明るい兆しか、相変わらずの手抜きか2018年11月28日 09:38

明るい兆しか、相変わらずの手抜きか
明るい兆しか、相変わらずの手抜きか


46週目の報告が上がり、依然として高い感染を示してはいるものの、勢いはやや衰えてきた感じか。

まあ、本番は来年かも知れないからな(2012年から2013年は、連続して感染が広がり、2013年の方が8倍も流行した)。

その矢先に、厚労省が風疹ワクチン対策の見直しを検討しているという話が出てきた。

(風疹予防接種、30~50代男性の無料化検討 厚労省)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3818424026112018CR8000/

「厚労省は感染リスクが高い30~50代の男性も定期接種の対象とする方向で調整を進める。」

「抗体の有無を調べる検査についてはすでに無料化する方針」

(風疹の定期接種化を検討 30~50代男性に)
https://mainichi.jp/articles/20181128/k00/00m/040/087000c

「検査で抗体がないことが判明した30~50代男性も定期接種の対象に加える方向で検討」

各社の報道を見ると、検討内容にビミョーな差があるんだが、毎日だけが「抗体検査→定期接種」の流れを明記していた。

数千万人の対象者がおり、抗体検査だけでも大変な額になる。

浮沈子の例をとれば、検査は3800円。

ラボのコストは800円程度で、医療機関の手数料(採血料その他)が3000円というところか。

正確な対象者数が分からないけど、総務省の人口統計(2年前)を参考にすれば、15歳から64歳(50年間)が7596万人とあるのを参考にして、男半分、30代から50代(30年間:6割)として、ざっくり2268万人。

(人口推計(平成29年10月1日現在)
‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/index.html

掛け算すると、862億円ということになる。

検査だけで、そのくらいだ。

更に、HI法で要ワクチン接種と判定されるのがどのくらいかは分からない。

抗体を持っているのが8割と言われているが、HI法で8倍を基準にしているからな。

32倍以上でないといけないわけだから、仮に2倍の4割いるとすれば、本来の要ワクチン接種者は、男性の30代から50代に限っても907万人。

全員がワクチン1回打ったら、ワクチン接種料1万円とすると約1000億円かかることになる。

2千億円近くの莫大な投資をして、果たして効果はあるのか。

少なくとも1割程度は感受性者がいると思われる女性は全てオミットしているし、対象世代を除く3分の2の男性もパス。

抜本的な対策とは程遠い、つじつま合わせ的な方法論のような気がする。

かつて、女性だけに風疹ワクチンを打っていた時代があったが、理論的には、それで十分だったはずだ。

同じ過ちを繰り返すのではないのか。

選択的ワクチン接種が、どういう結果をもたらすかについて、我々は何も学んでいないということになってしまうのではないか。

もちろん、何もせずに、任意接種を促すだけよりは100倍効果がある(テキトーです)。

働き盛りの男性限定の定期接種という、ワケワカな制度設計にも疑問が残る。

どーせ、オリンピックが終われば、関連予算はぶった切られる運命なのかもしれない。

舌噛んでも、臨時接種とは言わない厚労省。

なんか、いつか来た道のような気がするんだがな・・・。