近所の宇宙 ― 2016年07月28日 06:08
近所の宇宙
最近、宇宙論にハマっている。
人類が、天体観測などから、宇宙の広がりを科学的に解明し出してから数百年、望遠鏡の性能が向上して、天の川銀河の外にも宇宙は広がっていると知ってから、100年も経っていない。
(宇宙論:現代)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%AB%96#.E7.8F.BE.E4.BB.A3
「1920年4月26日、アメリカ国立科学院においてハーロー・シャプレーとヒーバー・ダウスト・カーチスが、『宇宙の大きさ』と題する公開討論会を行った。」
「シャプレーは、「我々の銀河系の大きさは直径約30万光年程度で、渦巻星雲は球状星団と同じように銀河系内にある」との説を展開」
「カーチスは、「銀河系の大きさは直径約2万光年程度で、渦巻星雲は、(この銀河系には含まれない)独立した別の銀河である」との説を展開」
論争になるくらいだから、この頃は、本当のところは分かっていなかったわけだ。
この論争のテキストは、ここで読むことが出来る。
(NRC Transcripts of the `Great Debate')
http://apod.nasa.gov/diamond_jubilee/1920/cs_nrc.html
ハッブルは、この論争に決着を付けたわけだな。
(エドウィン・ハッブル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%96%E3%83%AB
「我々の銀河系の外にも銀河が存在することや、それらの銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見した。」
「1923年から1924年にかけてハッブルがこのフッカー望遠鏡で行なった観測によって、それまで小さな望遠鏡での観測から、我々の銀河系内の天体ではないかと考えられていた「星雲 (nebula)」と呼ばれるぼんやりした天体の中に、我々の銀河系の外にある銀河そのものが含まれていることがはっきりした。ハッブルはこの発見を1924年12月30日の論文で発表している。」
そんな最近なわけだな。
今じゃあ、観測可能な宇宙の広がり(直径)は、約930億光年とか言われている。
(観測可能な宇宙)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AA%E5%AE%87%E5%AE%99
「可視宇宙は直径約28ギガパーセク(約930億光年)の球体だということになる。」
じゃあ、その外側はどうなっているかということになるんだが、今のところは同じような宇宙が広がっているだろうという説が有力なようだ。
しかし、それを観測すること自体は出来ない。
浮沈子には、ヨタ話にしか聞こえない超ひも理論とかM理論では、この宇宙のほかにも掃いて捨てるほど(10の500乗個!)の宇宙があるというから、もうどうにでもしてくれということになる。
そんな荒唐無稽な話ではなく、もっと近所の、少なくとも、望遠鏡などで直接観測可能なリアルな話をすれば、宇宙の広がりというのは、せいぜい930億光年という話になる。
良かった・・・。
地平線の向こうがどうなっているかは、考えなくていい。
時間的には、137億年という。
この時間の中で、加速したり減速したり、再加速したりしながら膨張しているらしいので、宇宙の大きさ自体は137億光年とは、かけ離れた数字になっている。
膨らむ速度は、光速を超えてもいいらしい。
さて、大枠の話はこれくらいにして、近所の話をしよう。
(The Known Universe by AMNH:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=17jymDn0W6U
「 宇宙の大きさ:
2009年時点の科学的知識に基づき、宇宙背景放射が放射された面までの宇宙全体を光行距離で描いた動画 (2009年12月、アメリカ自然史博物館)」
ウィキに張り付けてあった動画だが、イメージとしてはこんな感じになる。
天の川銀河辺りからの話としては、こんな感じか。
(超銀河団や大空洞って何ですか?)
