再使用ロケット再考 ― 2017年05月29日 01:25
再使用ロケット再考
ちょっと気になる話があって、頭を抱えている。
(Aerojet Rocketdyne Selected As Main Propulsion Provider for Boeing and DARPA Experimental Spaceplane)
https://globenewswire.com/news-release/2017/05/24/995805/0/en/Aerojet-Rocketdyne-Selected-As-Main-Propulsion-Provider-for-Boeing-and-DARPA-Experimental-Spaceplane.html
B社が、ダルパの命を受けて、しょうもない打ち上げロケットの開発に乗り出した話はすでに書いた。
(二匹目のドジョウ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/cat/universe/
ブースターに翼を付けて、ロケットエンジンで打ち上げ、回収の際に、ひらひらと舞い降りるという計算なんだが、打ち上げ重量や空気抵抗を差し引いて、ブースターの回収が経済的に行えるかどうかが問題だな。
浮沈子は、それは無理だと思っている。
ロケットダインが作ろうとしているのは、数十回しか再使用できないスペースシャトルのエンジンを基にしている。
(JAXA/ISASの「再使用観測ロケット」開発計画 - 航空機のように飛ばせるロケットを目指して)
http://news.mynavi.jp/articles/2015/06/25/reusablerocket/
「スペース・シャトルのロケット・エンジンの設計寿命は55回とされている。」
そもそも、ダルパが要求しているのは、高頻度の打ち上げに対応できることであって、経済性とかではない。
10日に10回打ち上げることが条件だからな。
11回目は、新品のエンジンで差し支えない。
なんなら、エンジンをワンタッチで付け替えられるようにしておくだけでも、要求仕様を満たすことは出来るだろう。
再使用するに当たっては、全バラして、部品レベルでチェックすることになる・・・。
コスト度外視の、軍事用衛星打ち上げシステムならではの発想だ。
使い捨ての小型衛星専用ロケットでも開発して、10本(ロケットの数え方って、単位は何なんだあ?)纏めて打ち上げた方がいいような気がするんだがな。
スペースXの場合、経済性を前面に出している。
つーか、それしかない。
再使用こそが、経済性を追求する必要最低条件だと見切っている。
XS-1は、要素技術とか、運用関係は民間移転を考えているようだが、それ自体でコスト削減など微塵も考えていないだろう。
適時打上げのみ。
それは、既にペガサスロケットが何十年も前に成し遂げている。
(ペガサス (ロケット))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%82%B9_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)
「発射は高度12kmの成層圏において行われるため、天候によって発射が制限されないという利点がある。」
XS-1には、残念ながらその利点はない。
適時打上げについては、むしろ後退している。
「空中発射ロケットは低コストな運用を可能とするシステムであるが、母機の年間維持費が固定費となるため、年間打ち上げ機数が減少すれば打ち上げ費用は増大する。」
つまり、ペガサスで打ち上げ可能な衛星の需要なんてないのだ。
最近10年間では、たった6回しか打ち上げ実績がない。
10日で10回なんて、絵に描いた餅に過ぎない。
湯水のように金を使える、軍事関係の開発プロジェクトならではの発想だな。
しかも、コスト削減は二の次になっている。
スペースシャトルを開発した、B社と、そのエンジンを開発したロケットダイン社が、二匹目のドジョウを狙っているのが、手に取るようにわかるな。
そして、同じ墓穴を掘るのだ・・・。
高頻度の打ち上げが需要を喚起するのは、十分にコストが下がって、その結果、市場のすそ野が広がるからに他ならない。
高コスト体質のまま、打ち上げ頻度が上がることは有り得ないのだ。
皆無ではない。
低軌道に、小型高性能の衛星を多数配置して、数千機の衛星コンステレーションを展開して、インターネットのバックボーンを作ろうという話がある。
10日で10回では、とても間に合わないがな。
しかし、それこそ、低コストが求められる話だ。
