モツ煮の怪2013年11月28日 23:32

モツ煮の怪
モツ煮の怪


毎度、手前味噌というか、浮沈子に都合のいい記事しか引用しないので恐縮である。

(【秘密保護法案、国際基準を逸脱】米政府元高官ハルペリン氏  秘密多いと管理困難に)
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php

記事の内容からは、この人はツワネ原則の作成に係わっていたのではないかと推測される(未確認)。

「世界の基本原則では、政府が持つ情報はその国の市民のものだ。安全保障など特別な目的で情報の秘匿は可能だが、非常に狭く精密な限定をかけねばならない」

「運用には司法の監視が必要で、開示による公益が勝る場合は秘密にできないという決まりも要る。法案にそれらの規定が全くない。秘密指定が解けた後に廃棄されれば『情報の所有者は国民』の原則に反する」

「日本はなぜ国際基準から逸脱するのか、政府は国会採決の前に説明しなければならない。民主主義社会の義務だ」

「スピードを懸念する。南アフリカで同種の動きがあるが既に数年かけている。南ア政府は最初2カ月で法案を通そうとしたが、反対運動が起き3、4度修正された。ツワネ原則に完全合致はしないが、時間をかけ大いに改善された」

「秘密を指定しすぎると真の秘密を保護するのが実は難しくなる。どこにでも『最高機密』と書かれているのに慣れてしまい、本当に重要なものが分からない。真の秘密を保護する立場からも、秘密の大量指定につながる制度は間違いだ」

浮沈子は、ここに、特に激しく同意であるな。

「―法案は「知る権利に配慮」「著しく不当な方法でなければ取材行為は処罰しない」とした。」

「漠然としすぎて用をなさない。情報を秘密指定できる条件を具体的に定め、公益が勝れば秘密にできないと規定し、国民が異議を申し立てる監視機関を置くことが必要。そうでなければ、美しい言葉の条文があっても、政府は秘密にしてはならないものを次々に秘密指定する」

このあたりも、内部にいて、官僚の実態を知らなければ分からないところだ。

このインタビューは、おそらくもっと多くの内容を含んでおり、記者の編集でピックアップされたのだと思うが、考え方は、ツワネ原則そのものである。

さすがに、内部告発制度の明記や人権情報を対象から外せとまではいっていないが、我が国の法案の問題点を的確に指摘している。

国家の情報が市民のものだなどと本気で考えている官僚なんて、我が国には、ただの一人もいないと、浮沈子は断言する。

我が国は、民主主義国家ではなく、官主主義国家であるからだ。

政策は官僚が立案し、官僚が政治過程に乗せ、官僚により実施される(多くは自治体にも降りていきますが)。

政治過程といっても、審議日程とか、政治的に対立する僅かの法案の調整を、政治家にさせるだけである。

国防や外交を握っているのも官僚だし、民間企業を匙加減で動かすのも官僚である。

政治家の地盤に政策的にカネを落として当選させたり、キュッと絞って落選させることも出来る。

訳のワカラン大臣が来れば、スキャンダルの1発もお見舞いして、引き摺り降ろすことも簡単に出来る。

天下りして、民間企業や第三セクターに支配権を及ぼし、我が国の社会、経済を牛耳ることもやっている。

東京都など、一部の例外を除いて、国から降ってくる金がなければ、自治体としてやりたいことも出来ない。

日本全国、霞ヶ関に足を向けては眠れないようになっている。

その官僚に、秘密の裁量を任せたら、どんなことになるか。

ハルペリンさんも、ビックリの結果になること、間違いない。

浮沈子の懸念したように、秘密を増やすということは、それが漏れる確率を高めることと同義だ。

その意味でも、秘密にすべき情報を精密に絞り込むことは、秘密を保護する上で本質的な要件である。

いやあ、この人、ホントに分かっている。

そして、チェックを外部化する。

官僚の内部チェックに任せキリにしない。

これが、本当のシビリアン・コントロールだろう。

しかも、三権分立の建前から、司法の関与も仰ぐ。

ここには書かれていないが、議会のチェックも必要だ。

ああ、どうしてこういう人材が、我が国にはいないのか。

まあいい。

昨日書いた、ドイツのカーオブザイヤーのブログを思い出す。

(ドイツ人のドイツ人によるドイツ人のためのカーオブザイヤー)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/11/27/7079014

10万人の読者の投票で、きちんと区分けされた分類の中で、的確に順位付けされて、評価を受け入れる方も分かりやすい。

だから、みんなの納得も得られ、評価にも自ずと権威が生まれる。

民度が違いすぎる。

国家機密を本気で保護しようと思うなら、もっと絞り込んで、可能な限り少なくして、継続的に、強制的に解除できるようにしていかなければ、とても持たない。

機密に対するアクセス権の運用にも、精密な配慮が必要だな。

いつ、誰が、何処から、どの情報に、何の目的で、誰の許可を得てアクセスしたのか、前回はいつか、関連する情報にはアクセスしているのか、頻度はどうか、業務との関連はどうか、正当なアクセスとしての評価はどうか・・・。

人間系の管理では及ばないだろう。

当然、システム化が必要だが、そのシステムにはバグが仕掛けてあるに決まっている(某宗教団体のプログラマーが、きっと潜入している)。

その情報が、ある日、そっとコピーされて某国に渡る・・・。

首相のホットラインが鳴って、聞き覚えのある某国首相の声で、夕べの食事のメニューについて、彼が知らないはずの情報がもたらされる(モツ煮ばかり食ってると、痛風になっちゃいますよ!)。

な、なんで、そんなことまで、知ってるんだあ!?(だいたい、国家機密じゃないじゃん!)。

いやいや、そんなことは決してないだろうが、機密を守るのって、ホントに大変なんだってば!。

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