嫦娥5号着陸成功:いずれは中国製スターシップで系外惑星へ有人探査か2020年12月02日 08:31

嫦娥5号着陸成功:いずれは中国製スターシップで系外惑星へ有人探査か


やっぱ、イトカワやリュウグウ、ベンヌといった小惑星とかと違って、月への着陸というのはインパクトが大きい。

重力天体(小惑星も重力有りますけど)への着陸は、如何にも着陸というイベント色が濃い。

失敗すれば、叩きつけられて木っ端微塵だし、月にも火星にも、そういう残骸はゴロゴロしている。

(中国は月にサンプルリターンプローブを着陸させる)
https://spaceflightnow.com/2020/12/01/china-lands-sample-return-probe-on-moon/

「嫦娥5号の着陸船は、月の近くの北半球、モンスリュムケルという火山高原の東にある嵐の大洋(Ocean of Storms)に着陸しました。」

「着陸は火曜日の午前10時11分(グリニッジ標準時1511時)」

「月の北緯43.1度、西経51.8度で着陸」

まずは目出度い。

これから数日が正念場だな。

月の表面や地中をほじくり返してサンプルを取得し、カプセルに密閉し、上昇機を打ち上げ、周回機とランデブー・ドッキングし、サンプルを収めたカプセルを移送し、分離したのち月周回軌道から離脱し地球帰還軌道に乗せる。

まあ、そこから先はT1で経験済みだから、上手くいくかもしれない。

「サンプルの採取と封印のプロセス全体を行ったことがない」

「作業のこの部分は、主にドリルを含むいくつかの複雑な構造に依存しています…月面の岩やレゴリスをすくい上げるために使用されるロボットアーム、そして実際にはサンプルが無傷の状態を維持できるように設計された高真空シール装置。」

「月周回軌道を飛行する2つの宇宙船の位置と速度を正確に予測する必要があります」

「プローブのサイズが一致しないため、ドッキング中のアセンダーの重量は約300〜400キログラム(660〜880ポンド)ですが、(オービター)の重量は約2,000キログラム(4,400ポンド)です。エラーが発生すると、小型の宇宙船がノックオフされる可能性があり、ドッキング作業が以前よりもはるかに困難になります。」(ノックオフ:中断の意?)

当たりが強くて、かぎづめによる固定が間に合わないと、弾き飛ばされてしまう可能性がある。

ドッキングには、正確なアプローチが必要だ(120度ずつズレている3つのかぎづめの角度が合わないと、固定できないしな)。

越えるべきハードルは多いが、上昇機を乗せての着陸という大きなハードルは越えた。

ひょっとしたら、一発で成功するという可能性もある(可能性は常にあるけど)。

20世紀にソ連が失敗しまくっていたころを考えると、今回中国が成功しなくても不思議はない。

ちなみに、米国には月からの無人でのサンプルリターンの実績は皆無だ。

人間乗せて行っちまったしな。

それはそれで快挙だが、13号による失敗もしている。

ちょっと、ホッとした感じだ・・・。

(新しい月の石を手に入れろ! 中国の月探査機「嫦娥五号」の大挑戦)
https://news.mynavi.jp/article/20201127-1534587/

「目次:
1 まるで「人が乗っていないアポロ」、月の石を持ち帰るための複雑な仕組み
・嫦娥計画
・嫦娥五号
2 なぜ、新しい月の石が必要なのか? 嫦娥五号の狙いと、嫦娥工程の未来
・44年ぶりに新しい月の石を持ち帰る意味とは?
・嫦娥計画の未来」

鳥嶋さんならではの、背景を含めた一幅の絵画を眺めるような分かりやすく詳細を極めた記事だな。

相変わらず、頭が下がる。

有難い。

「嫦娥五号の機体やミッションの複雑さは、まるで「人が乗っていないアポロ計画」」

同感だ。

「これに備え、中国は2013年に打ち上げた「試験七号」などを通じて、無人の衛星同士のドッキング技術を実証する試験を行った」

これは知らなかったな。

「とはいえ、嫦娥五号のミッションにおける大きなハイライトとなることは間違いなく、ミッション期間が約3週間と短いこともあって、緊張の続く張り詰めた毎日となろう。」

その通りだろうな。

「着陸場所は、月の表側の「嵐の大洋」にあるリュムケル(リュンカー)山に設定されている。」

スペースフライトナウの記事では、そのそばの嵐の大洋に降りたことになっている。

まあ、どこでもいいんですが。

浮沈子は、月の年代学とかには、あまり興味がないし、太陽系の成り立ちとかにも関心は薄い。

それが、地球の成り立ちと大いに関係があり、地球生命の誕生に大きな影響があるとしてもだ。

それよりも、人間が作り上げた機械が、38万km彼方の地面(月面?)に降りたことの意義の方が大きい気がする。

「着陸機には可視光・赤外線カメラとレーダーが装備されており、着陸場所の地質などを分析。とくに月の土壌に水が含まれているのか、あるとすればどれくらい含まれているのかは大きな観測テーマの1つである。」

ランダーがどういう観測をするかということにも興味はない。

「そして、サンプル採取のために装備されたドリルを使い、地中深さ2mまで掘り、サンプルを採取する。また、それとは別にスコップのような装置をもったロボット・アームも装備しており、地表のレゴリスも採取する。採取できるサンプルの量は2kgほどとされる。」

何処からどれくらい取ったか、それを地球に持ち帰って分析する意義だって、どーでもいー気がする(そんなあ!)。

それよりも、合計重量が2kgということが確認できてよかった。

「採取したサンプルは上昇機へ移され、そして11月30日ごろに、上昇機のみが月から離陸する。上昇機は打ち上げ後、月の周回軌道を回っている周回機・回収カプセルと自律的にドッキングする。」

日程は?な感じだな(着陸は、さっきだし)。

「その後、上昇機から回収カプセルにサンプルを移送。そして上昇機を投棄し、周回機のスラスターで月の周回軌道を離脱。地球に近づいたところで周回機から回収カプセルを分離する。カプセルは大気圏上層部で水切りの石のように跳ね、空力加熱を抑えつつ少しずつ速度を落としたのち、内モンゴル自治区の四子王旗にある草原地帯に着陸する。帰還は12月15日か16日ごろに予定されている。」

上昇機がちゃんと投棄されること、帰還日が15日か16日になることも分かった。

米国の大統領選挙はほぼ決着がつき、アルテミス計画は無期延期の危機にさらされている。

国家元首を市民の投票で選ぶ(米国の場合は間接選挙ですが)などという野蛮な民主主義(!)とは無縁な中国では、宇宙計画は極めて安定している。

10年くらい延期されることはあるけど、一度決めたことは淡々と実行されていく。

中国独自の宇宙ステーション、月面基地(無人)、有人月面着陸(構想のみ)辺りまでは、計画に従って着々と進められるに違いない。

有人月面基地、火星からのサンプルリターン、金星や木星圏以遠への探査、小惑星探査などは未定だ。

火星への有人探査は、今のところ何の音沙汰もないが、浮沈子的には、密かに狙っていると確信している(そうなのかあ?)。

その手段はどうするのかだってえ?。

もちろん、イーロンマスクと組んで、スターシップを中国で生産して飛ばすに決まっている(そんなあ!)。

宇宙開発にタブーはない。

小惑星や木星圏への有人探査だってやりかねない。

やがては、太陽系外へと探査は広がっていく。

米国の使い捨てロケットを尻目に、中国製のスターシップが宇宙を飛び交う時代は目の前かも知れない。

火星を治外法権にしたいイーロンマスクとは同床異夢だろうけどな・・・。