イプシロンロケットに未来はあるのか ― 2018年12月01日 08:13
イプシロンロケットに未来はあるのか
結論から言えば、年に1回の官製打ち上げの需要はある。
予算が付いているからな。
打ち上げ費用を衛星側が持つという意味での、民間需要を取り込むことは難しいのではないか。
理由は2つ。
一つは、衛星の小型化が、予想を超えて進展し、それを打ち上げられるエレクトロンのような小型ロケットが台頭してきつつあるということ。
もう、キューブサットで十分なのではないか。
或いは、小型ロケットで好きな時に上げられればいいのではないか。
もう一つは、開発期間が長く続き、仕上がった時には市場は変化してしまっているということ。
今後、1段目の固体ロケットモーターが生産中止になり、H3のブースターと共用されることになるらしいが、その開発で時間が掛かり、商用打ち上げになるのは2020年代半ば頃だろう。
その時点での打ち上げコストは、30億円程度と見込まれている(現在は、開発モードなので約50億円)。
SSOに600kg程度の打ち上げ能力は、なんか中途半端な感じだ。
それで30億円。
ちなみに、エレクトロンは、150kgで6億円くらいで上がる(たぶん)。
量産化が軌道に乗れば、毎週打ち上げが可能となり、コストはさらに下がるだろう。
高い冶金技術が必要とされるターボポンプの部分を、電動モーターであっさり回避して、3Dプリンターでロケットエンジンを作り、側はカーボン製で軽量化を計るというスマートなロケットだ。
もっとすごいライバルは、もちろん、ファルコンシリーズだな。
今度打ち上げられるSpaceflight SSO-Aは、64倍機の衛星(小型衛星15機を含む)を、たぶん、60億円くらいで上げる。
コスパは、最高だろうな。
インドのロケット(PSLV)やロシアのロケット(ソユーズ)なら、使い捨てながら同等のコスパを発揮できるに違いない。
打ち上げ機会、価格重量比のいずれをとっても、市場のニーズに合わなくなる。
やれやれ・・・。
もちろん、ぴったりしたニーズに嵌る衛星があれば、その打ち上げに特化して最適な解を得ることは可能だ。
官製打ち上げは、まさにそれそのものということになる。
衛星側の需要ではなく、ロケットの能力に合わせた衛星開発になるからな。
イプシロンを残置するための衛星だ。
まあ、それのどこが悪いという話はある。
自前のロケットを持つという、いわば見栄の張り合いみたいな話は、ロケット先進国は何処でも持っている。
我が国には、H2Aという立派なロケットがあって、それで十分じゃないかという話もある。
融通の利かない国策ロケットだから、研究者のオモチャ衛星を打ち上げてもらうには、使い勝手が悪い。
イプシロンは、そういう衛星のためのロケットだ。
それで生き残れば十分じゃないかというわけだな。
無理して民需を取り込んで見せなくても、年に1回の打ち上げを続けながら、細々と改良しつつ、磨きをかけていけばいい・・・。
なんか寂しい話だが、それが現実というものだ。
宇宙開発総体としては、新しい技術のためのテストベッドということはあるし、スピンオフも期待できるが、ロケット開発だけみれば、そこから何かが出てくるというよりは、既にある技術を取り込むだけのような気もする(そうなのかあ?)。
ロケット使って発電したり、自動車を走らせたりするわけではないからな(ブラッドハウンドSSCとかありますけど)。
宇宙の軍事利用に道を開き、民需も取り込んで盛り上げようとしている我が国だが、世界では次々と新しい技術が生まれ、鎬を削る様相を呈している。
開発のスタイルも、安定した打ち上げを大前提にしたアプローチから、ある程度のリスクを取って、超高速開発する方法に変わりつつある。
キューブ衛星コンステレーションを安価に展開して、消耗品扱いする時代だ。
ロケットに金掛けている余裕はない。
生き馬の目を抜く打ち上げロケットの世界で、時間との競争に勝てなければ、脱落していくのは当然だろう。
それでも、やはり、宇宙に物を持ち上げるという困難さがある限り、安定した打ち上げというのは捨てがたい価値であることには違いない。
そこで生き残るしか、術はないのかもしれない。
