憲兵が来た!?2013年11月19日 02:53

憲兵が来た!?
憲兵が来た!?


法令や行政機関に疎い浮沈子は、国家の仕組みについて、詳細に勉強したことはない。

また、我が国のみならず、当然、諸外国の仕組みについても殆んど(全く?)知らない。

米国には大統領という、怪しげな親分がいるとか、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国:よく読むと、随分とリベラルな国名であるな)には、将軍様がいるとか、英国には国王(今は、女王だが)がいて、君臨すれども統治せず、などの、中学生もビックリの知識しかない。

しかし、この記事を読んで、あれ?、と思った。

((秘密保護法案)警察・公安情報は除外を 江川紹子氏)
http://www.asahi.com/articles/TKY201311170245.html

最近の朝日は、随分とケチになって、全文を読ませてくれないので、読める範囲でしか判断できないが、中学生でもおかしいと思うのは、国権の最高機関である国会の統制を受けない行政機関があるような書き方をしている点だ。

「警察や公安調査庁だけでも、特定秘密保護法案の対象から外すべきだ。防衛省、外務省の秘密は大臣が責任を持つので、政権交代があれば顔ぶれは変わる。だが、警察庁や公安調査庁の組織の長は官僚。永遠に組織優先の判断がなされる。」とある。

ホントかよ!?。

(警察)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E5%AF%9F

「警察(けいさつ、仏: police)とは、実力を以て社会の治安を維持する行政作用及びその主体をいう。つまり、社会の安全や治安を維持する責任を課された行政機関である。」

(日本の警察)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%AD%A6%E5%AF%9F

「日本における警察とは、警察法2条1項の定めるところにより、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持を責務とする行政の作用をいう。日常の用語としては、この作用を行う組織、または公務員(警察官)を指す。」

(警察庁)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E5%BA%81

「内閣総理大臣の所轄の下に置かれる国家公安委員会に設置される「特別の機関」である。警察制度の企画立案のほか、国の公安に係る事案についての警察運営、警察活動の基盤である教養、通信、鑑識等に関する事務、警察行政に関する調整等を行う。」

「都道府県警察は警察庁の地方機関ではなく、各都道府県の警察行政機関である。」

(国家公安委員会委員長)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%AE%89%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A7%94%E5%93%A1%E9%95%B7

「国家公安委員会は下位組織(特別の機関)として警察庁を所管するが、委員長は内閣法に定めるところの主任の国務大臣(主任の大臣)ではない(警察庁を含めた国家公安委員会は内閣府に属するため、主任の大臣は内閣総理大臣である)。」

「委員長は国務大臣であり、内閣総理大臣からの指名で就任する。」

「委員は、警察職員及び他の官公庁の職業的公務員のいずれの経験も有しない者の中から、衆参両議院の同意(衆議院の優越あり)を得て任命される(国務大臣からの補職ではない)。」

まあ、事務局は所管される側の警察庁なので、この委員会が十全に機能するわけはないのだが、一応、政治的チェック機関にはなっている。

もっといえば、警察法自体が法律なので、国会が決めたことでもある。

行政機関が、政治から形式的に独立して存在することなど、どうあっても認められるはずがないのだ。

もっとも、米国の例を見るまでもなく、官僚にコントロールされた政治というのは何処にでもあって、形の上の話は、概ね砂上の楼閣に等しい。

とはいえ、官僚に翻弄される政治家を選んでいるのは、我々国民自身であるので文句は言えない。

国民のレベル以上の政治なんて、それこそ砂上の楼閣である。

まあいい。

少なくとも、国の行政組織である国家公安委員会が、形式的に政治的統制下にあることは確認できた。

もちろん、各都道府県警察についても、同様である。

公安調査庁はどうなのか。

(公安調査庁)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%AE%89%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%BA%81

「破壊活動防止法などの法令に基づき、日本に対する治安・安全保障上の脅威に関する情報を収集・分析する情報機関。」

「破壊活動防止法や団体規制法の規制対象に該当する団体であるかどうかの調査(情報収集)と処分請求を行う機関であり、調査活動の過程で入手した情報を分析・評価し、政府上層部に提供している。」

「特別司法警察職員とは異なり、逮捕状、捜索差押許可状等を裁判所に請求したり、発付された令状を執行する権限はなく、逮捕権や強制調査権限は有さない。」

「破壊活動防止法(1952年(昭和27年)7月施行)は、(中略:武装闘争路線については、そのうち調べて書きます)日本共産党に対する規制を念頭に制定された。そのため、同党は、現在でも破壊活動防止法の調査指定団体である。」

なんだか、歴史を感じさせるなあ。

「1994年(平成6年)から翌年にかけて松本サリン事件や地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教(現Aleph)に対し、破壊活動防止法の解散処分請求が行われたものの、1997年(平成9年)1月、公安審査委員会が同法の要件を満たさないと判断して適用は見送られた。」

ははあ、それで江川さんが出てきたわけだ。

「公安調査庁が処分請求を行った後に、その処分を審査・決定する機関として公安審査委員会が設置されている。」とあるので、一応、チェックはしているんだな。

この委員も、国会同意人事である。

(公安審査委員会)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%AE%89%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

「職員のうち、公安調査官(公安職)が調査業務に従事している。なお、幹部以外の職員氏名は公表されない。」

まあ、そうしなきゃ、仕事にならんわな。

(公安調査庁とは)
http://www.moj.go.jp/psia/20130806.shokai.html

スパイ機関にしては、ずいぶんとフレンドリーなページである。

(ここが知りたいQ&A)
http://www.moj.go.jp/psia/kouan_saiyo_qa.html

在外公館に赴いて、海外での情報収集活動も行っているようだ。

「外務省に出向して在外公館で勤務する機会もあります。」とある。

007とかいるのかなあ?(いるわけ、ないっしょ!?)

