ブロック42017年08月18日 21:38

ブロック4


謎のバージョンブロック4が、打ち上げられていた。

・ブロック1:エンジンの配置が田の字(バージョン1.0)
・ブロック2:エンジンの配置が花びら型(オクタウェッブ)(バージョン1.1)
・ブロック3:フルスラスト(FT):エンジン強化など(バージョン1.2)
・ブロック4:???
・ブロック5:最終型:エンジン強化など(再使用前提の設計)

そう、この前のファルコン9こそ、幻のバージョンだったわけだ。

(スペースX、最後の"新造"補給船を打ち上げ - ファルコン9ロケットも改良)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/08/18/dragon_crs12/

「ロケットはマイナー・チェンジ、「ファルコン9 ブロック4」に:
今回打ち上げられたファルコン9は、「ブロック4」(Blogk 4)と呼ばれる、改良型の1号機でもあった。」

「詳細は明らかになっていないものの、エンジンの装着部分の構造が変わった他、秋に初打ち上げが予定されている超大型ロケット「ファルコン・ヘヴィ」のブースターとして機体を再使用するため、機体構造などにも改良が加えられているとされる。」

ほう・・・。

センターコアだけでなく、ブースターも変更されているのか。

そうすると、いままで溜め込んでいた回収ブースターは、お払い箱になるということなのか。

「また、Koenigsmann氏によると、今回打ち上げた機体は新たに製造したものだったが、着陸脚のみ、以前の打ち上げで使ったものを再使用したという。」

着陸脚だけ再使用というのは、ちょっともったいないような気もするけどな。

まあ、フルスラスト(FT:ブロック3)は、いってみれば、1段目の回収を行う実験機の位置付けだから、回収後の再使用を前提にしたものではないのかもしれない。

「スペースXでは現在、ファルコン9の最終型となる「ファルコン9 ブロック5」の開発も進めており、ブロック4はその先行量産型のような位置づけとなる。」

「ブロック5ではエンジンの推力を上げるなどして打ち上げ能力が増すほか、耐熱シールドやフィンの素材の見直しなどによって、機体の回収や再使用が今より柔軟かつ迅速にできるようになるという。」

本命登場だな。

ファルコンヘビーは、単純に3本束ねるわけではないからな。

将来的には、燃料などをやり取りする仕組みも備えるかもしれない。

そうすれば、かなりな重量を、高い軌道に打ち上げられるようになる。

そんなファルコンヘビーの両翼を担うブースターを前提としたブロック4だったとは、露知らず・・・。

新品ドラゴンの最終打上げとともに、今回もチャレンジがあったわけだ。

「報告によると、第1段機体は着陸上のど真ん中に、それもきわめてゆるやかに着陸した」

回収自体も、徐々にソフィスティケートされているに違いない。

見えないところでの改良の積み重ねが、質的に異なる完成系へと飛躍していく。

そこで獲得した技術は、次の打ち上げロケットや宇宙機に反映されていくだろうし、全く新しい打ち上げシステムの制御にも生かされていく。

(H-IIAロケット35号機現地取材 - ヘリウム系統の問題は、シール部への異物付着が原因と特定)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/08/18/qzss3_5/

「ヘリウムガスの漏洩が見つかったのは、気蓄器(タンク)の封止プラグで使われていたシール部分」

「シールは金属製(耐熱合金にテフロンコーティングを施したもの)だが、ここに大きさ0.5mm程度の非金属の異物が挟まっており、そこからヘリウムが漏れていたようだ。」

「部品交換を行い、見つかった異物の成分を分析したところ、液体酸素/液体水素タンクに断熱材を貼り付けるための接着剤(エラストフォーム)であることが分かった。」

誰かの鼻くそじゃなかったわけだな。

「ヘリウム系統の点検は、飛島工場からの出荷前、種子島への輸送後、打ち上げ直前の3段階で実施しているが、最初の2回では、特に異常は見つかっていなかった。」

「その時点ですでに異物は挟まっていたはずだが、この理由については「良く分からないが、異物が非金属だったので、何らかの動きがあったのかもしれない」(平嶋氏)とのこと。」

うーん、怪しい・・・。

やっぱ、鼻くそだったんじゃねーのかあ?。

まさか、そう発表するわけにはいかないからな。

真実は、闇の中だ(そうなのかあ?)。

まあいい。

再打ち上げは、明日の午後から夜に掛けてだが、何にもチャレンジ的要素はないはずだから、是非とも成功させてもらいたいな。

「打ち上げ後にガスが抜けて失敗する可能性もあったが、それはちゃんと回避できた」

「1つ1つ確実丁寧に作業をして、打ち上げ成功を継続していきたい」

打ち上げ実績では、既にファルコン9に追い抜かれている。

失敗の数も、向こうの方が多い(2回ですが)。

そっちは、追い抜かれても問題はないけどな。

成功率では、H2Aの方が高いということになるが、ファルコン9は、早ければ来年には、H2Aの2倍の打ち上げ実績を上げることになるだろう。

以後の失敗がないとすれば、H2Aの成功率は、その時点でファルコン9に追い抜かれて、二度と追いすがることはない。

H3が登場して、実績を積めば、H2Aは引退に追い込まれるからな。

ファルコン9は、更なる改良が施される可能性はある。

大きな改良はないかもしれないが、細かいところは修正されるだろう。

また、ファルコンヘビーは、何回かの大改修を行う可能性がある。

推進剤クロスフィードや、2段目の回収などが考えられる。

完全再使用ロケットを目指して、衛星打ち上げロケットとして完成度を高めていくだろう。

ファルコン9や、ヘビーは、有人宇宙船の打ち上げに対応している。

H2Aは、もともとそういう設計にはなっていない。

それは、H3とか、その次の打ち上げロケットの仕事だ。

大きさや打ち上げ能力が似ているとはいえ、質的には異なるロケットなわけで、彼我の差は小さくない。

ましてや、再使用という技術は、今の時点では米国だけが持っている。

衛星打ち上げ能力を持つロケットの再使用に成功したのは、スペースシャトルとファルコン9だけだ。

FT改良型のブロック4の打ち上げに、あっさりと成功してしまったスペースX。

ドラゴン2のパワーランディングを諦め、裏切り者呼ばわりされたところだが(浮沈子だけかあ?)、見えないところで着々と地歩を固めているようだな。

前にも書いたが、躁鬱の気があるイーロンマスクのエキセントリックな発言とは裏腹に、この会社は意外なほど堅実で保守的だ。

技術の獲得のスピードが、めちゃくちゃ速いだけで、しっかりとプロセスを踏んでくるし、一見飛躍に見えるようなことでも、背後で経験を積んでいる。

そして、今回の打ち上げに見るように、毎回チャレンジし続ける。

少しは、まったりとした打ち上げがあってもいいようなもんだが、殆どそういう前例踏襲型の打ち上げはない。

「打ち上げ成功を継続していきたい」とかいう、三菱の目標は当たり前で、新規技術の開発の成功を継続している。

メタンガスを使うラプターエンジンがものになれば、マーリンDを換装することになるだろうし、まだまだ留まるところを知らない。

エントリーバーンで煤で汚れて着地するシーンも、見られるのは今のうちだ。

次回の打ち上げは、8月24日ということになっている(バンデンバーグ)。

台湾の衛星と、多数の小型衛星を射出するようだ。

さて、何かに期待したくなる浮沈子だが(不埒者め!)、まあ、表向き、成功を願っておこうか・・・。

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