結論から言えば、年に1回の官製打ち上げの需要はある。
予算が付いているからな。
打ち上げ費用を衛星側が持つという意味での、民間需要を取り込むことは難しいのではないか。
理由は2つ。
一つは、衛星の小型化が、予想を超えて進展し、それを打ち上げられるエレクトロンのような小型ロケットが台頭してきつつあるということ。
もう、キューブサットで十分なのではないか。
或いは、小型ロケットで好きな時に上げられればいいのではないか。
もう一つは、開発期間が長く続き、仕上がった時には市場は変化してしまっているということ。
今後、1段目の固体ロケットモーターが生産中止になり、H3のブースターと共用されることになるらしいが、その開発で時間が掛かり、商用打ち上げになるのは2020年代半ば頃だろう。
その時点での打ち上げコストは、30億円程度と見込まれている(現在は、開発モードなので約50億円)。
SSOに600kg程度の打ち上げ能力は、なんか中途半端な感じだ。
それで30億円。
ちなみに、エレクトロンは、150kgで6億円くらいで上がる(たぶん)。
量産化が軌道に乗れば、毎週打ち上げが可能となり、コストはさらに下がるだろう。
高い冶金技術が必要とされるターボポンプの部分を、電動モーターであっさり回避して、3Dプリンターでロケットエンジンを作り、側はカーボン製で軽量化を計るというスマートなロケットだ。
もっとすごいライバルは、もちろん、ファルコンシリーズだな。
今度打ち上げられるSpaceflight SSO-Aは、64倍機の衛星(小型衛星15機を含む)を、たぶん、60億円くらいで上げる。
コスパは、最高だろうな。
インドのロケット(PSLV)やロシアのロケット(ソユーズ)なら、使い捨てながら同等のコスパを発揮できるに違いない。
打ち上げ機会、価格重量比のいずれをとっても、市場のニーズに合わなくなる。
やれやれ・・・。
もちろん、ぴったりしたニーズに嵌る衛星があれば、その打ち上げに特化して最適な解を得ることは可能だ。
官製打ち上げは、まさにそれそのものということになる。
衛星側の需要ではなく、ロケットの能力に合わせた衛星開発になるからな。
イプシロンを残置するための衛星だ。
まあ、それのどこが悪いという話はある。
自前のロケットを持つという、いわば見栄の張り合いみたいな話は、ロケット先進国は何処でも持っている。
我が国には、H2Aという立派なロケットがあって、それで十分じゃないかという話もある。
融通の利かない国策ロケットだから、研究者のオモチャ衛星を打ち上げてもらうには、使い勝手が悪い。
イプシロンは、そういう衛星のためのロケットだ。
それで生き残れば十分じゃないかというわけだな。
無理して民需を取り込んで見せなくても、年に1回の打ち上げを続けながら、細々と改良しつつ、磨きをかけていけばいい・・・。
なんか寂しい話だが、それが現実というものだ。
宇宙開発総体としては、新しい技術のためのテストベッドということはあるし、スピンオフも期待できるが、ロケット開発だけみれば、そこから何かが出てくるというよりは、既にある技術を取り込むだけのような気もする(そうなのかあ?)。
ロケット使って発電したり、自動車を走らせたりするわけではないからな(ブラッドハウンドSSCとかありますけど)。
宇宙の軍事利用に道を開き、民需も取り込んで盛り上げようとしている我が国だが、世界では次々と新しい技術が生まれ、鎬を削る様相を呈している。
開発のスタイルも、安定した打ち上げを大前提にしたアプローチから、ある程度のリスクを取って、超高速開発する方法に変わりつつある。
キューブ衛星コンステレーションを安価に展開して、消耗品扱いする時代だ。
ロケットに金掛けている余裕はない。
生き馬の目を抜く打ち上げロケットの世界で、時間との競争に勝てなければ、脱落していくのは当然だろう。
それでも、やはり、宇宙に物を持ち上げるという困難さがある限り、安定した打ち上げというのは捨てがたい価値であることには違いない。
そこで生き残るしか、術はないのかもしれない。
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