有事の際の臨時の偵察衛星の需要くらいしか見込めない。
それと同じ仕掛けで商売できるほど、打ち上げロケット業界は甘くない。
高頻度かどうかは別にして、適時打上げについては後退している。
要するに、再使用ロケットと有翼ブースターという目新しい仕掛けを試してみたいだけの話だ。
スペースシャトルの夢よ、もう一度。
(Dream Chaser spacecraft passes 3rd integration review milestone)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/sierra-nevada/dream-chaser-spacecraft-passes-3rd-integration-review-milestone/
ドリームチェイサーは、ISSへの貨物輸送で、1度は干されてしまったが、リベンジを試みている。
ここにも、有翼宇宙機(ブースターとは異なる)の夢を捨てきれない面々がいるのだ。
カプセル型の宇宙船が、パラシュートやスーパードラコで帰還するという、見慣れた(見飽きた?)光景ではなく、航空機のように、滑空して降りてくる方が絵になるからな(そうなのかあ?)。
まあいい。
XS-1では、どーせ、2段目の回収は行われない。
コスト削減が目的じゃないしな。
まして、フェアリングの回収をや。
金に糸目は付けない。
世界の平和が掛かっている時に、そんなケチ臭い話をしてどーする?。
いや、それとも、偵察衛星で明らかになった目標に、2段目を再突入させて重量兵器として破壊するつもりなのかもしれない。
それなら、節約になるしな。
無駄にはならない。
しかし・・・。
そんなの、軍事機密だから、公になることはないだろう。
なるとしても、50年以上先の話だ。
そんなには、付き合っていられない。
このブログで紹介することも出来ない(生きてねーよ・・・)。
まあ、どうでもいいんですが。
再使用型ロケットの話は、これからもたびたび登場するに違いない。
そのどれもが、ロクでもない話に違いない。
ファルコン9の後を追っているのは、ブルーオリジンだけだ。
しかし、あっちも、2段目の回収は想定されていない。
宇宙への扉が、庶民に開かれるのは、まだまだ先の話になるだろうな・・・。
ちょっと気になる話があって、頭を抱えている。
(Aerojet Rocketdyne Selected As Main Propulsion Provider for Boeing and DARPA Experimental Spaceplane)
https://globenewswire.com/news-release/2017/05/24/995805/0/en/Aerojet-Rocketdyne-Selected-As-Main-Propulsion-Provider-for-Boeing-and-DARPA-Experimental-Spaceplane.html
B社が、ダルパの命を受けて、しょうもない打ち上げロケットの開発に乗り出した話はすでに書いた。
(二匹目のドジョウ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/cat/universe/
ブースターに翼を付けて、ロケットエンジンで打ち上げ、回収の際に、ひらひらと舞い降りるという計算なんだが、打ち上げ重量や空気抵抗を差し引いて、ブースターの回収が経済的に行えるかどうかが問題だな。
浮沈子は、それは無理だと思っている。
ロケットダインが作ろうとしているのは、数十回しか再使用できないスペースシャトルのエンジンを基にしている。
(JAXA/ISASの「再使用観測ロケット」開発計画 - 航空機のように飛ばせるロケットを目指して)
http://news.mynavi.jp/articles/2015/06/25/reusablerocket/
「スペース・シャトルのロケット・エンジンの設計寿命は55回とされている。」
そもそも、ダルパが要求しているのは、高頻度の打ち上げに対応できることであって、経済性とかではない。
10日に10回打ち上げることが条件だからな。
11回目は、新品のエンジンで差し支えない。
なんなら、エンジンをワンタッチで付け替えられるようにしておくだけでも、要求仕様を満たすことは出来るだろう。
再使用するに当たっては、全バラして、部品レベルでチェックすることになる・・・。
コスト度外視の、軍事用衛星打ち上げシステムならではの発想だ。
