水の中のゆとり2011年12月30日 09:36

水の中のゆとり
水の中のゆとり


今日(12月29日)はダイビング初日である。

朝はしっかりと寝坊して、8時半に起きる(現地時間)。食堂で、例によってジャーマンブレックファストを頂く。コーヒーも。9時過ぎにイントラがやってきて、朝食を見て「これは何ていうのか?」と聞いてくる。不審に思ったが、メニューの日本語への翻訳をやったらしい。まあ、写真がついてたわけじゃないので無理もない。

ジュリアンがCCRのボックスを部屋に取りに来てくれる。重いぞーっと言ったら笑っていたが、担いだ途端に笑顔が消えた。今度はこっちが笑ってしまう(心の中で)。

10時ぎりぎりまで食堂にいた。インターネットに繋がったのでホッとする。無線の状態が悪く、すぐに切れてしまうのが難点だが、繋がらないよりは千倍もいい。

食堂のスタッフは名前や定番のメニュー(ここでの朝食は、必ずジャーマンと決めている)を覚えていてくれる。ちょっと嬉しい。コーヒーをお代わりしてしまうが、この味も全然変わっていない(ちょっと悲しい・・・)。

時間になったので、ダイビングショップに行く。器材の準備をしながらイントラに、「来年の正月は、キリマンジャロへ行くのでセブにはこられません。」と、無謀にも宣言してしまう。

これって、いわゆるセルフプレッシャーなのか、単なる冗談か。相当呆れられてしまった。「まあ、何事もチャレンジはできるうちにやっておかないとね。」というコメント。それって、「いい歳こいて、キリマンジャロとか言ってる場合じゃナイジャロ?。」とトランスレイションする私。

まあ、今に見ていろ・・・(その今が、なかなか来ないんだが)。

で、肝心のダイビングは可もなく不可もなし。1年ぶりの海潜りにしては、スムーズだったか。ステージボトルのレギュレーターとハードウェアを忘れたことに気付いたことは、一切気にしないことにした。今回はリカバリダイビングに近いので、エアディリュエントのままでいいや・・・。

バンジータイプのブラダーでは海デビューになるので、ウエイトを12ポンドにして潜る。ぎりぎりセーフという感じ。カウンターラングの容量を息ができるぎりぎりまで少なくして、浅場を移動する。水中は透明度悪し。といっても、10メートルくらいは見える。水温は意外と低い(といっても29度位はある:後でログを見たら28.7度)。

今日は慣らしということで、15メートルまでで、浮力の調整や、ホバリング、トリムの適正化に専念する。やはり、バンジータイプはエアをリリースした時の浮力変化が大きい。微妙な調整のコツをつかんでおく必要がある。

最初はダウンカレントに入ってしまったが、少し移動すると流れが殆どなくなり、まったりとする。いや、ホバリングをやらなければならないので、微調整に忙しい。酸素の使用量は30気圧ほどで済んだが、エアは40位使った。

水の中では結構余裕があった。まあ、こんなもんか、という感じ。

45分ほどのファンダイブで、エキジットする。まあまあかな。上がってきてから、ちょっと気持ち悪くなってしまう。脱水かもしれないと、水をたくさん飲む。なにしろ、昨日までの気温と25度違うので、気を付けないといけない。シャワーを浴びて少し寛いでいたら、不快感はなくなった。疲れが出たためかも。

夕食を例のピザ屋(ハルハイ)でとることにして、イントラをさそう。イントラも3か月ぶりのピザ屋だそうだ。

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で、今ピザ屋から帰ってきた。PADIがCCRを始めるというので、イントラが何か情報を持っていないか聞いてみたのだが、結論としては日本は何も動いていないとのこと。やっぱり・・・。欧米や日本以外のアジアでは、インストラクターの関心は非常に高く、新しい商売の展開に向けて気運が高まっているようだ。ここのショップにも問い合わせが何件かきているらしい。

器材が1台しかなく、体験CCR用でしか使えないので、CCRトレーニングをコンチキでやりたい人は、基本は自前のCCRの持ち込みになるようだ。しかし、ボスのカールさんはひょっとしたら、タイプRの器材を買うかもしれないという。ああ、なんだか身の回りのこういう動きがとても嬉しい。

こうなると、もう、日本でのCCRの普及は見切りを付けて、近場の海外で普及してもらうとか、沖縄をダイビング特区にして、水中での純酸素の呼吸を認めてもらってCCR使えるようにしてもらうといった感じでしか、未来は明るくない。

ガラパゴス化というのは、ガラパゴスの人にとっては心地よい響きではないそうだ。でも、そのうち「日本化」というのが世界共通の認識になり、ダイビングの世界でジャパニーズスタイルが奇異の目で見られるようになるだろう(既にそうなっている?)。未だに空気を吸い、CCRの普及が絶望的に少ない化石的ダイビングを行なっている。

まあ、それでもお客さんは付くし、儲かっているところはそれなりに商売になっているのだからいいのかもしれない。需要がなければ供給は生じない。国内でだめなら海外に行くまでだし。日本から海外に出かけるダイバーもたくさんいるので、そこでナイトロックスやCCRを見て彼我の差を認識することもあるだろう。

それでもやはり、外圧でしか変わりようがないこともあるかもしれない。しかし、外圧でCCRが普及するとも思えないしなあ・・・。

そんな、やるせなさを感じる今日のディナーでした。

こうして、ブログネタを書いていると、外は雨が降ってきた。音を立てて降る。明日の透視度も期待薄いなあ。

水の中のセブ2011年12月30日 20:44

黄色いボートは初めて
黄色いボートは初めて


今日(12月30日)はダイビング2日目である。

夕べは腹いっぱい食ったので、よく眠れるはずなのだが、寝たり起きたりして熟睡が得られず、今朝は寝坊。9時からのダイビングを30分ほどずらしてもらった。食堂のスタッフと挨拶。変わってない。オーダーも同じ。味も同じ・・・。

ダイビングは25.7メートル48分のマッタリ系。流れも殆どなく、ホバリングも少し慣れて、昨日よりは楽だった。水温は28.6度。昨日は冷たく感じたが、その温度にも慣れた。頭は昨日も今日もフードを被っている。

25メートルになると、さすがに薄暗く感じる。写真を撮ってもフラッシュが焚かれてしまう。深場での出モノはなし。イントラは、左サイドマウントのコンフィギュレーションの調整に余念がない。今、いろいろと試しているそうだ。アルミタンクはガスが減ってくると底が浮いてくる。ハーネスに着ける場所を変えたりしているとのこと。

オープンサーキットも、サイドマウントが流行になるかもしれない。ちょっとカッコイイし。ダブルタンクの場合は、マニフォールドがあるコンベンショナルな背負い式の方が、ファーストステージのトラブルの際にアドバンテージがあるような気がするので、どう?、と聞いてみると、あーでもない、こーでもないと、説明してくれて、結論としては状況とダイバーのスキルによる選択の問題ということになる。

ダイビングは奥が深いですなあ。

浮上してきて8メートル位のところにウミウシがいた。写真で見るとアメフラシ位の大きさに思えるが、今日のやつは小指位のサイズ。イントラは3匹いたというが、私に見えたのは1匹だけ。これにハマる人が多いという。綺麗な模様だが、サイズが小さいのでインパクトに欠ける。まあ、好きな人はどうぞ。

6メートルで安全停止。PO2が1.3ataのままでホバリング。ちと辛い。昨日は9メートルだった。だんだん要求が厳しくなる。いつものパターンだ。酸素30、エア40の消費量は同じ。まだ慣れが必要か。

エキジット後も、特に不快感はない。体がセブに慣れてきたのだろう。ただ、食欲はそれほどなく(夕べ食べ過ぎただけ?)、昼飯抜きでいくことにする。朝はダイビング前なので、食べずに潜ることはできない。医者からも禁じられている。DMの薬を飲んでいる関係で、低血糖になる恐れがあるからだ。そうなると、水中でアメを舐めるわけにもいかず、危険な状態になる可能性があるといわれている。陸上での経験では、震えが来たり、悪寒がしたり、意識の混濁(低血糖でなくてもよくある?)が起こったりして、とにかくヤバい。

今日の水中は、本当に静かで、自分の呼吸音がヤケに大きく聞こえた。耳がよく抜けていたせいかもしれない。周りにはイントラの他にダイバーはいないので、排気音も殆ど聞こえない。サイレントダイビングである。その中で、自分の呼吸音だけが、ゴーッ、ゴーッ、と聞こえている。小魚(名前なんて知らない)が、目の前をうろうろし、ガン付けていく。おじゃまさまです・・・。

セブの水中は、濁りが気になるけれど、今日も平和です。

今朝、最近は、ハルハイ(ピザ屋)で払うだけになってしまった感のあるフィリピンペソに両替を頼んでおいた。昼寝をしてから取りに行く。1万円で5560ペソになった。レートと比べて80ペソ位少ないが、たぶん手数料なのだろう。1ペソ2円を割っている。アメリカドルとのリンクが大きいのだろうが、ずいぶんお得感がある。ピザ屋で二人が食べ放題飲み放題(私はノンアルコール)しても、3回行ってもお釣りが来る。ちなみに昨日は1540ペソであった。

ホテルのカウンターも明日、明後日とお休みで、1月2日からの営業だという。おいおい、その間のチェックインやチェックアウトはどうするんじゃい?。

部屋の前は船着場になっており、バンカーボートが頻繁に発着している。沖には2本マストのヨットが停泊している。木造船のようだ。カッコイイなあ。この辺でヨットは珍しい。

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爆睡した。3時半から7時半まで、変な夢を見ながら午睡を楽しむ。飛行機に乗って超音速でカッ飛んでいる夢だった。いや、別にシミュレーションゲームにハマっているわけじゃあない。

食堂に行くと日本人のグループがいた。ここでは、日本人が珍しい時期もあるが、年末年始は多いようだ。スペシャルフライドライスを頼むが、グループの料理が先に出てくるのでまだありつけない(ムッ!)。

インターネットが珍しく途切れずに繋がる。静かな晩だ。