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/galaxy/galaxy07.html
ちょっと整理してみた(大きさは、直径)。
・銀河系(天の川銀河:マゼラン雲とか含む):10万光年
・局部銀河群(アンドロメダ銀河とか30個くらいの銀河含む):600万光年
・おとめ座銀河団(約2500個の銀河含む):1200万光年
・局部超銀河団(おとめ座超銀河団ともよぶ:およそ100の銀河群と銀河団):約1億2000万光年(2億年という記述も)
・ボイド(超空洞)と銀河フィラメント(グレートウォール):数億光年
(超空洞)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%A9%BA%E6%B4%9E
(銀河フィラメント)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88
(宇宙の大規模構造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E6%A7%8B%E9%80%A0
「銀河は数百から数千集まって銀河群、銀河団を形成している。この銀河群や銀河団が更に集まって超銀河団を形成しているが、この超銀河団は平面状の壁のような分布を示している。この巨大な壁をグレートウォールあるいは銀河フィラメントと呼ぶ。」
「1枚の銀河フィラメントと他の銀河フィラメントとの間には光を発する天体がほとんど無い領域があることが明らかになった。これを超空洞(ボイド)と呼び、その直径は1億光年を超える。」
「現在のような構造を作るためには、宇宙の質量の大部分は冷たいダークマターからできている必要があると考えられている。」
ダークマターについては、このブログでも既に触れた。
(宇宙の暗黒)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/02/26/7579899
いまのところ、暗黒物質の直接観測が成功したという決定的な話はない。
まあ、どうでもいいんですが。
(宇宙の大規模構造、超銀河団、超空洞、壁)
https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_031.html
「これまでの観測から、われわれから少なくとも 80 億光年かなたにまで宇宙の大規模構造がつながっていることが確認」
とりあえず、直径で160億光年くらいまでなら、近所がどうなっているかは分かってきたということだ。
930億光年の大きさから考えたら、僅かの距離だ。
その先がどうなっているかは、これからということになるんだろう。
もちろん、時間軸を抜きにして考えることは出来ない。
光などの電磁波を使った観測では、遠くを見るということは、過去を見ていることになる(まあ、重力波とかでも同じですが)。
80億年前から、最近までの構造というのは、概ね同じ感じになっているらしいということだ。
「宇宙誕生からわずか 10 億年後に既に形成されつつある原始銀河団が見つかっている。 銀河は宇宙初期の小さな密度揺らぎが重力によって成長して形成されたと考えられている。」
ちなみに、宇宙で最も古い星というのは、なんと、銀河系の中で見つかっている。
(HD 140283)
https://ja.wikipedia.org/wiki/HD_140283
「HD 140283は、発見されている中で最も古い恒星と推定されている。その年齢は136億6000万年から152億6000万年と推定されている。」
「地球から約190光年の距離にある」
「HD 140283は固有運動が非常に大きく、元々銀河系に属していた天体ではないと考えられている。恐らくかつては銀河ハローの中にある矮小銀河に属する恒星であったが、約120億年前に銀河系に衝突し、吸収されたと考えられている。」
宇宙は、不可解なことに満ち溢れているな・・・。
最近、宇宙論にハマっている。
人類が、天体観測などから、宇宙の広がりを科学的に解明し出してから数百年、望遠鏡の性能が向上して、天の川銀河の外にも宇宙は広がっていると知ってから、100年も経っていない。
(宇宙論:現代)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%AB%96#.E7.8F.BE.E4.BB.A3
「1920年4月26日、アメリカ国立科学院においてハーロー・シャプレーとヒーバー・ダウスト・カーチスが、『宇宙の大きさ』と題する公開討論会を行った。」
「シャプレーは、「我々の銀河系の大きさは直径約30万光年程度で、渦巻星雲は球状星団と同じように銀河系内にある」との説を展開」
「カーチスは、「銀河系の大きさは直径約2万光年程度で、渦巻星雲は、(この銀河系には含まれない)独立した別の銀河である」との説を展開」
論争になるくらいだから、この頃は、本当のところは分かっていなかったわけだ。
この論争のテキストは、ここで読むことが出来る。
(NRC Transcripts of the `Great Debate')
http://apod.nasa.gov/diamond_jubilee/1920/cs_nrc.html
ハッブルは、この論争に決着を付けたわけだな。
(エドウィン・ハッブル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%96%E3%83%AB
「我々の銀河系の外にも銀河が存在することや、それらの銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見した。」
「1923年から1924年にかけてハッブルがこのフッカー望遠鏡で行なった観測によって、それまで小さな望遠鏡での観測から、我々の銀河系内の天体ではないかと考えられていた「星雲 (nebula)」と呼ばれるぼんやりした天体の中に、我々の銀河系の外にある銀河そのものが含まれていることがはっきりした。ハッブルはこの発見を1924年12月30日の論文で発表している。」
そんな最近なわけだな。
今じゃあ、観測可能な宇宙の広がり(直径)は、約930億光年とか言われている。
(観測可能な宇宙)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AA%E5%AE%87%E5%AE%99
「可視宇宙は直径約28ギガパーセク(約930億光年)の球体だということになる。」
じゃあ、その外側はどうなっているかということになるんだが、今のところは同じような宇宙が広がっているだろうという説が有力なようだ。
しかし、それを観測すること自体は出来ない。
浮沈子には、ヨタ話にしか聞こえない超ひも理論とかM理論では、この宇宙のほかにも掃いて捨てるほど(10の500乗個!)の宇宙があるというから、もうどうにでもしてくれということになる。
そんな荒唐無稽な話ではなく、もっと近所の、少なくとも、望遠鏡などで直接観測可能なリアルな話をすれば、宇宙の広がりというのは、せいぜい930億光年という話になる。
良かった・・・。
地平線の向こうがどうなっているかは、考えなくていい。
時間的には、137億年という。
この時間の中で、加速したり減速したり、再加速したりしながら膨張しているらしいので、宇宙の大きさ自体は137億光年とは、かけ離れた数字になっている。
膨らむ速度は、光速を超えてもいいらしい。
さて、大枠の話はこれくらいにして、近所の話をしよう。
(The Known Universe by AMNH:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=17jymDn0W6U
「 宇宙の大きさ:
2009年時点の科学的知識に基づき、宇宙背景放射が放射された面までの宇宙全体を光行距離で描いた動画 (2009年12月、アメリカ自然史博物館)」
ウィキに張り付けてあった動画だが、イメージとしてはこんな感じになる。
天の川銀河辺りからの話としては、こんな感じか。
(超銀河団や大空洞って何ですか?)
