さもなくば「無」2015年04月09日 21:17

さもなくば「無」


ロケットを打ち上げるのに掛かる日数というのは、何がネックになっているんだろうか。

(スペースXのドラゴン補給船6号機、4月14日に打ち上げ)
http://response.jp/article/2015/04/07/248498.html

「4月14日午前5時33分頃(日本時間)ケープカナベラル空軍基地40番射点から打ち上げられる」

(SpaceX CRS-6)
http://spacexstats.com/mission.php?launch=22

「Counting down to 13 Apr 2015 20:33:00 UTC.」

まあ、これはいいんだが、次の打ち上げ予定というのが10日後である。

(TurkmenÄlem 52E)
http://spacexstats.com/mission.php?launch=23

「Counting down to 24 Apr 2015 UTC.」

時刻未定だが、ずれても1日だろう。

この衛星は、3月に打ち上げるはずが、ロケットの不具合で繰り延べになった。

その日程が、詰まっている。

ISSへの補給機を打ち上げた後も、ドッキングするまでは2日くらい掛かるし、その後も対応が必要になるかもしれない。

さらに、補給機打ち上げの際には、第1段ロケットの回収も試みる。

「Will attempt a barge landing on ASDS.」

(Autonomous spaceport drone ship)
http://en.wikipedia.org/wiki/Autonomous_spaceport_drone_ship

今回も、洋上のハシケに降ろすようだな。

まあ、こっちはどの道、別動隊がやってるんだろうが、打ち上げに使用するロケットの組み立てとかは、時間が掛かるんじゃないのかあ?。

(打上げまでの流れ)
http://h2a.mhi.co.jp/service/line/

「出荷前審査会を終えると、打上げ約1.5ヶ月前に発射場に向けて出荷します。」

三菱の場合は、1か月ほど掛けて組み立てや点検を行い、カウントダウンに入るわけだ。

ファルコン9は、過去に2週間という記録がある。

(ファルコン9:打上げ記録:13号機参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39#.E6.89.93.E4.B8.8A.E3.81.92.E8.A8.98.E9.8C.B2

「9月20日の打ち上げ予定を悪天候により1日延期。前回の打上げからわずか14日の準備期間で打ち上げを実施。」

今回、10日の準備期間で上がれば、記録更新ということになる。

(イプシロンロケット:組立の簡素化)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#.E7.B5.84.E7.AB.8B.E3.81.AE.E7.B0.A1.E7.B4.A0.E5.8C.96

「射場作業日数(第1段射座据付から打ち上げ翌日まで):7日」

おおっ!、1週間じゃん!!。

勝ったね!(ただし、イプシロンの2機目が上がる気配はないけどな)。

まあ、どうでもいいんですが。

射場での組み立ての一部を、工場で行うということらしい。

「一体に組み立てた状態で射場に搬入することで、射場作業を簡素化する。同様に、第2段以上もできるだけ工場で組み立てて搬入する。」

ファルコン9も、この辺りを簡素化して、打ち上げ準備日数を減らしているのかもしれないな。

もっとも、予定通りに上がることはめったにないので、実際の打ち上げについては、話は別だ。

この記事は、昨日ここまで書いていたんだが、今日になってニュースが出ている。

(欧州ロケット:「アリアン6」1号機、20年に打ち上げ)
http://mainichi.jp/select/news/20150410k0000m040039000c.html

(次期国産ロケット、史上最大に…コストは半減)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150409-OYT1T50055.html

(衛星打ち上げ 欧州企業が日本でアピール)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150409/k10010043101000.html

ここで話題になっているは、アリアン6と次期国産主力ロケット(H3と略す)、そして我らがファルコン9(非国民・・・)。

(アリアン6)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B36

「軌道投入能力:
・静止移行軌道:5 - 10.5 t」

(H-IIIロケット)
http://ja.wikipedia.org/wiki/H-III%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

「軌道投入能力:
静止移行軌道:2,100 - 6,500 kg」

(ファルコン9)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39

「軌道投入能力:
静止移行軌道 4,540 kg(v1.0)、4,850 kg(v1.1)」

これだけを見ると、ファルコン9は大したことないが、他の2つは開発中だし、スペースXは、今年中にもファルコンヘビーを打ち上げる予定だ。

(ファルコンヘビー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%93%E3%83%BC

「積載量:
ペイロード(GTO):19,000 kg」

破格ですな。

話にならない。

値段次第だが、アリアン6もH3も50億円くらいを目指しているんだろうが、重量当りのコストに換算したら、おそらく勝負にならないだろう。

静止衛星の超寿命化で、打ち上げ重量があがってきているというが、電気推進の衛星が普及してくれば、むしろ軽くなるんじゃないのか?。

アリアン6も、H3も、無駄な能力に開発費を掛けようとしている可能性がある。

また、ファルコン9とファルコンヘビーの打ち上げ能力には大差があって、この間を埋めるロケットの計画はない。

だが、そうなんだろうか?。

スペースXは、ロケットを回収して再使用することを目指している。

ファルコンヘビーのブースターの燃料を減らして、そんなもんはいくらでも調整できるんじゃないのかあ?。

まあいい。

どのみち、アリアン6とかH3が出来上がるには、最低でもあと5年が掛かるわけで、その間に、ファルコン9の改良が行われないことを祈るしかないな。

この手の話には、遅れがつきものなので、格差はもっと広がるかもしれない。

また、当然、ロシアや中国の次期主力ロケットや、大穴のインド、さらに大穴のイランや北朝鮮(!)も含めて、衛星ビジネスに参入すると思われる国は枚挙に暇がない(いずれも、打ち上げ実績あり)。

本家の米国だって、スペースXだけが民間企業というわけではない。

(ブルー・オリジン社、「BE-3」エンジン試験を完了 今年中にもロケット打ち上げか)
http://www.sorae.jp/030707/5487.html

「ブルー・オリジン社は米国時間4月7日、サブオービタル機「ニュー・シェパード」に装備されるロケットエンジン「BE-3」の受領試験を完了したと発表した。」

「同社によれば、将来的にはBE-3を、他のロケットの上段エンジンとしても使用したいという。」

NASAの資金に頼らずに、自前でロケット開発を行う企業もあるのだ。

爆発炎上したオービタル社や、老舗のボーイングなど、ロケットを打ち上げたい会社はゴロゴロある。

今後のことはわからないが、需要が減ることはないだろうし、競争は益々激化するだろう。

ファルコンの再使用ロケットが実現すれば、少なくとも衛星打ち上げ市場には、大激震が走ることになる。

100分の1とかのコストで打ち上げられたら、勝負にならない。

ファルコンか、さもなくば無だな。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック