変異種:漠然と感じている不安の正体:従来の感染防御の常識が破られる可能性:当局の極端な対応が示唆する危機2020年12月29日 11:53

変異種:漠然と感じている不安の正体:従来の感染防御の常識が破られる可能性:当局の極端な対応が示唆する危機


(変異種、新たに女性感染 英から帰国、初の検疫すり抜け―新型コロナ)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122700290&g=soc

「新型コロナウイルスに感染した英国滞在歴のある50代女性から、英国で流行しているのと同様の変異種が確認された」

この記事自体は、既に2日前で、やや旧聞に属する。

どーってことないと、流して読んだ記事だが、なーんか引っ掛かっていたけど、昨夜書いた与太ブログを読み返していて、その理由が分かった。

「不特定多数との接触はなく、濃厚接触者もいない。」

濃厚接触者って、なんだっけ?。

(問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どんなことに注意すればよいでしょう。)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-3

「濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さ」

「必要な感染予防策をせずに手で触れること」(接触感染)

「対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合」(飛沫感染)

ここでは、エアロゾルによる空気感染(飛沫核感染)の可能性については、とりあえず考えないでおく。

で、ポイントは、この濃厚接触者の定義そのものが、現行のイタリア産流行種に関連して定められたものだということなわけだ。

つまり、感染性が増強された(かもしれない)変異種に適用していいかどうかは、???な条件ということになる(そうなのかあ?)。

潜伏期間の知見を基に定められた14日間の停留(ホテル待機)にしてもそうだろう。

変異の特性が明らかにならない状況では、現行種の基準を適用せざるを得ないわけだが、それでいいとするのは間違っている。

破られるかもしれないし、その際の拡散速度は想定外の可能性がある。

発症前2日間の感染力が最も高いと言われているが、それだって分からない。

無症候性キャリアによる感染拡大が、新型コロナへの対応を難しくしている最大の要因だが、その特性に対する影響も懸念される。

先の感染者が、英国からの航空機内で山ほどばら撒いているかもしれないし、その感染者は検疫をすり抜けて市中に散っているわけだから、たまたま現行の基準で引っかかってくれたラッキーな話なだけかもしれないのだ。

「感染初期は抗原量が上がっていないので、(陽性でも)結果が陰性になってしまうことがある。そのために、帰国後2週間の自宅などでの待機をお願いしている。今回はこの制度が効いたケースだと理解している」

厚労省担当者の認識は、文字通りの意味においてのみ正しい。

だから現行の検疫が水際対策として十分、とは言えないのだ。

制度の網をすり抜けるケースはいくらでもある。

今回のケースにおける濃厚接触者でない接触者が感染し、特定されている接触者から市中感染しているケースがないとは限らない。

変異種の特性は未解明だ。

未解明ということは、経験値を直ちに適用できないということなわけだ。

濃厚接触者の基準は、有体に言って意味がなくなっている。

当局は、そのことは分かっている。

しかし、基準を変更するにはエビデンスが必要だし、それには時間がかかる。

何か月もかかって、ようやく定着しつつある基準をコロコロと変えれば(変えてますが)、市民の混乱を助長するしな(してますけど)。

確認しておこう。

現行の基準は全て、現行種の知見に基づいたもので、変異種にたいして十分かどうかの裏付けはない。

100パーセント完全なバリアーは、無期限にP4施設にでも隔離するしかないだろう。

そうでない限り、どんな基準を定めても、それは必ず破られる運命にある。

全世界からの外国人の入国を遮断したといっても、11か国は例外だし、邦人の帰国は認めている。

14日間の停留(自己隔離)で十分なのかどうか、機内で感染したかもしれない未発症者が、(変異種基準で)濃厚接触せずにいるかどうかは分からないのだ。

浮沈子は、変異種にたいして、濃厚接触を含む現行基準が機能しない合理的懸念があると考えている。

マクロンが、当初、物流を含む全面的鎖国を展開した理由もそこにある(たぶん)。

物は人が運ぶからな。

どんな基準を適用しようが、そこには必ず穴が開く。

感染症はアリの一穴で瞬く間に広がる。

我々は、現実の世界の中で、完全なバリアーを張ることはできない。

感染力と不完全なバリアーとのせめぎあいの中で、現実の感染が起こり、流行が消長する。

傾向と対策は、この事実の上に立ってのみ意味を有する。

イタリア産変異種である現行種は、武漢産の変異種(人間に感染する大変異を獲得したヒーロー?)に対して張られたバリアー(中国からの渡航禁止)を破って、米国のバックドアを蹴破り、我が国へは欧州からの帰国者によって持ち込まれ、瞬く間に全世界に広がった。

そう、我々は、既に変異種対応に失敗しているというのが動かし難い経験則なのだ。

新型コロナウイルスの変異は、概ね害も益もないというのは正しい。

しかし、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。

現に、少なくとも2回は、正鵠を得ている。

N501Yや欠失69-70の変異が致命的かどうかは、まだ分からない。

可能性は小さい(天文学的?)が、感染のパターンが極端に変わる可能性もある。

その特性に注目し、バリアーのレベル(各種基準)を不断に見直して対策を続けなければならない。

新たな変異種によって、新型コロナ2.0(3.0かも)の時代が開いたのかどうかは、もう暫くすれば分かる。

年明けくらいには、時間稼ぎをしていたワクチンの効きに関するデータが出るだろうからな(少なくともファイザー/ビオンテックのトジナメランはその時期の予定だ)。

だんまりを決め込んでいる米国CDCから、初の変異種流入に関する発表があるかも知れない(北米ではカナダの市中感染が確認されている)。

まあいい。

今朝は体調が優れず、年内最後のフィットネス(明日から休み)に行きそびれている。

体温は、35.4度と、浮沈子にとっては平熱だ。

50代で持病持ちの現職国会議員が、検査前に急死したしな。

他人事じゃない気がする。

中国は、武漢産の変異種に対しては、強力なロックダウンを掛けて制圧に成功した。

今のところ、イタリア産変異種の蔓延には至っていない。

単に流行に乗り遅れているだけなのか(!)、水際対策が奏功しているのかは知らない。

我が国とのビジネス交流は続けるようだから、時間の問題かもな・・・。

<以下追加>----------

(コロナ変異ウイルス拡大 イギリスの感染者 1日4万人超える)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201229/k10012789151000.html