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/galaxy/galaxy07.html
ちょっと整理してみた(大きさは、直径)。
・銀河系(天の川銀河:マゼラン雲とか含む):10万光年
・局部銀河群(アンドロメダ銀河とか30個くらいの銀河含む):600万光年
・おとめ座銀河団(約2500個の銀河含む):1200万光年
・局部超銀河団(おとめ座超銀河団ともよぶ:およそ100の銀河群と銀河団):約1億2000万光年(2億年という記述も)
・ボイド(超空洞)と銀河フィラメント(グレートウォール):数億光年
(超空洞)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%A9%BA%E6%B4%9E
(銀河フィラメント)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88
(宇宙の大規模構造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E6%A7%8B%E9%80%A0
「銀河は数百から数千集まって銀河群、銀河団を形成している。この銀河群や銀河団が更に集まって超銀河団を形成しているが、この超銀河団は平面状の壁のような分布を示している。この巨大な壁をグレートウォールあるいは銀河フィラメントと呼ぶ。」
「1枚の銀河フィラメントと他の銀河フィラメントとの間には光を発する天体がほとんど無い領域があることが明らかになった。これを超空洞(ボイド)と呼び、その直径は1億光年を超える。」
「現在のような構造を作るためには、宇宙の質量の大部分は冷たいダークマターからできている必要があると考えられている。」
ダークマターについては、このブログでも既に触れた。
(宇宙の暗黒)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/02/26/7579899
いまのところ、暗黒物質の直接観測が成功したという決定的な話はない。
まあ、どうでもいいんですが。
(宇宙の大規模構造、超銀河団、超空洞、壁)
https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_031.html
「これまでの観測から、われわれから少なくとも 80 億光年かなたにまで宇宙の大規模構造がつながっていることが確認」
とりあえず、直径で160億光年くらいまでなら、近所がどうなっているかは分かってきたということだ。
930億光年の大きさから考えたら、僅かの距離だ。
その先がどうなっているかは、これからということになるんだろう。
もちろん、時間軸を抜きにして考えることは出来ない。
光などの電磁波を使った観測では、遠くを見るということは、過去を見ていることになる(まあ、重力波とかでも同じですが)。
80億年前から、最近までの構造というのは、概ね同じ感じになっているらしいということだ。
「宇宙誕生からわずか 10 億年後に既に形成されつつある原始銀河団が見つかっている。 銀河は宇宙初期の小さな密度揺らぎが重力によって成長して形成されたと考えられている。」
ちなみに、宇宙で最も古い星というのは、なんと、銀河系の中で見つかっている。
(HD 140283)
https://ja.wikipedia.org/wiki/HD_140283
「HD 140283は、発見されている中で最も古い恒星と推定されている。その年齢は136億6000万年から152億6000万年と推定されている。」
「地球から約190光年の距離にある」
「HD 140283は固有運動が非常に大きく、元々銀河系に属していた天体ではないと考えられている。恐らくかつては銀河ハローの中にある矮小銀河に属する恒星であったが、約120億年前に銀河系に衝突し、吸収されたと考えられている。」
宇宙は、不可解なことに満ち溢れているな・・・。
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