レーシングポルシェの系譜(その11)9082013年11月12日 06:53

レーシングポルシェの系譜(その11)908
レーシングポルシェの系譜(その11)908


(ポルシェ・908)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB908

(Porsche 908:ドイツ語)
http://de.wikipedia.org/wiki/Porsche_908

例の本(Typenkompass Porsche Renn-und Rennsportwagen seit 1948)。

「耐久レーサー
・908クーペ(1968)8気筒2997cc
・908.02スパイダー(1969)8気筒2997cc
・908.03スパイダー(1970)8気筒2997cc」

ポルシェのページ。

(Porsche 908 Coupé:1968)
http://www.porsche.com/germany/sportandevents/motorsport/history/racingcars/60ies/1968-980coupe/

日本語のウィキから。

「ポルシェ・908(Porsche 908 )は1968年の国際自動車連盟 (FIA) のスポーツカー世界選手権規定改正に合わせてポルシェが製作したプロトタイプレーシングカーである。」

「1968年からFIAのレギュレーションが大幅に変更され、3Lまでのグループ6「スポーツプロトタイプ」と5Lまでのグループ4「スポーツ」で争われることとなり、それまでフォードやフェラーリの大排気量車に対して不利な戦いを強いられて来たポルシェにとって総合優勝への道が開けた。そこでフェルディナント・ピエヒ率いるポルシェ技術部門は新たに2,997ccの水平対向8気筒エンジンを開発し、前モデル907の車体をベースとした908を開発した。」

「908クーペ
1968年途中にクーペモデルとしてデビューし、翌1969年にはスパイダーボディに改装され、ポルシェのメイクスチャンピオン初制覇の原動力となった。水平対向12気筒エンジンを搭載する917に主役の座を譲った後も、プライベーターの戦力として1980年代まで走り続けた。」

「新開発のエンジンは2,997cc強制空冷式DOHC2バルブ水平対向8気筒(908型)。ボッシュの機械式燃料噴射システムを採用し、350hp/8,400rpm、32.5kgm/6,600rpmを発生する。カムはギアとチェーンで駆動される。このエンジンは1967年のムジェロGPで910に載せてテストした2リッターDOHC水平対向6気筒エンジン(916型)から出発しており、従来の、1962年F1エンジンをベースとしシャフトとベベルギアでカム駆動している水平対向8気筒エンジン(771/1型)とは全く別物であった。」

えっ?、771じゃなかったんだ!。

点になった目から鱗がポロポロと落ちる・・・。

(水平対向8気筒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%B9%B3%E5%AF%BE%E5%90%918%E6%B0%97%E7%AD%92

「自動車においてこの形式で最も有名なものは1968年にデビューしたポルシェ・908で採用された2,997cc 350馬力エンジンで、最終的には908/3にて370馬力まで発展した。」

ポルシェのエンジン一覧には、908型なんて書いてないし・・・。

(空冷水平対向8気筒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E7.A9.BA.E5.86.B7.E6.B0.B4.E5.B9.B3.E5.AF.BE.E5.90.918.E6.B0.97.E7.AD.92

「ポルシェ・804、ポルシェ・908/3、ポルシェ・910/8などに使用されている。
・753型 - ボアφ66×ストローク54.6mmで1,494cc。180馬力/9,200rpm、15.6kgm/7,200pm。フォーミュラ1用のレーシングカー、804に搭載された。
・771型」

きっと、書きかけなんだな。

「クランクシャフトは9メインベアリングで、クランクピンが90度ずれた2プレーンタイプ(771/1型は180度位相のシングルプレーン)。排気管の取り回しを優先した設計だったが、2次慣性力の振動に起因するオルタネーターの故障に度々悩まされる結果になった。冷却ファンは771/1型ではエンジンの上に水平に置かれていたが、908型では垂直に配置され、クランクシャフト前端からベルト駆動された。」

確かに、全く別物になっている。

「シャシは基本的に907の構造を引き継いでいるが、13番目の個体以降はフレームの材質が鋼管からアルミ合金へ変更され、20kg軽量化された。タイヤは初期は13インチで、1968年シーズン途中から15インチが投入された。」

「ボディも907と酷似しており、ノーズのオイルクーラーのエアインテークが識別ポイントだった(907は長方形、908は長円形)。15インチタイヤ装着のため前後フェンダーを広げた結果、907よりも空気抵抗係数が悪化した。テールには左右2枚のフラップを備え、左右それぞれが別個にリアサスペンションと連動して仰角が変化する。」

このあたりは、907を堅実に改良しようとしている。

「908.02
1969年に施行された規則変更により、最低重量やラゲッジスペース、スペアタイヤ、ウィンドスクリーンの最小寸法などが廃止もしくは緩和された。グループ6でも屋根なしボディが認められたため、ポルシェは908を軽量なスパイダーボディへと改良した。「908スパイダー」と表記されることも多い。」

「エンジンはトラブルを解消するためシングルプレーンにされ、ギアボックスも通常のクラッチを持つ5速仕様に戻された。シャシはクーペから変更がないが、リアオーバーハングを切り詰めてフレームを省略した。初期にはフレームにクラックが入りやすかったため、不活性ガスを封入しダッシュボードに圧力計を置いた。車重は660kgから630kgへと大幅減。空気抵抗は増加し最高速は280km/hであったが、機動性は高く中速サーキットでは無敵となった。」

「908.03
1970年には後継車の917が主戦となっていたが、険しい峠道を走行するタルガ・フローリオでは大柄な917が不利になることから、908/02をベースに軽量化と運動性能を追求した908/03が投入された。また、同じくテクニカルコースのニュルブルクリンクでも使用された。」

「ボディは908/02後期型(ヒラメ)と同じくフラットで、ヘッドライトを廃止し、フロントをダルノーズに変更した。ワークスマシンは識別用に4種類の異なるカラーリングで塗り分けられ、ノーズ右側にトランプのマーク(♠♥♦♣)も描かれた。1971年シーズンにはテール左右に垂直フィンが追加された。」

「908/4
ワークスから放出された908はプライベーターの手で現役活動を続けたが、1975年にヨースト・レーシングの提案で911RSRターボに搭載されていた2,140cc水平対向6気筒ターボエンジンが供給され、ヨーストチームの908/03(シャシーNo.03-008)に搭載された。このマシンは1976年にボディワークを刷新した後、1981年まで選手権に出場し、晩期には908/04という名で呼ばれた。」

なんと、81年まで使われていたという、超ロング寿命だったわけだ(14年間!)。

それだけ基本性能が高かったわけで、改良にも応えたわけだ。

1968年のルマンで予選1位から3位を占めたという(本戦では3位が最高)。

戦闘力は、相当高かったわけで、翌69年でも本戦で2位になっている。

まあ、この時年季の入ったフォード・GT40に敗れたトラウマで、917が開発されたというわけだから、面白いもんだな。

70年のルマンは、映画にもなったが、その際のカメラカーが908.02である。

フォード・GT40について、少し触れておこう。

(スポーツカーの形(その2))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/10/14/6602384

「ゴールドの車体が、ペッタンコ。なんたって、40インチの車高。表通りに止まっているところを見た時は、タイヤがパンクしてるか、サスが抜けているかと思った。」

このブログの記事で申し訳ないが、「男と女」のメロディーと一緒になって頭に浮かんでくるのは、都内某ポルシェセンターで見た、鮮烈なイメージである。

「これは、実にスポーツカーの姿をしている。このクルマが止まっていると、横にあるポルシェが、全部「商用車」に見える」ような、錯覚に陥る。

(フォード・GT40)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BBGT40

「1966年のル・マンでは、8台のマーク2がワークスマシンとして、5台のマーク1がプライベーターとして出場し、結果は、ブルース・マクラーレン/クリス・エイモン組が優勝、さらに1-3位をGT40が独占するという快挙を成し遂げた。」

「1967年のル・マンでは、さらにアルミハニカム構造のシャーシを採用し、キャブレターを2基に追加。これにより出力が530psに強化されたエンジンを搭載したマーク4で出走。このマシン以前はイギリスで製作されていたが、このマシンはアメリカで製作されたものであった。結果は見事優勝し、2連覇を達成。 1967年シリーズ終了後、レギュレーションが大きく変更されたためフォードはワークス活動から撤退。マシンはプライベーターに託されることに。」

「1968年、そして1969年には同じシャーシナンバー「P1075」のGT40が優勝を果たした。 このP1075はGT40に空力面で大きな改良を施したミラージュM1を、フォードを閉め出そうとするレギュレーション変更によって再び本来のGT40に改造し直した車である。GT40のシャーシ強度が証明された瞬間でもあった。 P1075は通算11戦6勝を誇り、栄光のGT40とされる。」

「1970年のポルシェ・917の優勝まで、GT40は4連覇を達成した。」

ひょっとして、917が作られていなかったら、ポルシェ好きのマックイーンも、栄光のルマンを作れなかったか、フォードで撮影するしかなかったかもしれないな。

908は、ポルシェがルマンで勝つために作られたマシンのはずだった。

しかし、2年連続(68、69年)で、大排気量、大馬力のGT40に敗れ去ったことで、ついにポルシェは本気を出すことになった。

勝つためには、レギュレーション違反以外は、なんでもやるぞ!。

そして、モンスターマシン、917が誕生するのである。

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