが)に12年乗ってから500Eに乗り換え、現在911とボクスター(もちろん、どちらも中古)を所有する浮沈子(こう書くと、スゴイなあ!)が言っているのだから、絶対間違いはない。

ところで、ポルシェ走りって、何なんですか?。

ポルシェの走り2013年11月13日 19:58

ポルシェの走り
ポルシェの走り


別に、ポルシェに限った話ではない。

どちらかというと、スポーツバイクの喩えの方が分かりやすい。

人間は、乗り物を操縦する時に、一種の快感を覚える。

もっといえば、身体を動かして移動すること、それも、速く移動することに快感を覚える。

浮沈子は、五体満足に産んでもらって、大きな怪我や病気もなく歳を重ねているが、足が不自由だったり、目が見えなかったりして、走ったりすることが出来なければ、大いに困るだろうことは想像できる。

もっとも、最近は、自分の足で走るという行為をしていないので、何ともいえないが(労作性狭心症で、医者から、「横断歩道で信号が赤になっても、走って渡ってはいけない」という、分かりやすい指導を受けている)。

動力付きの移動手段は、このような状態の人でも、身体の危険なく、高速で移動する手段を提供してくれる。

自転車(いわゆるママチャリ)も、電動アシスト付きで、近所に多い坂道も快適であるな。

盗まれてしまってからは乗っていないが、スクーターも快適だ。

遠出も苦にならない。

しかし、このあたりの話ではない。

もっと、運動性が高く、脳内麻薬を溢れさせ、飛翔感さえ与える動的な快感は、スポーツバイクやスポーツカーといった、概ね、走ること以外に何の能もない、ヘンタイな移動手段によって与えられる。

乗り心地とか、便利さ、有用性といった項目は影を潜め、あるいは無視され、走って楽しく、曲がって嬉しく、止まって感動することだけが求められる。

バイクはともかく、クルマの場合は、ある程度の大きさがあるので、余ったスペースに少しばかりの荷物を積むことが出来る程度だ。

ボクスターの積載能力を、メーカーは宣伝しているが、考えてみれば、フロントトランクは、フェンダーとフェンダーの間の余った空間を利用しているだけだし(エンジン、後ろなので)、リアのトランクも、トランスミッションの上部の隙間を使っているに過ぎない。

そんなことより、そういったスポーツ性の高い乗り物が、なぜ、人間の運動(移動)欲を刺激し、快感を与えるのだろうか。

人間の移動に対する本能的な欲求の話は、今日はしない。

たぶん、そういうことに快を感じない個体は、進化の中で、食糧を十分に調達できなかったり、子孫を残せなかったりして、淘汰されてきたのだろう。

野生の法則(何それ?)が、働いたわけだな。

まあ、今日はそういうことにしておこう。

で、その動き回りたくてウズウズしている野生の人間が、乗り物に乗って走るわけだ。

昔なら、馬とか、ラクダ(アラビアのロレンス!)とかで走るし、概ね馬(犬や、トナカイもある)に引かせた橇(ソリ)や馬車で走るわけだ。

その時、乗り物と乗っている者との意志の疎通があって、信頼と性能と操縦性が高ければ高いほど、脳内麻薬がドバドバ出てくる。

映画「アバター」で、6本足の馬に嫌われたジェイク(主人公)が、翼竜には、めっぽう強く、いきなり相方とヘンタイ飛行(もとい、編隊飛行)してしまうというのも、髪の毛の先で交信し合う意志の疎通がうまくいくかどうかである。

こう動いて欲しい時に、乗り手の意志通りに、必要なら先読みして動いてくれたら、こんなに素敵なことはない。

浮沈子は、乗馬を1回だけ体験したことがあるが、あれは、完全自動運転だったな(少なくとも、前車追従運転は完璧にしていた)。

しかも、あろうことか、乗り手の意志を無視して、柵の傍の草を、ムシャムシャと食べ始めた!。

自動で、給油までしてくれる自動車に乗っているようなもんだ。

まあいい。

完全自動運転の自動車は、2020年に日産が出すというので、期待しよう。

話を戻す。

高い意思疎通というのは、相手が機械であっても同じだ。

ただし、交信は、髪の毛の先の神経ではなく(髪の毛、ないし・・・)、手や足や腰(=尻:バイクでは大事なコントロール手段である)まで使って、もの分りの悪い相手に意志を伝えなければならない。