(公安調査官)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%AE%89%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%AE%98

「法務省の外局である公安調査庁(本庁)、その地方支分部局である公安調査局と公安調査事務所などに配置されている。」

不祥事を見ると、破廉恥罪が多いような気が・・・。

ストレスの多い職場なんだろうな。

しかし、江川さんのいうように、この辺りの情報がボロボロ公開された日には、とてもじゃないが、国家の安寧は保てまい。

ただ、この公安調査庁については、調査活動自体には政治的コントロールが働かないような仕組みがとられていると思われる。

場合によっては、与党自身が調査の対象になることもあるだろう。

処分請求を通じて、対外的に行政効力を発揮しようとする際に、政治的なコントロールが、国会同意人事により間接的に働くに過ぎない。

以上、概観したように、形の上では何らかの形で、政治選択による国民のコントロール下に置かれているのであって、破防法などの関係法令の国会議決により統制されていることを考えると、「永遠に組織優先の判断がなされる」というのは、ちょっと煽り過ぎではないのか。

ついでに、最近、国家機密保護法(特定秘密保護法を、浮沈子流に、正確を期してこう呼んでいる)の絡みで、良く聞くようになった「憲兵」についても調べてみた。

(憲兵)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%86%B2%E5%85%B5

(国家憲兵隊 (フランス))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E6%86%B2%E5%85%B5%E9%9A%8A_(%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9)

(憲兵 (日本軍))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%86%B2%E5%85%B5_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BB%8D)

浮沈子は、槙枝元文(ミスター日教組)が、憲兵上がりとは知らなかったな。

(警務官:自衛隊の特別司法警察職員)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E5%8B%99%E5%AE%98

「各国の軍隊の憲兵に相当するが、後述の通り、旧日本軍の憲兵と異なり、一般国民に対する司法警察権や行政警察権を有さず、また軍法会議も営倉も軍事刑務所も存在しないので、独自の起訴や裁判、法的処分を行なうこともなく、他の司法警察職員と同様、逮捕して取り調べた被疑者については、検察庁へ送致する。」

自衛隊の警務官というのは、自衛隊の内部統制の組織で、フランスの国家憲兵とは異なる。

我が国では、地方警察が一般国民の取締りを行う。

警察が、軍の組織である点では、フランスの方が余程戦前の日本に近いのだが、そもそも順序が逆で、フランスの制度を真似たらしい。

もっとも、フランスも、大都市は、フランス国家警察が警察活動を行っている。

日本も、警察組織は、国家との緊密な結びつきがあり、警察署長とかの警視正は国家公務員だし、首都警察である警視庁のトップである警視総監の任免は、内閣総理大臣の承認が必要だったり、そもそも、都道府県公安委員会ではなく警察庁が都道府県警察への指揮命令権を有することから、半分国家警察なのである。

ただし、これらは、あくまでも形の上のことで、実態はまた別の様相を呈することがある。

自衛隊の海外派兵(あれ?、派遣だっけ!)の際に、隊員が反対集会の調査を行ったことは周知の事実だし、その際に個人名まで調査していたことは、ちょっとびっくりだったな。

(自衛隊ここまで監視 市民の住所や顔写真 情報保全隊の内部文書)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-07/2007060725_01_0.html

こういうものは、やっぱりソニー(じゃなくって、赤旗)。

なかなか、地道に調べているようだ。

しかし、改めて、全団体の実名を再掲しなくても良さそうな気がするんだが・・・。

まあ、これからは、おおっぴらにやりだすことだろうよ。

反自衛隊のNPOを騙って、戸別訪問してアンケート取ったりするかも知れない。

ある日、突然、憲兵隊が踏み込んできて、一家諸共連行されて、拷問(笞打ち、石抱き、海老責、吊り責め:江戸時代に公認されていたんだそうだ)にあって、あることないこと吐かされた挙句、市中引き回しの上、磔または、打ち首、獄門、晒し首になるのは、時間の問題かあ?。

そんな無粋な想像を逞しくして、危機感ばかり煽っているが、江川さんのように、自分じゃ知っているくせに、人を惑わすことを書いたり言ったりする人もいる。

浮沈子のような正直者ではないようだ。

国家機密保護法案に対する、こういった誤った認識の記事を掲載する朝日新聞社も、罪深い。

みんな、知っていてやっているだけに、それに対する批判も聞く耳持たないに違いない。

言論で飯を食ってるプロが、そんなことでいいのかなあ?。

目的のために、手段を選ばないとしたら、自分の首を絞めることになるんじゃないのか。

マスコミ人たちは、権力批判をある意味で飯の種にしているのだから、致し方ないのかもしれないが、事実は事実として、正確に捉えた上で、何が真の問題なのか、そこんところを掘り下げてもらいたいもんだな。

今日は、みんなの党という政治団体が、どうやら賛成に回ったらしく、今国会での成立の見通しが立ったようだ。

法律は、不変のものではない。

その執行を監視し、適正に行われるようにチェックし続けなければならない。

そのことを疎かにすれば、その時こそ、憲兵隊が踏み込んでくるのだ!。

おまけとして、フランス国家憲兵隊の車両は、スバル・インプレッサ・WRXだそうだ(画像参照)。

こいつに、追いかけられたくはないな。