使い捨ての小型衛星専用ロケットでも開発して、10本(ロケットの数え方って、単位は何なんだあ?)纏めて打ち上げた方がいいような気がするんだがな。
スペースXの場合、経済性を前面に出している。
つーか、それしかない。
再使用こそが、経済性を追求する必要最低条件だと見切っている。
XS-1は、要素技術とか、運用関係は民間移転を考えているようだが、それ自体でコスト削減など微塵も考えていないだろう。
適時打上げのみ。
それは、既にペガサスロケットが何十年も前に成し遂げている。
(ペガサス (ロケット))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%82%B9_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)
「発射は高度12kmの成層圏において行われるため、天候によって発射が制限されないという利点がある。」
XS-1には、残念ながらその利点はない。
適時打上げについては、むしろ後退している。
「空中発射ロケットは低コストな運用を可能とするシステムであるが、母機の年間維持費が固定費となるため、年間打ち上げ機数が減少すれば打ち上げ費用は増大する。」
つまり、ペガサスで打ち上げ可能な衛星の需要なんてないのだ。
最近10年間では、たった6回しか打ち上げ実績がない。
10日で10回なんて、絵に描いた餅に過ぎない。
湯水のように金を使える、軍事関係の開発プロジェクトならではの発想だな。
しかも、コスト削減は二の次になっている。
スペースシャトルを開発した、B社と、そのエンジンを開発したロケットダイン社が、二匹目のドジョウを狙っているのが、手に取るようにわかるな。
そして、同じ墓穴を掘るのだ・・・。
高頻度の打ち上げが需要を喚起するのは、十分にコストが下がって、その結果、市場のすそ野が広がるからに他ならない。
高コスト体質のまま、打ち上げ頻度が上がることは有り得ないのだ。
皆無ではない。
低軌道に、小型高性能の衛星を多数配置して、数千機の衛星コンステレーションを展開して、インターネットのバックボーンを作ろうという話がある。
10日で10回では、とても間に合わないがな。
しかし、それこそ、低コストが求められる話だ。
有事の際の臨時の偵察衛星の需要くらいしか見込めない。
それと同じ仕掛けで商売できるほど、打ち上げロケット業界は甘くない。
高頻度かどうかは別にして、適時打上げについては後退している。
要するに、再使用ロケットと有翼ブースターという目新しい仕掛けを試してみたいだけの話だ。
スペースシャトルの夢よ、もう一度。
(Dream Chaser spacecraft passes 3rd integration review milestone)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/sierra-nevada/dream-chaser-spacecraft-passes-3rd-integration-review-milestone/
ドリームチェイサーは、ISSへの貨物輸送で、1度は干されてしまったが、リベンジを試みている。
ここにも、有翼宇宙機(ブースターとは異なる)の夢を捨てきれない面々がいるのだ。
カプセル型の宇宙船が、パラシュートやスーパードラコで帰還するという、見慣れた(見飽きた?)光景ではなく、航空機のように、滑空して降りてくる方が絵になるからな(そうなのかあ?)。
まあいい。
XS-1では、どーせ、2段目の回収は行われない。
コスト削減が目的じゃないしな。
まして、フェアリングの回収をや。
金に糸目は付けない。
世界の平和が掛かっている時に、そんなケチ臭い話をしてどーする?。
いや、それとも、偵察衛星で明らかになった目標に、2段目を再突入させて重量兵器として破壊するつもりなのかもしれない。
それなら、節約になるしな。
無駄にはならない。
しかし・・・。
そんなの、軍事機密だから、公になることはないだろう。
なるとしても、50年以上先の話だ。
そんなには、付き合っていられない。
このブログで紹介することも出来ない(生きてねーよ・・・)。
まあ、どうでもいいんですが。
再使用型ロケットの話は、これからもたびたび登場するに違いない。
そのどれもが、ロクでもない話に違いない。
ファルコン9の後を追っているのは、ブルーオリジンだけだ。
しかし、あっちも、2段目の回収は想定されていない。
宇宙への扉が、庶民に開かれるのは、まだまだ先の話になるだろうな・・・。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。