魔法の弾丸2018年11月30日 00:57

魔法の弾丸
魔法の弾丸


ハフポストは、コンゴ北東部のエボラが、史上2位の感染者を記録したと報じている。

(The Ebola Outbreak In Congo Just Became The Second Largest Ever)
https://www.huffingtonpost.com/entry/ebola-democratic-republic-congo-outbreak-second-largest_us_5bfdf54be4b0d23c21379bd7

「コンゴ民主共和国でのエボラ流行は、世界保健機関(WHO)の統計によると、今や歴史の中で第2位です。アウトブレイクが8月1日に宣言されて以来、少なくとも242人が死亡している致命的な出血性ウィルスに感染した疑いが426人ある。」(自動翻訳のまま:以下同じ)

浮沈子がいつも見ているWHOのページではなく、フランス語版のグラフのページにリンクが張られている。

(MALADIE A VIRUS EBOLA EN RDC)
https://who.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/f9003796864241b99d21474025f3667e

「426:Cas confirmés et probables」

新たに4人の確定があり、2000年のウガンダの感染者425人を抜き去り、あっさりと2位の座に収まったが、1位(2万8千人超)になることはないだろう。

なっちゃ困るからな。

記事は、なかなかよく書けていて、米国目線だが多角的にとらえようとしている。

「対応策を整える以外には、アウトブレイクを消滅させる「魔法の弾丸」はない、と強調した。」

治験中の怪しげなワクチンはあるが、エボラに特効薬はない。

記事の中には、浮沈子の目を引く重要な指摘が含まれていた。

「Beniから30マイル以内に位置する限られたインフラストラクチャを持つ100万人の広大なコミュニティであるButemboの症例が増えれば、都市の広がりが広がるリスクが高まります。」

「MédecinsSansFrontièresは、エリア内の別のエボラ処理ユニットを開設することを検討しています。」

さっきのグラフをぐりぐりすると、ビュテンボの感染者は17人と出てくる(他に疑い2人)。

まだ使い方がよく分らないんだがな。

まあいい。

ビュテンボってどこよ?。

(Butembo)
https://en.wikipedia.org/wiki/Butembo

「2013年現在で670,285人の推定人口を持ち、北キブで2番目に大きい都市となっています」

「Nande部族によって人口の90%が集められています。民族連帯、保守的な道徳的基準、影響力のある指導者に支えられた部族です。」

ヤバいな。

MSFが、コミュニティと良好な関係を築けるかどうか。

ハフポストには、他にも気になる記述がある。

「エボラは歴史の中で初めて「風土病」になる可能性があることを心配している。」

浮沈子的には、西アフリカ地域での感染が収まったくらいだから、そこまでの懸念はないと思ってるんだがな。

CDCのお偉いさんが言ってるんだから、そういうことなのかもしれない。

「先週、地元住民は、スタッフが安全に埋葬できる代わりに、カトウ(正しくは、カトワ)の保健センターからエボラ被害者の感染性の高い体を回収した。」

くらくらと、めまいのような既視感に囚われる。

「この地域社会の抵抗は、カトウ(正しくは、カトワ)とButemboで過去数週間の傾向に関して最も盛んになっています。エボラ病患者と接触した数人の人々が予防接種やフォローアップを拒否し、彼らが病気をさらに広げた可能性があるとしている。」

さまざまなエピソードを目にしている現地のスタッフにすれば、表に出ている感染者は、氷山の一角に過ぎないと思えるだろう。

12月23日に行われる予定の、DRCの大統領選挙の影響も懸念材料の一つと指摘されている。

感染者は増え続け、新たな感染地での懸念は広がっているが、浮沈子的には、うっすらと別の懸念が見えてきた気がする。

ハフポストがリベラル系メディアであることを差し引いても、米国の一国主義がちらちらと見え隠れしている気がするのだ。

基本的に、アフリカのこの地域は欧州マターと考えられているからな。

リベリアの時は、歴史的な行きがかりもあって、古今未曽有の介入に踏み切ったんだろうが、あの時はオバマ政権だったしな。

ハッキリ言って、今回、米国が積極的に介入することはあり得ない。

どころか、既にCDCスタッフを、根こそぎ引き上げている。

12月の大統領選挙が終わり、ほとぼりが冷めるまでは、少なくとも政治的なリスクが伴う。

そして、その間も感染は広がり続けるだろう。

エボラには、大統領が誰かとか関係ないしな。

魔法の弾丸が発射されることはない。

現地での、身も心もすり減らすような地道な対応だけが、この流行を終息に導く・・・。

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