また、正しく意志が伝わったのか、そうでないのかは、明快な反応を返してきて、初めて確認できる。

それは、瞬時瞬時の反応だけではなく、例えば、このコーナーをこのくらいのスピードで曲がったら、この位ロールするとか、リアがスライドするとか、アンダーが出るなどといった、経験値であったりもする。

もっとも、足回りや車体の性能は、変化(劣化)していくので、ある程度の幅は考慮しなければならない。

ハンドルを切り足さなければならないのか、ブレーキをもう少し踏み続けなければならないのか、ここからアクセルを蹴飛ばして床を踏みぬいていいのか(踏み抜いてはいけません!)は、その確かな反応と経験値を総合して、乗り手が判断する必要がある。

最近のクルマは、その辺りに介入して、ヤバクなる前に出力を絞ったり、ブレーキをかけたりして、体裁を整えようとするのだが、余計なお世話だ。

刺さるのが恐くて、ライダーやってられっかよ!(安全運転を心がけましょう!)。

やれやれ、この手の話を書いているだけで、アドレナリンが出てくる。

そんな、極限の話でなくても、法定速度域であったとしても、コントロールに係わる、乗り物とのコミュニケーションは重要である。

よく、ハンドルやサスペンションからの情報が豊かであるなどの表現を目にする。

逆に、それに乏しい乗り物は、乗せられているとか、船のようだとかいう。

速度域や路面の状況、走行路の曲率にもよるだろうが、乗り心地良く、操作感が良く、応答も適切で、素直な特性なのがよろしい。

いつでも目くじら立てて、突っ込んで走るわけではないのだから。

時に応じて、最適の反応を返してくれる操作性が、最も好ましいのだ。

地上の乗り物に限らないのかもしれない。

浮沈子は、船(ボート)や水上スクーターしか経験がないが、試乗したり、所有していた十数艇の船は、一艇として同じではなかった。

航空機も同じであろうし、鉄道だって、山手線の加速と、京浜東北線の加速は異なる(ローカルな話題で、どうも・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

要するに、ちゃんと、こっちが思ったとおり動いて、その感触をきちんと正確に伝えてくれる乗り物が、動かしていて楽しいのだ。

自分の手足のように動く、自分の運動能力の自在な拡張としての動き、感覚、裏切らない信頼・・・。

この位曲がりたいと思えば、きちんと曲がり、今、こんだけ曲がっていると、きちんと伝えてきて、その性能が高く、いつも同じで裏切りがない、そういう乗り物に乗りたい。

NBのロードスター(1.6リッター)は、面白かったな。

限界低く、回りすぎだが、素直でいい感じだった(エンジン、サイテー!)。

バイクは92年型のファイヤーブレード(CBR900RR)。

前輪の接地感がつかみ切れなかったのは、乗り手のせいなんだろうか?。

そして、今は、03ボクスターがいい。

意のままになる走りを、体験させてくれている。

83タルガも、あと半歩まで追い詰めている(まだまだだな)。

500Eは?。

このクルマの走りは、いわゆる一つの結論だな。

うん、全速度域で気持ちいい。

ボディや、サスペンションや、ステアリングの仕組みのことは、自分なりに調べてみたが、結局、頭で分かったつもりになっても、乗ってみて、走ってみなければわからない。

気持ちいいのか、悪いのか。

楽しいのか、そうでないのか。

このクルマに、いつまでも乗っていたいのか、早く乗り換えたいのか。

映画「アバター」の中で、ジェイク(主人公)が、初めてアバターの操縦をするシーンが感動的だ。

戦争での怪我で、足の自由を奪われた彼が、アバターの操縦の中では、自分(が操縦するアバター)の足で、息が切れるほど走ることができる。

ラボのスタッフの制止も聞かず、外へと飛び出してしまう。

ちょっと、うるうるするシーンである。

自動車が完全自動運転になって、移動体を人間が操縦する楽しみを奪われてしまうのなら、是非とも、アバターを作ってもらいたいものだ。

浮沈子のアバターの名前は、きっと、「ポルシェ」となるだろう・・・。