「イギリスのイングランドの南東部などでは今月20日から外出制限を含む厳しい措置が始まり、26日には対象となる地域が広がりました。」

外出制限を掛けても、検査結果が出るまでのタイムラグとか、潜伏期間とか、家庭内感染などにより、一定期間増加が続くというのはあり得る話だ。

「国家統計局によりますと、今月中旬以降、ロンドンを含む南東部では感染が急速に拡大していて、これらの地域では、変異ウイルスが確認される割合は、従来のウイルスの2倍以上となっています。」

これだって、たまたま、変異ウイルスのクラスターが卓越しているだけの話かもしれないしな。

疫学的な現象が、ウイルス学的変異の反映かどうかは、確かに断言できない。

しかし、こうしてメジャーなメディアに露出されれば、そういう常識的な話とは別に、「何か因果関係があるのではないか」という印象操作を起こすことは間違いない。

11か国を除く全世界からの外国人の入国禁止にしても、日本人帰国者はOKだし、その際の停留期間は現行流行種と同じだ。

朝日は、実効性が乏しい政治的パフォーマンスと断じている(そうなのかあ?)。

(支持率急落中の首相方針 変異型対応「振れ幅大きすぎ」)
https://www.asahi.com/articles/ASNDX7421NDXUTFK00B.html

「全世界対象の変異種対応は、国際的にみても異例とされる。コロナ対応で「後手に回っている」と世論から批判されるなか、官邸主導で下した政治判断だった。」

たぶん、厚労省は11か国の例外とか、帰国日本人の扱いについても進言したんだろうが、外務省辺りに反発食らったのかもしれない。

「今の対応を続けても来年2月には感染者がさらに増える」

確定した未来だな・・・。

<さらに追加>----------

(ウイルス検査不要に 中韓など11カ国・地域から入国時:11月1日の記事)
https://www.asahi.com/articles/ASNC16TK2NC1UDCB00B.html

「11カ国・地域からの入国者の空港でのウイルス検査が不要になった。」

中国、韓国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、豪州、ニュージーランド。

「入国翌日から14日間の待機と公共交通機関を使わない移動の要請は従来と変わらない。」

11月からかあ・・・。

この記事を読んだ後に、次の記事を読むと味わいが深くなるな・・・。

(イギリスのコロナ変異種、ドイツでは11月から存在か)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/12/11-48.php

「英国で広がっている感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異種について、ドイツ紙ウェルトは28日、11月から同国内に存在していたとみられると報じた。過去の患者1人の検体から変異種が検出された。この患者はすでに死亡しているという。」

いや、英国は検査免除の11か国の対象じゃないしな。

理屈の上では安心だが、それはあくまで現行種に対する検疫基準の範囲の中での話だ。

ドイツが、EU内の移動について、どういう基準で対応していたのかは知らないが、変異種の拡散が以前から起こっていたことが裏付けられたわけで、変異種の検出はフォワードだけじゃなくて、リバース対応も必要だろう。

そんな態勢は一朝一夕には築けないからな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(英の新規感染、過去最多 変異種猛威、5万人超える)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020123000148&g=int

「英国は極めて危険な新段階に突入しつつある。強い感染力は、過去に効果があった対策が効かないことを意味する」

UCLのセンセは、浮沈子と同じ危機感を持っているのかも知れない。

過去に効果が合った対策、つまり、従来レベルのロックダウンを掛けても、効かないことがあるというわけだ。

個人でできる手洗い、マスク着用、社会的距離の確保で防げないとすれば、いったいどうしたらいいのか。

本当に、市民の外出を禁じるレベルのロックダウンを掛けたのは中国だけだろう。

人々の移動を絶対的に禁じる、緊急措置だ。

近所の店に生活必需品を買いに行くことも、健康のために短時間運動することもできない。

医療関係者と社会インフラを支える限られた業種だけが動ける非常事態だ。

あらゆる公共交通機関を止め、自家用車による移動まで規制し、国家が認めた移動だけを許可する。

武漢では、大量のタクシーを投入してその需要を賄った。

(いよいよ気化爆弾投下か、武漢中心部交通遮断、米国市民撤退準備進む急転直下の状況!?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/01/25/9206446

「6000台の無料タクシーだって、人だけを乗せて運ぶとは限らないしな。
トランクの中に、爆弾を仕込んで、市内適所に配置するには最適な運搬手段かも知れない。
6000発くらい配置すれば、1000万都市を壊滅させるのに十分だろう・・・。」

浮沈子の妄想の逞しさに、我ながら呆れる・・・。

アウトブレイク(映画)の印象が強すぎるからな。

そういえば、ロンドンにはタクシーがひしめいているだろうしな。

(世界一難しい!? ロンドンのタクシー運転手さんがすごい理由)
https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/21725/

「首都ロンドンだけでも2万台以上」

ほほう、意外に少ないな・・・。

中国並みのロックダウンは、やろうと思えばやれるわけだ(気化爆弾は積まないかも知れないけど)。

英国の状況から目が離せないな・・・。

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